ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【チャンピオンリーグ】ステロあくび+エース

こんばんは、ユウキです。
WCS期間はダブルに専念していたので、久し振りにインターネット大会に参加しました。
ガチで魂を削って戦う「競技」としてのポケモンも好きですが非常に疲れるので、今回は「趣味」として純粋に楽しむことを目的に、私が大好きな「やりたいことを通す」系のコンセプトパーティを使いました。
初めて使うポケモンも多く、学びが多かったので記事にします。


【パーティ】



【環境考察】
まず、使用可能ポケモン一覧を見た時に感じたこと。

①ゴースト、ドラゴンの通りが良い
ゴースト無効のノーマルタイプはバッフロンの1種のみ
ドラゴン無効のフェアリータイプはトゲキッス、メレシー、サーナイトの3種のみ
悪、鋼の数も多過ぎず、ゴーストとドラゴン両方を半減する複合タイプもいない
→ドラパルトが通りやすい


②あくびの通りが良い
一致「ダイサンダー」が撃てるのはサンダースとレアコイルのみ
一致「ダイフェアリー」が撃てるのはトゲキッスとメレシー、サーナイトのみ(キッスは浮いてるので寝る)
→「あくび」が通りやすい


③飛行タイプ(=「ダイジェット」)が強い
トゲキッスギャラドス、エースバーン等は一度隙を見せると止まりにくい
全体的に上を取る手段に乏しい環境なので単純に「ダイジェット」エースが強い
→ダイジェットエースへの切り返し手段が欲しい

このあたりを念頭に置きつつ使ってみたいポケモンをぼんやりイメージしたら並びやコンセプトが見えて来た。



【コンセプト】
①ステロあくび+積み
環境に「あくび」の通りが非常に良いことから、構築の軸とした。
「あくび」自体を強い行動にする為、事前に「ステルスロック」を撒くこともすぐに確定。多くのダイジェットエースに抜群で入るため、ダイマックス前にHPを削って処理を狙いやすくなる。
初手「ステロ」→2匹目で「あくび」連打から最後のエースに繋げ、隙を見て積み技からの全抜きを狙う。


②あくびサンダース
ステルスロック役は飛行半減+「がんせきふうじ」or「でんじは」でダイジェットの起点にされにくくしたものの、上手く立ち回られると1加速まで許す可能性は十分にある。
その場合でも切り返せるように、はやあしサンダースを採用。
アタッカーとストッパーの役割を兼ねつつ、自らは相手の「あくび」の一貫を切りつつこちらだけ一方的に上からの「あくび」を押し付けられる。


③「あくび」からの安定行動
サンダースが上から相手に「あくび」を入れたターンに倒された場合、裏のエースポケモンが次のターン取る行動が難しい。

(A)目の前の相手が「でんじは」等の起点回避手段を持たず、非ダイマックス状態のこちらのエースをワンパン出来ない
→基本的には積み技を狙える場面だが、HPを削られ過ぎるとダイマックス性能が下がるリスクも

(B)起点回避手段があるorダイマックス技で無理やりワンパンされる可能性がある
→相手が退くなら積みたいが、居座りを考えるとダイマせず積むリスクが大き過ぎる。ただし相手の居座りを考慮して次のターンに寝るポケモンダイマ技を撃つのも強い行動ではない。「ダイウォール」して相手が交代していると超アド損だし・・・

上から死に際「あくび」を入れただけではこちらのエースの安定行動がないため、強い展開が出来ない。
この不毛な択を回避するため、「みがわり」ドラパルトを採用。
これにより相手の居座りor交代の両方に対して安定してアドが取れる。


(1)相手が居座りを選んだ場合
「みがわり」は壊れるが次ターンに寝ている相手の前でフリーで動ける。
相手が居座り続けるなら眠りターンによっては2ターン以上のリターンが得られるのが強い。

(2)相手が交代した場合
「みがわり」が残るため交代先に連続技や「すりぬけ」等の「みがわり」貫通手段がなければ「みがわり」を盾に1ターンフリーで動ける。



【構築経緯】
①ステロ要員1
最初に採用したのはアマルルガ

・霰で相手のがんじょう、タスキをオートで削れる
オーロラベールで壁も貼れる
・火力が高い
・飛行タイプ全般に強い
・ドラパルトに対面勝てる
・「ウェザーボール」サンダースを強く使える


