ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【WCS2022】ヌケザシオーガFinal【WCS DAY1 5-3】

こんにちは、ユウキです。
先日2022/8/18〜21にイギリス・ロンドンにて開催されたポケモンの世界大会、WCS2022に参加して来ました!
本記事ではその時使用した構築を紹介します。


★目次



【パーティ】




【戦績】

WCS2022 DAY1 5勝3敗で35位/261名
(DAY1突破は6勝2敗の32位まで)
DAY2出場者は114名なのでトータル117位ぐらい?

R1 勝ち ○●○ ディアルガ+黒バド
R2 負け ○●● Wキュレム+ザシアン
R3 勝ち ●○○ ディアルガカイオーガ
R4 勝ち ○○ ザシアン+カイオーガ
R5 勝ち ●○○ ディアルガ+ザシアン
R6 負け ●● 白バド+パルキア
R7 勝ち ○●○ グラードンルナアーラ
R8 負け ●○● ディアルガギラティナ(O)

DAY2に行くにはあと1勝が足りなかった。R2、R8は正解択を選べていれば3本目を取れる内容だったので、単純に自身の実力を磨くしかないなと思った。
ただマッチングに恵まれず、有利なザシオーガは1回しか引かない一方で苦手なディアルガ4回とWキュレム1回はちょっと想定外だった。
白パルは不利ではないイメージだったが相手が上手かったり有効急所もあり唯一のスト負け。
それ以外は不利マッチでも善戦しており、Bo3での対応範囲が広い構築が組めたので完成度にはある程度満足している。

【コンセプト】

ダイマックスの本質を突く構築
②Bo3を意識した構築
ヌケニンを最大限活用

ダイマックスの本質を突く構築
WCS2022ルールで勝つために、改めて「このルール本質とは何だろうか?」と考えたところ、やはり「ダイマックス」という要素が非常に大きなウェイトを占める対戦ルールであることは明白だった。
ダイマを制する者はこのルールを制する」ということで、個人的に以下の要素が必要だと考えた。

(1)相手のダイマは最小限の被害にする
(2)こちらのダイマは最大限通す

構築段階からこれらを意識した形を目指し、ダイマ有環境で勝ち抜けるような要素を選び抜いた。

(1)相手のダイマは最小限の被害にする
・「きょじゅうざん」による相手ダイマアタッカーの迅速処理
・雨「ダイストリーム」による相手ダイマアタッカーの迅速処理
・「あまえる」「ひかりのかべ」による耐久強化
・「まもる」を多めに採用
・相性補完を重視し全ての攻撃技を半減以下にする手段を用意
ヌケニンの「ふしぎなまもり」や「こらえる」「サイドチェンジ」で無償でダイマターンを稼ぐ
上からダイマアタッカーを倒す手段に加え、ダイマを凌ぐ手段も多めに用意することで被害を最小限に抑える。

(2)こちらのダイマは最大限通す
エルフーンの「おいかぜ」で上から展開
ボルトロスの「ダイジェット」で上から展開
エルフーンの「あまえる」「ひかりのかべ」で行動補佐
ガオガエンの「ねこだまし」で行動補佐
ヌケニンの「サイドチェンジ」で行動補佐

これらの要素で上から攻撃を通せる盤面や無理やり行動を通す選択肢を増やし、ダイマエースの行動回数を稼ぐことを意識した。
特に「ダイジェット」は本ルールを象徴する最強ダイマックス技であり、この「ダイジェット」を最も強く使えるポケモンの1匹であるボルトロスは握り得だと感じた。

②Bo3を意識した構築
Bo3においては全く同じ手は二度通用しないため選出・立ち回りの幅の広さが求められると考えており、Bo1と比べて下記要素を意識的に取り入れた。
・「まもる」を多めに採用し、不利対面からの巻き返しを狙いやすく
・サイクルを回して選択肢を格段に増やすガオガエン
・存在するだけで選出段階から択を作れるヌケニン
・いかなる盤面でも無理やり択を作れる「サイドチェンジ」採用

ヌケニンを最大限活用
ヌケニンを採用することで大きく3通りの勝ちパターンが狙える構築となっている。

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
(B)ヌケニン囮ビートダウン
(C)選出誘導

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
ヌケニンに打点がありそうなポケモンから優先的に倒してしまえば相手がヌケニンを倒せなくなるため勝ち、という最もスタンダードなプラン。
ザシアンやカイオーガを始めとしてヌケニンに一切打点がないポケモンは案外多く、それらを簡単に詰ませられるのが強み。
最近のボルトロスは「そらをとぶ」しかヌケニンへの打点がないことが増えたため、更に詰ませを狙いやすくなったと感じる。
実際はヌケニンだけで勝ち切るというよりは、このプラン(A)を意識させることで(B)や(C)が活きて来るという使い方が主となる。

(B)ヌケニン囮ビートダウン
ヌケニンへの打点がなくなることを恐れた相手の選出・立ち回りを逆手にとってアドバンテージを重ねて勝ちを狙うプラン。
(A)を狙いながらも途中で(B)に切り替えて行く等、同じ選出でも柔軟に立ち回って行けるのが本構築の強みの1つ。
最終的にヌケニンが倒れようともこちらがそれ以上のリターンを得られていれば問題ないという考えで、ヌケニンをある程度雑に扱って行く。
相手がヌケニンを倒すために「ダイジェット」や「ダイアイス」を撃つ(大体がタイプ不一致だったり隣が氷半減だったりで大ダメージにはならない)のを気にせず、「ポルターガイスト」や「かげうち」で攻撃に専念することで、ダメージレースで有利を取ることが出来る。

(C)選出誘導
ヌケニンをパーティに入れる最大の強みが、相手の選出・立ち回りが読みやすくなる点。
基本的にヌケニンに打点があるかどうかは見せ合いの段階である程度分かるが、極端に打点持ちが少ないパーティの場合はすぐにそれらが出て来ることが予想出来る。
こちらはそのポケモン達を処理するルートが想像出来れば(A)の勝ち筋を狙った出し方をすれば良いし、逆に打点持ちを出させた上でヌケニンを出さない選出の方が強そうであれば出さなくても良いため、いずれにしても選出段階から有利なゲームとなる。
今回は基本選出のパワーが高いためヌケニンはあまり出さず、この(C)を用いることが多かった。
Bo3の初戦はヌケニンに打点のあるポケモンが出されやすかったり、ヌケニンバックをケアした動きをされることが多かった。ヌケニンを出す場合は初戦で相手の出方を伺いながら、2戦目以降にヌケニンへのマークが薄くなる所に刺して行くと通りやすかった印象。
相手はヌケニンのケアをしなければならない為選出の自由度が低いが、こちらは出しても出さなくても良いというアドバンテージを感じられる場面は多く、Bo3でのヌケニンはパーティにいるだけで仕事をしてくれていた。

