ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〔WCS2019 MOON〕~雨乞いテテフライドオーガ~ INC Feb.使用構築

アローラ!ユウキです。
今回はINC Feb.で使用した構築の紹介です。
前回の反省を活かして2ロムで登録し、結果的にメインサブ両方で使用しました(サブは時間切れで試合未消化)。
どちらも高い勝率を記録しており、パーティ自体の手応えはかなりあったので記事に残しておきます。



【パーティ】
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【戦績】
INC Feb.にて
■メインロム
勝敗:34勝11敗
勝率:75.6%
最高/最終レート:最高1794/最終1768
順位:世界172位(日本139位)/51970人
備考:開幕21連勝で1782到達


■サブロム
勝敗:20勝3敗
勝率:87.0%
最高/最終レート:1747 
順位:世界276位(日本201位)/51970人
備考:最終日朝6:00スタート(8:59終了)



メインが21-0スタートで絶好調だったものの、何度かあった1800チャレンジで有効麻痺、有効2連怯み等で運に見放されそのままずるずると試合数がかさんでしまい終了。
メインの45試合が終了したのが最終日の朝6:00だったのでほぼ絶望していたが、パーティの感触自体は良かったので同じパーティでサブロムも参戦。
こちらも順調な勝率で約3時間で1747まで到達するも、時間切れで終了。
この週は遠方から両親、妹、祖父が新居に初めて遊びに来ていたのもあり日中潜る時間がなく、皆が帰った最終日夜~明け方にかけて一気にやるしかなかった。
INC Feb.の時もそうだったが、リアルの大切な用事と大会が重なるとそれだけで充分な試合時間が確保出来なくなるので、そのあたりも含めた環境作りから差が生まれると痛感。
公式には大会日程は早めに出して欲しいところ・・・



【概要】
ルナオーガから派生した、すばやさ操作+カイオーガを主軸としたパーティ。
テテフライドという新たなすばやさ操作役を選んだ最大の理由は「スキルスワップ」「あまごい」で相手のグラードン交代による切返しを許さずにカイオーガを展開出来る点。
このギミックにより多くのグラードン入りの想定を崩してそのまま水技で押し切る動きが可能になった。
サイコフィールドを維持していれば「ねこだまし」「ふいうち」でカイオーガを止められることもないため、非常に前のめりかつ快適なゲーム展開が可能。テテフの「スキルスワップ」は相手にカプ系がいてフィールド合戦になった場合にも交代を挟まずフィールドを奪取出来るため、天候奪取とフィールド奪取を1つの技スペースで実現出来てパーティと良く噛み合っている。
相手の妨害を全て跳ねのけ、全力の雨「しおふき」を通しまくって勝ちを狙う。



【構築経緯】
構築のベースとなったのはサンシリーズから愛用していたルナオーガスイッチ。


参考:
yuki-rotom.hatenablog.com




基本のすばやさ操作要員であるルナアーラに加えて、今回はフワライドを採用。
「こごえるかぜ」の存在によりおいかぜ合戦で上を取りやすく、「くろいきり」でゼルネアス対策+「バークアウト」対策が出来、「あまごい」+カイオーガグラードン絡みのサイクルを崩壊させられる。
フワライドの相方としては、ビートダウン展開で「ねこだまし」や「ふいうち」を気にせず殴れるようになるのが非常に便利なのでカプ・テテフを採用。こちらには「スキルスワップ」を採用することで、同じくグラードン入りに対して交代せずに雨を上書き可能にし、先発どちらが先に倒れてもカイオーガのパワーを最大限発揮しやすい盤面を維持出来るようにしたのが本構築の特長。
絶対的エースであるカイオーガは不意の「ワイドガード」持ちやドクロッグにもきちんと対応出来るように『こだわりメガネ』ではなく『ミズZ』とした。「ワイドガード」ケアだけでなく、HPが削れた場面での高威力技としてや、相手の「まもる」を貫通して無理やり倒す立ち回りにも使える。
カミツルギカイオーガの攻撃が通らない相手に強く、優秀な補完として引き続き採用。削れた相手を起点に特性を使ってビートして行く、
最後にルナアーラの「トリックルーム」展開をサポートするモロバレルも引き続き採用。相手に「トリックルーム」の使用を躊躇わせる効果も多少狙っていたり、実際に「トリックルーム」をされてしまった場合に切り返す手段となれたりするため、「おいかぜ」メインのパーティの補完枠としては現状これがベストだと考えている。