②ステロ要員2
次に補完のステロ要員としてエアームドアマルルガが出しにくい時に代わりに先発を務める。

・タスキを使わず行動保証がある
アマルルガの苦手なメタグロスバンギラス、「ねこだまし」ゴリランダーに強い
・ちょうはつを覚える(相手の展開を阻止出来る)


③あくび要員1
主にアマルルガの相方を想定してサンダースを採用。

・火力と素早さがあるため単なる起点作り要員で終わらず残数を減らせる
・かえんだま+はやあしでダイジェットエースを切り返せる
・霰が降っていれば地面に打点を持てる
・上からの「あくび」でドラパルトに繋げられる


④あくび要員2
エアームドの相方を想定してトリトドンを採用。

・ダイサンダー無効の「あくび」要員
・起点作りに特化した性能でエースへ繋げる能力が高い
エアームドとの縦の相性が抜群
アマルルガが誘う鋼タイプに強い
・よびみずで「ダイストリーム」牽制(「オーロラベール」対策の対策)


⑤エース1
「あくび」から繋ぐエースとしてドラパルトを採用。

・死に際「あくび」→上からの「みがわり」が安定
・「りゅうのまい」で全抜きを狙える
ダイマックス枯らし性能も高い
トゲキッスの苦手な電気に強め
トリトドンが誘う草に強い
アマルルガが誘う「ダイナックル」無効
・相手のエースバーンの「ダイジェット」を強要出来る


⑥エース2
同じく全抜きエースとしてトゲキッスを採用。

・わるだくみ+ダイジェットの全抜き性能の高さ
・攻撃範囲が広くほぼ止まらない
・最悪積めなくてもそのままダイマックスがある程度強い
・ドラパルトの苦手なすりぬけドラパ、ミカルゲ等に弱くない
トリトドンが誘う草に強い


以上により、ステロ要員2+あくび展開役2+エース2のかなり極端なパーティとなった。
以下に個別解説を行う。



【個別解説】
アマルルガきあいのタスキ ゆきふらし
ステルスロック ふぶき でんじは オーロラベール
臆病199-**-95-150-113-118
4-0-20-244-4-236

●配分
・A189(+1)ドラパルトの「ドラゴンアロー」253/256耐え
・S準速65族抜き

CSベースだが最低限の防御調整。これにより以下のメリットが生まれる。
・ハチマキドラパにワンパンされない
・「りゅうのまい」ドラパに2回行動出来る
・「ドラゴンアロー」に対して「オーロラベール」から入っても次動ける

素早さは最速のメリットを感じなかったので少し甘えてなるべくCを上げて削り性能と対面性能を重視した。
臆病か控え目かは割と悩んだが、臆病にする(=S110より高くする)メリットは主に以下。

・準速ラプラスギルガルドに先手を取れる
・準速バンギラスに先手を取れる
・S(-1)最速ガブリアス等を抜ける(エアームドとの連携)

環境的に準速バンギ抜きのS114でも困る場面はなさそうだが、サンドパンやブースターと対面しないとも限らないので一応抜いておくことにした。


●技構成
ステルスロック
採用理由。飛行が多い環境なので刺さる。

・ふぶき
ワンウェポンなら範囲の広い「フリーズドライ」も視野だが、トリトドンはどうせ逃げるしミロカロスは裏のサンダースでも倒しに行けるため威力重視。相手をなるべく削ってサンダース圏内に押し込み、数的有利を狙う。

・でんじは
ドラパルトやエースバーン等の高速アタッカーに対して2回行動を狙える。上振れれば更に行動回数を稼げる可能性がある。
ただし下振れて外したり相手がラムだと終わるので心臓に悪い。
タイプ的に地面タイプを呼ばないので、でんじはが一貫しやすいのは強み。

オーロラベール
1ターンで両壁を貼る壊れ技。後続へターンを残す観点から死に際に上から撃てる方が強いので、でんじは→ベールかステロという動きを狙いたい。

●持ち物
弱点が多過ぎるため先発で出すにはタスキが必須。
二番手以降で出す場合もタイマン性能を引き上げられる。

●特性
霰で相手のタスキやがんじょうを削り、自身の「オーロラベール」を狙い、裏のサンダースの氷打点を確保するゆきふらし。
みがわり貫通の氷打点を持てるフリーズスキンも面白いが、上記の要素が起点作り性能を引き上げるためゆきふらしが強い。