【構築変遷】

過去の使用構築を掲載。4月INC以降の構築記事は今後更新予定(公開次第リンク予定)。

パーティ 記事
2月INC
3月INC
4月ランク
4月INC
PJCS予選
全国
世界

【構築経緯】

①構築の軸の決定
2018年に最初の予選からずっとジャラランガを使い続けて全国・世界でも良い結果が出せた経験から、私は同じ軸を使い続けた方が勝てるプレイヤーだという自己評価だったため、今回も早い段階から予選・全国を共に戦ったヌケザシオーガと心中する覚悟でいた。
仕事家事育児で練習時間の確保が難しい背景からも、慣れた軸を煮詰めてこれまでの経験値を活かす方針が最も効率的なのは明らかだった。
そんな訳でヌケニン+ザシオーガの軸は変えずに世界大会に向けて構築を練り直すことに。
幸いにも最近はザシオーガが増加傾向にあり、きちんと構築を組めればザシオーガミラーで有利を取れるヌケニンの採用自体には追風な環境であると感じていた。
また、Bo3においてもヌケニンの存在が有利に働く要素は多い。特にヌケニンをパーティに入れているだけで相手の選出・立ち回りを歪ませたり、無理やり択を作って行ける点はかなり魅力的。

ボルトロスの採用
これまでヌケニンの天敵であるガオガエンに対してはカイオーガの水技での対処を狙っていたが、そんなことは相手も分かっているため
自分:いかにカイオーガを延命させて先にガオガエンを引きずり出すか
相手:いかにカイオーガを早急に処理して後発ガオガエンヌケニンを倒すか
というゲームになっていた。
特に相手が上手いと後発ガエンを温存された状態でこちらのカイオーガを先に処理されてしまい、こちらの後発ヌケニン+ザシアンが「いかく」を貰うだけでガオガエンだけでなく相手の隣のポケモンにも勝ちにくくなってしまう点が困っていた。
そこで2月のINCで使っていたものの、その後解雇してしまった「まけんき」ボルトロスの採用を検討した。
間違いなく強い要素は持っているが、当時採用していたチョッキ型では火力不足な点とダイマ終了後にガオガエンに「ねこだまし」で止められる点が気になっていた。
当時キングドラが持っていたいのちのたまをボルトロスに回すことで火力の増強と「まもる」採用が可能になったため試したところ、使用感が良かったので採用することにした。
特にザシアンとヌケニンに「いかく」を入れられることが減り、相手のガオガエンがどのタイミングで出て来ても困らないようになった。

ガオガエンの採用
ボルトロス同様、2月以降解雇していたガオガエンを再度起用することにした。
このポケモンがいるだけでBo3における立ち回りの幅が格段に増えるからだ。
交代出しからの「いかく」に加え、「ねこだまし」や後攻「すてゼリフ」によるゲームメイクはどんな構築とも相性が良い。
特にカイオーガの苦手とするゴリランダーや、相手のザシアンに対して後出しからテンポを取れることを評価した。
ヌケニンが出しにくい晴れパーティに対して仕事出来る点、トリパに対しても抗える点からも補完枠として噛み合っている。

④草枠の検討1
最後の1匹の検討にはかなり時間を要した。
トリトドンが重いことを考えると草打点が欲しい他、レジエレキや地面技への耐性面でも草タイプが適任であると考えた。
まず試したのはゴリランダー。
ガオガエンとゴリランダーの「ねこだまし」サイクルとザシオーガを組み合わせた構築は既に結果を残しており、動かし方もイメージしやすかった。
先制技「グラススライダー」により相手の黒バドやレジエレキ、追風+カイオーガ等に上から打点を持てるのは偉い。
しかしながら自身が「ダイジェット」の的にされやすい上にそれを咎められる要素もあまり持たず、相手の高速展開への回答が「グラススライダー」のみでは火力不足であるため「おいかぜ」や「ダイジェット」で上から殴る系統の構築に対して苦戦を強いられた。
トリパに対しても出せなくはないが思うような仕事が出来ず、白馬トリパが若干重かった。

⑤草枠の検討2
次に試したのはモロバレル
元々「このゆびとまれ」要員のイエッサンを採用していたので、モロバレルにその役割をスライドすることで以下のメリットが生まれることを評価した。
・フィールドを展開しないので味方ガエンの「ねこだまし」やヌケニンの「かげうち」を阻害しない
・水半減なので相手カイオーガから早急に処理されにくい
・「サイコシード」に依存した性能のイエッサンと違って受け出しや一度出した後引っ込める選択肢が強い
・「さいせいりょく」のお陰でサイクルを回すことでアドを取れる
・「キノコのほうし」による圧力があり「まもる」との択が強い
 (イエッサンよりも放置された時アドを取れるため単体で圧力がある)
・対トリパでも役に立てる低い素早さ+「かふんだんご」
このようにBo3における動きの幅を持たせてくれるポケモンであり、使用感は良かった。
ゴリランダーと比べても「いかりのこな」で攻撃を吸い寄せることである程度高速展開に抗える他、トリパ耐性は上がった。
しかしながら不満点がいくつかあり、特に気になったのは以下。
・ゴリランダーやカミツルギ等への干渉能力の低さ
・上からの全体技に弱い(特にトルネオーガや黒バド系統が重い)
・トドンの処理が狙いにくい(「かふんだんご」が強いので草打点を採用しにくく、トドンより遅い点も気になる)
味方カイオーガと並べる際に相手の草タイプの攻撃を吸えず、更に「キノコのほうし」が無効化されてしまうためゴリラやツルギ入りに出しても仕事をさせて貰えないのが痛い。
そしてこのゆび系統の戦術の脆さである上からの全体技に対するアドの取れなさを改善したかった。

