ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

WCS2019使用構築まとめ

アローラ!ユウキです。この挨拶をするのも最後かもしれませんね…
本記事ではWCS2019の1年間の取り組みを振り返り、各シリーズ毎に使用した構築をまとめておきます。
普段はあまり多くは記録に残さないのですが、2018の頃に結果が出た出ないにかかわらず記事にしておくと後で自分が振り返れることが良いと分かったので、今回はシリーズ中もブログ記事を随時書き溜めていました。
WCSも終わりひと段落したところからちょくちょく更新してましたが、以下に全部まとめます。

1.サンシリーズ

WCS2018が8月に終了して、9月からすぐにサンシリーズがスタートした。例年よりオフシーズンが少ないが、モチベーションは充分だったので早速取り組む。
ゲンシグラードン不在のこのルールでは水技が基本的に止まらない(グラードンを投げられても水技は無効化されず半減で通る上に、肝心のグラードンは水技が弱点であり何度も繰り出せない)ため、是非ともカイオーガを軸にしたいと考えていた。
相方の伝説を考えるにあたり七世代で初登場のソルガレオルナアーラネクロズマを一通り試した上で、すばやさ操作技を2種類覚えるルナアーラが最も感触が良かった。
特性が優秀でサポートなしで動かしやすい点に加え、「おいかぜ」からも「トリックルーム」からもカイオーガを通せる点から攻め方に柔軟性があるのが特長。ソルガレオや日食ネクロズマだと「トリックルーム」展開しかないので相手に対応されやすいが、ルナアーラなら選出段階から「おいかぜ」「トリックルーム」どちらで来るかを相手に絞らせない点が非常に強力。


【パーティ】
①ネオオーガ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ネオラント 臆病 こごえるかぜ みずびたし おいかぜ あまごい きあいのタスキ すいすい
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる しんぴのしずく あめふらし
カミツルギ 意地っ張り リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ みきり いのちのたま ビーストブースト
カプ・テテフ 控え目 サイコショック マジカルシャイン ムーンフォース きあいだま こだわりメガネ サイコメイカ
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ サイコショック おいかぜ ほえる ぼうじんゴーグル ファントムガード
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ おさきにどうぞ ウタンのみ さいせいりょく

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最初に使っていたパーティ。環境初期であったためか変なポケモンを使ってもかなり勝てた。ネオラントは後にも先にもここでしか輝けなかったと思う。
また、カイオーガだけでなくカミツルギがこのルールにおいて非常に強いことに気付いた。



②テテフライド+後発グラゼルネ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カプ・テテフ 控え目 サイコショック マジカルシャイン めざめるパワー(炎) ちょうはつ きあいのタスキ サイコメイカ
フワライド 臆病 こごえるかぜ くろいきり おきみやげ おいかぜ サイコシード かるわざ
ゼルネアス 控え目 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
グラードン うっかりや だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる いのちのたま ひでり
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ はたきおとす けたぐり とつげきチョッキ いかく
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな イカサマ くさむすび ウタンのみ さいせいりょく

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後発からゼルネアスを出すことにより、ゼルネアスメタの「ほえる」「ふきとばし」『レッドカード』を掻い潜るパーティ。
先発ですばやさ優位を取ってから後発グラゼルネを並べる発想自体は、今にして思えばウルトラの先発メガガルーラトルネロスから展開する「令和グラゼルネ」のような感じ。
ゲンシカイキしていないグラードンで「ふんか」を押すのが面白かった。



③ニャオグラゼルネ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
グラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ いわなだれ つるぎのまい まもる オボンのみ ひでり
ゼルネアス 臆病 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
ニャオニクス 慎重 ねこだまし あくび にほんばれ じゅうりょく メンタルハーブ いたずらごころ
ガオガエン 慎重 ねこだまし フレアドライブ じごくづき とんぼがえり フィラのみ いかく
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる イアのみ てんのめぐみ
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな おさきにどうぞ クリアスモッグ ウタンのみ さいせいりょく

ねこだまし」要員を2匹用意し、グラードンと先制「にほんばれ」もあることでゼルネアスのHPを維持しながら「ジオコントロール」を通して行きやすい。ニャオニクスの「じゅうりょく」がグラードンシナジーしており、ゼルネを雑に扱ってから後発グラで一掃を狙う。
逆に先発グラードンで無理やり地面を一貫させてクロバット等を排除してからゼルネアスを立てる展開も。



④ルナオーガスイッチS INC Nov.使用構築

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる しんぴのしずく あめふらし
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム カシブのみ ファントムガード
カミツルギ 陽気 リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ みきり いのちのたま ビーストブースト
カプ・コケコ 臆病 かみなり エレキネット しぜんのいかり フリーフォール とつげきチョッキ エレキメイカ
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ イカサマ ウイのみ さいせいりょく
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ でんじは イアのみ てんのめぐみ

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PJCSへの権利を賭けた最初の予選であるINC Nov.使用構築。
ネオラントを予選に持ちこむ勇気がなかったため、①のネオオーガから軸は流用しつつネオラントを抜いて改良を加えた。「みずびたし」コンボは狙えなくともカミツルギの攻撃性能の高さは健在。
27-2と高い勝率をマークし予選抜けラインに余裕で到達出来そうだったが、ボーダー読み違えにより早期撤退し過ぎて予選落ち。予選時点でのパーティの完成度と勝率としてはWCS2019の全シリーズ通して随一だったと思うだけに、自身のメンタルが原因で結果が出せず非常に残念だった。


2.ムーンシリーズ

サンシリーズにZが加わっただけなので、基本は同じ戦術が通用するのでは?と思った。
本質的にはサンシリーズの考え方の延長線上であると考え、そこにZを組み込む方針で多くの人がパーティを組むと予想。
私もまずはサンシリーズの予選で使ったルナオーガを継続して煮詰めてみることにした。


【パーティ】
①ルナオーガスイッチM ルカリオ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる しんぴのしずく あめふらし
ルナアーラ 臆病 シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
カミツルギ 陽気 リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ みきり いのちのたま ビーストブースト
カプ・コケコ 臆病 かみなり エレキネット しぜんのいかり フリーフォール とつげきチョッキ エレキメイカ
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ イカサマ ウタンのみ さいせいりょく
ルカリオ 陽気 インファイト このゆびとまれ てだすけ フェイント きあいのタスキ せいしんりょく

まずはサンのルナオーガスイッチのルナアーラにそのままZを持たせてみた形。
トゲキッスモロバレルでは初手「ねこだまし」+最速ルナZが無理になるので、〔せいしんりょく〕+「このゆびとまれ」のルカリオを採用してみた。ルカリオ自体は「ムーンライトブラスター」+「インファイト」で相手ガオガエンを倒し切れたり、「フェイント」や「てだすけ」もルナオーガとの相性は良く、好感触だった。しかし結局のところルナアーラミラーがあまりにも不毛だったので一度解散。



②ルナオーガスイッチM ガルーラ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる しんぴのしずく あめふらし
ルナアーラ 臆病 シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
カプ・コケコ 臆病 かみなり エレキネット しぜんのいかり フリーフォール きあいのタスキ エレキメイカ
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ イカサマ ウタンのみ さいせいりょく
ガオガエン 生意気 ねこだまし フレアドライブ バークアウト とんぼがえり フィラのみ いかく
ガルーラ 意地っ張り ねこだまし すてみタックル ふいうち けたぐり たつじんのおび きもったま

ルナオーガ軸の課題であったルナアーラミラーの不毛さをどうにかして解決したいと考えた結果、ガオガエン採用だけでは足りなかったので〔きもったま〕ガルーラの採用に至った。ゴースト技を無効化可能な点、〔きもったま〕「ねこだまし」でルナアーラを止められる点、「ふいうち」で〔ファントムガード〕が削れたルナアーラを縛れる点でかなり優秀で、対ルナアーラではほぼこちらの有利な展開に持って行くことが出来た。メガガルーラメガミミロップも未解禁のムーンシリーズの環境においてこの〔きもったま〕ガルーラはマークされることがないため有効な案であると感じていたが、相手ルナアーラを見た時にルナアーラガオガエン、ガルーラの3枠が駆り出されて選出枠がきつい点や、素ガルーラの全体的な数値不足が否めなかった点から解散。



③グライベルヌケニン

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
グラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ じだんだ ほのおのパンチ かみなりパンチ こだわりハチマキ ひでり
イベルタル 控え目 あくのはどう バークアウト デスウィング まもる マゴのみ ダークオーラ
ヌケニン 寂しがり むしくい かげうち サイドチェンジ まもる きあいのタスキ ふしぎなまもり
カプ・コケコ 臆病 10まんボルト ほうでん ボルトチェンジ まもる デンキZ エレキメイカ
ガオガエン 慎重 ねこだまし フレアドライブ バークアウト どくどく フィラのみ いかく
ファイアロー 意地っ張り フレアドライブ ブレイブバード つるぎのまい まもる ヒコウZ はやてのつばさ

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サン予選にて日本人1位を記録したアカバさんのグラコケコヌケニンに興味が湧いたので自身でも使ってみようということで構築。
オリジナルはグラパルキアだったが、アルカナさんのグライベルにも興味があった上、Z解禁でルナアーラが絶対増えると思ったので、そこに刺さるイベルタルは環境的に強いはずだと踏んでハイブリッドの形にしてみた。
ハチマキグラードンのスピーディな頭数減らしと、バークアウトやどくどく、ヌケニンによる詰めがマッチしてなかなかの勝率を出せた。
ゼルネアスやフシギバナグラードンが重いという問題を最後の1枠で取り巻き含め解決するのが難しく、ギリギリまで考察を重ねるも満足行かずお蔵入り。イベルタルフシギバナグラードンに強めの枠だが、浮いているせいでエレキフィールド下でも「ねむりごな」が通ってしまうのが歯痒い。


④トゲトゲグラゼルネwithヒートロトム

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
グラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ いわなだれ つるぎのまい まもる ジメンZ ひでり
ゼルネアス 控え目 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
トゲデマル 陽気 ねこだまし アイアンヘッド ほっぺすりすり いかりのまえば とつげきチョッキ がんじょう
ガオガエン 慎重 ねこだまし フレアドライブ バークアウト とんぼがえり フィラのみ いかく
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ロトム 臆病 オーバーヒート 10まんボルト じこあんじ まもる ホノオZ ふゆう

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先発から展開して行くタイプのグラゼルネ。
ゼルネアスミラーを有利にするべく、トゲデマルを第二の「ねこだまし」要員として採用したのが特徴。
最後の枠は色々試した結果、グラゼルネ+炎のミラーを限りなく有利に進めるコマとしてヒートロトム採用に至った。
同系統のパーティに入っている炎枠のウルガモスファイアローリザードンヒードランに軒並み有利を取れて、思いついた時は我ながら天才だと思った。
勝率自体は良く、ギリギリまでINC Feb.の使用候補だった。
メインを⑤のテテフライドオーガ、サブをこちらにするつもりだったが、先に潜ったテテフライドの調子が良かったので結局両方オーガ軸で潜ることにしてこのパーティはお蔵入りした。ヒートロトムで結果残したかった・・・w