■サンダース@かえんだま はやあし
10まんボルト ウェザーボール あくび まもる
控え目149-**-81-178-116-173
68-0-4-252-4-180

●配分
・A194ゴリランダーのGF「グラススライダー」耐え
・火傷1回でA194ゴリランダーのGF「グラススライダー」75%耐え
・「ステルスロック」+C172トゲキッスの「Dマジカルシャイン」耐え
・ムドの「がんせきふうじ」+「10まんボルト」で無振りキッス確定
・「ステルスロック」+「10まんボルト」で無振りキッス確定
・S準速エスバ+2

なるべく相手を倒して残数有利を取りたいので控え目C特化とした。
事前の仲間大会のデータではエースバーンの意地っ張りが多かったので素早さを少し甘えているが、本番では陽気エースバーンに抜かれる場面もあった。
臆病の配分も一応考えていたが、手元のイーブイが控え目だったのでミントをケチったという面もある(
火力が高いこと自体は正解だった。

●技構成
・10まんボルト
仮想敵となるトゲキッスギャラドスへの遂行技。「あくび」の一貫を切るミロカロスや、壁展開が厄介なラプラスに抜群を取れる他、電気技自体の通りも良いためアタッカーとして強力だった。

・ウェザーボール
霰時限定で氷打点を持てる。電気+氷の攻撃範囲は非常に広く、ガブリアスやゴリランダー、ドサイドン等に打点があるのは偉い。この技があるお陰でアマルルガガブリアスの処理よりステロや壁を優先出来る。
無天候だとノーマル技だが、「ダイアタック」として相手の素早さ上昇を打ち消す動きも狙える(今回実際に撃つ場面はなかったが、対戦数を増やせばそういう場面もありそう)。

・あくび
高い素早さから死に際に撃てるのが強力な起点作り技。

・まもる
ローリスクでかえんだまを発動させる手段。ダイマに対するターン稼ぎにもなる。先に加速したダイマエースへの切り返しとしての運用をメインに想定しているため、優先順位は高い。

●持ち物
特性はやあしの能動的な発動に必要なかえんだま。
どくどくだまではダメージがかさんでしまうのとダメージ量の管理も面倒なため、かえんだまとした。
この持ち物の真髄は定数ダメージによる「自主退場」が可能な点で、相手がサンダースを倒さないように交代や補助技を繰り返したとしても「あくび」で相手の眠気を誘った状態で裏のエースを降臨出来る。

●特性
一度「まもる」でかえんだまを発動するだけで実質かそくとなるはやあし。
初めてはやあしサンダースを使ったが非常に頼りになる素早さだった。
特にダイジェット半減+飛行タイプへの強打点持ちということでダイジェット環境に強烈に刺さっており、もっと評価されていても良いと思える強さだった。



■ドラパルト@たべのこし クリアボディ
ドラゴンアロー ゴーストダイブ みがわり りゅうのまい
意地っ張り177-178-96-**-96-190
108-172-4-0-4-220

●配分
・HP16n+1
・ステロ+A(+1)「ゴーストダイブ」で161-116キッス 12/16
・「ステルスロック」+A(+1)「Dドラゴンアロー」で366-116ガブリアス14/16
ステルスロック」+A(+1)「Dドラゴンアロー」で207-111ゴリランダー14/16
・S最速インテレオン+1

どうせ素早さは「りゅうのまい」で上がるため最速にはせず、攻撃と耐久重視。
素でもほとんどの相手を抜ける圧倒的な初速があるためこれでも困る場面はほぼなかった。

●技構成
・ドラゴンアロー
通りの良いメインウェポン。この技の性能が非常に偉く、何らかの事故で「ステルスロック」を撒けなかった場合もタスキをケア出来るのが安心感がある。物理相手へのダイドラグーンの攻撃ダウンが偉い。
稀にいる「マジックガード」のタスキフーディンも怖くない。

ゴーストダイブ
これも通りの良いメインウェポン。1ターンの無敵時間が相手のダイマ枯らしやたべのこし回復稼ぎに便利。ダイホロウで火力を上乗せする動きも勿論強い。

・みがわり
味方の「でんじは」「あくび」との相性が抜群。上から撃てるため相手のダイマ枯らしに役立ったり、状態異常対策、エースバーンの「ふいうち」対策にもなり超優秀。環境的にサブウェポンを採用せずとも活躍しやすかったのも追風。