⑥草枠の検討3
最後に辿り着いたのはエルフーン
・「おいかぜ」で相手の黒バドエレキ等、上から全体技を押し付ける並びに強くなる
・相手の草タイプ(ゴリランダーやカミツルギ)に「あまえる」で干渉出来る
・「あまえる」「ひかりのかべ」でトリパに対しても出せなくはない
・「ひかりのかべ」で黒バドやオーガの全体技のダメージを抑えられる
トリトドンにも無理なく打点を持てる
という性能で、求めていた要素を綺麗に埋めてくれる。
試したところ使用感も非常に良く、受け身になるモロバレルと違って、前のめりな「おいかぜ」展開がパーティパワーを格段に引き上げてくれた。
これによりパーティ6匹が決定した。以下に個別に詳細を解説して行く。


【個別解説】

■ザシアン@くちたけん
きょじゅうざん じゃれつく せいなるつるぎ まもる
意地っ張り189-225-136-**-136-195
172-116-4-0-4-212

●配分
○A
・A225(+1)「きょじゅうざん」+A167珠「Dそらをとぶ」で199-136ザシアン確定
・A225(0)「きょじゅうざん」@GF回復1回込で207-117ゴリランダー(A244+1巨獣15/16耐え)98.5%で2発
・A225(+1)「きょじゅうざん」+C146珠「くさむすび」で207-161-128グラードン@オボン98.1%で突破
・A225(0)「じゃれつく」+「せいなるつるぎ」で202-137ガオガエン86.0%で突破
・A225(0)「じゃれつく」で197-121パルキア13/16で1発
・A225(+1)「じゃれつく」+C222「れいとうビーム」で209-125-118トリトドン79.0%で突破
・A225(0)「きょじゅうざん」2発+珠ダメ2回で308-91ボルトロス確定
・A225(0)「きょじゅうざん」2発+珠ダメ1回で308-91ボルトロス80.9%で突破
・A225(0)「きょじゅうざん」+C146珠「Dくさむすび」で418-125-118トリトドン確定
○B
・A152レジエレキの珠「Dワイルドボルト」耐え
・A222グラードンのW「だんがいのつるぎ」76.1%耐え
・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え
・A222「きょじゅうざん」+A222(-1)「きょじゅうざん」耐え
・A161(-1)ガマゲロゲの珠「Dじだんだ」耐え
○D
・C222ディアルガ/パルキア/レシラムの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」耐え
・C217黒バドレックスのW「アストラルビット」2発97.3%耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え
・「ひかりのかべ」でC244Wキュレムの珠「Dだいちのちから」耐え
・「ひかりのかべ」でC222カイオーガの雨雫「Dしおふき」12/16耐え
・「ひかりのかべ」でC161リザードンの「キョダイゴクエン(威力150)」+定数ダメ1回15/16耐え
○S
・最速125族+1
・S(+1)で最速レジエレキ抜き
・S(+1)で最速「ようりょくそ」フシギバナ抜き
・「おいかぜ」でS259(+1)レジエレキ抜き
・S(-1)「おいかぜ」で最速S173(+1)抜き
これまで長らく使い慣れたH189の耐久をベースに、火力を最低限確保しつつ素早さ高めの配分。
火力に関しては単体での対応範囲、味方との集中攻撃で必要となる値を確保。入念にダメージ計算を行い、ある程度納得感のあるラインを見つけた。
素早さは最低限欲しいのがパーティで重めなレジエレキをS(+1)で抜ける186と考えており、そこからスタートして地味に面倒なエースバーンを抜くライン、そして晴れパへの立ち回りの幅を増やせるようにS(+1)で「ようりょくそ」フシギバナを抜く194を確保。194で止めても良かったが、ミラーを意識して(この調整にしているザシアンと遭遇する可能性があると考慮して)更に+1しておいた。
ヌケニンガオガエン、「あまえる」エルフーンで対ザシアンはかなり厚めに組んだが、それでもミラーで上を取れると有利になる場面は多いので早ければ早いほど良い。

●技構成
・きょじゅうざん
ダイマックスに対して威力200となる壊れ技。インチキ過ぎる性能のお陰で最悪こちらがダイマックスを上手く使えなくても勝てる。

・じゃれつく
オーロンゲの「リリバの実」や「きょじゅうざん」をガオガエンで受けて来る動き、対パルキアゼクロムダイマしていないサンダーやボルトロスを殴る場面等を考えると必須。レジエレキを始めとする高速展開に刺さる「でんこうせっか」も候補ではあったが、パルキア入りが一気に重くなるため慣れている「じゃれつく」型とした。

せいなるつるぎ
タイプ相性の良いサブウェポン。「てっぺき」ナットレイ、「ダイスチル」ディアルガカミツルギに刺したい&耐久が下がるのは痛いので「インファイト」は不採用。「トレース」ポリゴン2入りにヌケニンを投げても詰まないように格闘技は必須。

・まもる
ザシアンを大事にする立ち回りが重要なため採用。トリパや追風に対しても時間を稼げるよう「みがわり」より「まもる」。


カイオーガ@しんぴのしずく
しおふき こんげんのはどう れいとうビーム まもる
控え目176-**-112-222-161-140
4-0-12-252-4-236

●配分
○HP
・HP16n(GF回復量意識)
○C
・雨W「しおふき」で189-136ザシアン15/16で1発
・雨W「しおふき」で199-136ザシアン10/16で1発
・雨W「しおふき」+「れいとうビーム」で221-125モロバレル(C222「Dれいとうビーム」+霰1回耐え)確定
・C146ボルトロスの珠「Dくさむすび」+C222「れいとうビーム」で207-118グラードン@チョッキ67.8%で突破
・C146ボルトロスの珠「Dくさむすび」+C222晴れW「しおふき」で207-118グラードン@チョッキ96.6%で突破
・A167ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」+C222晴れW「しおふき」で207-118グラードン@チョッキ77.9%で突破
○B
・A222(+1)ザシアンの「じゃれつく」15/16耐え
・A231(+1)ザシアンの「じゃれつく」11/16耐え
・A244(+1)ザシアンの「じゃれつく」6/16耐え
・A244(-1)ザシアンの「じゃれつく」+C177トルネロスの「ぼうふう」耐え
・DM時A233カミツルギの「Dリーフブレード」14/16耐え
・DM時A152レジエレキの「Dワイルドボルト」15/16耐え
○D
・C222カイオーガの「かみなり」@光の壁で88.7%2発耐え
・C152レジエレキの「10まんボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの珠「D10まんボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの磁石「Dライジングボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの珠「Dライジングボルト」9/16耐え
○S
・S追風時最速レジエレキ抜き
・S(+1)でS210 S209ザシアン(S追風時S+1エレキ抜き)抜き