⑤雨乞いテテフライドオーガ INC Feb.使用構築

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カプ・テテフ 臆病 サイコショック ムーンフォース ちょうはつ スキルスワップ きあいのタスキ サイコメイカ
フワライド 臆病 こごえるかぜ くろいきり あまごい おいかぜ サイコシード かるわざ
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる ミズZ あめふらし
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム カシブのみ ファントムガード
カミツルギ 陽気 リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ はたきおとす とつげきチョッキ ビーストブースト
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな ヘドロばくだん イカサマ ウイのみ さいせいりょく

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INC Feb.使用構築。
グラゼルネが流行していたので、徹底的にメタったカイオーガ軸を組もうと思って考えた「スキルスワップ」「あまごい」入りカイオーガ軸。
先発ですばやさ操作をしてからカイオーガを着地させ上から「しおふき」を狙う。その際、相手がグラードン入りの場合はほぼ100%後ろからグラードンを投げて水技を半減しつつゼルネアスで「ジオコントロール」等のアドを取る動きを狙ってくるので、そこに「スキルスワップ」「あまごい」+「しおふき」を通して一気に持って行くプラン。
テテフとライドどちらがオーガと並んでもギミックが通せることからかなりの成功率を誇った。ルナアーラは先発ではなく基本は後発で出して、フワライドの「おいかぜ」が切れた後のすばやさ操作役を担う。また、相手のルナアーラに対して先発で出す役割も持たせたので『カシブのみ』を続投。結果的にカイオーガに『ミズZ』を渡すことが出来てパーティパワーが高まった。
前回の反省を活かしてメインサブ両方で参加登録した。メインが開幕21連勝で1782到達し好調だったが、1800チャレンジ以降運が下振れ続けてボーダーに届かず45戦が終わってしまった。めげずに明け方6時から同パーティにてサブの消化を始めるも、ほぼ負けずに1740に到達したところで朝9時になってしまい時間切れ。サブも充分な時間が確保出来ていればボーダーに載せられそうな勝率だったので、パーティ選択は間違っていなかったはず。


3.ウルトラシリーズ

ついにメガシンカゲンシカイキが解禁された。特にメガレックウザの解禁は待ち望まれており、今まで猛威を振るっていたグラカイが若干動きにくくなったり、ウルトラネクロズマも解禁されたことで素早い伝説枠が増えた。
とりあえず最初はムーンの延長から入り、徐々に他の要素も試していった。特にこのシリーズで一緒にタッグを組んだアカバさんとはかなりの数の構築を考案しては回し、楽しかった。


【パーティ】
①スキスワテテフライドオーガ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カプ・テテフ 臆病 サイコショック ムーンフォース ちょうはつ スキルスワップ きあいのタスキ サイコメイカ
フワライド 臆病 こごえるかぜ くろいきり スキルスワップ おいかぜ サイコシード かるわざ
ゲンシカイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり れいとうビーム あいいろのたま はじまりのうみ
メガミュウツー 臆病 サイコブレイク シャドーボール はどうだん スキルスワップ ミュウツーナイトY プレッシャー→ふみん
ゲンガー 臆病 シャドーボール ヘドロばくだん こごえるかぜ ちょうはつ ゴーストZ のろわれボディ
メガプテラ 陽気 いわなだれ フリーフォール ちょうはつ おいかぜ プテラナイト きんちょうかん→かたいツメ

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INC Feb.で使ったパーティをウルトラ仕様に改良したもの。グラカイのゲンシカイキに伴い、「あまごい」では天候を奪うことが出来なくなったのでフワライドの「あまごい」を「スキルスワップ」に。伝説枠にも「スキルスワップ」が欲しく、メガ枠も余っていたのでテテフとの相性も良いメガミュウツーY。
これにより基本選出4匹の内カイオーガ以外の全員に「スキルスワップ」が搭載されたのでゲンシグラードン後出しに一切隙を見せずに水技を連打することが可能なパーティになった。
残り2枠には、テテフライドが相手ルナアーラの初手に対して不利(「トリックルーム」を通されると負けるが「ちょうはつ」に攻撃技を合わせられても辛い)なので、初手ルナアーラを徹底的にメタる2匹を採用。
ルナアーラを〔ファントムガード〕貫通でワンパンする『ゴーストZ』ゲンガーと、ルナアーラの隣に何が並んでも絶対ルナアーラにゲンガーの攻撃を通せるように「フリーフォール」メガプテラの組合せを採用。これによりルナアーラ絡みにはほとんど相手のすばやさ操作を通させないままこちらのすばやさ操作を通せるようになり、このZゲン+メガプテラはお気に入りのサブギミックとなった。
グラードン入りには「スキルスワップカイオーガで勝ちを重ねられたものの、レックウザカプ・レヒレイベルタル入りを崩すのが厳しく、またパーティ全体が「まもる」ゼロの高速アタッカー集団であり一度隙を見せて「トリックルーム」を貼られたら即負けなのがピーキー過ぎて解散。



②京都オーガレック2019 Ver.Y

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カイオーガ 控え目 しおふき ねっとう れいとうビーム ふぶき こだわりスカーフ あめふらし
メガレックウザ 慎重 ガリョウテンセイ しんそく つるぎのまい まもる ロゼルのみ エアロック→デルタストリーム
カプ・レヒレ 臆病 ねっとう こごえるかぜ しぜんのいかり みずびたし カプZ ミストメイカ
ヌケニン 寂しがり シャドークロー かげうち サイドチェンジ まもる きあいのタスキ ふしぎなまもり
カプ・テテフ 控え目 サイコショック ムーンフォース シャドーボール サイドチェンジ エスパーZ サイコメイカ
カミツルギ 陽気 リーフブレード せいなるつるぎ はたきおとす みきり クサZ ビーストブースト

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ユウキがPJCS予選で使った形。
『こだわりハチマキ』レックウザ+「いかりのこな」モロバレルの組合せがきついことからカイオーガに「ふぶき」を採用。味方レックウザの〔エアロック〕で〔デルタストリーム〕を無効化して上からの「ふぶき」を当てて倒す作戦。
思いついてすぐアカバさんにゼルネレックのQRを使って練習に付き合ってもらい、当たればそのまま勝ち、外しても片方に当てていれば全然アドが取れるとのことで採用した。実際かなり有効な初見殺しになっていた。命中100信者の私が素「ふぶき」を採用したのは生まれて初めてだったが、ピンポイントでしか使わない技でかつ明確な採用理由があるため採用に至ったという、面白い経験だった(
カミツルギの枠は相手のレヒレを瞬殺する枠。「みずびたし」ヌケニンミラーでもレヒレヌケニン両方に打点があり刺さる。



③京都オーガレック2019 Ver.A

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カイオーガ 控え目 しおふき ねっとう れいとうビーム 10まんボルト こだわりスカーフ あめふらし
メガレックウザ 慎重 ガリョウテンセイ しんそく つるぎのまい まもる ロゼルのみ エアロック→デルタストリーム
カプ・レヒレ 臆病 ねっとう こごえるかぜ しぜんのいかり みずびたし カプZ ミストメイカ
ヌケニン 寂しがり シャドークロー かげうち サイドチェンジ まもる きあいのタスキ ふしぎなまもり
カプ・テテフ 控え目 サイコショック ムーンフォース サイドチェンジ まもる エスパーZ サイコメイカ
ガオガエン 生意気 ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり フィラのみ いかく

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アカバさんが全国大会PJCS2019で使用し、ベスト8になった形。
ラスト枠にガオガエンを入れたお陰で対レックウザが緩和され、カイオーガの「ふぶき」は不採用となった。
ガオガエン加入によりサイクルを回す中で中盤~終盤にカイオーガを立てる動きも可能になり、立ち回りの幅が広がった。
「みずびたし」ヌケニンは刺さっていても総合時間制だと不安があり、コンボ自体は狙えても敢えて狙わなかったとのこと。



④滅びグラカイ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
メガゲンガー 臆病 シャドーボール めざめるパワー(水) ほろびのうた まもる ゲンガナイト のろわれボディ→かげふみ
ガオガエン 生意気 ねこだまし フレアドライブ とんぼがえり まもる フィラのみ いかく
ゲンシカイオーガ 控え目 しおふき ねっとう れいとうビーム まもる あいいろのたま はじまりのうみ
ゲンシグラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ ほのおのパンチ ドラゴンクロー まもる べにいろのたま おわりのだいち
カプ・コケコ 無邪気 ワイルドボルト マジカルシャイン ボルトチェンジ まもる フェアリーZ エレキメイカ
テッカグヤ 慎重 ヘビーボンバー やどりぎのタネ てっぺき まもる たべのこし ビーストブースト

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命中・読みの要素を排除し安定した勝利を目指して滅びメガゲンを軸にしたパーティを考察。
伝説枠には〔かげふみ〕と相性が良いグラカイが両方入ってきた。殴る選出も滅びを狙う選出も可能で面白いパーティだった。
メガゲンガーへの依存度が高過ぎてゲンガーを早々に失うときついことや、ゲンガーミラーのスマートな回答が見つからないことからお蔵入り。
(相手のゲンガーに強いスカーフサザンドラ等色々試したがまとまらず)



⑤ヤッテキ型オーガレック

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ゲンガー 冷静 シャドーボール ヘドロばくだん まもる トリックルーム きあいのタスキ のろわれボディ
ゲンシカイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう れいとうビーム まもる あいいろのたま はじまりのうみ
メガレックウザ 勇敢 ガリョウテンセイ しんそく だいちのちから まもる いのちのたま エアロック→デルタストリーム
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり ガオガエン いかく
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
アマージョ 意地っ張り パワーウィップ とびひざげり てだすけ フェイント カクトウZ じょおうのいげん

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きあいのタスキ』ゲンガーで「トリックルーム」するオーガレックが強いとの記事を見て真似したパーティ。
これまで何度かレートで遭遇することがあったが、初見でパーティが分かっていないと対処が難しいと感じていた。
実際に使ってみると、面白いように勝てた。想定外の「トリックルーム」は強い。
当初は「トリックルーム」がなるべくバレないように、またwolfeのオーガレックの並びに偽装するために「フリーフォール」コケコ・ナットレイ・ガエンの並びだったが、「このゆびとまれ」がないと「ちょうはつ」やらが厳しかったので、初手の安定感を上げるためにトゲキッスを採用した。
ここでタスキゲンガー+ゴーグルキッスの初手が「このゆびとまれ」+「トリックルーム」か「おいかぜ」を相手によって柔軟に選択して行ける強い初手であることに気付く。



⑥トリルグラゼルネ

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ゲンガー 冷静 シャドーボール ヘドロばくだん まもる トリックルーム きあいのタスキ のろわれボディ
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ゲンシグラードン 勇敢 だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる べにいろのたま おわりのだいち
ゼルネアス 控え目 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり ガオガエン いかく
トリトドン 冷静 だいちのちから ねっとう れいとうビーム まもる ジメンZ よびみず

