ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【WCS2022】Bo1特化ヌケザシ珠オーガ【INC Apr.使用構築】

こんばんは、ユウキです。
世界大会が終わったので、今更ですが2022年4月に実施されたインターネット大会「International Challenge April」にて使用したパーティを記録しておきます。
この後の「PJCS予選」で今年2度目の予選抜けを果たした構築、次の全国大会「PJCS2022」で世界大会権利を獲得した構築の原型となっており、特にBo1におけるパワーの高さに自信のある軸です。良ければお読み下さい。



★目次

【パーティ】



【実績】

●INC April(ユウキ)
勝敗:23勝7敗
勝率:76.7%
レート:最終1701
順位:1362位/261591名

●INC April(あや)
勝敗:33勝11敗
勝率:75%
レート:最高1817 最終1765
順位:346位/261591名

軸の強さには事前調整段階から手応えを感じており、INCでも途中までは順調だった。
終結果が伸び悩んだ原因としては最終日。自分が公開しているのと同じ並び(カイオーガ/キングドラ/ヌケニン/ザシアン/イエッサン♀/霊獣ランドロス)と当たりまくった。そもそもヌケニンが重いのに相手のヌケニンがゴーグルだったりと微妙にアレンジされていたり、相手の択も強くて負けがかさんだ。ヌケニンミラーもしっかり意識した構築作りが求められる環境になったと感じた。

●ランクマッチS29
勝敗:51勝16敗
勝率:76.1%
レート:最高/最終1973
順位:最終8位/209402名
ブログではシーズン終盤に使用していたインテレオンの構築を公開していたが、シーズン序盤の戦績はこちらのもの。
Bo1で順調に勝ちを量産し、最終8位達成に大きく貢献してくれた。


【コンセプト】

①ミラーに強いザシオーガ
ヌケニンを最大限活かす
③珠オーガ+αで流行の構築を崩す


【構築変遷】

過去の使用構築を掲載。

パーティ 記事
2月INC
3月INC
4月ランク
4月INC
PJCS予選
全国
世界

【構築経緯】

今回はキングドラではなく珠オーガをメインのダイマアタッカーにして、一から構築を組み直した。


①壁パ対策
物理キングドラのネタが割れた以上、オーロンゲの壁対策を別で考えなければならない。
オーロンゲの「でんじは」「こわいかお」「トリック」までケアするのであればイエッサンの選出は優先したい。
イエッサンと並んで違和感がないポケモンで壁にまで手が回るようにするため、カイオーガにいのちのたま+「めいそう」を採用する形を試した。
イエッサン+珠オーガのDM戦法自体は以前から強力であり猛威を振るっていたが、「まもる」の枠に「めいそう」を採用した形はほとんどおらず、基本的に読まれない。
壁オーロンゲ+αの出し方をして来た相手に対して「このゆびとまれ」+「めいそう」から一方的にアドバンテージを取れるのが今回の構築最大の強み。


②トリパ対策
2月のINC以降流行していた白バドパルキアのトリパ系統に対し、モロバレルを上手く立てられると厳しい。
そこでイエッサンに「しんぴのまもり」を採用し、モロバレル対策とした。
ガチトリパは初手「いかりのこな」か「ねこだまし」、「キノコのほうし」をしながら「トリックルーム」の選択が多いので、そこに「しんぴのまもり」+「めいそう」を選ぶことで無償で積んでモロバレルも腐らせられ、有利に展開して行けるようになる。
この戦法でガチトリパはほぼカモれるようになった。


③晴れ対策
これまた流行中のトリトドン入り晴れパ、通称RinyaSunに対するカードとしても「めいそう」珠オーガは非常に強力。

・「めいそう」or「てだすけ」珠「Dふぶき」で209-118トリトドンを56.2%で1発
(霰ダメージ込みで87.5%)
・「Dかみなり」で308-105リザードンを62.5%で1発
(サンパワー込みで確定)
・「めいそう」or「てだすけ」珠「Dふぶき」で209-118トリトドンを56.2%で1発
(霰ダメージ込みで87.5%)
・「てだすけ」珠「Dかみなり」でD136ザシアンに168-198ダメージ
(EF乗れば218-257ダメージ)
・珠「Dふぶき」で207-111チョッキグラードンを31.2%で1発
(霰ダメージ込みで68.7%)