「おいかぜ」や「ダイジェット」と併せて上から相手を倒しに行きたいポケモンなのでCSベース。
最悪ザシアンに対して対面から行動保証が得られるようにSを少し削って防御を振った。
基本は「あまえる」を入れつつ殴り合いたいが、隣の「ちょうはつ」や「ねこだまし」等でエルフが動けないパターンも考えると素で耐えるかどうかで動かし方に差が出ると判断した。
昔は準速で使っていたが、「かみなり」を抜いたことでミラーで上を取るメリットが薄れたこと、味方エルフーンとの行動順の兼ね合いで上げ過ぎない方が良いことから、このラインで留めた。
HPは霰や宿木を喰らう場面よりゴリラと対峙したり味方ボルトで「ダイソウゲン」をする場面の方が多かったので、迷った末176とした。

●技構成
・しおふき
最強の範囲攻撃技。「おいかぜ」や「ダイジェット」で上から放てる盤面を意識する。隣のエルフ集中が読めた場合に強気で選ぶ胆力も必要。

こんげんのはどう
HPが削れた場合の水技。命中不安なのでなるべく撃ちたくはないが、「おいかぜ」を駆使しても上を取れない場合もある為水技は2種採用。

れいとうビーム
水技との相性補完に優れるサブウェポン。「かみなり」と選択だが、晴れグラードントリトドン、ゴリランダーへの打点を重視した。
カイオーガミラーでは電気技がないと一方的に不利を取るが、ボルトロスで殴り倒すかヌケニンで詰ませる方向性で対処可能なので目を瞑った。
逆にゴリラやトドンを自身で倒せる手段があるとないとでは選出時の対応範囲に差が出るため、氷技の優先度が高かった。

・まもる
エースであり狙われやすいので採用。延命手段があることで狙った相手(特にヌケニンに打点を持つガオガエン等)の処理まで生存させやすくなる。
相手ガオガエンの処理を任せたいのに「まもる」がないと試合終盤に「ねこだまし」+敵の攻撃で縛られてしまうのが弱いと感じていたので、「まもる」の優先度は高い。
味方ガオガエンとの相性も良く、「まもる」+隣をガエンに交代→「ねこだまし」+行動の流れが試合終盤のダイマックスなし盤面やザシアン絡みにおいて安定して強い。

●持ち物
「まもる」を使えた方が良いと考えていたのでとつげきチョッキを候補から外し、ダイマ時・非ダイマ時両方で強いアイテムを検討した結果しんぴのしずくに落ち着いた。アイテム補正のお陰でザシアンを倒したり雑にダメージを稼げるようになり、エースとして申し分ない活躍をしてくれた。


ヌケニンきあいのタスキ ふしぎなまもり
ポルターガイスト かげうち サイドチェンジ こらえる
寂しがり1-156-45-**-51-92
0-252-0-0-4-252

努力値配分
・B個体値0+下降補正
・A156「かげうち」でH155-B45メタモン確定
・「ダウンロード」対策

このルールではメタモンの使用率が比較的高く、ヌケニンをコピーされる展開もたまにあるため対策として防御最低値。
相手がスカーフでこちらのタスキが残っていれば一方的に勝てる。

●技構成
ポルターガイスト
威力110のメインウェポン。ゴースト技は一貫しやすく、打点として純粋に非常に強力。この技の習得のお陰でヌケニン自身がかなりの攻撃性能を手に入れたため、ビートダウン展開に組み込みやすくなった。
命中後に相手のアイテムが判明する追加効果により、手に入れた情報アドバンテージを活かして最適な立ち回りを選択出来るのもBo3では特に強い要素。
ただしアイテム消費後の相手には攻撃が失敗する仕様には注意。時折この仕様に困る場面もあったが、忘れて撃ってしまう等のプレミがなければ問題ない範囲。

・かげうち
便利な先制技。素早さに関係なく上を取れるため対追風パ、トリパで役に立った。
ビートダウン展開でも非常に強力で、この技で相手を縛ることで味方の行動保証が得られる場面があるので「サイドチェンジ」よりも安定した試合運びが出来る。

・サイドチェンジ
味方と自分の位置を瞬時に入れ替える超凶悪技。大半の技をスカせるヌケニンがこの技を使うことで上手く行けば絶大なアドバンテージを得られる。
相手の攻撃から味方を守るために撃つ場合、自身に飛んで来る飛行技や炎技を味方に受けてもらって自身の延命を狙う場合、そしてその両方を兼ねる場合が存在するため、用途は多岐に渡る。
ヌケニンの「サイドチェンジ」の真に強い所は一度見せるだけで相手に「安定択」が存在しなくなること。
読み合いの域を超えたじゃんけんになりがちで嫌われることも多いが、「サイドチェンジ」を使うか使わないかの単純な二択だけではなくこちらの選択肢は非常に多いため、50%より有利な勝負が仕掛けられるのが強み。

ヌケニンが場に出ている状況だけで考えても
(1)ヌケニンを退いて裏で有効打を受ける
(2)「こらえる」でダイマターンを枯らして最小限の被害で食い止める
(3)タスキを盾にして「ポルターガイスト」+「かげうち」で対面処理を狙う
等、「サイドチェンジ」を選ばずに展開するパターンも多々存在するため相手側からしてみれば相当厄介だろう。

ヌケニンが場に出ていない場面ではヌケニン交代もケアしなければならないため、試合序盤~ヌケニンが倒れる瞬間までの全てのターンで相手の取れる選択肢の幅を狭めつつ試合の主導権を握り続けられる。
また相手が勝手に「サイドチェンジ」読みで自爆する可能性すらあり、トータルで見てもこちらに分の良い勝負に持ち込める。