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タスキゲン+ゴーグルキッスの初手が強いのなら、オーガレック以外の伝説と組ませても強いのでは?という発想からグラゼルネを選択したパーティ。
パーティのメガシンカ枠がゲンガーのみで、通常はメガゲンガーを第一に警戒されることから、初手の「トリックルーム」展開が選出段階では読まれないのが強み。
また中速に集まっているグラゼルネは「トリックルーム」「おいかぜ」どちらとも相性が良く、想定以上の勝率を上げた。
特に「トリックルーム」を主軸に置いた後発グラゼルネの良いところはグラゼルネミラーで優位に立ちやすい点、トリルラストターン付近に立てる遅いゼルネアスが非常に強い点が挙げられる。
Bo3においても、初手「トリックルーム」の初見殺しで1本取った上で、2戦目以降は「おいかぜ」軸に切り替えたり、通常のグラゼルネとしても柔軟に立ち回れる「ねこだまし」「このゆびとまれ」という要素があるので、充分に戦えると思った。
個人的にはWCS2019本番へ持ち込んでも良いと思える完成度までは行ったのだが、アカバさん本人がゼルネアスの扱いが苦手という理由から泣く泣くお蔵入りした。
また、レートで何度か当たったRene()がこの『きあいのタスキ』「トリックルーム」ゲンガーがグラゼルネミラーの多くの問題を解決する点に感銘を受けたとのことで、タスキゲン入りグラゼルネを用いてDAY2に参戦していた。(彼の6匹はグラードン/ゼルネアス/ガオガエン/モロバレル/ボーマンダ/ゲンガー)



⑦京都ユウキトリパ2019 Ver.A

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ れいとうビーム まもる トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
ゲンシグラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ ほのおのパンチ みがわり まもる べにいろのたま おわりのだいち
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ツンデツンデ 寂しがり ジャイロボール いわなだれ みがわり トリックルーム いのちのたま ビーストブースト
メガミミロップ 陽気 ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ ミミロップナイト じゅうなん→きもったま
バルジーナ 穏やか イカサマ バークアウト はねやすめ おいかぜ ウイのみ ぼうじん

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アカバさんが実際に世界大会DAY2で使用した形。
グラードンが物理型なのはカイオーガに対して天候を取られても勝ち筋を残すため。
〔いかく〕や「まもる」意識でサブウェポンの枠に「みがわり」採用となっている。
トゲキッスルナアーラに「おいかぜ」を入れた方が強いと何度か勧めたが、本人は「まもる」が欲しいとのことで「おいかぜ」は不採用。バルジーナのみが「おいかぜ」要員を担う。
しかし世界大会終了後に『キッスかルナに「おいかぜ」があれば勝てた試合があって後悔してる』と仰っていたので、すばやさ操作手段はやはり多い方が良いとの結論に。
「おいかぜ」1つ、「トリックルーム」2つ。攻め一辺倒だけでなく、「はねやすめ」バルジーナによる詰めも狙えるのがワンポイント。



⑧京都ユウキトリパ2019 Ver.Y

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ れいとうビーム おいかぜ トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
ゲンシグラードン 冷静 ふんか ほのおのパンチ だいちのちから まもる べにいろのたま おわりのだいち
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール おいかぜ ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ツンデツンデ 寂しがり ジャイロボール いわなだれ みがわり トリックルーム いのちのたま ビーストブースト
メガミミロップ 陽気 ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ ミミロップナイト じゅうなん→きもったま
ミミッキュ 意地っ張り じゃれつく かげうち つるぎのまい トリックルーム ミミッキュ ばけのかわ

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私の中での結論形。
大きな差はルナアーラトゲキッスの「まもる」を切って「おいかぜ」を入れている点。これにより同選出でも「トリックルーム」展開、「おいかぜ」展開の好きな方を臨機応変に選べるようになり、攻めの幅が広がる。私は前のめりなパーティが好きなので常に上を取るプレイングを心掛ければ「まもる」切りは全く気にならなかったが、アカバさんには「まもる」採用の方が合っていたようで、ここはプレイヤーのスタイルによる。
グラードンの「だんがいのつるぎ」は個人的に全く信用していないので、特殊メインの二刀流にした。命中不安技のないゲンシグラードンは信頼性が高い。しかし特殊型だと雨になった場合の突破力が非常に残念なことになるため、対ゲンシカイオーガは気を遣う必要がある。そこで、バルジーナと比較してオーガレックイベルに強い打点を持つミミッキュを採用した。
ミミッキュも含めて全体的に攻撃的で、「まもる」が1個しかない点、「おいかぜ」2つ、「トリックルーム」3つと数多くすばやさ操作技を採用している点が特徴。やられる前にやれ、の理論。



【終わりに】
アローラ最後の公式ルールではシリーズが3つに分かれていたこともあり沢山の構築に触れることが出来、楽しい1年間でした。
これらの経験を自分の糧として、第八世代でも頑張りたいですね。
次はガラル地方で会いましょう!ノシ

京都ユウキトリパ2019 ~WCS2019 DAY2使用構築(使用者:アカバ)~

アローラ!ユウキです。
今回は、8月にアメリカ・ワシントンにて開催された世界大会WCS2019 DAY2にてアカバさん(@akiakaba)が使用したパーティの解説記事です。
2人で一緒に完成させたパーティなので、今回私が筆を執らせて頂きました。
私自身は今年は世界大会に参加することは叶いませんでしたが、一緒に世界大会用パーティを考えることにより、WCS2019という競技を長く楽しめたのは大変嬉しかったです。



【パーティ】
①京都ユウキトリパ2019 Ver.A(アカバ使用)

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ れいとうビーム まもる トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
ゲンシグラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ ほのおのパンチ みがわり まもる べにいろのたま おわりのだいち
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ツンデツンデ 寂しがり ジャイロボール いわなだれ みがわり トリックルーム いのちのたま ビーストブースト
メガミミロップ 陽気 ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ ミミロップナイト じゅうなん→きもったま
バルジーナ 穏やか イカサマ バークアウト はねやすめ おいかぜ ウイのみ ぼうじん

[pokepaste]https://pokepast.es/c966245dc061f0b4

アカバさんが実際に世界大会DAY2で使用した形。
グラードンが物理型なのはカイオーガに対して天候を取られても勝ち筋を残すため。
〔いかく〕や「まもる」意識でサブウェポンの枠に「みがわり」採用となっている。
トゲキッスルナアーラに「おいかぜ」を入れた方が強いと何度か勧めたが、本人は「まもる」が欲しいとのことで「おいかぜ」は不採用。バルジーナのみが「おいかぜ」要員を担う。
しかし世界大会終了後に『キッスかルナに「おいかぜ」があれば勝てた試合があって後悔してる』と仰っていたので、すばやさ操作手段はやはり多い方が良いとの結論に。
「おいかぜ」1つ、「トリックルーム」2つ。攻め一辺倒だけでなく、「はねやすめ」バルジーナによる詰めも狙えるのがワンポイント。



②京都ユウキトリパ2019 Ver.Y(ユウキ使用)
f:id:yuki_rotom:20191030214549p:plain

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ れいとうビーム おいかぜ トリックルーム ルナアーラ ファントムガード
ゲンシグラードン 冷静 ふんか ほのおのパンチ だいちのちから まもる べにいろのたま おわりのだいち
トゲキッス 図太い エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール おいかぜ ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ツンデツンデ 寂しがり ジャイロボール いわなだれ みがわり トリックルーム いのちのたま ビーストブースト
メガミミロップ 陽気 ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ ミミロップナイト じゅうなん→きもったま
ミミッキュ 意地っ張り じゃれつく かげうち つるぎのまい トリックルーム ミミッキュ ばけのかわ


私の中での結論形。
大きな差はルナアーラトゲキッスの「まもる」を切って「おいかぜ」を入れている点。これにより同選出でも「トリックルーム」展開、「おいかぜ」展開の好きな方を臨機応変に選べるようになり、攻めの幅が広がる。私は前のめりなパーティが好きなので常に上を取るプレイングを心掛ければ「まもる」切りは全く気にならなかったが、アカバさんには「まもる」採用の方が合っていたようで、ここはプレイヤーのスタイルによる。
グラードンの「だんがいのつるぎ」は個人的に全く信用していないので、特殊メインの二刀流にした。命中不安技のないゲンシグラードンは信頼性が高い。しかし特殊型だと雨になった場合の突破力が非常に残念なことになるため、対ゲンシカイオーガは気を遣う必要がある。そこで、バルジーナと比較してオーガレックイベルに強い打点を持つミミッキュを採用した。
ミミッキュも含めて全体的に攻撃的で、「まもる」が1個しかない点、「おいかぜ」2つ、「トリックルーム」3つと、素早さ操作技を多く採用している点が特徴。グラードン以外全員が味方への素早さサポートを行える。やられる前にやれ、の理論。



QRレンタルパーティ】
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-4A46-A3D7
Ver.Aに世界大会での反省点等を踏まえつつ、レーティング向けに手を加えた形をアカバさんが公開。



【WCS2019に向けての取組み】
アカバさんの世界大会参加の意思決定後、既存のオーガレックを改善して持ち込む案も含めてかなりの数の構築を2人で検討した。
途中どんな構築タイプを試したかについてはこれまでの記事を参照。
没となった構築の中にも本構築に採用された要素や参考になった考え方があり、どれも無駄ではなかったと言える。
先にこちらに目を通して頂けると理解度が深まると思うので、是非お読み頂きたい。


参考:WCS2019使用構築まとめ
https://yuki-rotom.hatenablog.com/entry/2019/10/31/110055



色々な案を経て、最終的に採用に至ったのはルナアーラゲンシグラードンのトリパ。
以下、本記事で紹介する「京都ユウキトリパ」の構築経緯、構築変遷について詳しく触れて行く。



【構築経緯】
■ツンデエースのトリパ
PJCS2019にて準優勝した、たくろーさんのトリパが印象的だった。特に『いのちのたま』「みがわり」ツンデツンデが強そうだったので使ってみたいというところから、ツンデツンデをエースとしたトリパを構築することに。


■「このゆびとまれ」要員の選定
トリックルーム」を決めるためのサポートとしての「このゆびとまれ」要員はトリパには必須であると考えている。他の候補パーティでも度々採用していた『ぼうじんゴーグルトゲキッスが綺麗にハマりそうだったので、採用。トゲキッスの利点は以下。

・「いかりのこな」と違い草タイプの攻撃もしっかり吸える
・「おいかぜ」を覚えるので取り巻きによってはスイッチ展開も狙える
ツンデツンデの4倍弱点である地面、格闘を無効、1/4という低負担で吸い寄せられるので、うまく並びを作れると強力
・催眠対策が可能(『ぼうじんゴーグル』)