相手から想定されにくい火力で色々な角度から崩しに行くことが出来る。
オーロンゲの壁絡みも「めいそう」で崩せる上に初手で有利対面を作れた場合も相手の交代や「まもる」に対して「めいそう」から一気にペースを握れる。
イエッサンの「しんぴのまもり」があればトリトドンの「あくび」を無視してガンガン起点にして行ける上に、「ダイサンダー」でも「あくび」対策が可能。
水技が一貫しないトドン+グラのような並びにも、氷技を一貫させて崩しに行ける。


オーガがダイマ前提の型になったことで、対晴れパ枠として既に採用していたランドロスの型を変更した。
「めいそう」ダイマーオーガを補佐する詰めのコマとして、非ダイマックス性能を重視した特殊型クッションランドロスとすることで、試合終盤にもしっかりダメージレースで有利を取れ、晴れパへの勝率を高く確保出来た。


④対高速アグロ枠
以前はキングドラを採用していた枠に今回は「おいかぜ」エルフーンを採用。
キングドラの「ダイジェット」+こだわりスカーフカイオーガで相手の「おいかぜ」パや黒バドレックス+レジエレキ(ボルトロス)に対応出来ていたが、カイオーガこだわりスカーフがなくなるとこれらに対する速度は足りない。
また、珠オーガの強みを最大限引き出すには性格を控え目としたく、臆病でないと「ダイジェット」や「こごえるかぜ」1回でザシアンや黒バドレックスを抜けないことから、Sを2倍に出来る「おいかぜ」の需要が高まった。
攻撃に加われるトルネロスも選択肢ではあったが、エルフーンを選んだ理由は以下3つ。
トルネロス最強の持ち物であるきあいのタスキヌケニンが既に持っている
 (ヌケニンをゴーグルにする案もなくはないが、ヌケニン最強の持ち物もやはりタスキ)
・「エナジーボール」によりトリトドンを牽制出来る
・「トリックルーム」採用で「おいかぜ」ミラーや高速アグロ系に対するカウンターを狙える
・「てだすけ」で珠オーガの縛り範囲拡大を狙える

構築の軸の変更に伴い随所に型や配分の変更を加えた。
見た目ではこれまで使っていた形をベースにキングドラエルフーンと変更しただけだが、中身や戦い方はガラリと変わっている。
以下、個別解説。


【個別解説】

カイオーガ@いのちのたま あめふらし
しおふき かみなり ふぶき めいそう
控え目175-**-111-222-160-142
0-0-4-252-0-252

努力値配分
・控え目CS
・追風時最速レジエレキ抜き

とにかく火力最大が強いので控え目。
主にリザードントリトドンに対するダメージ量が変わって来る。
耐久のなさはイエッサンの「このゆびとまれ」やエルフーンの素早さ操作で誤魔化す。

●技構成
・しおふき
最強の水技。素で押す場面もそれなりにあり、命中威力の観点からこの技が最適。
ダイマックスを9割このポケモンに切るため、水技が「しおふき」ワンウェポンで困る展開はそこまでなかった。1年前に似たような構成のカイオーガをキュワオーガで使った経験からもこの選択に迷いはなかった。
ダイマ終了後にHPが削れていた場合も「かみなり」か「ふぶき」を強く使える盤面であることが多い。

・かみなり
相手のカイオーガへの打点。「ダイサンダー」による催眠耐性確保も偉いので必須技。
ダイマ時にも安定した火力・命中のサブウェポンとなる。

・ふぶき
フシギバナトリトドン、晴れ下グラードンへの打点。
ダイマックス前提のポケモンである点や少しでも威力を高めたいため「れいとうビーム」ではなく「ふぶき」とした。
これにより仮想敵をワンパン出来る可能性がグンと上がる。
「ダイアイス」で霰を降らせればダイマ終了後に必中の全体攻撃となる点も優秀。たまに素で撃つ場面もあるが、命中が低くても全体攻撃自体は当たれば勝ち筋に繋がりやすく、強力。