【個別解説】
カプ・テテフきあいのタスキ 〔サイコメイカー〕
臆病 146-**-95-182-135-161
サイコショック ムーンフォース ちょうはつ スキルスワップ


●技構成
サイコショック
メインウェポン。「ジオコントロール」ゼルネアス、カイオーガ意識でショック。

ムーンフォース
エスパーが通らない悪への削りとして優秀な攻撃技。

・ちょうはつ
主に先発テテフライドの時に「トリックルーム」を防ぐ技。たまに「おいかぜ」や「ワイドガード」もケアする。「まもる」を封じてカイオーガの攻撃を通しやすくすることもある。

スキルスワップ
カイオーガとの並びで疑似「あまごい」となりグラードン後出しにより水耐性を得て「しおふき」を凌ぐプランを崩壊させる。コケコやレヒレにフィールドを取られた場合にも交代を挟まずにフィールドを取り戻せる。


努力値配分
初手で出すことが多く、カイオーガのスカーフ判定やゼルネアス、イベルタル等の配分を予想するため最速。特にゼルネアス、イベルタルを抜いていると「ちょうはつ」で「ジオコントロール」を止められるようになったり「バークアウト」より前に「ムーンフォース」で蓄積を入れられるようになったりする。


●持ち物
耐久無振りだが仕事が多いので『きあいのタスキ』で行動保証。



■フワライド@サイコシード 〔かるわざ〕
臆病 231-**-95-112-76-137
こごえるかぜ くろいきり あまごい おいかぜ


●技構成
・こごえるかぜ
「おいかぜ」ミラーでの対抗策。〔いたずらごころ〕+「ちょうはつ」持ちのトルネロスエルフーン入りとも互角に戦えるようになる。

くろいきり
ゼルネアスの「ジオコントロール」対策。また隣のテテフやカイオーガが「バークアウト」を喰らった場合に能力ダウンを元に戻しつつ攻撃に移る立ち回りも可能になり、用途が多い。

・あまごい
グラードン後出しでカイオーガの水技をケアする動きを崩す手段。テテフのスキスワとの二段構えでカイオーガを通すことに全力を注ぐ。

・おいかぜ
実質メインウェポン。特性〔かるわざ〕によりほぼ邪魔されることなく先制で撃てるのが強み。浮いているせいでサイコフィールド下でも〔いたずらごころ〕+「ちょうはつ」には止められるが、メジャーな使い手であるトルネロスエルフーンには「こごえるかぜ」が有効。


努力値配分
・A183イベルタルの「ふいうち」77.9%耐え
・A183イベルタルの「はたきおとす」確定耐え
・A201イベルタルの「はたきおとす」65.9%耐え
・A146ファイアローの「ブレイブバードZ」確定耐え
・A167カプ・コケコの「ワイルドボルト」確定耐え
・A183カプ・コケコの「ワイルドボルト」15/16耐え
・C200カプ・テテフのPF『いのちのたま』+「サイコショック」確定耐え
・C206ミュウツーのPF「サイコブレイク」確定耐え
・〔かるわざ〕発動時、準速スカーフコケコ(S182*1.5=273)抜き
先制でフワライドを倒せる攻撃はそう多くないので、それらを意識して確実に「おいかぜ」を決めるため耐久に配分。
最速『こだわりスカーフ』カプ・コケコには抜かれるが、特殊技なら『サイコシード』発動で耐えるため物理コケコを意識。意地っ張り準速『こだわりスカーフ』コケコを抜くすばやさと陽気コケコの「ワイルドボルト」耐えを両立し、あらゆるコケコの前で動けるようにした。
イベルタルに対しても1回以上動きたい場面があったので、A167「ワイルドボルト」耐えから更に物理耐久を少し上げた。