■伝説「トリックルーム」要員の選定
ツンデツンデも「トリックルーム」を覚えるが、ツンデツンデをエース運用する上でなるべく攻撃回数を稼がせたいためあまり初手からダメージを蓄積させたくない点、また後出しや死に出しで出す方が〔いかく〕を貰いにくい点から、基本的には別のキャラで「トリックルーム」を展開してからツンデツンデを出して、スムーズに攻撃に参加させたい。
基本選出に組み込みやすくなるよう伝説枠から選びたいので、今回はルナアーラを選択。
月食ネクロズマと比較した利点は「おいかぜ」を覚える点と、素早さが高く「トリックルーム」へ依存せずともある程度立ち回れる点。また特性も優秀で、サポートなしで動ける範囲が広い。


■相方の伝説の選定
次に伝説枠2匹目の選定だが、ここにはツンデツンデが苦手な水や鋼に強くなれるゲンシグラードンが入った。「だんがいのつるぎ」「ふんか」等の強力な全体技を持ち、「トリックルーム」エースとしても「おいかぜ」エースとしても扱える絶妙な素早さを持ち、サポートを受けて攻撃するアタッカー枠としては申し分ない性能。


ルナアーラ/トゲキッス/グラードン/ツンデツンデの4枠をひとまず固定とし、残り2枠の検討を重ねた。


■残り2枠に求める要素
・「ねこだまし」:「このゆびとまれ」以外での「トリックルーム」サポートも欲しい
・「てだすけ」:面倒なカプ・レヒレを「てだすけ」+「ムーンライトブラスター」で一撃で倒すギミックを入れたい
メガシンカ
・素早さ操作
・対ルナアーラ性能:ミラーに不安しかないので補強したい
・対イベル性能:ルナに強い上にグラの地面技も無効でかなり厄介なのでイベルに強い枠が欲しい
・対オーガレック性能:水耐性をグラードンの特性に依存しているのでレックウザ+水技がそもそも厳しい


このあたりを補完出来るような2枠の組合せを色々試した。
実際にこの軸に決めてからの検討は8/1~12の短期間ではあったが、2人で意見交換しながら様々な可能性を模索した。



【残り2枠変遷】
①ルカサザン
ルカリオルカリオナイト 〔せいぎのこころ〕→〔てきおうりょく
コメットパンチ インファイト このゆびとまれ てだすけ

サザンドラきあいのタスキ 〔ふゆう〕
あくのはどう だいちのちから(りゅうせいぐん) おいかぜ まもる


メガルカリオは〔いかく〕込でも〔てきおうりょく〕「インファイト」でガオガエンをワンパン可能なため、ルナアーラと並べて強いメガ枠。「てだすけ」も覚えたり「このゆびとまれ」サポートも出来るので噛み合いが良かった。またメガ前の特性〔せいぎのこころ〕により「バークアウト」を誘いにくかったり悪技を読んだ後出しで火力を上げられたり出来るのも地味に強く、イベルタルにも気持ち強く出られる。
サザンドラは対ルナ、イベル、オーガレック性能を持つ「おいかぜ」要員。浮いておりグラードンに強い点も高評価だった。


攻撃的な並びを維持しつつサポートにも回れるメガルカリオの感触は悪くなかったが、サザンドラ選出時にルナアーラ入りに全然勝てなかったので解散。
特にルナアーラの隣にいるコケコ等から干渉を受けてしまうので相手ルナアーラに強いコマとして扱いきれず。特にルナコケコ相手に「おいかぜ」で張り合おうという考えが間違いで、サザンドラでは「フリーフォール」「エレキネット」コケコ+最速「おいかぜ」ルナアーラが依然無理だったので別ルートを取れるように改善が求められた。



②ルカ襷ゲン
ルカリオルカリオナイト 〔せいぎのこころ〕→〔てきおうりょく
コメットパンチ インファイト このゆびとまれ てだすけ

■ゲンガー@きあいのタスキ 〔のろわれボディ
シャドーボール ヘドロばくだん まもる トリックルーム


ルナコケコに「おいかぜ」ではなく「トリックルーム」を展開したいが、「フリーフォール」コケコ+最速『ルナアーラZ』ルナアーラの並びには既存のキャラでは「トリックルーム」選択が不可能なので『きあいのタスキ』ゲンガーで無理やりトリルすることにした。中速で「おいかぜ」との相性も悪くない。
イベルタルガオガエンが重かったり、トリル成功しても結局ルナアーラ入りに負けたり、オーガレックに勝てず解散。



③ブラキウツロ
ブラッキー@ウイのみ 〔せいしんりょく〕
イカサマ バークアウト てだすけ つきのひかり

ウツロイドきあいのタスキ 〔ビーストブースト〕
パワージェム ヘドロばくだん まもる トリックルーム


レートで見かけて強かったブラッキーを採用してみた。「てだすけ」要員、対ルナ、イベル、オーガレックに万遍なく活躍してもらうつもりだった。グラードンとの並びで撃つ「つきのひかり」が理論上強い。
・悪半減、高耐久によりイベルタル絡みにも殴り合える(取り巻きにもゼルネ以外には高速処理されないのが〇)
・低い攻撃、「イカサマ」「バークアウト」「つきのひかり」によりイベルタルとのタイマンでほぼ勝てる
・オーガレックにも高耐久で行動が出来、それぞれ「バークアウト」「イカサマ」で有効打を持てる
と、強い要素はかなりあった。
ブラッキー採用によりゼルネアス等フェアリーに隙が増えたのでもう1匹はすばやさ操作が可能な毒タイプが良かったが、ゲンガーだとガオガエンが重かったのでガオガエンに強めなウツロイドを採用。役割はゲンガーとほぼ同じだが、高い特殊耐久や岩技が役に立ってウツロイド自体の使用感はかなり良かった。
一方でブラッキーは耐久は高いが火力がない上、素早さ操作を持たないため隣との強い並びを作るのに苦労し、結局ブラッキーを放置されてから2vs1や3vs1でやられる展開が多く、解散。



④バルジウツロ
バルジーナ@ウイのみ 〔ぼうじん〕
イカサマ バークアウト おいかぜ はねやすめ

ウツロイドきあいのタスキ 〔ビーストブースト〕
パワージェム ヘドロばくだん まもる トリックルーム


若干腐りやすかったブラッキーを「おいかぜ」で素早さ操作可能なバルジーナに差替え。ブラッキーと比較して耐久値は少し下がる点、「てだすけ」を覚えない点、「ねこだまし」で怯む点はデメリットだが、それを補って余りあるメリットが「おいかぜ」にはあると思えた。特にグラードンを立てたい時にブラッキーよりも明らかにサポート性能が優れていると感じた。「はねやすめ」回復量は天候に左右されないのも対オーガレックやオーガイベルを考慮するとメリットとも言える。また浮いているので対グラードン性能はブラッキーよりも上。このパーティならブラッキーよりバルジーナの方が合っていると感じた。
ウツロイドはスイッチとの相性も良く、ある程度雑に扱えるトリル要員としても活躍していたが、良く考えると役割対象が完全にツンデツンデと被っておりツンデツンデの選出機会を減らしていた上、ルナアーラミラーで若干の不安が残っていたり「てだすけ」「メガ枠」「ねこだまし」あたりが補い切れていないのが気になった。



⑤バルジミミロ
バルジーナ@ウイのみ 〔ぼうじん〕
イカサマ バークアウト おいかぜ はねやすめ

ミミロップミミロップナイト 〔じゅうなん〕→〔きもったま〕
ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ


ルナアーラミラーの不安解消、「てだすけ」「メガ枠」「ねこだまし」要員としてウツロイドを抜いてミミロップを導入。〔きもったま〕+「ねこだまし」と「おさきにどうぞ」によりルナアーラミラーの勝率が跳ね上がり、メガ枠かつ「ねこだまし」要員であるため先発起用率も高く、メガミミロップはパーティと非常にマッチすることが分かり、以降スタメンに。
特に「ねこだまし」と「おさきにどうぞ」が偉く、「このゆびとまれ」も含めて3通りの「トリックルーム」補佐が出来るようになり、状況に応じて使い分けられるのはBo3を見越しても強い要素となる。
アカバさんはこの並びを世界大会DAY2に持ち込んだ。



⑥エルフミミロ
エルフーン@フェアリーZ 〔いたずらごころ
ムーンフォース くさむすび アンコール おいかぜ

ミミロップミミロップナイト 〔じゅうなん〕→〔きもったま〕
ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ


バルジーナでオーガレックにあまり勝てなかったので対オーガレック要員を検討する上で、「おいかぜ」が出来てオーガ、レックに打点のあるエルフーンに注目。バルジーナが担っていた対イベル絡みも問題なく有利。
しかし配分が難しく、CSベースにしないとメガレックウザを上から「ムーンフォースZ」で倒せないが、そうするとカイオーガの「れいとうビーム」で一撃で倒れる耐久しかなくて不安定なのが気に入らず、没。



⑦ミミミミロ
ミミッキュミミッキュZ 〔ばけのかわ〕
じゃれつく かげうち つるぎのまい トリックルーム

ミミロップミミロップナイト 〔じゅうなん〕→〔きもったま〕
ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ


イベルタル、オーガレック性能を維持したままエルフーンよりも行動保証があるミミッキュを採用。〔ばけのかわ〕により広く行動が許され、味方の「おいかぜ」「トリックルーム」どちらとも相性が良い素早さを持ち、自身も「トリックルーム」要員となれる。
専用Zと〔ばけのかわ〕の圧力によりイベルタルカイオーガレックウザとの対面を有利と捕えやすく、そこから「つるぎのまい」に繋げて崩し切る動きが強力だった。
ミミッキュに鋼タイプへの打点が不足しているため、ナットレイテッカグヤ入りのオーガレックがかなり厳しい点が課題だったが、私の中での結論はこの並び。



⑧ミミロサンダー
■サンダー@デンキZ 〔プレッシャー〕
10まんボルト ねっぷう みきり おいかぜ

ミミロップミミロップナイト 〔じゅうなん〕→〔きもったま〕
ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ


ミミッキュが抱えていた鋼への打点不足を解消しつつ、イベルタルカイオーガへの打点と「おいかぜ」による素早さ操作を可能なサンダーを採用。レックウザへの打点は不足するが、相手からも打点を持たれにくいので殴り合いに持ち込みつつこちらだけ「おいかぜ」で素早さ優位を展開出来る。
テッカグヤナットレイにも打点があるのは偉いが、やはりレックウザの処理が遅いことがネックとなった。




【個別解説】
ルナアーラルナアーラZ 〔ファントムガード〕
(アカバ)控え目 217-**-110-207-128-144
(アカバ)シャドーレイ れいとうビーム まもる トリックルーム