・こらえる
ヌケニンを延命したい場合に使う技。「まもる」との大きな差は

(1)「ダイジェット」や「ダイバーン」等のダイマ技に対して「まもる」だと貫通ダメージで倒れるorタスキが潰れてしまうが、「こらえる」だと無償で済む(タスキも残る)
(2)悪ウーラオスの「あんこくきょうだ」に対して延命出来る

という点。特にダイマックス技を実質無力化出来る点が強力で、ダイマックス技が飛び交う中でも3ターン生存出来る確率がグンと上がる。

一方で「まもる」で防げる補助技を食らってしまう点には注意が必要。「ちょうはつ」や「あくび」はまだしも「おにび」や「やどりぎのタネ」は当たると即死するため、これらを持つ相手の前では慎重に行動することが求められる。

●持ち物
あらゆる弱点技持ちの前で1回は行動保証が得られるきあいのタスキ
天候ダメージで倒されるパターンも多いためそれらを無力化出来るぼうじんゴーグルとは選択だが、基本的にはタスキの方が発動機会が多い。
実際に発動するかどうかは別として、安心して動かせる=強気なプレイングが可能になる点も非常に大きい。ヌケニンへの打点を持っているのか微妙な相手(レジエレキやゴリランダー等)の前でもタスキが残っていれば堂々と動けるのは安心感がある。黒バドレックスにもタイマンで勝てるようになるのは嬉しい。


■化身ボルトロス@いのちのたま まけんき
ワイルドボルト そらをとぶ くさむすび まもる
無邪気154-167-90-146-90-179
0-252-0-4-0-252

●配分
ミラーで上を取りたい場面を想定して最速とし、攻撃も妥協したくないためASとなった。
Cは「くさむすび」の使用機会がそこまで多くはないことや、無振りでも必要なラインを満たしていると判断して4振りに留めた。

●技構成
ワイルドボルト
カイオーガ等へのメインウェポン。反動はあるが威力が高いので「かみなりパンチ」よりこちらを優先させた。

そらをとぶ
「ダイジェット」の媒体となるメインウェポン。カイオーガやザシアンを加速させる。
素で撃つと2ターン掛かるため使いにくい技のイメージがあるが、実はヌケニンと組む上では素でも強い技となる。1ターンの無敵時間を利用して「キョダイベンタツ」や「ダイアイス」を「サイドチェンジ」の択ゲーを挟まず確実に避けることで技を失敗させ、定数ダメージの発生を抑えられればヌケニンが延命出来るようになる。

くさむすび
ちょっとした初見殺し要素。
主にザシオーガが対処に手こずるトリトドンに対する奇襲。Bo3とは言え初見殺しは有効と考えており、この技で1試合拾えれば儲けもの。特に構築にエルフーンを採用しているため、相手側としてはエルフの草技こそ警戒すれど、それ以外に関してはマークが薄くなりがちで、初見であれば決めるチャンスは充分にある。
トドンを警戒の外から倒して裏のオーガを通す動きの他、グラードンに対する最高打点にもなる。
また、ダイマ終了後に地面タイプを即殴れるのも見逃せない。互いにダイマを使い切った終盤に「まもる」ランドロスグラードンに対して「そらをとぶ」だけでは絶対に勝てないが、この技があれば触れるようになる。

・まもる
カイオーガ同様、自身を大事にするため採用。
特性「まけんき」の都合上長く盤面に維持したいことや、ダイマ読みでザシアンから狙われやすいので使用頻度は高い。ダイマ終了後にガオガエンやゴリランダーの「ねこだまし」でテンポを崩されない為にも採用優先度は高いと考えていた。

●持ち物
二刀流なので満遍なく火力を上げるいのちのたま。
昔チョッキ持ちを使った際は火力が低くて弱かったが、火力を上げることで使いやすさが格段に上がった。

●特性
ガエン対策での採用なので「まけんき」。
ガオガエンの「いかく」やエルフーンの「あまえる」で火力を削がれない物理打点というのが唯一無二の強みとなる。
自身の火力担保だけでなく、隣のザシアンやヌケニンにも「いかく」が飛んで来にくくなるのが重要。


ガオガエン@シュカの実 いかく
フレアドライブ じごくづき すてゼリフ ねこだまし
腕白201-136-137-**-125-84
244-4-116-0-116-28

●配分
○B
・A238白バドの「D10まんばりき」15/16耐え
・A222(-1)グラードンのW「だんがいのつるぎ」シュカ込で2発耐え
・A233(+1)カミツルギの「せいなるつるぎ」15/16耐え
・A202(-1)カミツルギの「Dせいなるつるぎ」+A202(+0)「Dせいなるつるぎ」耐え
・A222(+1)ザシアンの「せいなるつるぎ」耐え
・A244(+0)ザシアンの「インファイト」耐え
・A244(+0)ザシアンの「きょじゅうざん」+「せいなるつるぎ」252/256耐え
・A167(+1)ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」14/16耐え
○D
・C177リザードンの晴れサンパワー「Dぼうふう」耐え
・C152フシギバナの雨「Dウェザーボール」11/16耐え
・C167フシギバナの珠「Dだいちのちから」15/16耐え
・C222パルキアの珠「Dあくうせつだん」耐え
○S
・S(+1)でS126 最速テッカグヤ+2
・S(+2)で最速リザ抜き
・ミラー意識
・S最遅グラカイ-1
ザシアンやグラードン、白馬入りへの選出機会が多いため防御寄りの配分。
ミラーで「ねこだまし」や「じごくづき」を上から狙いに行く展開や、「おいかぜ」「ダイジェット」で上から行動する展開を見据えて少し素早さ振り。

●技構成
フレアドライブ
ザシアンを始め、ナットレイカミツルギ、白バドレックス等にしっかり打点を持てるよう炎技を採用。
味方カイオーガとの兼ね合いは難しいものの、晴れに出した時にタダ乗りして高威力になるのも強い。

・じごくづき
ルナアーラ、黒バドレックスへの打点として悪技も欲しかったので採用。「DDラリアット」も選択肢だが、相手のガオガエンの「すてゼリフ」を止めることでアドを取れる場面が稀にあるためこの技を選択。
グラルナに対してトリル下「ダイアーク」からトリル切れ後にカイオーガや「くさむすびボルトロスへ繋げる動きも強い。