●持ち物
テテフと同時出しで『サイコシード』を消費し、特殊耐久と圧倒的なすばやさを手に入れる。



カイオーガ@ミズZ 〔あめふらし
控え目199-**-110-222-160-119
しおふき こんげんのはどう かみなり まもる


●技構成
・しおふき
説明不要の最強全体技。いかにこの技をHP満タンで上から押せるかを考えて立ち回る。Zのベースとしても最適。

こんげんのはどう
HPが削れた場面での主力全体技。

・かみなり
水技半減の水タイプに対する打点。特に対カイオーガ

・まもる
味方のすばやさ操作を待つために採用。


努力値配分
・C最大
・C222カイオーガのEF「かみなり」83.9%耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」59.9%耐え
・C198(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」65.9%耐え
・C183(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」確定耐え
・C152フシギバナの『いのちのたま』+「くさむすび」89.8%耐え
・C156ルンパッパの『いのちのたま』+「くさむすび」83.9%耐え
・C167フシギバナの『いのちのたま』+「くさむすび」41.9%耐え
・S追風時最速スカーフオーガ抜き(スカーフランド抜き)
・S(-1)最速110族(178*2/3=118)抜き
・S4振りルナアーラ/ソルガレオ抜き
先制攻撃でなるべく多くの敵を倒すのがコンセプトであるため、撃ち漏らしのないようC最大。
すばやさは先発フワライドの「おいかぜ」「こごえるかぜ」を受けて動きやすいよう調整しつつ、「トリックルーム」展開も見据えて過剰には振らず。残りを耐久に回すことで多くの攻撃を耐えつつ殴り合えるようにした。控え目ゼルネアス、フシギバナは当時採用率が3~4割だったので、遭遇率込で7~8割以上生存出来ると考え、乱数を多少甘えている。


●持ち物
水技が両方とも全体攻撃なので「ワイドガード」で詰む可能性があるが、そこをケア出来る『ミズZ』。高い瞬間火力が手に入り、晴れ状態でもグラードンをほぼ一撃で倒せるのが強み。
すばやさ操作をメインとする構築なので「トリックルーム」や「おいかぜ」のラストターンに「まもる」で逃げ切られると厄介だが、そこに「まもる」貫通で攻撃を叩き込める効果も非常に助かる。
また、HPが下がった際にも高威力・必中水技が撃てるので運用時の安定感が高い。



ルナアーラ@カシブのみ 〔ファントムガード〕
控え目 244-**-109-172-159-118
サイコショック シャドーレイ おいかぜ トリックルーム


●技構成
サイコショック
サブウェポン。「ジオコントロール」後のゼルネアスへのダメージ量を意識してショック。

シャドーレイ
高威力、高一貫性のメインウェポン。特性無視の追加効果も時々役立つ。

・おいかぜ
すばやさ操作その1。相手にモロバレルガオガエン等、鈍足キャラが多い場合はこちらが有効。

トリックルーム
すばやさ操作その2。相手が全体的に速い場合や、相手に「おいかぜ」や「こごえるかぜ」「エレキネット」がありそうな場面ではこちらが有効。


努力値配分
・〔ファントムガード〕込C156ルンパッパの雨「ハイドロポンプZ」+C222カイオーガの雨W「しおふき」急所込90%耐え
・〔ファントムガード〕込A201イベルタルの〔ダークオーラ〕「ふいうち」確定耐え
・〔ファントムガード〕込A183ガオガエンの「はたきおとす」確定耐え
・S追風時最速『こだわりスカーフカイオーガ抜き
すばやさ操作を通すことが最優先なので、耐久を重視した。対オーガルンパで集中攻撃されてもすばやさ操作を通せるように特殊耐久を高めに設定。この考え方自体はサンシリーズから引き続きだが、ルンパッパが『ミズZ』を持てるようになったので耐久ラインが引き上げられ、控え目HD振りとなった。高い耐久から安定して仕事が出来て使用感は良かった。火力も最低限はある上、カイオーガの攻撃が通せれば良い構築なので気にならなかった。


●持ち物
テテフライドの初手は相手のルナアーラ絡みに対して非常に難しい部分があり、特に相手ルナアーラが「トリックルーム」持ちだった場合にテテフライドでは負けなので、基本的にルナアーラ入りにはこのルナアーラを選出する。
サンシリーズから引き続き『カシブのみ』を持たせることにより、対ルナアーラ+「フリーフォール」カプ・コケコ等の本来であればルナ同士の同速に勝たないと不利な相手にも確実に「トリックルーム」を選べるようになり、ルナアーラ入りへの勝率が上がった。相手も「トリックルームルナアーラだった場合でも隣にモロバレルがいればそもそも選ばれにくい上、トリル下でも先制「イカサマ」で有利を維持出来る。