(ユウキ)控え目 213-**-109-207-127-149
(ユウキ)シャドーレイ れいとうビーム おいかぜ トリックルーム


●技構成
シャドーレイ
高威力、高い一貫性を持つメインウェポン。Zワザのベースとしても。特性無視の効果はたまに重宝する。

れいとうビーム
グラードンツンデツンデと組ませるにあたり、レックウザランドロスボーマンダへの打点が増えると嬉しいので採用。初見で想定されにくいのも利点。地味な所では通常は手が出せないイベルタルバルジーナへの打点にもなる。

・まもる(アカバ
〔きもったま〕「ねこだまし」の対策や、大事に扱って任意の並びを作るために採用。

・おいかぜ(ユウキ)
攻めのパターンを増やすために採用。特にガオガエンモロバレル入りには「トリックルーム」を選びたくないが隣のレックウザ等には抜かれていて困る、という場面は多く、そのような場面で選べる「おいかぜ」があることで立ち回りの幅が広がった。無論「トリックルーム」との両立による素早さ操作状態の継続もメリットが大きい。

トリックルーム
ツンデツンデを最大限活かす素早さ操作。グラードンも概ね相手より遅いのでトリル下で動かしたい。


努力値配分
・C最大
・「てだすけ」+「ムーンライトブラスター」で177-200カプ・レヒレを93.8%で1発(177-199以下は確定)
・S準速ランドロス+1(アカバ)
・S準速=準速カプ・テテフ+1(ユウキ)
トリパを謳っているが、ルナアーラは控え目CSベースの努力値振りとしている。
すばやさに配分する理由としては仮想敵であるカプ・レヒレが臆病でない限りは上を取って「ひかりのかべ」や「こごえるかぜ」等をさせずにワンパンを狙いたい点、そして素の状態で相手の準速ゲンシグラカイを抜いていると便利な点から。従ってS143を最低値に設定したが、どうせここまで振るなら「れいとうビーム」もあるので準速ランドロスまで抜こうというのがアカバさんの配分。私の場合はルナアーラ自身に「おいかぜ」を入れたことや、余りを多少耐久に回したところでそこまで差が出ないため準速テテフ等も抜けるようになる準速とした。
火力は特防特化カプ・レヒレまでなるべくワンパンするために、削る訳にはいかなかった。


●持ち物
基本選出に組み込む際に最も性能が高くなる『ルナアーラZ』。相手の頭数を減らしてサイクルを回させなくするのが攻撃的なパーティと噛み合う。



ゲンシグラードン@べにいろのたま 〔おわりのだいち〕
(アカバ)意地っ張り 183-247-180-**-142-109
(アカバ)だんがいのつるぎ ほのおのパンチ みがわり まもる

(ユウキ)冷静 177-201-180-220-138-103 
(ユウキ)だいちのちから ほのおのパンチ ふんか まもる


●技構成(アカバ)
だんがいのつるぎ
一貫性、威力を重視したメインウェポン。主に対カイオーガを意識して物理技の採用。カイオーガ後投げに対する蓄積や、雨下でも先手を取れていれば勝てる可能性を上げられる。

・ほのおのパンチ
ワイドガード」対策、汎用炎打点。攻撃に補正を掛けているので火力はかなり出る。

・みがわり
物理一本となり〔いかく〕が辛いのでその対策。素早さ操作最終ターンに相手が「まもる」隙に置けると非常に強い。

・まもる
エースでありすばやさ操作を待つ必要があるので必須。


●技構成(ユウキ)
・だいちのちから
グラードン、「ワイドガードツンデツンデ、命中率を意識して採用。「だんがいのつるぎ」を採用しないことにより技外しによる負けが減り、ストレスがなくなる。実際欲しい場面もカイオーガ以外はそこまでなく、特殊メインでも取り巻きや立ち回りを考えれば、対カイオーガの勝率自体は悪くなかった。

・ほのおのパンチ
主にゼルネアス、「ワイドガードテッカグヤを意識して採用。攻撃はほぼ無振りだがゼルネアスを2発で倒すくらいの火力は出る。またHPが減っても炎打点が確保出来る点が重要。

・ふんか
高威力、命中安定のメインウェポン。素早さ操作から撃つゲンシグラードンの技の中では一番強いと思っている。うまく着地させて通せれば相手をかなり削れるので、倒し切れずともツンデツンデのエサに出来る。

・まもる
エースであり、味方の素早さ操作を待ちたいターンがあるので必須。


努力値配分(アカバ)
・C222ゲンシグラードンの「だいちのちから」87.5%耐え
・C207ルナアーラの「ムーンライトブラスター」56.3%耐え
・S無振り90族-1(S個体値調整)
・S「おいかぜ」時『こだわりスカーフ』準速カイオーガランドロス等は抜ける(準速テテフは抜けないので注意)
なるべく攻撃を高くしつつ、特殊耐久を高めてミラーを意識。素早さは同速を避けつつ「トリックルーム」下で相手の素早さ無振りグラードンの先手を取れる値の中で最速となる109。


努力値配分(ユウキ)
・C202ゲンシグラードンの「だいちのちから」確定耐え
・C189ルナアーラの「ムーンライトブラスター」81.3%耐え
・S「おいかぜ」時最速135族+1
なるべく特攻を高くしつつ、特殊耐久を高めてミラーを意識。素早さは下降補正ではあるが「おいかぜ」で最速135族を抜ける値まで振った。



トゲキッスぼうじんゴーグル 〔てんのめぐみ〕
図太い 191-**-158-141-136-104
(アカバ)エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール まもる
(ユウキ)エアスラッシュ このゆびとまれ アンコール おいかぜ


●技構成
エアスラッシュ
6割怯みが非常に強いメインウェポン。「おいかぜ」からも「トリックルーム」からも先手で撃てる範囲が広く有効に働く。「このゆびとまれ」よりアドバンテージが稼げそうな場合にも撃つ。

このゆびとまれ
優秀なサポート技。基本的に隣を殴られると絶対困る場合のみ撃つようにして、欲張るとアドが取れて強い。グラードンやツンデを守ったり「ちょうはつ」を吸って隣ですばやさ操作を通すのがメイン。

・アンコール
テクニカルだが場面を選べば強い技。狙い目は「ねこだまし」、「ジオコントロール」、「まもる」あたり。素早さ操作を絡めることでこれらの行動を誘発しやすく、一度決めると一気にこちらの押せ押せな展開に持って行ける。また初手ゼルネアス絡みに対する「トリックルーム」+「アンコール」は有効なカウンターになる。

・まもる(アカバ)
ねこだまし」絡みやモロバレル絡みへの立ち回りの安定感向上を買って採用。Bo3である点や狙われやすいキャラである点から「まもる」自体は強い技だと思うが、「おいかぜ」の方が良かったと本人も振り返っている。

・おいかぜ(ユウキ)
「まもる」が欲しい場面は限定的だが、「おいかぜ」採用により勝てる試合は「まもる」採用により勝てる試合より格段に増えるので採用。攻めのパターン、選出幅が拡がった。
今回は先述の「アンコール」を採用したことにより初手〔きもったま〕「ねこだまし」+「ジオコントロール」の動きに対して「アンコール」か「トリックルーム」どちらかを通せば問題なく、キッスルナに「まもる」を両採用する理由がなくなったため、私の場合は両方に「おいかぜ」を採用することが出来た。


努力値配分
・A197メガルカリオの「コメットパンチ」63.9%耐え
・A207ソルガレオの「メテオドライブ」確定耐え
・A229日食ネクロズマの「メテオドライブ」87.5%耐え
・A255メガレックウザの『こだわりハチマキ』+「ガリョウテンセイ」93.8%耐え
・C182カプ・テテフのPF「サイコショック」2発耐え
・S「トリックルーム」時無振り85族抜き
・S「おいかぜ」時最速135族+3
・S味方ゲンシグラードン+1(ユウキ)
当初は穏やかでの採用だったが、図太いに変更した。
穏やかの最大の理由は初手ガルゼルネに対してキッスルナで両「まもる」→「このゆびとまれ」+「トリックルーム」を選択した後にキッスがゼルネの攻撃を1回耐えるためだった。しかし「アンコール」採用のお陰で「ジオコントロール」後の攻撃を耐える穏やかの必要性がなくなったため、『こだわりハチマキ』レックウザ入りに強くなれる図太いとした。
素早さは味方ゲンシグラードンと並んだ時を考えて先に動けるように調整。弱攻撃→強攻撃の順になることで〔ファントムガード〕やピンチベリーの対策となる。


●持ち物
モロバレルを始めとする催眠キャラの対策として『ぼうじんゴーグル』。
メジャーなカプ系による催眠対策は個人的に評価が高くない。モロバレルにカプ系自体が弱く、仮に催眠を通されなくても処理に時間がかかり、結果的に「いかりのこな」等で仕事を許してしまうのが欠点であるからだ。
また、パーティの選出枠を圧迫してしまい、結果的に基本選出が出来なくなるのも嫌っていた。
一方で『ぼうじんゴーグル』「このゆびとまれトゲキッスは以下の多数のメリットがある。
・基本選出を崩さないまま催眠対策が可能(素早さ操作役+このゆびサポートの形を崩さずに展開出来る)
・相手から見えにくい対策であることから選出して裏目になることがなく、初見では「キノコのほうし」を選択させて一手得することもある
トゲキッス自身がモロバレルに打点があり、その気になれば自身で処理を狙える
・「いかりのこな」で吸われずに隣に「エアスラッシュ」や「アンコール」が撃てるので、モロバレルを腐らせつつ隣を止める動きも狙える



ツンデツンデ@いのちのたま 〔ビーストブースト〕
寂しがり 168-201-201-**-122-18
ジャイロボール いわなだれ みがわり トリックルーム


●技構成
・ジャイロボール
高威力のメインウェポン。命中安定。低い素早さから、ほとんどの相手に150の高威力が叩き込めるのが強み。

いわなだれ
雑に削るのに強い全体攻撃。トリル下では怯みを狙えるのも強い。特性との相性も良い。

・みがわり
相手の「まもる」や交代に刺す技。ガオガエンを前にして選択するとその後〔いかく〕が通らなくなるので強い。またトリル下でモロバレルより先制で貼れるので、『ぼうじんゴーグルトゲキッスも併せてモロバレルに非常に強いトリパになっている。

トリックルーム
ルナアーラだけでなく自身でも狙えた方が良いだろうということで採用。寂しがりでも耐久は意外とある。相手の両「まもる」が見えている場合に限るが、ルナと並んでWトリルの動きも狙える。


努力値配分
・HA最大
・実数値A=B ※〔ビーストブースト〕でA上昇
〔ビーストブースト〕で火力を上げて行けるように性格寂しがりの防御個体値下げとした。アタッカー性能が非常に高くなる。


●持ち物
火力を増強する『いのちのたま』。「ジャイロボール」が初撃から無振りメガレックウザを縛れるレベルになるのが売り。ルナアーラとZ被りになるので不採用だったが、『イワZ』もガオガエンの処理が速くなったりゲンシカイオーガに強めになったり等メリットは大きく、検討の余地があった。