りゅうのまい
勝ち筋となる積み技。素早さ上昇によりこだわりスカーフ持ち全般へのケアになるのが偉い。

●持ち物
「みがわり」「ゴーストダイブ」と相性の良いたべのこし。一度「みがわり」を使用した後にもHPを確保出来るためダイマックス性能を落とさない。

●特性
ダイドラグーンを始めとしたダイマ技で能力を下げられないようクリアボディ。壁に対して強いすりぬけも候補だったが、「みがわり」や「ゴーストダイブ」「ダイウォール」を駆使して壁ターンを枯らせば問題ない。



エアームド@カムラの実 がんじょう
ステルスロック ボディプレス がんせきふうじ ちょうはつ
陽気151-101-187-**-91-127
84-4-212-0-4-204

●配分
・「がんせきふうじ」でトゲキッスに25%以上
・「ボディプレス」で176-131バンギラス確定
・A161(+2)パルシェンの「つららばり」5発耐え
メタグロスの「かみなりパンチ」2発255/256耐え
・C166アマルルガの「ふぶき」+霰1回耐え
・A161C211ギルガルドの「シャドーボール」+「かげうち」耐え
・A106C150ラプラスの「10まんボルト」+「こおりのつぶて」耐え

・S(-1)最速120族抜き
・S最速バンギラス+3

「ボディプレス」で火力を出せるようにしたかったのでBSベース。
最速にするメリットがパルシェンエアームドに同速「ちょうはつ」を挑む時ぐらいしか見当たらず、同速負けした時のリスクを考えるとその動き自体強くないためミラーは捨てて少し耐久に回した。
最低限先制技持ち等に対しても2回以上の行動を狙えるレベルを確保。
HPに振り過ぎないことにより「かえんほうしゃ」等の特殊弱点でいい感じにカムラの実が発動する。

●技構成
ステルスロック
採用理由。特性により安定して撒ける。

・ボディプレス
エースのドラパルトやトゲキッスが少し重いと感じるバンギラスや鋼タイプの削りを重視した技。特にバンギラスを機能停止に追い込むことでサンダースの通りも良くなる。パルシェンに対しても下からボディプレス2発で倒せるため対面で勝てる。ラプラスに対しても良いダメージが入り、非ダイマなら2発で倒せることも。ただしじゃくてんほけんには注意。

・がんせきふうじ
トゲキッスギャラドス、エースバーン等のダイジェットエースに対する抵抗策。ないと好き放題されてしまうため必須。この技があれば突破を許す段階で1加速までで抑えられ、裏のサンダースで切り返せる。
単純に自身の対面性能を上げられ、行動回数増加にも繋がる。
ダイマウルガモスリザードンに対面で勝てるようになるのも偉い。

・ちょうはつ
自分より遅い補助技を止める。相手のステロやトリル、壁展開を止めてこちらだけ一方的に展開して行ける。

●持ち物
選出した場合に行動回数増加に貢献しそうなアイテムとしてがんじょうとの相性も良いカムラの実。
エースバーンの「キョダイカキュウ」対策のオッカの実と迷ったが、欲張ってこちらにした。「キョダイカキュウ」で貫かれる試合もあったが大抵は「かえんボール」から入って来た。



トリトドン@オボンの実 よびみず
あくび うずしお みがわり おきみやげ
穏やか217-**-94-112-143-59
244-0-44-0-220-0

●配分
・A184エースバーンの珠「Dとびはねる」15/16耐え
・「ステルスロック」+A168エースバーンの珠「Dとびはねる」耐え
・C162バイバニラの「フリーズドライ」耐え
・C166アマルルガの「フリーズドライ」15/16耐え
・「ステルスロック」+C172(+2)トゲキッスの「Dエアスラッシュ」13/16耐え

エアームドが物理に強めなので、特殊に厚めの配分に。
特にフリドラ持ちに対しても選出を可能にするのと「わるだくみ」トゲキッスの全抜き阻止の目的が大きい。

●技構成
・あくび
最強の起点作り技。後続の起点を作りつつ「ステルスロック」のダメージを稼ぐ。
このポケモンが使うと「ダイサンダー」でかき消される心配がないのが強い。

うずしお
相手が隙を見せた時に使うと強い技。交代を防ぎつつ「あくび」→「おきみやげ」を決めればほぼ勝ちが決まる。
最低限の「ちょうはつ」対策にもなり相手を削れる。

