ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〔WCS2019 ULTRA〕ヤッテキ型オーガレック

アローラ!ユウキです。
PJCS終了後、世界大会へ向けた構築を練っている中で候補に挙がった構築の紹介です。
メインギミックは模倣から入りましたが、そこから面白い気付きに繋がったのは収穫でした。



【パーティ】
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種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ゲンガー 冷静 シャドーボール ヘドロばくだん まもる トリックルーム きあいのタスキ のろわれボディ
ゲンシカイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう れいとうビーム まもる あいいろのたま はじまりのうみ
メガレックウザ 勇敢 ガリョウテンセイ しんそく だいちのちから まもる いのちのたま エアロック→デルタストリーム
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり ガオガエン いかく
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる ぼうじんゴーグル てんのめぐみ
アマージョ 意地っ張り パワーウィップ とびひざげり てだすけ フェイント カクトウZ じょおうのいげん


【概要】
きあいのタスキ』ゲンガーで「トリックルーム」するカイオーガレックウザのトリパ。
ゲンガーでの「トリックルーム」は初見で読まれにくいことが最大の強み。うまくすばやさ優位を取った状態のカイオーガレックウザの性能の高さは言うまでもない。「トリックルーム」を決めた後は数値の暴力で押し切るだけ。非常に前のめりな構築となっている。



【構築経緯】
りょうこんさんの下記記事を見て「強そうだな~」と思い試しに真似したところ、面白いように勝てたのでそのまま自分なりに考えてみることに。


参考:kareno-ryokon.hatenablog.com



軸となるゲンガー、カイオーガレックウザは固定として、「ねこだまし」によるサポートが優秀なガオガエンも続投。
ツンデとツルギの枠は変更が可能だと考えて、wolfeのオーガレックに偽装する目的でカプ・コケコとテッカグヤを採用。
コケコは「フリーフォール」による「トリックルーム」補佐と催眠耐性枠を兼ねられる。


しかしテッカグヤがトリパアタッカーとしての性能が微妙だったので、似たようなタイプで火力が高くすばやさが低いナットレイに変更。少しトリパ臭は出てしまうが、性能的には悪くなかった。


その後「このゆびとまれ」がないとクロバットの「ちょうはつ」で全てパーになるのが厳しかったので、トゲキッスを採用することに。
ぼうじんゴーグル』を持たせて催眠対策枠を兼ねられたので、カプ・コケコを解雇。
トゲキッスは「おいかぜ」も覚えるのが偉く、トリル一辺倒にならずにスイッチ要素を入れられるため選出・展開の幅が広がる。


「おいかぜ」も入れたことでトリルへの依存度が下がったり、「ねこだまし」による妨害が邪魔だと感じたので、ナットレイの代わりに〔じょおうのいげん〕アマージョを採用して6枠が決まった。


以下、個別解説。



【個別解説】
■ゲンガー@きあいのタスキ 〔のろわれボディ
冷静 167-**-81-200-95-103
シャドーボール ヘドロばくだん トリックルーム まもる


●技構成
シャドーボール
等倍範囲の広いメインウェポン。追加効果も強い。

ヘドロばくだん
ゼルネアス等のフェアリーに刺さるのが強い。追加効果も強い。

トリックルーム
要となるすばやさ操作技。所持率が低く読まれにくいのが強み。

・まもる
特性〔きもったま〕+「ねこだまし」持ちのガルーラ、ミミロップ入りに出す時に必要になる技。これらを無視するのであれば「みちづれ」の方が強いので採用したかったが、ガルトルネに対して「まもる」採用以外の回答が見つからなかったので渋々採用。「まもる」がないと、初手〔きもったま〕+「ねこだまし」+「ちょうはつ」の並びで「トリックルーム」が失敗して負けるので必須となる。


努力値配分
・冷静HC
トリックルーム」中にカプ・レヒレ等を抜けるよう最遅。


●持ち物
耐久振りでも一撃で倒れる攻撃は多いので『きあいのタスキ』。このアイテムとトゲキッスの「このゆびとまれ」かガオガエンの「ねこだまし」を合わせることでほとんどのパターンで初手「トリックルーム」が成功する。逆に言えば『きあいのタスキ』なしだと相手の並びによっては失敗するので、必須アイテム。