すてゼリフ
デバフを掛けつつ交代出来る最強サポート技。この技1つで相手の猛攻を凌ぎやすくなる。一度控えに戻ることで「いかく」「ねこだまし」の使用機会を増やせるのも強い。

ねこだまし
採用理由の1つとなる優秀な技。オーロンゲ等のサポーターの動きを止めて飛んで来る妨害から味方を守ったり、ザシアンに対してテンポを取れる。
稀に素早さ操作目的で「ダイアタック」が強い場面もある。

●持ち物
地面技がボルトロスヌケニン以外に一貫している上、ヌケニングラードンランドロスには不利なのでその穴を埋めるシュカの実。無理やり行動回数を増やしてサイクルを回せるようにするだけで地面ポケモンに制圧されにくくなるため、ほぼ必須。
ふうせんは地面の一貫を切れるのは偉いものの、地面技以外への後出しも多いこのポケモンでは有効に働く場面はシュカの実の方が多いと判断した。


エルフーン@バコウの実 いたずらごころ
エナジーボール あまえる ひかりのかべ おいかぜ
図太い167-**-132-98-108-141
252-0-116-4-100-36

●配分
○B
・A244(-1)ザシアンの「きょじゅうざん」15/16耐え
・A222(-1)ザシアンの「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」83.1%耐え
・A197ランドロスの珠「Dそらをとぶ」@バコウ14/16耐え
・A183イベルタルの珠「Dゴッドバード」14/16耐え
・A167ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」@バコウ+A183「ねこだまし」89.8%耐え
・A136ガオガエンの「フレアドライブ」15/16耐え
・A238(-1)白バドレックスのW「ブリザードランス」耐え
・A136「ねこだまし」+A238(-1)白バドレックスのW「ブリザードランス」71.9%耐え
・A238(-2)白バドレックスの「Dブリザードランス」14/16耐え
○D
・C222カイオーガの「Dれいとうビーム」+霰1回@光の壁15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「こんげんのはどう」2発89.1%耐え
・C222カイオーガの「れいとうビーム」耐え
・A183「ねこだまし」+C167レジエレキの珠「Dライジングボルト」耐え
・C177トルネロスのW「こごえるかぜ」+C222カイオーガのW「しおふき」69.9%耐え
・C217黒バドのW「アストラルビット」@ひかりのかべ2発耐え
○S
・追風時最速レジエレキ抜き(味方オーガ+1)

基本的に耐久重視として、ザシアン絡みへの行動回数増加のため防御に多めに配分。
D方面が薄いが「ひかりのかべ」を駆使すればある程度補える。
重めなレジエレキに対して先制出来る手段は多い方が良いためS調整。
味方カイオーガより先に動けるようにしたのは、以下のメリットがある為。
ルナアーラの「ファントムガード」
ミミッキュの「ばけのかわ」
③先にトドンを倒せた場合、「しおふき」「こんげんのはどう」がシングルダメージになる
④「エナジーボール」でDダウンを引けた場合にオーガの縛り範囲が拡大する
WCSでも実際にミミッキュ入りに対して「エナジーボール」+「しおふき」で「トリックルーム」の阻止に成功した試合があったので、この調整にしておいたのは正解だった。

●技構成
エナジーボール
主にトリトドンへの打点として採用。カイオーガカメックスへの気持ち程度の打点にもなり、電気技なしカイオーガの隣に置く上での対応範囲が拡がるのは嬉しいポイント。
地味に特防ダウンの追加効果がある。
構築にゴリランダーやカミツルギ等他の草タイプを採用出来ている場合はこの枠を「ムーンフォース」とすることで対パルキアが補強出来るが、今回はこのポケモンしか草タイプがいないためトリトドンの処理を優先した。

・あまえる
物理全般を黙らせられる、強過ぎるデバフ技。特にザシアンへの火力妨害で味方のダイマエースの行動回数を稼げるのが強い。
優先度+1のお陰で相手の追風やトリルエースに対し仕事が出来る他、ゴリラのグラスラに対しても上からデバフを掛けることでカイオーガが行動出来るようになるケースもあるのが面白い。
味方の物理ポケモンの突破力を増せる「くすぐる」も候補だったが、対トリパや追風ミラーでは「あまえる」の方が耐久サポートに優れる点から「あまえる」とした。グラードン+トリル要員の構築に対する仕事量にも期待出来るようになるのが偉い。
ちなみに「くすぐる」のBダウンを最大限活かすならボルトロスをA補正にしたい(B-1ザシアンに対しA183珠「ダイサンダー」が192-228ダメージ)が、ミラーの素早さを譲って良い程ボルトロスが軽い構築ではない点からも採用は断念した。

ひかりのかべ
特殊エースに対して貼ることで殴り合いがかなり楽になる。特に黒バドレックスやディアルガ、トリパや追風パに対する対抗策にもなる。
特にカイオーガがチョッキではないため、実質「まもる」を使えるチョッキオーガを使えるようになるこの技は重宝した。また、特防下降補正にしてしまったボルトロスの撃たれ弱さが気にならなくなったのもこの技があったからこそ。
「あまえる」と比べると撃つ機会が若干少ないので他の技も候補に挙がったが、追風黒バド絡みや壁カイオーガに対してかなり安定する上に重めなディアルガ系統にも刺さるので続投した。実際WCSでも多用したので採用自体は正解だったと思う。

・おいかぜ
味方全体の素早さを上げられる。全体的に重い黒バドレックスやレジエレキに対する貴重な対抗手段。
相手が「おいかぜ」抜きの高速展開(初手黒バド+エレキ等)を狙って来る場合は「おいかぜ」+「しおふき」等でアドが取れる上、相手もトルネロスエルフーンを選出して来た場合は素早さ操作要員は一度無視して「あまえる」「ひかりのかべ」を駆使して隣のアタッカー枠と殴り合うプランへシフト出来るのが強み。

●持ち物
「ダイジェット」の的にされやすいので生存して行動回数を稼げるバコウの実。
ただし生存することがアドになるとは限らない(追風後は即退場して裏のアタッカーを並べた方が強い場合もある)ため、展開阻止の「ちょうはつ」対策になるメンタルハーブも選択肢。
今回はBo3なら「ちょうはつ」持ちと分かった後で選出を変えればどうにかなると考え、それ以外に実質手ぶらになるメンタルハーブよりも半減実の方が汎用性が高いと判断した。
ディアルガと当たる度に吐きそうになっていたのでリリバの実でも良かったかもしれない(あくまで結果論だが)。