・みがわり
ラムの実+積み技対策。
通常の型ではトゲキッス@ラムの実を始めとしたポケモンにカモられるが、この技とオボンの実があれば起点にされなくなる。
具体的には

○従来の流れ
1.キッスへ交代 あくび
2.わるだくみ あくび連打失敗 ラムの実で回復
3.ダイジェット 倒れる

○みがわり採用
1.キッスへ交代 あくび
2.わるだくみ みがわり ラムの実で回復
3.攻撃 みがわり割れて再度あくび

というように、ラムカゴ持ちを交代から出された場合も全抜きを許さない。
「あくび」連打は裏目があるが、様子見の安定感を高める意味では他にも用途は多い。

特にレアコイル+ゴリランダーのようなトリトドンの「みがわり」を壊せないポケモンを含むサイクルに対しては、ゴリランダーへの「あくび」からレアコイルに退かれたターンに「みがわり」を貼ることで更に行動回数を増やして行ける。

他にもトリルターン稼ぎや状態異常対策等、幅広い用途があり強かった。
また、相手がステロで倒れるポケモンを切って「あくび」ループを抜ける動きにもそのターン「みがわり」を残せると非常に強い。

・おきみやげ
起点作りに特化した技。「あくび」→「おきみやげ」は最悪でも火力の下がった相手に対してエースをぶつけて積み技を狙える他、相手が居座っていれば眠りターンを消費していない状態でエースと対面させて無償で1ターン動ける。
ドラパルトやメタグロス等、クリアボディ持ちが割と存在する環境なのは向かい風だった。能力は下げられないが自主退場は出来るため、状況によっては問題なく機能する。

●持ち物
どんな状況でも耐えれば「みがわり」分のHPを確保出来るオボンの実。
このアイテムが非常に強く、様々なメリットを生み出す。

①「あくび」→「みがわり」という動きに裏目がなくなる。
・オボンがない場合の裏目パターン
「あくび」の次の「みがわり」のターンに相手が居座って攻撃を押して来た際、HPを削られ過ぎると「みがわり」が不発となり、相手が寝る。
次のターンに相手に1ターン眠りターンを消費されてから遅れて「おきみやげ」となると勿体ない。

・オボンの場合
上記の動きで相手の交代、居座り両方に対して「みがわり」が残る為次ターン以降に有利に展開出来る。

②対面で2回動ける範囲が増える
対面した相手の攻撃を2発耐える場合は「うずしお」から入ることで、「うずしお」→「あくび」(→「おきみやげ」)で確実に相手を寝かせつつ裏のエースを降臨させられる。
この動きがめちゃくちゃ強く、眠りターンを消費していない相手とエースを対面させることで無償で1ターン積める。
こうなれば目の前の相手は寝ているためほぼ倒せるし、裏にダイマターンを残して能力上昇&HPフルのダイマエースで全抜きを狙える。



トゲキッス@するどいツメ きょううん
マジカルシャイン エアスラッシュ だいもんじ わるだくみ
臆病161-**-115-172-135-145
4-0-0-252-0-252

●配分
・S(+1)で最速ドラパルト抜き
・臆病最速

ドラパが強いルールなので臆病。ミラーも多いため最速。

●技構成
マジカルシャイン
バンギラスで止まらないために必須。ヌメルゴンカイリューガチゴラス等のドラゴンタイプも多いため刺さる場面は多い。

エアスラッシュ
最強技ダイジェットの媒体。素で撃っても怯みが強い。

だいもんじ
メタグロスレアコイルギルガルド等の鋼対策。「かえんほうしゃ」ではないのは威力重視のため。ダイマしたメタグロス等を倒し切る可能性が上がる。

・わるだくみ
勝ち筋となる積み技。「あくび」や壁を利用して積むだけで一気に制圧力が上がる。

●持ち物
壁対策としての側面も期待出来るするどいツメ。
ピントレンズでないのはおみとおしされた時に相手の思考時間を少しでも奪うため。

●特性
基本的にダイマックス前提の運用なので、ダイマ時に恩恵のあるきょううん。
持ち物と併せて50%でダイマ技を急所に当てるのは強過ぎる。
最悪「わるだくみ」を積む隙がなくてもステロからダイジェット連打しているだけで勝てる試合もあるくらい凶悪な性能。