・めいそう
カイオーガ最強の補助技。イエッサンの「このゆびとまれ」とのセットで壁パやトリパを崩す。
「ダイウォール」媒体となるためダイマックス中の立ち回りを柔軟に出来るのも偉い。

●持ち物
ダイマックスエースとして全ての技の威力を増して相手を破壊するいのちのたま。
ダイマで「しおふき」を撃つ場合も火力が頼もしく、W「しおふき」でザシアンをワンパン出来たり、「てだすけ」を重ねることで192-143ポリゴン2を確定1発に出来たりと、リーチが伸びる。
一度使うと他のカイオーガに戻れない。圧倒的火力に病みつきになる。



■イエッサン♀@サイコシード
このゆびとまれ てだすけ しんぴのまもり まもる
のんき177-**-128-115-126-81
252-0-252-0-4-0

努力値配分
・A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」耐え
・S最遅

ザシアンにワンパンされないよう防御特化。
ゴリランダー入りにも初手で出せるように最遅。
基本的に攻撃技は押さず、それ以外の技は全て優先度が+1以上なので素早さの値は遅くても気にならない。
唯一の仮想敵であるトリトドンに対しては最遅でも上を取れるため問題ない。
また、対トリパでは最遅のお陰で先制して相手を殴れると得する場面もあるかもしれないと考えた。

●技構成
このゆびとまれ
味方のエースの行動回数を確保する最高のサポート技。特にカイオーガの「しおふき」やランドロスの「つるぎのまい」との相性が抜群。素早さマウントを取られる可能性がある追風パやトリパに対しても有効で、味方の行動保証に大きく貢献した。
また、サイコフィールド下でも浮いているランドロスは相手のオーロンゲの「トリック」等を被弾してしまうため、特性に加えてこの技があることで完璧にエースを守る役割を遂行出来る。

・てだすけ
エースの攻撃を強化するサポート技。カイオーガのスカーフ「しおふき」に重ねて縛り範囲を拡大したり、ザシアンの「きょじゅうざん」や味方のダイマックス技に重ねることで絶大なアドバンテージを得られる。

・しんぴのまもり
主にモロバレルの「キノコのほうし」対策。この技による勝ち筋をメインとした白バドレックス+パルキアのトリパに対する回答。
またトリトドンの「あくび」に対してもケアが可能。
ダイサンダーが通らない相手にも催眠対策が可能になる点が大きい。

攻撃技0になってしまったが、カイオーガの火力が高過ぎるため実質的にカイオーガの行動回数を増やせれば問題なかった。
以前採用していた「エナジーボール」は初見殺しのネタが割れるとトリトドンに通すのは難しいため、不採用。
唯一黒バドレックスのタスキを割りたいのに触れないのがもどかしく、黒バド入りが重くなった要員の1つかもしれない。

・まもる
イエッサンを大事にしたい場面で撃つ技。対トリパでの時間稼ぎにも有用。

●持ち物
特防を強化してサポート技を押せる回数を増やすサイコシード。
これにより特に対ディアルガ、Wキュレムが劇的に楽になったので採用して正解だった。



ヌケニンきあいのタスキ ふしぎなまもり
ポルターガイスト かげうち サイドチェンジ こらえる
寂しがり1-156-45-**-35-92
0-252-0-0-0-252

努力値配分
・B個体値0+下降補正
・A156「かげうち」でH155-B45メタモン確定
・「ダウンロード」対策

このルールではメタモンの使用率が比較的高く、ヌケニンをコピーされる展開もたまにあるため対策として防御最低値。
相手がスカーフでこちらのタスキが残っていれば一方的に勝てる。