カミツルギとつげきチョッキ 〔ビーストブースト〕
陽気 137-201-152-**-80-177
リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ はたきおとす


●技構成
リーフブレード
グラードンカイオーガに刺すメインウェポン。カイオーガの水技が通りにくい水タイプへの強打点。

・スマートホーン
対ゼルネアスで有効なメインウェポン。カイオーガの攻撃が通りにくいモロバレルにも打点を持てる。

せいなるつるぎ
メインウェポンが半減以下のガオガエンナットレイディアルガ等へ抜群を取れるサブウェポン。これらに手が出ると味方の攻撃範囲との相性が良い。

・はたきおとす
ヌケニンルナアーラを意識したサブウェポン。相手の持ち物を落とすことで得する場面も多々ある。


努力値配分
・A136ガオガエンの雨「フレアドライブ」15/16耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」77.9%耐え
・C183(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」確定耐え
・C222カイオーガの『しんぴのしずく』+雨W「しおふき」確定耐え
・S最速
ゼルネオーガを意識した耐久調整。カミツルギミラーで負けていると一方的に不利なので陽気最速とした。


●持ち物
特殊耐久を補強して多くの相手に行動出来るように『とつげきチョッキ』。安定感に加えて広い攻撃範囲も手に入り、選出幅が広がった。



モロバレル@イアのみ 〔さいせいりょく〕
生意気 221-**-109-105-125-31
キノコのほうし いかりのこな ヘドロばくだん イカサマ


●技構成
・キノコのほうし
ルナアーラの「トリックルーム」から自発的に上からの催眠を押し付ける動きが強い。味方にテテフがいると相手のコケコやレヒレ入りにもフィールド書換えからの「キノコのほうし」という戦術も可能になる。

・いかりのこな
ルナアーラカイオーガカミツルギを相手の攻撃から守る。

ヘドロばくだん
構築に「くろいきり」があるため「クリアスモッグ」より威力の高いこちらを採用。コケコへの迅速打点に。

イカサマ
ルナコケコに出す想定なので、ルナアーラへの打点として採用。またネクロズマカミツルギにも打点が持てるのは偉い。重いヌケニンへの対抗策の1つとしても重要な技。


努力値配分
・C207ルナアーラの「ムーンライトブラスター」確定耐え
・S最遅
サポート役のため耐久特化。トリパに出すことや自身でトリルすることを想定して最遅。


●持ち物
特に持たせなければならないアイテムが浮かばなかったので、最も汎用性が高いピンチベリーで生存率を上げてサポート回数を増やした。



【選出】
●基本選出1
先発:カプ・テテフ+フワライド
後発:カイオーガルナアーラ

主にグラードン入りへの選出。先発2匹の天候奪取ギミックであらゆる盤面からカイオーガによる全破壊を狙う。先発の「おいかぜ」展開で決め切れずとも、後発ルナアーラが安定してすばやさ操作を繋げられる。


●基本選出2
先発:ルナアーラモロバレル
後発:カイオーガカミツルギ(カプ・テテフ)

ルナオーガスイッチの王道選出。主にルナアーラ入りやトリパ臭が強い相手へはテテフライドが裏目になるのでこちらを選出。ルナバレルの先発は「おいかぜ」展開も「トリックルーム」展開も両方選べるので、相手の先発や取り巻きに応じて好きな方を選べるのが強み。


たまにルナオーガ、ルナテテフの先発もやったが、上記2パターンでほとんどの相手に対応していたので、選出は楽だった。



【雑感】
・やっぱりカイオーガが最強
・『ミズZ』の使用感は抜群に良かった
グラードン交代に天候書換え+「しおふき」ギミックが決まり、そのままイージーウィンが出来た試合がそれなりにあった
・フワライドとスイッチルナアーラですばやさ操作手段が豊富で、常に主導権を握る試合展開が出来た
・しかしうまい相手には「おいかぜ」ターンを絶妙に稼がれたり、テテフとライドを同時に処理されたりした
イベルタルやレヒレ、コケコ絡みで「バークアウト」やフィールド書換えで粘り強く戦う構築が少し苦手