【選出・立ち回り】

①基本選出
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロス+ザシアン

最もパワーが高くなる選出。
「おいかぜ」+「しおふき」をメインのプランとしつつ、相手の出方に応じて柔軟に動いて行ける。
エルオーガの並びは高圧的ながらも対応範囲が広いのが特長。
特にオーガの天敵になるレジエレキに対しては「おいかぜ」から殴る、ゴリラに対しては上からの「あまえる」で火力を削いで殴り合う、トリトドンに対してはエルフーンの「エナジーボール」で処理を狙う等、カイオーガの攻撃を通す選択肢が多い。
「あまえる」「ひかりのかべ」で相手の火力を削いで殴り合う選択肢が加わることで相手との素早さ操作合戦を放棄することが出来、エルフーンを延命してターンをズラしてから「おいかぜ」を狙える。
「おいかぜ」が切れる前にボルトロスの「ダイジェット」を使って、試合終盤まで上を取り続けられると理想。

エルフーンだけでなくボルトロスにも草技があるお陰で、トリトドンに隙を見せない並びを維持しやすいのが強み。
エルフを処理された後にボルトオーガやボルトザシアンの並びに対してトドンを動かして来る相手が多いが、そこに「ダイソウゲン」を刺せると一気に崩せる。

基本はボルトにダイマを回したいが、カイオーガの通りが良ければそちらにダイマを切っても一応成立する。


②vsザシオーガ
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロスヌケニン

ザシオーガにはヌケニンが刺さるため、ヌケニンを通しに行く。
特にガオガエン、ダイジェット枠の2匹しかヌケニンを倒せない構築にはカイオーガボルトロスヌケニンの敵を破壊出来るため、積極的にヌケニン仁王立ちを狙う。
ただし相手カイオーガの「ダイアイス」には注意。


③vs壁ザシオーガ(+カグヤ)
先発:エルフーン+ザシアン
後発:ボルトロスカイオーガ

相手がオーロンゲ+カイオーガ等の先発で来ることを想定した選出。
初手ロンゲに対してリリバの実を持っていたとしても「じゃれつく」で「リフレクター」込でワンパンし、数的有利を取りつつ「ひかりのかべ」を貼らせずに展開する。
相手にテッカグヤ等がいるとヌケニンで詰ませられないため、裏はボルトオーガで打点をしっかり確保する。


④vs晴れ(RinyaSun)
先発:ボルトロス+ザシアン
後発:カイオーガガオガエン

晴れにはカイオーガを裏に控えさせつつ、ボルトロスを軸に攻めて行く。
昔はリザードンがCSばかりだったので、初手ボルトガエンから「ねこだまし」でオーロンゲの動きを止めつつリザを珠「ダイサンダー」で縛る動きでアドを取れたが、リザの耐久振りが増えたことでこの動きは安定しなくなった。そもそも「ダイサンダー」1発で縛れているとしても相手側が「ダイウォール」で凌いでから壁を貼る動きが可能だったり、「ダイサンダー」読みでグラやトドン等の地面に退いてきたりと択は多々発生するので、結局は読み合いになる。
そこで、先発ボルトザシアンから圧力を掛けて相手の行動をある程度絞り、裏ガエンで状況に応じてサイクルする動きを狙う。
「リフレクター」込で耐久振りキョダイリザが「きょじゅうざん」+「ダイサンダー」を耐えて来ることが増えたが、相手は基本「キョダイゴクエン」しか押せないため、相手の行動に対して有効な手を合わせやすくなる。
基本はザシアンでオーロンゲを処理しつつボルトでリザを削って行けば(弱点保険を踏んでも問題ないか細心の注意を払いながら)ほぼこちらが上を取り続けられる展開を作れる。ボルトザシアンの初手は「リフレクター」を強要することでオーロンゲに必要以上の仕事をさせずに頭数を減らせる点が偉い。
(WCS2022決勝でも見受けられたが、オーロンゲで「でんじは」や「こわいかお」+「キョダイゴクエン」をザシアンに集中する動きはリザのCが足りていないと結局ザシアンを倒し切れずに「きょじゅうざん」を食らうため、基本的にはあまり強い動きではない)
ボルトを大事にする上でガオガエンの存在は大きく、ボルトを大きく削れるザシアンの火力を削いだり「ねこだまし」で止めたり、「すてゼリフ」で火力を削ぎつつ天候を取ったり、「いかく」でグラードンに対抗したりとサイクル戦を仕掛ける上で潤滑油として役立つ。
ボルトを場に留めることで相手のガオガエンを出し入れしにくく出来るのを利用し、サイクルを有利に回したい。
レジエレキ入りに対してはエレキダイマが割と重いので、様子を見ながらエルフやヌケニンを出すのもあり。
特にBo3であれば案外晴れに対してヌケニンを通せるパターンもある。


⑤vs黒バドザシアン(エレキorボルト+ゴリラトドンガエン)
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロス+ザシアン

ヌケニンを出すかどうかは相手にカメックスリザードンがいるか次第だが、いる場合は基本選出が無難。
ガオガエントリトドンの並びに対してもガオガエンの処理が遅れてオーガヌケニンでは戦いにくいためヌケニンは留守番が無難。
エルフーンカイオーガで「おいかぜ」展開しつつ相手を削り、裏のボルトザシアンでスイープする。
先発2匹がヌケニン対策で出て来るキョダイカメックスの攻撃に耐性があるため、序盤は数的不利を取らずに相手のダイマを枯らしてしまいやすい。
カイオーガ対策で出て来るトリトドンやゴリランダーを上手くボルトザシアンの餌にして打開ダイマを通したい。

たまにタスキ黒バドにトリルをされるが、エルフの「ひかりのかべ」「あまえる」と残り3匹の「まもる」があればギリギリ「おいかぜ」に「トリックルーム」を合わせられても4ターン凌ぎ切ってから打開出来る。
これにより初手の「おいかぜ」にほぼ裏目がなくなるため初動が安定しやすいのが耐久サポート入りエルフーンの強みだと感じた。