●技構成
ポルターガイスト
威力110のメインウェポン。ゴースト技は一貫しやすく、打点として純粋に非常に強力。この技の習得のお陰でヌケニン自身がかなりの攻撃性能を手に入れたため、ビートダウン展開に組み込みやすくなった。
命中後に相手のアイテムが判明する追加効果により、手に入れた情報アドバンテージを活かして最適な立ち回りを選択出来るのもBo3では特に強い要素。
ただしアイテム消費後の相手には攻撃が失敗する仕様には注意。時折この仕様に困る場面もあったが、忘れて撃ってしまう等のプレミがなければ問題ない範囲。

・かげうち
便利な先制技。素早さに関係なく上を取れるため対追風パ、トリパで役に立った。
ビートダウン展開でも非常に強力で、この技で相手を縛ることで味方の行動保証が得られる場面があるので「サイドチェンジ」よりも安定した試合運びが出来る。

・サイドチェンジ
味方と自分の位置を瞬時に入れ替える超凶悪技。大半の技をスカせるヌケニンがこの技を使うことで上手く行けば絶大なアドバンテージを得られる。
相手の攻撃から味方を守るために撃つ場合、自身に飛んで来る飛行技や炎技を味方に受けてもらって自身の延命を狙う場合、そしてその両方を兼ねる場合が存在するため、用途は多岐に渡る。
ヌケニンの「サイドチェンジ」の真に強い所は一度見せるだけで相手に「安定択」が存在しなくなること。
読み合いの域を超えたじゃんけんになりがちで嫌われることも多いが、「サイドチェンジ」を使うか使わないかの単純な二択だけではなくこちらの選択肢は非常に多いため、50%より有利な勝負が仕掛けられるのが強み。

ヌケニンが場に出ている状況だけで考えても
(1)ヌケニンを退いて裏で有効打を受ける
(2)「こらえる」でダイマターンを枯らして最小限の被害で食い止める
(3)タスキを盾にして「ポルターガイスト」+「かげうち」で対面処理を狙う
等、「サイドチェンジ」を選ばずに展開するパターンも多々存在するため相手側からしてみれば相当厄介だろう。

ヌケニンが場に出ていない場面ではヌケニン交代もケアしなければならないため、試合序盤~ヌケニンが倒れる瞬間までの全てのターンで相手の取れる選択肢の幅を狭めつつ試合の主導権を握り続けられる。
また相手が勝手に「サイドチェンジ」読みで自爆する可能性すらあり、トータルで見てもこちらに分の良い勝負に持ち込める。

・こらえる
ヌケニンを延命したい場合に使う技。「まもる」との大きな差は

(1)「ダイジェット」や「ダイバーン」等のダイマ技に対して「まもる」だと貫通ダメージで倒れるorタスキが潰れてしまうが、「こらえる」だと無償で済む(タスキも残る)
(2)悪ウーラオスの「あんこくきょうだ」に対して延命出来る

という点。特にダイマックス技を実質無力化出来る点が強力で、ダイマックス技が飛び交う中でも3ターン生存出来る確率がグンと上がる。

一方で「まもる」で防げる補助技を食らってしまう点には注意が必要。「ちょうはつ」や「あくび」はまだしも「おにび」や「やどりぎのタネ」は当たると即死するため、これらを持つ相手の前では慎重に行動することが求められる。

●持ち物
あらゆる弱点技持ちの前で1回は行動保証が得られるきあいのタスキ
天候ダメージで倒されるパターンも多いためそれらを無力化出来るぼうじんゴーグルとは選択だが、基本的にはタスキの方が発動機会が多い。
実際に発動するかどうかは別として、安心して動かせる=強気なプレイングが可能になる点も非常に大きい。ヌケニンへの打点を持っているのか微妙な相手(レジエレキやゴリランダー等)の前でもタスキが残っていれば堂々と動けるのは安心感がある。黒バドレックスにもタイマンで勝てるようになるのは嬉しい。



■ザシアン@くちたけん ふとうのけん
きょじゅうざん じゃれつく せいなるつるぎ まもる
意地っ張り189-242-136-**-136-180
172-236-4-0-4-92