メガミミロップミミロップナイト 〔じゅうなん〕→〔きもったま〕
陽気 141-128-104-**-116-172
メガシンカ時:141-188-114-**-116-205
ねこだまし とびひざげり てだすけ おさきにどうぞ


●技構成
ねこだまし
特性〔きもったま〕のお陰でゴーストタイプ、特に相手ルナアーラの行動を止められる点が優秀。隣で「おいかぜ」「トリックルーム」等を使うサポートに。

とびひざげり
悪タイプへの打点となるメインウェポン。

・てだすけ
主にルナアーラとの並びでカプ・レヒレを強襲する時に使う初見殺し技。自身が〔いかく〕で腐った場面や「トリックルーム」下でも活躍出来る技として汎用性が高い。ゲンシグラードンツンデツンデ等のエースにも。

・おさきにどうぞ
高い素早さを活かしたサポート技。優先度が低い「トリックルーム」を先手で出せるようになるので、トリル役が縛られた時にも実質「このゆびとまれ」のような使い方も出来る。この技のお陰でルナアーラミラーにも強くなれる。


努力値配分
・陽気AS
・A(-1)「ねこだまし」+「とびひざげり」で202-111ガオガエンを78.1%で突破
数は多くないがミミロップミラーまで考えると最速は切れない。また、対ガオガエンも突破確率を妥協したくないので、攻撃振り切り。


●特性
メガ前の特性は〔ぶきよう〕〔メロメロボディ〕〔じゅうなん〕の3択。メガ前で運用すること自体稀だが、世界大会用ともなると細かい要素まできちんと後悔ないよう考えておくべきだということで検討した。
〔ぶきよう〕は完全デメリット特性であり、『かえんだま』等を持たせないのであれば利用価値は基本的にない。唯一活きる場面は〔トレース〕と対面した場合に相手にデメリット特性を渡せる点だが、環境にほとんど〔トレース〕持ちがいない上にいたとしても50%でしか渡せないので没。
〔メロメロボディ〕は、まずミミロップは交代で出すキャラではなく、メガ前の本体が接触技を受ける場面があまり想定出来ない。また、伝説には性別がない点、発動自体が低確率な上仮に発動したとしても自身が場に長く居座れないと効果がすぐ切れる点から没。
消去法のようになるが、最後の〔じゅうなん〕に関しては明確に有効になりそうな場面が一応想定出来たのでこれを採用した。具体的に例を挙げると、メガシンカを敢えて温存したいシーンの中で、先発コケコ対面でコケコの隣に「ねこだまし」を選ぶ場合。この場合は「ねこだまし」の威力に期待しなくて良いのであれば「マジカルシャイン」が抜群にならないように敢えてメガシンカせず行動する可能性がある。この際コケコの行動が「ほうでん」や「10まんボルト」だった場合に麻痺しないというのは大きい。また、一応「でんじは」への後投げが可能になるなど、他の特性よりは明確な理由を持って採用出来た。



バルジーナ@ウイのみ 〔ぼうじん〕
穏やか 217-**-140-76-145-101
イカサマ バークアウト はねやすめ おいかぜ


●技構成
イカサマ
伝説は攻撃の値が高いキャラが多く、かなりの打点を稼げる。この技を高い耐久からタイプ一致で撃てるのが強い。

・バークアウト
対特殊で役に立つ。「はねやすめ」と併せて等倍相手なら伝説にも粘り強く戦える。

・はねやすめ
自身が詰め筋になれる技。2回目の「おいかぜ」を狙う場合にも有効。

・おいかぜ
強力なサポート技。主に味方アタッカーが恩恵を受けるが、自身も先制「バークアウト」「はねやすめ」に活かせる。


努力値配分
・A255メガレックウザの『こだわりハチマキ』+「ガリョウテンセイ」93.8%耐え
・A167カプ・コケコのEF「ワイルドボルト」確定耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなり」77.9%耐え
・C183ゼルネアスの「ムーンフォース」確定耐え
対オーガを楽にするため特殊耐久を高めつつ、レックウザにもワンパンされないような物理耐久を確保。


●持ち物
回復量が多く行動回数増加に繋がりやすいピンチベリー。



ミミッキュミミッキュZ 〔ばけのかわ〕
意地っ張り 161-154-101-**-128-117
じゃれつく かげうち つるぎのまい トリックルーム


●技構成
・じゃれつく
レックウザイベルタルに抜群のメインウェポン。専用Zのベースとなるため必須。

・かげうち
便利な先制技。ルナアーラとの強弱関係を逆転する。「トリックルーム」切れ後に先制する手段として。

つるぎのまい
〔いかく〕を回されやすいので火力を確保するために採用。特性と専用Zの圧力により、サポートなしでも使用機会に恵まれやすい。

トリックルーム
パーティ全体がこの技を活かせるように組んでいるので3つ目になるが採用。あらゆる選出から仕掛けられるようになると幅が広がる。


努力値配分
・A(-1)「ぽかぼかフレンドタイム」で181-121メガレックウザ確定1発
・A(+1)「ぽかぼかフレンドタイム」で207-119ゲンシカイオーガ、202-123ガオガエン、177-140カプ・レヒレ確定1発
・C255ゲンシカイオーガの雨W「こんげんのはどう」93.8%耐え
・A136ガオガエンの晴れ「フレアドライブ」93.8%耐え
〔いかく〕を入れられても相手を倒し切れるようになるべく攻撃を高めに設定し、残りは耐久。素早さは無振りでも「おいかぜ」「トリックルーム」両方で動きやすい絶妙な値になる。


●持ち物
不足気味な火力を補う『ミミッキュZ』。伝説との撃ち合いに有利になる他、一般枠でも止まりにくくなる。



【選出】
●基本選出1 後発ツンデ
先発:ルナアーラミミロップ
後発:グラードンツンデツンデ
最もパワーのある選出。メガミミロップの「ねこだまし」でサポートしつつルナアーラの行動を通す。ルナアーラに「おいかぜ」採用の場合は初手から狙って行くのも良い。「トリックルーム」はミミロップが発動後に腐るので、積極的に初手からは狙わない。
「てだすけ」「ムーンライトブラスター」で瞬間火力もあり、「おいかぜ」に頼らずとも高速「おさきにどうぞ」からルナアーラが動かせる場面は多いので、盤面に応じて殴るか素早さ操作をするかを柔軟に選べる。
理想は序盤に頭数を減らしてから、相手が「おいかぜ」して来たりルナアーラが縛られた場面で「おさきにどうぞ」+「トリックルーム」発動からグラードンツンデツンデで一気にフィニッシュを狙う展開。



●基本選出2 後発追風
先発:ルナアーラミミロップ
後発:グラードントゲキッス(バルジーナ)
序盤〜中盤にかけては状況を見てトリルからグラードンを立てて、トリルが切れた後は「おいかぜ」で上を取り続けることを狙う選出。
ツンデの刺さりが悪い場合はグラードンの刺さりが良い場合が多いので、グラードンの攻撃回数を全力で稼ぐ。



●対催眠、テテフ、クロバット入り
先発:ルナアーラトゲキッス
後発:グラードンツンデツンデ
モロバレル等の催眠入りには『ぼうじんゴーグルトゲキッスを選出する。ツンデツンデは「トリックルーム」下でもモロバレルに先制で「みがわり」が貼れるため、相手にモロバレルがいても初手から「トリックルーム」を躊躇せず展開出来るのが本パーティの強み。無論、「おいかぜ」の方が刺さりが良ければそちらで展開して行く。
ミミロップの「ねこだまし」でのサポートが難しいテテフやクロバット入りにもトゲキッスの「このゆびとまれ」からルナアーラの素早さ操作を通したい。



●対ルナアーラ
先発:ルナアーラミミロップ(トゲキッス)
後発:グラードンツンデツンデ(バルジーナ)
メガミミロップのお陰でルナアーラミラーは有利マッチングと言える。〔きもったま〕「ねこだまし」で止めつつ〔ファントムガード〕を潰しながら素早さ操作を通す動きが丸い。守られた場合も、次ターンに上から「おさきにどうぞ」+「ムーンライトブラスター」で〔ファントムガード〕貫通でワンパンする選択肢が取れることや、「おさきにどうぞ」+「トリックルーム」で無理やり素早さ操作だけでも通せるのが強い。相手のルナアーラの隣がコケコやガルーラ、メガルカリオ等でもメガミミロップが先に動けるため、非常に立ち回りやすい。テテフ入りには「ねこだまし」が通せないため、メガせず「おさきにどうぞ」を選んで行くか、トゲキッスで「このゆびとまれ」をする。
バルジーナルナアーラには非常に強いが、メガミミロップを出せばルナアーラ入りには充分有利であるという考えなので、取り巻きにも刺さっている場合以外は出さなくても良い。



●対オーガレック
先発:ルナアーラミミロップ
後発:グラードンバルジーナ(ミミッキュ)
レックウザが残った状態だとカイオーガの水技が怖いので、グラードンは後発から。先発で素早さ優位を取りつつ、サイクルのどこかに穴を開けるように立ち回る。
初手でレックウザがいたらレックウザを優先処理して、グラードンでの詰めを狙うプランへ。カイオーガや鋼枠に対しても先発2匹の攻撃は広く通るので、それらを先に処理して後続を動かしやすくするイメージで試合を展開する。
ミミッキュ採用の場合は2Z選出となるため、ルナアーラは素早さ操作に徹してミミッキュでZワザを切る等の立ち回りも。
いずれにしてもZワザを誰にぶつけるかが重要となるので、取り巻きや選出次第で狙いを良く考える。



【雑感】
●パーティの総評
・トリパとして見た場合、モロバレルが怖くないトリパとして仕上げられたのは良かった
ツンデツンデが非常に遅いため「トリックルーム」下で後れを取ることがまずないのも良かった
・「トリックルーム」一辺倒ではなく「おいかぜ」も採用し、スイッチ要素も持たせられた
・スイッチパーティは攻め方が多彩で、Bo3にも向いていたので良い選択だった
・キッスルナに「おいかぜ」があれば勝てた試合があったとのことなので、もっと強くアカバさんを説得するべきだった(
ルナアーラの相方としてメガミミロップは攻撃面、サポート面で非常に強かった


●WCS2019を終えての評価
・今回のWCS2019決勝はルナアーラグラードンvs日食ネクロズマグラードン
・優勝したのはルナグラだったので今回軸とした伝説の選定に関しては悪くなかったと言えるが、決勝に残った両名とのパーティ構築力の差を感じた
・特に差が出たのはグラードンの型。2人とも物理で「ドラゴンクロー」採用だったが、その発想はなかった
・相手レックウザグラードンが打点を持てると違った選出や立ち回りが可能になり、構築の幅が広がったであろう
ブラッキーが使いにくくてバルジーナにしたが決勝にブラッキーが残ったので、もう少し煮詰めるべきだったかも?
・優勝したペンギンさんの『ナモのみ』ルナアーラ+『フェアリーZ』レヒレのように柔軟な発想も必要



* * *



解説は以上になります。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。
いよいよ剣盾の発売が2週間後に。楽しみですね!