【選出】
アマルルガ+サンダース+ドラパルト
エアームドトリトドントゲキッス

基本的にこのどちらか。
ステロ撒いてあくびして積んで全抜きを狙うだけ。
ステロ役はゴリランダー(「ねこだまし」+草技でタスキアマルルガを行動させず倒してくる)、バンギラスメタグロス等がいたらエアームドを出していた。
ドラパルト入りはアマルルガ優先、ラプラス入りはエアームド優先。

あくび役は先発に関係なくサンダースとトリトドンを使い分けていたが、電気の通りが良いパーティ、ミロカロス入りにはサンダース優先。ガブリアスがいた場合はアマルルガとセット。

エース役はサンダースの裏はドラパルトほぼ固定。
上からの「あくび」でサンダースが倒れた後にトゲキッスだと安定行動がないため、ドラパルトの「みがわり」から有利展開を狙う。


エアームドアマルルガトゲキッス
アマルルガが刺さっているがステロ役で終わるには勿体ない場合。
ドラパルト、トゲキッスガブリアスカイリューを始めとして氷弱点が環境に非常に多い。
相手のステロを阻止しつつこちらだけステロやがんせきふうじでサポートしてアマルルガの攻撃を通す。
ステロ壁からのダイマキッスワンマンで勝てそうな場合もこの出し方。



【良かった点】
アマルルガの性能
今回初めて使ったポケモン
登場時からガチ対戦してたのに、対戦で使うのはおろかゲットすら初めてな気がしたレベルで今までスルーしていたw
ステロ壁電磁波+タスキ削りと起点作成要員に欲しい要素を多く持っており、私が好きなパーティとマッチするポケモンだった。弱点が多過ぎるのでこれまでも候補に挙がりかけても採用は敬遠していたが、無事和解した。
アイアンヘッド持ちが環境から消えるか、でんじはが必中になったらもう少し評価を上げたい。


②はやあしサンダースの性能
これも今回初めて使ったポケモン
「殴れる&早い起点作り要員」の強さを存分に味わうことが出来た。
残数有利を取ってから裏に繋げられるのは頼もしく、今後の展開構築にもこの考え方を繋げて行きたい。
ストッパーとしても強く、普通なら絶望的なトゲキッスの「わるだくみ」+「ダイジェット」やギャラドスボーマンダの「ダイジェット」+じしんかじょうに対して裏から全抜きを止めてくれた。


トゲキッス最強
トゲキッスで「わるだくみ」して「ダイジェット」を急所に当てている時の爽快感が凄かった。
このポケモン、サンダーが登場してからは鳴りを潜めていたものの剣盾初期はマジで暴れていたし環境を支配していたなぁと嫌でも思い出した。

進撃の巨人の有名なシーンが脳裏によぎった。


④試合展開が速い
展開系の構築は試合のテンポが良く、サクサク楽しめた。
環境的にドヒドイデやラッキーのような優秀な耐久系ポケモンが少なく、サイクルパが少なかったのもあるだろうか。
あとは選出パターンもある程度固定化されているため、考えるのが楽なのもこういう構築の良いところ。




【反省点】
①準備不足
・事前の仲間大会に1回しか出ていない
・パーティ育成が大会当日にまで及んだ

今回はあまりガッツリ準備時間を取れなかった。
競技のポケモンをやっていた時は深夜3時4時まで睡眠を削ってでも取り組む「覚悟」があったが、趣味でやる範囲だと仕事や家族、自身の健康を優先してしまうというジレンマを抱えている。

去年のネット大会はもう少し頑張れていた気がするが、今回は1月から半年間WCSへ向けて魂を削りまくった後なので、久し振りに気楽にポケモンをやりたいという気持ちが強かった。
実際ストレスを溜めずに純粋にバトルを楽しめたのは良かったし、やっぱりインターネット大会特有の特殊ルールを考察するのは趣味としてすごく好きだな、と再認識した。


②構築の穴が多い
上記の準備不足により構築に穴が多く、やりながら「途中で構築変えたい・・・w」となっていた。
本番中に修正したくなっても時間的にほぼ無理(家族が寝た後に潜る時間を確保するのが精一杯で、大会開催期間中にパーティを育成し直すのはキツい)なので、きっちりやるなら事前に仲間大会で調整を重ねるべき。
ただし厳密に言えば仲間大会と本番では参加者層も環境も異なるため、理想は
「先に1ROMで参加→本番環境を元に改良したパーティでもう1ROMで参加し最終日に45戦消化」
みたいなムーブだろうなぁとは思う。本気で取り組む時はこれを目指したい。