努力値配分
・「てだすけ」「きょじゅうざん」で330-91ボルトロス確定
・「てだすけ」「きょじゅうざん」で308-99リザードン確定
・A(0)「せいなるつるぎ」で202-132ガオガエン@オボン確定2発
・「せいなるつるぎ」で176-141(4-4)ディアルガ15/16

・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え
・A222「きょじゅうざん」+A222(-1)「きょじゅうざん」耐え
・A161(-1)ガマゲロゲの珠「Dじだんだ」耐え
・A222グラードンのW「だんがいのつるぎ」12/16耐え

・C222パルキアの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」耐え
・C217黒バドレックスのW「アストラルビット」2発97.3%耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え
・C152フシギバナの晴れ「Dウェザーボール」13/16耐え
・C167フシギバナの珠「Dだいちのちから」耐え

・S最速ボルトロス+1
・S(+1)で晴れ「ようりょくそ」準速フシギバナ抜き

エルフーンの「おいかぜ」採用に伴いミラーの素早さ関係を少し軽視しても良くなった点、「トリックルーム」採用により素早さを過剰にするとデメリットを感じそうな点から遅めの配分に変更。
代わりに意地っ張りの火力を手に入れ、縛り範囲を増やすことが出来た。特にリザードンボルトロスの処理ルートが増えるのは嬉しい。

●技構成
・きょじゅうざん
ダイマックスに対して威力200となる壊れ技。インチキ過ぎる性能のお陰で最悪こちらがダイマックスを上手く使えなくても勝てる。

・じゃれつく
カイオーガと組む上で重くなるパルキアゼクロムを始めとするドラゴン勢に対する貴重な有効打。命中不安なのでなるべく撃たないよう心掛ける。

せいなるつるぎ
カイオーガの苦手なディアルガカミツルギナットレイへの打点。仮想敵の「ダイスチル」を考えると「インファイト」よりも防御無視の「せいなるつるぎ」の方が優先度が高い。
格闘技がないとポリゴン2に「ふしぎなまもり」をトレースされた瞬間負けになるのでこの構築に格闘技は必須。

・まもる
ザシアンを大事にする立ち回りが重要なため採用。トリパや追風に対しても時間を稼げるよう「みがわり」より「まもる」。



エルフーン@バコウの実 いたずらごころ
エナジーボール てだすけ トリックルーム おいかぜ
167-**-113-97-132-136
252-0-60-0-196-0

努力値配分
・A167ボルトロスの珠ジェット15/16耐え@バコウ

・C183イベルタルの珠ジェット耐え@バコウ
・C150カメックスの「Dふぶき」+霰1回耐え

・C238黒バドのメガネW「アストラルビット」耐え
・C238黒バドの「Dアストラルビット」15/16耐え
・C177トルネロスのW「こごえるかぜ」+C222カイオーガの雫W「しおふき」耐え
・C161リザードンの雨珠「ブラストバーン」耐え C177も13/16耐え

タスキをヌケニンに取られているので耐久ガン振り。
2匹の攻撃を耐えられるため「トリックルーム」を決めやすくなる利点がある。

●技構成
エナジーボール
最低でも相手のタスキを削るために攻撃技を1つは入れたかったので採用。「ムーンフォース」よりも威力は低めだが、トリトドンへの有効な削り手段になるこの技を選択。
たまにカメックスカイオーガの弱点を突けて得する場面もある。

・てだすけ
隣に並んだアタッカーが物理でも特殊でも火力を増せるため採用。優先度が高いため「ねこだまし」持ちの前でも仕事出来るのが偉い。

トリックルーム
おいかぜパミラーの回答。相手のトルネロスエルフーン入りに対して通せれば超有利になる。他にも隙を見て押せると黒バドエレキ等のアグロ系統を一気に崩す取っ掛かりになる。

・おいかぜ
相手の高速展開が重いのでこの技を先制で撃てるエルフーンを採用。カイオーガやザシアンを上から動かす選択肢があるだけで戦術の幅が拡がる。

●持ち物
「ダイジェット」の的にされやすいのでバコウの実。
上手くダメージを抑えて「トリックルーム」に繋げたい。



■霊獣ランドロス@オボンの実 いかく
だいちのちから そらをとぶ がんせきふうじ くさむすび
うっかりや196-166-123-154-90-116
252-4-100-116-0-36