カイオーガ@あいいろのたま 〔はじまりのうみ〕
控え目 207-**-111-255-180-109
しおふき こんげんのはどう れいとうビーム まもる


●技構成
・しおふき
説明不要の最強全体技。いかにこの技をHP満タンで上から押せるかを考えて立ち回る。

こんげんのはどう
HPが削れた場面での主力技。アマージョがいるので「ワイドガード」はそこまでケアしなくて良いので「ねっとう」採用せずに済む。

れいとうビーム
レックウザボーマンダ、草タイプへの打点。

・まもる
味方のすばやさ操作を待つために採用。


努力値配分
・HC
・S「トリックルーム」下で相手の無振りグラカイ抜き
・S「おいかぜ」時にスカーフ最速80族+1



メガレックウザ@いのちのたま 〔エアロック〕→〔デルタストリーム〕
勇敢 212-222-110-170-110-90
メガシンカ時:212-255-120-201-120-108
ガリョウテンセイ しんそく だいちのちから まもる


●技構成
ガリョウテンセイ
高威力で一貫性の高いメインウェポン。メガシンカのため必須となる。こうげき補正+『いのちのたま』でかなりの瞬間火力が出る。具体的にはA222メガレックウザがA(+1)になった状態とほぼ同等。

しんそく
トリックルーム」切れ後の削り残しを倒すのに最適な先制技。

・だいちのちから
せっかく勇敢で高いCも活かせるため採用したサブウェポン。トゲデマルツンデツンデディアルガ等に打点が持てるのは偉い。

・まもる
攻撃範囲の拡張と迷ったが採用。


努力値配分
・勇敢HA
・S最遅



ガオガエンガオガエン
意地っ張り 199-183-110-**-110-84
ねこだまし フレアドライブ DDラリアット とんぼがえり


●技構成
ねこだまし
ゲンガーの隣で撃って「トリックルーム」サポートをする。

フレアドライブ
威力の高いメインウェポン。

・DDラリアット
Zワザのベースとして採用。

・とんぼがえり

努力値配分
・A最大
・S最遅90族-1
・S「おいかぜ」時に最速100族+1
トリックルーム」下で最大限ダメージを稼ぎたいのでこうげき特化。すばやさは「おいかぜ」展開も想定して調整。


●持ち物
原案の『だっしゅつボタン』は決まると強力だったが放置された時のターンの無駄が気になったので、自身が殴れるキャラになれば放置されても問題ないと考えて『ガオガエンZ』。強い悪打点は一貫性もあり重宝した。



トゲキッスぼうじんゴーグル 〔てんのめぐみ〕
穏やか 192-**-122-141-176-101
エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ まもる


●技構成
エアスラッシュ
仮想敵であるモロバレル等の草タイプへの打点。怯み狙いによる強引なサポートも可能なのがズルい。

このゆびとまれ
ゲンガーの「トリックルーム」を確実に決めるためのサポート。カイオーガレックウザの行動回数を稼ぐ時も使える。

・おいかぜ
味方全体に効果が及ぶすばやさ操作。初手から狙う場合もあるし、生存していれば「トリックルーム」ラストターンに狙うと上を取り続けられるのが強い。

・まもる
主に〔きもったま〕「ねこだまし」絡みの初手に対してゲンガーと並べて両「まもる」から入り安定して展開する用。


努力値配分
・A233カミツルギの「スマートホーン」確定耐え
・A256カミツルギの「スマートホーン」75%耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」15/16耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなり」確定耐え
・S「おいかぜ」時に最速130族+2
ガルゼルネに対して両「まもる」→「このゆびとまれ」+「トリックルーム」を決めるために、「ジオコントロール」後のゼルネアスの攻撃を耐えるように設定(耐えないとゲンガーにメガガルーラの攻撃が直撃して負け筋になる)。