羅列すると非常に多いが、使っていて不便を感じたor詰みパターンがあると認識した箇所は以下。

・ラスイチトドンが弱い
・ミロ入りへの選出択
(ダースの裏のキッスが弱いが、ドラパだとミロを突破出来ない)
・ラムケアが限界あり。ラムドラパとか
クリアボディが多い
・ちょすい呼び水が思ったよりいて渦潮撃ちにくい
・初手舞バトンドラパがムドだと無理
・初手身代わりドラパ無理(ムドトドン時)
・ラスイチで3タテプランはダイマターンの無駄が命取り、身代わりやゴダイ、麻痺痺れ
・ラムエスバがキツい
・カキュウでムド貫通
・初手アマルルガがアイヘ怯みでステロ撒けない
・電磁波外しでも終了
・ムドがエアスラ怯みから火炎でも終了

本番で気付いたものも多いが、構築段階で気付いていたが立ち回りや気合で何とかしよう、と途中で考えるのをやめていたものもある。
(そしてやっぱりどうにもならなかったり、案外どうにかなったり)
この辺は誤魔化さずに突き詰め続ければ全対応する答えがあったのか?と気になっているが、選出段階での択をなくすのが難しい環境であったと個人的には思う。
他の人の構築記事を読んで答え合わせをして行きたい。


③展開戦術の弱さ、脆さ
今回ここに気付けた気がするのはかなり大きいと思っている。
ステロ+あくび+エースの戦術は実はとても脆く、ネット大会向けではない気がした。

特にエアームドトリトドントゲキッスのような出し方を例にすると

(1)トリトドンの単体性能が皆無
・最後にトドンが残ると弱い(タイマンで勝てる相手がいない)ので、出す順番がムド→トドン→キッスに半固定される
・そのせいでムドで削ったり「がんせきふうじ」を当てた相手をキッスで倒して数的有利を取るという動きが取りにくい
・その動きを狙う場合、キッスはダイマを温存して相手を倒し、裏から死に出しされたキッスに強いやつに対してトドンを後投げして展開することになる
・その時トドンが後投げから行動出来ないとほぼ負け(バンギのダイロック→ダイアークで倒されて結局起点を作れない、等)

→「おきみやげ」トドンは起点作成能力こそ高いもののラス1に残っても良いよう、「カウンター」や「ミラーコート」、「じこさいせい」を入れた型の方が選出や立ち回りの柔軟性は上がる
起点作成役が相手を削った状態で倒されたことを想定し、能動的かつ上から削れた相手を倒す手段もあると理想(サンダースは理想にある程度近い性能を持っている)


(2)エースにかかる負担が大きい
・ステロ役、起点作り役がで2枠食うと最後のエース1枠で相手3匹を倒す必要がある
・どんなにお膳立てしても1vs3から逆転3タテを狙うには負担が大きい
・特にダイマックスターンの不足が深刻な問題
・相手3匹が残っていると、綺麗に「ステロ」+無償「わるだくみ」まで決まったとして3ターンで3匹倒し切れるかはダイマックスターンを無駄なく使いきれるかにかかってくる
・相手にダイマを強要されると、ダイマ1ターン目で相手1匹目を倒し、ダイマ2ターン目で相手2匹目を倒し、最終ターンは相手の「ダイウォール」で防がれてから相手に打開されてしまう。ゴーストダイブやキングシールド等の露骨な時間稼ぎも辛い
ダイマがなくても相手のダイマ枠を上からワンパン出来るだけの高火力が必要となるが、ハードルは高い
・耐久にいくら自信があっても上記動きで相手のダイマ技2連打を耐えきるのはほぼ無理
ダイマックスと言う仕様がなければこの限りではないかもしれないが、少なくともダイマ環境では1匹のダイマエースで相手のダイマを含む3匹倒そうとするとかなりの火力が求められる
・エースが急所や追加効果で事故ったら終わるので運負けしやすい

→起点作り役1匹+エース2匹or殴れる展開役+真エースの形が理想

今後展開系を組む際は今回の収穫や反省点を活かして行きたいと思う。



* * *



今回の記事は以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。
来月は新作前最後の月ですが、インターネット大会はあるんですかね?
剣盾環境もあとわずかですが、精一杯楽しんで行きたいと思います!