努力値配分
・「がんせきふうじ」で154-99リザードン1発
・「Dそらをとぶ」で207-117ゴリランダー(A244(+1)きょじゅうざん15/16耐え)1発

・A244(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」15/16耐え
・A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」確定耐え@オボン
・霰ダメ1回+A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」耐え
・A222ザシアンの「きょじゅうざん」2発耐え@オボン

・「Dだいちのちから」で202-111ガオガエン1発
・「Dだいちのちから」で168-136ザシアン1発
・「だいちのちから」で202-127ガオガエン@オボン2発
・「だいちのちから」で201-119ガオガエン@シュカ2発
・「くさむすび」で207-111グラードン@オボンほぼ2発
・「くさむすび」で209-118トリトドンに120-144(57.4-68.8%)ダメ
・A242ザシアンの「きょじゅうざん」+「Dくさむすび」で418-125-118トリトドン確定

・S(-1)最速リザードン抜き
・Sリンヤ、カ・エールグラードン+2

先発ダイマオーガから後発で出す詰めのコマとして、非ダイマ性能を重視した配分。
ザシアンにタイマンで勝てるように物理耐久を重視し、ヌケニンでは勝てないガオガエングラードンにも強いという役割で対晴れでの性能を期待。
両刀なので下降補正を掛ける場所は悩んだが、素早さは「おいかぜ」や「ダイジェット」との連携で最低限上を取りたい場面はあるため下げたくなく、泣く泣く特殊耐久を犠牲にした。
仮想敵は主に物理であり、リザードンフシギバナの攻撃を貰う場面は稀なのでそこまで困ることはなかった。
これでもHP振りのお陰である程度は耐えられる。最悪「ダイアース」を上から積めれば特殊とも殴り合える。

●技構成
・だいちのちから
基本的にカイオーガダイマックスを切る方が強いが、晴れパ相手にはランドロスを出したい場合が多い。
メインウェポンが「じしん」のランドロスは非ダイマックス運用をしにくいのが気になったため、味方を巻き込まない特殊地面技を採用。カイオーガに「まもる」がなくても並べて攻撃しやすくなり、ザシアンとの並びでも「まもる」を挟まずに攻撃出来る。
実際EUICの決勝3戦目で珠オーガ+ランドロスがRinyaSunを崩し掛けたものの、最後ランドロスカイオーガvsザシアンの場面で「じしん」を上手く通せずに雨側が負けたのを見て、特殊ランドロスが絶対に正解だよなぁと確信した。

特殊型の利点として「いかく」や「リフレクター」「おにび」でランドロスの火力を削ぐ立ち回りにも刺さる。

そらをとぶ
ダイマックスする展開を意識して採用。やはり「ダイジェット」は強い技なので構築には採用したく、4振りでもA166という高水準な攻撃からタイプ一致で高火力で撃てるこのポケモンは強い。

・がんせきふうじ
リザードンやホウオウ等の飛行タイプを意識した岩技。「いわなだれ」とは選択だが、非ダイマックス時に素早さ操作を出来る方が強いと考えてこの技を採用。
自身が「ダイジェット」後に上からの「がんせきふうじ」で素早さ操作を行えたり、当てたい方に確実に高打点を叩き込めるのが利点。
対「サイドチェンジ」ヌケニンでは「いわなだれ」の方が強いため選択。

くさむすび
特殊型にしたもう1つの理由は対トリトドンを意識したこの技を強く使えるため。
突然4倍弱点を叩き込むことで相手の想定を崩す初見殺し技にもなる。
ザシオーガはトリトドンが重いため、処理ルートは多いに越したことはない。
グラードンに対して「いかく」を気にせず高威力を出せるのも偉い。