〔WCS2019 ULTRA〕トリルグラゼルネ

アローラ!ユウキです。
今回も世界大会に向けて考察していた構築の紹介です。
Bo3に向いた複数の勝ち筋があり私の中では世界大会に持って行く候補の筆頭でしたが、アカバさんがゼルネアスの扱いがどうしても苦手という理由で残念ながら没になりました(
しっくり来る穴埋めまで決まり高い完成度まで仕上げられたので、自信を持って紹介します。



【パーティ】
f:id:yuki_rotom:20191026015349p:plain

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ゲンガー 冷静 シャドーボール ヘドロばくだん トリックルーム まもる きあいのタスキ のろわれボディ
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
ゲンシグラードン 勇敢 だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる べにいろのたま おわりのだいち
ゼルネアス 控え目 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり ガオガエン いかく
トリトドン 冷静 だいちのちから ねっとう れいとうビーム まもる ジメンZ よびみず



【概要】
グラゼルネをメインアタッカーとしたトリパ。
基本戦術を「トリックルーム」に絞ったグラゼルネの利点は、「おいかぜ」展開よりも攻撃ターンが長いこと、ゼルネアスミラーが対処しやすいこと、そして「トリックルーム」ラストターン付近にこちらのゼルネアスの「ジオコントロール」を通すことで、トリパの弱点である「トリックルーム」切れ後の先制攻撃手段も確保出来ること。
構築に敢えてメガ枠を採用しないことでゲンガーがメガゲンガーに見えるようにしており、「トリックルーム」が初見ではバレにくくなっているため、グラゼルネの対策で頭が埋まっているところに不意の「トリックルーム」が刺さるとペースを握りやすい。
サポートにトゲキッスを採用することでトリパとしてだけでなく「おいかぜ」展開も見据えることが出来、柔軟な試合運びが可能になった。Bo1で強い初見殺しトリパとしての側面だけでなく、Bo3でも充分対応して行ける仕上がりになっている。



【構築経緯】
前回の構築「ヤッテキ型オーガレック」を使っている中で、『きあいのタスキ』ゲンガーによる「トリックルーム」展開が読まれにくく強力なことが分かった。「おいかぜ」トゲキッスと組合せることで初手で「トリックルーム」か「おいかぜ」の有効な方を選んで行ける展開能力の高さから、先発ゲンガー+トゲキッス、後発に中速の伝説という選出が非常に強かった。


参考:
yuki-rotom.hatenablog.com



そこで、このゲンガー+トゲキッスをオーガレック以外の伝説と組ませても面白いのではないか、という考えから試しにグラゼルネと組ませてみたところ、想像以上に馴染んだので煮詰めることにした。
基本パーツとしては「トリックルーム」始動役のゲンガー、「このゆびとまれ」サポート役のトゲキッストゲキッスによるサポートが難しそうな場合や、より攻撃的に展開したい場合に選出する「ねこだまし」役のガオガエン、そしてグラゼルネとなる。


メインとなるプランは初手「トリックルーム」からゲンガーやガオガエングラードンの攻撃を通して相手を削って行き、トリルラストターン付近にゼルネアスを立ててトリル切れ後もすばやさの上昇したゼルネアスで制圧するというゲーム展開となる。
トリルを軸にする最大のメリットはグラゼルネミラーでの立ち回りがしやすくなる点。トリルに寄せていない、追風軸のグラゼルネ(令和グラゼルネ等)は一度トリルの始動に成功すればこちらが一方的に上から殴る展開に持ち込める上、相手ゼルネアスに「ジオコントロール」からの制圧をされにくい(初手で出された場合のみ「ジオコントロール」をされるが、その後ゲンガーやグラードンの攻撃で充分処理出来る)。そのため、ミラーの勝率が高いグラゼルネに仕上げることが出来た。


最後の枠は色々と検討を重ねた。ここまでの5匹で辛かったのはレックウザ+水タイプ+鋼or毒タイプの組合せ。レックと水はゼルネアスで倒したく、鋼や毒はグラードンで倒したいこのパーティにおいて、〔エアロック〕ないし〔デルタストリーム〕+水技でグラードンを睨まれると鋼や毒を倒せないうちにグラードンを処理されてしまい、最終的にゼルネアスも通し切れなくなるのが問題だった。


この組合せの対策として当初採用したのはパチリス


パチリス@イアのみ 〔ちくでん〕
生意気167-**-113-**-132-90
このゆびとまれ ほっぺすりすり いかりのまえば まもる


・A216メガメタグロスの「じだんだ」15/16耐え
・A232メガレックウザの「ガリョウテンセイ」確定2発耐え
・A232(+2)メガレックウザの「ガリョウテンセイ」確定耐え
・C255ゲンシカイオーガのW「しおふき」耐え ※エアロック/デルタストリーム想定
・C255ゲンシカイオーガの雨W「こんげんのはどう」確定耐え
・C209メガレックウザの『いのちのたま』+「だいちのちから」確定耐え
・S最遅 「ジャイロボール」の威力下げ


・飛行半減、水技等倍、鋼半減でオーガレック+鋼の組合せに対してある程度の行動保証
・「このゆびとまれ」でゼルネアスの弱点となる鋼技を半減しつつ吸い寄せ可能
 →鋼入りに対してゼルネの行動回数を増やして丸ごとゼルネで抜きに行くプランが取れるように
・「ほっぺすりすり」で上からグラゼルネが動ける盤面を作れる
・「いかりのまえば」で鋼に蓄積を入れてゼルネ圏内へ削れる


パチリス採用により鋼タイプを無理やりゼルネアスで突破する選出が可能になり、日食ネクロズマソルガレオツンデツンデ等がいてもパチリスガオガエンでゼルネアスの行動回数を稼ぎ、勝ち切ることが出来た。鋼入りにゼルネアスを通すこの考え方自体はトゲデマルガオガエン(+トゲキッス)+グラゼルネを採用していた下記パーティに通じるものがある。


参考:
yuki-rotom.hatenablog.com



鋼タイプ入りオーガレック等への勝率は良くなった一方で、毒タイプがきついことが解消されずウツロイド入りオーガレック等には課題が残る結果となった。また飛行技半減は偉かったが水技は等倍でありカイオーガのゴリ押しに対しても数値の低さからかなりシビアな立ち回りを強いられていた。


そこで新たに採用したのがトリトドングラードンが担っていた鋼や毒への打点を確保しつつ、〔エアロック〕〔デルタストリーム〕+水技で破壊されないので、苦手としていた上記組合せに対してグラードンの代わりに選出して役割を遂行出来ると期待した。
実際に採用してみたところ、想定通りの活躍を見せてくれた。グラードンと異なり岩半減になるのでツンデツンデウツロイドの攻撃にも余裕が生まれたり、グラードンより遅いすばやさによりトリル下でガオガエンを縛れたり、最低限レックウザにも打点があったりと使い勝手が良く、穴埋めとしてマッチしたのでパーティの完成を迎えた。



【個別解説】
■ゲンガー@きあいのタスキ 〔のろわれボディ
冷静 167-**-81-200-95-103
シャドーボール ヘドロばくだん トリックルーム まもる


●技構成
シャドーボール
等倍範囲の広いメインウェポン。追加効果も強い。

ヘドロばくだん
ゼルネアス等のフェアリーに刺さるのが強い。追加効果も強い。

トリックルーム
要となるすばやさ操作技。所持率が低く読まれにくいのが強み。

・まもる
特性〔きもったま〕+「ねこだまし」持ちのガルーラ、ミミロップ入りに出す時に必要になる技。これらを無視するのであれば「みちづれ」の方が強いので採用したかったが、ガルトルネに対して「まもる」採用以外の回答が見つからなかったので渋々採用。「まもる」がないと、初手〔きもったま〕+「ねこだまし」+「ちょうはつ」の並びで「トリックルーム」が失敗して負けるので必須となる。


努力値配分
・冷静HC
・S最遅
・S「トリックルーム」下で無振りカプ・レヒレ(S105)抜き
・S「おいかぜ」下で最速135族+1


●持ち物
耐久振りでも一撃で倒れる攻撃は多いので『きあいのタスキ』。このアイテムとトゲキッスの「このゆびとまれ」かガオガエンの「ねこだまし」を合わせることでほとんどのパターンで初手「トリックルーム」が成功する。
パーティ内にメガシンカ枠を採用しなかったことで『ゲンガナイト』を持たせることも可能だったが、メガゲンガーに耐久調整を施すよりも『きあいのタスキ』ゲンガーの方が行動回数が確保しやすいので不採用。耐久全振りのメガゲンガーよりも冷静HCゲンガーの方がとくこうの値も高くなる上、そもそもメガゲンガーでは耐久に特化したところで耐えたい攻撃全てを耐えられず「トリックルーム」成功率が著しく下がるので運用が難しい。
〔かげふみ〕は魅力ではあるが〔のろわれボディ〕も馬鹿に出来ない性能があり、『きあいのタスキ』で発動チャンスが2回以上確保されるのが強い。たまに相手のゲンシグラードンの地面技を封じてこちらのゲンシグラードンへの打点をなくしてやりたい放題したり、ゼルネアスが安全に詰める盤面を生み出したりする。



トゲキッスぼうじんゴーグル 〔てんのめぐみ〕
穏やか 191-**-122-141-176-102
エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる


●技構成
エアスラッシュ
仮想敵であるモロバレル等の草タイプへの打点。怯み狙いによる強引なサポートも可能なのがズルい。トリル下で相手を怯ませ自身が延命することで、トリルラストターンの「おいかぜ」へ繋ぎやすくなる。

このゆびとまれ
ゲンガーの「トリックルーム」を確実に決めるためのサポート。グラードン、ゼルネアスの行動回数を稼ぐ時も使える。「ジオコントロール」サポートとしても優秀。

・おいかぜ
味方全体に効果が及ぶすばやさ操作。初手から狙う場合もあるし、生存していれば「トリックルーム」ラストターンに狙うと上を取り続けられるのが強い。

・まもる
主に〔きもったま〕「ねこだまし」絡みの初手に対してゲンガーと並べて両「まもる」から入り安定して展開する用。


努力値配分
・A233カミツルギの「スマートホーン」確定耐え
・A256カミツルギの「スマートホーン」75%耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」15/16耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなり」確定耐え
・S「おいかぜ」時に最速130族+4
・S味方ゲンガー-1、味方ゲンシグラ+1
ガルゼルネに対して両「まもる」→「このゆびとまれ」+「トリックルーム」を決めるために、「ジオコントロール」後のゼルネアスの攻撃を耐えるように設定(耐えないとゲンガーにメガガルーラの攻撃が直撃して負け筋になる)。
すばやさはパーティ内の同速を避ける値に設定。トリル下では味方のゲンガーより先に動ける方がメリットがあり、おいかぜ下では味方グラードンより先に動ける方がメリットがある。主に〔ファントムガード〕やピンチベリー絡みの相手には「エアスラッシュ」→味方の高威力の攻撃という行動順になる方がアドが取りやすいので、このように調整した。