⑥vs白バドパルキアトリパ1
先発:ザシアン+カイオーガ
後発:ガオガエンヌケニン

初手は圧力を掛けつつ数的有利を取って、トリルを決めさせる。
その後「まもる」や裏の2匹のクッションへの交代でターンを凌いで、2回目のトリルを貼らせない動きを意識して行く。
ヌケニンが詰め筋となれる場合も多いので、相手の並びによってどう勝ちに行くか選択する。
ポリ2入りの場合はヌケニンで詰められないのでそもそも出さないか、出しても囮にしてターンを稼ぐ捨て駒として扱う。
カイオーガだけでなくガオガエンダイマが刺さる場合もあるため、柔軟に立ち回って行く。

相手が初手ガエンパルキアで来た場合は「ねこだまし」がどちらに飛んで来るかを読みつつヌケニンバックで相手の行動をスカしに掛かる。最悪スカせなくてもザシアンのHPを温存しつつ「いかく」を解除するクッションになれば良いぐらいの気持ちで雑に扱っても良い。


⑦vs白バドパルキアトリパ2
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ガオガエン+ザシアン

ヌケニンが出しにくい場合や、レジエレキ等の高速アタッカー+トリルの混合パーティへの選出例。
相手が高速展開で来た場合に「おいかぜ」で対応出来る他、ガチトリル選出に対しても「あまえる」「ひかりのかべ」で最低限の仕事が出来るため、トリパにもエルフを出して行けるのが強い。
特に雨エルフーンパルキアに打点を持たれない点、モロバレルの「いかりのこな」を無視出来る点が美味しい。
「あまえる」で白バドの火力を削ぐことでカイオーガやザシアンの行動回数を稼いで行く際は、稀にいるしろいハーブに注意。
しろいハーブがあったとしてもガオガエンを投げて「いかく」でアイテムを消費させながら「あまえる」で攻撃を下げる立ち回りで対処可能。余裕があればこのような動きでケアして行く。


⑧vsディアルガ、Wキュレム入り
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ザシアン+ヌケニンorガオガエン

ひかりのかべ」が生命線となるマッチアップ。
相手のダイマを最小限の被害で枯らし、隣のサポーター等を排除してからザシアンの攻撃を通しに行く。
ボルトロスに格闘技がない+D下降補正なせいで構築上ディアルガが非常に重くなっていて、強いプレイヤーはディアルガに「ダイロック」や「ダイバーン」を入れていることが多いのもありヌケニンもあまり信用ならない。最終的にヌケニンで詰めるプランも視野に入れつつ、困ったらダイマ枯らし要員として雑に投げても良い。
WCS DAY1では8R中Wキュレム1回、トルネロスディアルガを4回も引いてしまい毎試合泣きそうになっていた。環境予想を外したというよりはマッチングに偏りがあったのだと思うが、当たってもせいぜい1,2回だろうと重いのは分かっていながら対策を甘めにしたことを後悔した。
エルフーンが「ひかりのかべ」しかせずワンパンされると相手の「おいかぜ」ディアルガに対抗する手段もないため、リリバの実を持たせていれば「ひかりのかべ」をしつつ「おいかぜ」まで狙えたか、というのが反省点。
キュレムディアルガに負けた試合はどちらも3本目までは行けたので、一応立ち回りで頑張れば勝てなくはない範囲ではある。


⑨エルフミラー
相手に「ちょうはつ」がなければ立ち回りでどうとでもなるが、ある場合は上からの「ちょうはつ」でこちらのエルフが腐る。
「ちょうはつ」持ちと分かった場合は以下のプランで対応して行く。

ボルトロスガオガエンの「ねこだまし」+「ダイジェット」で相手エルフに行動させずに上を取りに行く
 (「ちょうはつ」+「まもる」持ちは少ないと思われるので「ちょうはつ」採用が確認出来た後はバコウかどうかを見極めれば良い)
・ザシアン+ガオガエンの「ねこだまし」+「きょじゅうざん」での処理
・「おいかぜ」ターン稼ぎにヌケニンを活用して殴り合う

特にヌケニンは一度「ちょうはつ」を貰ったエルフを引っ込めたい場合のクッションとして優秀。


⑩追風エレキアグロ(黒バドオーガ)
先発:ザシアン+エルフーン
後発:カイオーガヌケニン

「あまえる」「ひかりのかべエルフーンが光るマッチング。
上からエレキの攻撃を通されるだけでカイオーガが辛いので、壁+ザシアンで殴り合う構え。
エルフーンを隣に置いておくことで相手が「おいかぜ」要員を出していない場合は一方的に上を取れて有利だし、相手が「おいかぜ」要員を出していた場合は「おいかぜ」を強要しつつアタッカー枠へデバフを撒くことで殴り合いで数的不利を取りにくく出来る。
エレキが物理か特殊か、両刀か、珠を持っているか初見では分からないものの、基本は「ひかりのかべ」ザシアンで1発は耐えられる。
エレキを削って「かげうち」圏内にしてからカイオーガの攻撃を通しに行き、最終的にヌケニンで詰ませるプランへ繋げる。


【おわりに】

2月から半年以上ヌケニン+ザシオーガの並びを使い続け、納得感のある並びを完成させられたのは良かった。
最後まで相棒達を信じて戦い抜けたことは自信になったし、これまでの取り組み方が間違ってはいないと思えた。
Bo3の練習機会を格段に増やしてくれた「ぼさんないと」主催のおみさん、フレ戦に付き合ってくれた皆さん、コロナ禍での海外渡航や有給申請を許諾して下さった会社の皆さん、そして何より予選から世界大会参加まで全面的に協力してくれた家族に心より感謝。



* * *



今回の記事は以上です。長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
ブログに書きたいネタが沢山溜まっているので、今後の更新予定を書いておきます。

・WCSに向けて情報を伏せていた過去の構築記事(4月INC,5月PJCS予選,6月全国大会)
・WCS対戦レポート
・WCS旅行レポート(2018は忙しくて先送りにしたまま書けなかったのを後悔しているので、絶対書きます)。
・旅行準備と振り返り(今後の海外大会参加の際の参考に)

来月からの新ルールも面白そうなので、そちらの考察も始めて行きます!新作発売までも大忙しだ!w
ではでは今回はこの辺でノシ