●持ち物
ぼうじんゴーグル』で催眠対策。モロバレルに対して非常に強くなり、相手にモロバレルがいても気にせず「トリックルーム」を展開出来るようになる。



アマージョ@カクトウZ 〔じょおうのいげん〕
意地っ張り 179-189-118-**-119-79
パワーウィップ とびひざげり てだすけ フェイント


●技構成
パワーウィップ
カイオーガの攻撃が通りにくい水タイプへの打点

とびひざげり
ナットレイディアルガ意識のサブウェポン。ガオガエンにやツンデにも刺さる

・てだすけ
伝説枠が火力が高いので攻撃を決めた時のリターンが大きくなる

・フェイント
ワイドガード」「まもる」を対策して限られた攻撃ターンで効率良くダメージを稼いで行ける


努力値配分
・A最大
・「とびひざげりZ」でHP振り(181-152)ナットレイ確定1発
・S無振り60族-1
・S「おいかぜ」時最速90族+2
こうげき振り切りでナットレイを丁度倒せるようになる。すばやさは「トリックルーム」下でカイオーガを抜きつつ「おいかぜ」で最速カイオーガを抜ける値に設定。相手ガオガエンが特にすばやさを下げていない型なら「トリックルーム」下で先制出来る。



【選出】
●基本選出
先発:ゲンガー+ガオガエン
後発:カイオーガレックウザ
初手「ねこだまし」+「トリックルーム」を『きあいのタスキ』ゲンガーのお陰でほとんどの相手に決められるので、大体はこの選出で問題なく展開可能。カイオーガに攻撃のターンを渡したい場合は初手ゲンガー+カイオーガや、ガオガエンで「とんぼがえり」しながら「トリックルーム」という手もあるが、「トリックルーム」成功率が下がるのでオススメはしない。
初手ゲンガー+カイオーガで「トリックルーム」を狙う戦法は相手から「トリックルーム」が全く考慮されていなければ刺さるが、バレていたり可能性を考慮した行動をされると途端に展開に失敗して不利になるので注意。
ガオガエンにZを持たせたので、スムーズに瞬間火力が出せるようになった。〔いかく〕で腐るようなら「とんぼがえり」で後ろに繋ぐ。試合終盤の詰めでもガオガエンが役に立つ場面は多い。



●vsクロバット、テテフアマージョ、ガルーラ、モロバレルドーブル入り
先発:ゲンガー+トゲキッス
後発:カイオーガレックウザ
ねこだまし」のサポートでは「トリックルーム」が成功しなさそうな場合はトゲキッスの「このゆびとまれ」で対応する。
モロバレルドーブルのような催眠系がいる場合もトゲキッスの『ぼうじんゴーグル』で対応する。
この先発の良い点は「おいかぜ」展開も可能な点。相手の初手がガオガエンカプ・レヒレや、モロバレル絡みの低速な並びで「トリックルーム」の効果が薄そうだった場合は「おいかぜ」を選んで行く。選出を変えずに状況を見て戦術をスイッチ出来る対応範囲の広さが売り。



●「おいかぜ」選出
先発:トゲキッスレックウザ
後発:カイオーガアマージョ(ガオガエン)
明らかに「トリックルーム」よりも「おいかぜ」が刺さっている場合の選出。
トゲキッスメガレックウザの〔デルタストリーム〕で弱点を消してもらうとかなり動きやすくなる。
ねこだまし」が邪魔になるケースが多いのでアマージョを出したい。「おいかぜ」切れ後も「てだすけ」「しんそく」の縛り範囲が活きる。



【雑感】
・読まれにくい「トリックルーム」は強い
・仮にバレていても通せるように「ねこだまし」「このゆびとまれ」のサポートはあると安心
・ゲンガー+トゲキッスの初手が「トリックルーム」「おいかぜ」どちらも選べて対応範囲が広いのが強い
・オーガレックは勿論強かったが後発の伝説は割と何でもありなのでは?と感じた
レックウザメガシンカしないことで「トリックルーム」中にS実数値90から攻撃出来るテクニックが面白かった
・勇敢メガレックウザの数値の暴力がすごい
レックウザの「しんそく」のように「トリックルーム」切れ後に先制出来る要素があると良い