●持ち物
ぼうじんゴーグル』で催眠対策。モロバレルに対して非常に強くなり、相手にモロバレルがいても気にせず「トリックルーム」を展開出来るようになる。モロバレルに強い「このゆびとまれ」要員として、ゼルネアスのお供としても頼もしい。



グラードン@べにいろのたま 〔おわりのだいち〕
勇敢 177-221-180-202-138-101
だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる


●技構成
だんがいのつるぎ
ガオガエンを一撃で倒しつつ隣にもダメージを入れる技。雑に削ってゼルネアス圏内に入れる。

・だいちのちから
ワイドガードツンデツンデゲンシグラードンへの打点。命中100なので確実に仕留めたい場合に使う。

・ふんか
だんがいのつるぎ」より命中・威力が高いので、通る盤面ならなるべくこちらを押したい強力な全体技。

・まもる
すばやさ操作を挟む際に「ふんか」の威力を保てるように採用。


努力値配分
・W「だんがいのつるぎ」で202-111ガオガエン確定1発
・晴れW「ふんか」で146-136カプ・テテフ13/16で1発
・A255ゲンシグラードンのW「だんがいのつるぎ」確定耐え
・C202ゲンシグラードンの「だいちのちから」確定耐え
・S「おいかぜ」時最速130族+2
ゲンシグラードンミラーで一方的に負けないように耐久調整を施しつつ、なるべく火力を確保した。特にガオガエンを1発で倒すことを重視して性格を勇敢としたが、ガオガエン1発に拘らなければ冷静でも良い。命中や威力の都合上、どちらかと言えば「ふんか」を押す回数が多くなるべきと考えている。
トリパアタッカーとして採用することで高いこうげき・とくこうを活かしつつ、すばやさ下降補正のデメリットをほぼ無視出来るのが強み。「おいかぜ」展開を意識して最遅にはせず、下降補正ではあるが若干の努力値をすばやさに回している。



■ゼルネアス@パワフルハーブ 〔フェアリーオーラ〕
控え目 231-**-131-187-118-109
ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる


努力値配分
・「ムーンフォース」で218-122メガレックウザまで確定1発
・A255メガレックウザの『こだわりハチマキ』+「ガリョウテンセイ」15/16耐え
・C201ゼルネアスの〔フェアリーオーラ〕Wダメージ「マジカルシャイン」+「ムーンフォース」96.5%耐え
・C222メガゲンガーの「ヘドロばくだん」確定耐え
・S無振り90族-1(S個体値調整)
・S+2で『こだわりスカーフ』準速カイオーガランドロス等は抜ける(準速テテフは抜けないので注意)
トリル中に繰り出すことが多いため、すばやさは振らず耐久と火力を両立した配分。耐久を考え得る限り最大限まで伸ばすことでトリルの有無にかかわらず行動回数を増やせる。トリル中に素で殴ることも考えて火力もなるべく高くした。またトリル下でカイオーガに先制で「ジオコントロール」を狙うため、すばやさ個体値を低く調整。



ガオガエンガオガエンZ 〔いかく〕
意地っ張り 183-183-110-**-130-80
ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり


●技構成
ねこだまし
ゲンガーの隣で撃って「トリックルーム」サポートをする。ゼルネアスの「ジオコントロール」サポートとしても優秀。

フレアドライブ
威力の高いメインウェポン。晴れで更に威力アップ。

・DDラリアット
Zワザのベースとして採用。オーガレックに一貫する高打点があるのは偉い。

・とんぼがえり
盤面操作のため採用。天候合戦やサイクル戦を仕掛ける際に。味方の伝説へ「おいかぜ」「トリックルーム」のターンを最大限渡したい時にも撃てる。


努力値配分
・A最大
・A255(-1)ゲンシグラードンのW「だんがいのつるぎ」確定耐え
・C202ゲンシグラードンの「だいちのちから」14/16耐え
トリックルーム」下で最大限ダメージを稼ぎたいのでこうげき特化。全体的に相手のゲンシグラードンが重いので、対面しても1回以上は動けるように耐久調整。


●持ち物
トリパアタッカーとしての火力の無さを補う『ガオガエンZ』。これにより先発で出してから退かずに殴る立ち回りが強くなり、積極的な試合運びが出来る。



トリトドン@ジメンZ 〔よびみず〕
冷静 207-**-100-158-102-40
だいちのちから ねっとう れいとうビーム まもる


●技構成
・だいちのちから
対鋼、毒の役割遂行技。ゲンシグラードンガオガエン等の弱点も突けるため汎用性が高いメインウェポン。

・ねっとう
オーガレックに入っているドータクンテッカグヤ等の浮いている鋼を考えると採用せざるを得なかった技。相手の雨にタダ乗り出来る。

れいとうビーム
レックウザや草タイプへの打点として採用。レックウザに手出し出来るのは大きい。

・まもる
主に特性〔よびみず〕を盤面に維持したい場面で使う。トリトドンへの有効打が少ないパーティが多く、一度有効に「まもる」を決めると詰め筋になれたりも。


努力値配分
・「だいちのちからZ」で200-156ガオガエン確定1発
・「れいとうビーム」で181-121メガレックウザ高乱数2発
・A255メガレックウザの「ガリョウテンセイ」確定耐え
・C255ゲンシカイオーガの「れいとうビーム」確定2発耐え
・S最遅
火力重視の配分。ガオガエンをトリル下で縛れるのはグラードンにはない強み。耐久は最低限オーガレックと撃ち合う上で欲しいラインを確保したが、正直足りていないので耐久振りでピンチベリーを持たせた型もありかもしれない。今回はトリル下でグラードンの代わりに出した際に、少ないターンで相手の頭数を減らして味方ゼルネアスの負担を減らしたいため火力を最大とした。


●持ち物
瞬間火力を補う『ジメンZ』。『とつげきチョッキ』以外のガオガエンをトリル下でワンパン出来るようになる等役割対象を迅速処理したり、等倍相手に削りを入れたりするのに役立つ。



【選出】
●基本選出
先発:ゲンガー+ガオガエン
後発:グラードン+ゼルネアス
初手「ねこだまし」+「トリックルーム」を『きあいのタスキ』ゲンガーのお陰でほとんどの相手に決められるので、大体はこの選出で問題なく展開可能。
ガオガエンにZを持たせたので、スムーズに瞬間火力が出せるようになった。ゲンガーとの集中攻撃でゲンシカイオーガメガレックウザ等も倒せるので、幅広い相手に退かずに攻められる。〔いかく〕で腐るようなら「とんぼがえり」で後ろに繋ぐ。
トリル中はゲンガー、ガオガエングラードンの攻撃で相手を削り、終盤にゼルネアスの「ジオコントロール」から、トリル切れ後も上を取ることを意識して試合を展開する。
終盤で「ねこだまし」+「ジオコントロール」を狙える盤面が作れるとかなり大きいため、場合によってはガオガエンは攻撃させるよりも生存させることを優先する。



●vsクロバット、テテフアマージョ、ガルーラミミロップモロバレルドーブル入り
先発:ゲンガー+トゲキッス
後発:グラードン+ゼルネアス
ねこだまし」のサポートでは「トリックルーム」が成功しなさそうな場合はトゲキッスの「このゆびとまれ」で対応する。
モロバレルドーブルのような催眠系がいる場合もトゲキッスの『ぼうじんゴーグル』で対応する。
この先発の良い点は「おいかぜ」展開も可能な点。相手の初手がガオガエンカプ・レヒレや、モロバレル絡みの低速な並びで「トリックルーム」の効果が薄そうだった場合は「おいかぜ」を選んで行く。選出を変えずに状況を見て戦術をスイッチ出来る対応範囲の広さが売り。グラードンもゼルネアスも「おいかぜ」との相性も良いため同じ選出でも異なる展開が可能。



●ゼルネアス軸選出
先発:ガオガエン+ゼルネアス
後発:トゲキッスグラードン
全体的にゼルネアスの刺さりが良い場合は2枚サポートでゼルネアスを通すことに注力する。また、ゲンガーの「トリックルーム」の刺さりが悪い場合も消去法でこの4匹になる場合が多い。
ねこだまし」、〔いかく〕、「このゆびとまれ」でゼルネアスの行動回数を稼いで相手を削って行く。トゲキッスの「おいかぜ」からのグラードンは終盤の詰めとしても試合中盤から一気に流れを掴むギミックとしても有効。



●vsオーガ(水)レック+鋼or毒
先発:ゲンガー+ガオガエン
後発:トリトドン+ゼルネアス
相手にレックウザ+水技が見えた場合はゲンシグラードンで水技を無効化出来ないためトリトドンを選出する。鋼や毒がいないオーガレックはゼルネアス単体で崩し切れるが、これらがいる場合は取り巻きでうまく削るか倒すかしてからゼルネアスを通すイメージで立ち回る。
まずはゲンガーでトリルを始動し、ガオガエントリトドンのZワザを的確に当ててゼルネアス圏内へ入れる。トリトドンはオーガに強いだけでなく鋼や毒にも強いので、このマッチアップでは光るコマとなる。特にガオガエンの「とんぼがえり」等でトリトドンの〔よびみず〕をうまく発動させられると一気にペースを握りやすい。
トリル終盤に出したゼルネアスを前にして、「ジオコントロール」の圧力により相手のオーガやレックが守って来ない場合が多々あるので、「ムーンフォース」や「マジカルシャイン」で素直に倒しに行く立ち回りが通りやすい。勿論トリルが切れた後で「ジオコントロール」による切り返しも可能。レックウザを倒してしまえばトリトドンで詰められる場合もあるので、臨機応変に立ち回る。



【雑感】
・読まれにくい「トリックルーム」は強い
・仮にバレていても通せるように「ねこだまし」「このゆびとまれ」のサポートはあると安心
・ゲンガー+トゲキッスの初手が「トリックルーム」「おいかぜ」どちらも選べて対応範囲が広いのが強い
・初手「トリックルーム」→5ターン目「おいかぜ」「ジオコントロール」で常に上を取る動きが強い
・広い攻撃範囲、高い火力のグラゼルネを上からも下からも通せるので的確にすばやさ操作を選べばほぼ押し勝てる
・「トリックルーム」サポートがそのまま「ジオコントロール」サポートに繋がるので柔軟性がある
・両刀グラードンは上を取った時の殲滅性能が非常に魅力的
・遅めで火力、耐久が高いゼルネアスはミラーを考慮しなければ最強の数値。ミラーも先に処理することが多い
トリトドンは穴埋めとしてしっかり機能してくれたが、オーガレック+ナットレイだけが鬼門
・場合によってはトリトドングラードンを両方選出するとカイオーガ軸にかなり強くなれる


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今回の紹介は以上です。長文をお読み頂き、ありがとうございました!
次はアカバさんが世界大会本番に持ち込んだパーティについて書けるはず・・・お楽しみに!