●持ち物
対ザシアンで役に立つ他、グラードン等の物理アタッカー全般への役割を安定させられるオボンの実。
ザシアンの「でんこうせっか」に対する保険にもなる(ダイジェットや追風展開時に「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」で縛られない)。
タイマン性能だけでなくクッション性能の向上にも非常に役立ち、晴れパに対して天候合戦を仕掛ける場合はこのポケモンを良く交代で出すため、場持ちの良いこの型は合っていた。


【選出】

①基本選出
先発:カイオーガ+イエッサン♀
後発:ザシアン+ヌケニン

カイオーガの攻撃をイエッサンで全力サポートして相手の頭数をとにかく減らし、裏のザシアンヌケニンで詰める。最悪ヌケニンの「サイドチェンジ」もカイオーガの行動補佐になる。

先発2匹の対応範囲が広く、
・非ダイマで「このゆびとまれ」+「しおふき」でダメージを効率よく稼ぐ
・「このゆびとまれ」でカイオーガを守りつつダイマックス技を通す
・「てだすけ」とダイマックス技を重ねて一気に頭数を減らす
・「このゆびとまれ」+「めいそう」からアドを取る
というように多岐に渡る選択肢から崩して行ける。

純粋に火力が高いカイオーガを最大限活かせる並びとなっていて、相手の頭数をガンガン減らして詰めへのプランを立てやすい。


②vs RinyaSun
先発:カイオーガ+イエッサン♀
後発:ザシアン+ランドロス

●初手オーロンゲ+αの場合
先発オーロンゲ+何か(ガオガエントリトドン、ザシアン等)で来た場合は壁からじっくり殴り合って来るため、「このゆびとまれ」+「めいそう」で壁を実質無効化して行く。
相手のオーロンゲの隣がガオガエントリトドン等の低負担なポケモンの場合は2回以上「めいそう」を積む隙を作れる。
「あくび」トリトドンに対しては「しんぴのまもり」を事前に使うことで完全に起点に出来るのが強い。
能力を上げたらダイマから相手の頭数を減らし、後発のランドロスで詰める展開を狙う。
純粋に「めいそう」で強化したカイオーガを「いかく」でカバーするのが強い。


●初手グラードンリザードンの場合
ロンゲ不在で高圧的な初手が来た場合はこちらも積まずにすぐダイマックスを切って応戦する。
グラードンリザードンに対しては初手で対面すると天候が晴れになる上トリトドンの存在を考えると「ダイストリーム」は押せず苦労するが、実は珠「ダイサンダー」でダイマリザをワンパン可能なので天候や隣の交代に依らず迅速処理が可能。
リザを処理した後はイエッサンの「このゆびとまれ」やランドロスの「いかく」を活用してダイマオーガの行動回数を稼ぎつつ崩して行く。
先に頭数を2匹に減らすことに成功すれば、天候を取れずとも「いかく」ランドロスで詰めていける。
ダイマのないトリトドンであればランドロスの「くさむすび」による大幅な削りが可能なので、伝説のどちらかの攻撃と併せて行動させずに処理が可能。
事前に「ダイサンダー」をしておくことで「あくび」に怯えずに済むのも素晴らしい。



③vs白バドパルキア他 トリル系
先発:カイオーガ+イエッサン♀
後発:ザシアン+ヌケニン

初手「しんぴのまもり」+「めいそう」から入る。
相手のモロバレルパルキアは大体の場合は初手「キノコのほうし」+「トリックルーム」なので無償で積める場合が多い。
ガオガエンパルキアスタートの場合は裏のモロバレルに交代or「すてゼリフ」+「トリックルーム」なので、これまた「しんぴのまもり」を先撃ちしておく。
その後カイオーガ+イエッサンで盤面を釘付けにしてエースの降臨を遅らせつつターンを稼ぐ。「めいそう」を2回以上狙っても良い。「ふぶき」で雑に相手を削りに行き、白バドが来たらダイマックスで殴り合う。イエッサンが倒されてもヌケニンを出せば確実にトリルターンを凌ぎ切れるため、トリルが切れたらザシアンで詰める。


④vs黒バドザシアン
先発:カイオーガエルフーン
後発:ザシアン+ランドロス

初手にエレキ黒バドやボルト黒バドが来た場合は「おいかぜ」+「しおふき」で雑に削る→裏のランドロス+ザシアンで「ダイジェット」で上を取り続ける展開を狙う。
ヌケニンを出す場合も。


【課題】

①スカーフエレキorチョッキエレキ+黒バドが無理
INC Aprilでがはくさんがスカーフエレキ入りの黒バドザシアンで結果を残したことで、エレキのスカーフ所持率が上がってしまった。
黒バドの使用率増加で黒バドミラーが増え、素早さ対決の重要性が以前にも増したことを背景に、スカーフエレキのようなダイマせず素早さ優位を取れる枠の評価が上がったのだと思われる。

スカーフオーガ+キングドラやエルフオーガを使っている時にスカーフエレキと当たると初手から行動順が想定外のことになり一気に崩れるため、基本的には想定しておらず「当たったら事故」と割り切っていた。
しかしそうも言えない使用率になって来たため、考え直す必要がある。

エレキ黒バドの厄介な点はエレキのダイマの可能性も捨てきれない点。
チョッキ持ちのダイサンダーやダイジェットも考慮すると安定して処理出来る出し方はかなり限られる。
エルフオーガで追風+潮吹きを選んだとしてもダイジェット+アストラルビットでエルフ集中されると倒されて「くろのいななき」の餌になる。
しかもS+1最速レジエレキを追風ザシアンが抜けていない。
ザシアンをS209以上にすることで抜けるようにはなるが、今度は裏のランドロスが追風下でもS+1黒バドレックスよりも遅く、最速にしたとしても抜けない。

このように上を取り合う展開でも不利を取る可能性があるため「トリックルーム」で切り返したいが、エルフの初手トリルはエルフ方向に「ダイジェット」+「アストラルビット」のように攻撃を重ねられていると不発に終わるため非常にリスキー(黒バドのきんちょうかんのせいでバコウが発動せずそのまま倒れる)。

かといって確実にトリルを決めるためイエッサン+エルフーンの初手を出しても、イエッサンがノーウェポンなのでトリル成功後にやることがない。タスキ削りすらエルフでしか出来ないため黒バドの守るで簡単にターンを稼がれる。
最悪黒バドにトリル返しをされる可能性すらあるし、仮にそれが読めても倒し切れないので止める術がない。
そして守るでターンを稼がれると困るので早めに相手にイエッサンを倒して欲しいところだが、イエッサンがアストラルビット無効なせいで倒されない。
単体攻撃ばかりの相手ならこの指しながら隣にエースを交代で出す選択肢もあるが、全体技のアスビ相手にこれをやると黒バドが動いていた場合にエースがかなり削れて不利になるため、基本的にはこちらが攻めあぐねる形になる。


ヌケニンが重い
ヌケニンへの打点が極端に少なく、自分のヌケニンの「ポルターガイスト」「かげうち」とランドロスの「がんせきふうじ」しかない。
最悪カイオーガの「ダイアイス」もあるし、イエッサンを上手く使えば相手のヌケニンは攻撃技を通せないのでヌケニンがそこまで苦手とは思っていなかったものの、いざ当たるとこちらの選択肢が非常に狭くなるため立ち回りにくく、実際ミラーで割と負けてしまった(中にはゴーグル持ちもいたので「ダイアイス」は全然信用ならない)・
サポート枠がヌケニンに触れないと選出しにくいが、サポート枠を出さないと相手に一方的に上から殴られる展開になり、数的不利を取りやすくなる。
ヌケニンミラーは昔こそ少なかったものの最近数を増やしているため無視は出来ず、この辺りを改善したいと感じた。


【目標】

・スカーフエレキ、ダイマチョッキエレキ入りの黒バドザシアンに両対応する
ヌケニンへの打点を増やす



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今回の記事は以上となります。最後までお読み下さりありがとうございました。
この課題を受けて次に使ったのがPJCS予選の「ロンゲヌケザシオーガ」です。
次回はそのパーティについて更新します。それではノシ