ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

ミストフィールド滅びBIG-K 〜WCS2018世界大会使用パーティ〜

アローラ!ユウキです。
先日2018/8/24-26にアメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルにて開催されたポケモンの世界大会、WCS2018に初参加して来ました!
今回の記事ではこのWCS2018にて使用したパーティを紹介します。



【実績】
WCS2018 DAY1 スイスドロー予選 マッチ戦績7勝2敗 にて予選突破(DAY1参加者約280名中、上位25名入り)
WCS2018 DAY2 スイスドロー予選 マッチ戦績3勝4敗 にて世界ランク51位



【パーティ】

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
メガゲンガー 臆病 シャドーボール ヘドロばくだん ほろびのうた まもる ゲンガナイト のろわれボディ→かげふみ
ジャラランガ 控え目 スケイルノイズ かえんほうしゃ みがわり まもる ジャラランガ ぼうおん
カプ・ブルル 陽気 ウッドハンマー ウッドホーン いわなだれ ばかぢから こだわりスカーフ グラスメイカ
ガオガエン 生意気 ねこだまし フレアドライブ とんぼがえり まもる フィラのみ いかく
モロバレル 図太い キノコのほうし ヘドロばくだん いかりのこな まもる ウタンのみ さいせいりょく
カプ・レヒレ 控え目 だくりゅう ムーンフォース めいそう まもる ウイのみ ミストメイカ


QRレンタルパーティ
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-445D-83C4



【パーティ選択の背景】
INC JANから全国大会PJCS2018まで一貫してジャラランガ入りを使っていたが、WCS2018に参加するにあたり、今一度パーティ選択を白紙から考えることにした。
まず意識したのは、これまでやったことがないBo3形式に適合したパーティを選択する必要があるという点。先日書いた記事で考察した通り、「まもる」を多めに入れた柔軟な立ち回りが可能なパーティが適していると考えた。
最初は全然異なるメンバーで一から構築を組み始めた。
しかしながらそのパーティは安定感は高かったが1試合にかかるターン数が毎試合10ターン以上と長く、制限時間があるルールに適していないと考えて破棄。
Bo3の経験がこれまで全くなかったので練習の場を欲していた所、タイミング良く開かれていたBo3 Onlineが目に留まった。そこで参加することにした際、手元に丁度いいパーティがなかったのでPJCS予選で使ったパーティをとりあえず使ってみた結果、思った以上に勝率が良くそのまま優勝。その後もう一度別の機会で参加した際も1位だったので、ジャラランガ入りが実はBo3に向いているのでは、ということで煮詰めることにした。



【概要】
基本コンセプトは今までの滅びBIG-K同様、
・エースとなるジャラランガを周囲のサポートで全力で通すプラン
メガゲンガーの「ほろびのうた」展開を通すプラン
の2つをメインの勝ち筋とした、メガゲン軸の〔かげふみ〕ロックパーティ。


ジャラランガのように明確な勝ち筋があるパーティは、初戦でジャラランガを対処してくるポケモン(メガリザYの「エアスラッシュ」の有無や霊獣ランドロスの持ち物やすばやさ、クレセリアの持ち物や配分等)の情報を割ることが出来れば2戦目以降にそれを避けて通すプランが練りやすく、Bo3で勝ちやすいのではと考えた。ジャラランガは相手に対策枠の選出を強制させた上でこちらが別のプランを通すのにも役立つ。


今回は基本選出となるメガゲンガージャラランガカプ・ブルルガオガエンの4匹の並びで対応しにくい部分に対して、残りの2枠を以下のように考察した。


■BIG-Kの課題
ミミッキュ
・『こだわりスカーフカプ・テテフ
ウツロイド
・ミラーに対する回答
・催眠対策
それぞれBIG-Kを回していれば誰もが苦戦を強いられた経験があると思うが、これらの課題を意識して残り2枠の検討を始めた。


モロバレルの採用
まず、モロバレルの採用を決めた。以前のBIG-Kではピッピを採用していた通り、BIG-Kと「このゆびとまれ」「いかりのこな」要員の親和性については今更説明不要だろう。
今回ピッピではなくモロバレルを採用することにした理由は以下の通りだ。
・フェアリー技を半減で受けられる(対ミミッキュで余裕が生まれる)
・毒技が弱点ではない(対ウツロイド、ゲンガーで余裕が生まれる)
・鋼技が弱点ではない(対キリキザンメタグロスで余裕が生まれる)
・相手の「キノコのほうし」が無効(対モロバレル入りの選出パターンに余裕が生まれる)
アギルダーの「いのちがけ」を耐えられる(テテフ+アギルダーの並びに対応可能)


ピッピと違って〔フレンドガード〕でのサポートが出来ない代わりに、「キノコのほうし」で能動的に相手の行動を制限して自身や味方の行動回数を増やせる点も魅力。
モロバレルの持ち物には『ウタンのみ』を採用。メガゲンガージャラランガとの共通の弱点となるエスパー技を吸い寄せても即死を免れ、テテフ+グロスのような組合せに対してメガゲンガーの攻撃を多く通せるようになる。ピッピ+ゲンガーの並びでは初手で偶発対峙した『こだわりスカーフカプ・テテフに逃げられる可能性が高いが、モロバレルであれば「キノコのほうし」の存在から処理を優先されやすく、処理が安定する。また『ウタンのみ』自体が所持率が低く想定されにくい持ち物であるため、相手の目論見を崩して1勝をもぎ取る動きにも期待した。


カプ・レヒレの採用
最後に採用したのはカプ・レヒレ。パーティ2匹目のカプ系となる。
主な役割は催眠対策とミラーへの回答。特にパーティ単位で催眠対策をしていないとモロバレルドーブル入りとのマッチングで毎回窮屈な立ち回りを要求されるため、汎用性が高い催眠対策としてカプ・コケコもしくはカプ・レヒレの採用を検討していた。


○催眠対策を「しんぴのまもり」で行う場合のデメリット
・催眠技を使うポケモンに先制出来なければ意味がない(薄い)
・催眠技を使うポケモンが既に場に出ている場合に「しんぴのまもり」要員が控えにいると催眠技を防ぐ術がない
・技を撃つ必要があるが、相手の選出や立ち回りによってはその1回の行動が無駄になる場合がある


全国大会ではピッピに「しんぴのまもり」を入れていたが、催眠対策としては不十分であると感じていた。ピッピ自身の単体性能を落としてまですばやさに努力値を割いたにもかかわらずさらに速いモロバレルに先制された経験もあり、汎用性のある対策となる〔エレキメイカー〕〔ミストメイカー〕の採用を検討した。


○催眠対策を〔エレキメイカー〕〔ミストメイカー〕で行う場合のメリット
・技を撃たずに対策が可能
・催眠を使うポケモンが場に出ており、自身が控えにいる場合でも交代から防げる


○催眠対策を〔エレキメイカー〕〔ミストメイカー〕で行う場合のデメリット
・フィールドを書き換えられると眠らせられてしまう
・相手のポケモンにも効果が及ぶため、自身が催眠技や状態異常技を使いにくくなる


既にモロバレルを採用しているため自身の「キノコのほうし」が使いにくくなる可能性があるが、それでも技での対策と比べてメリットが大きいため特性による催眠対策を選んだ。
カプ・コケコとカプ・レヒレでは性能が異なるが、今回は以下のメリットを買ってレヒレとした。


カプ・レヒレを採用するメリット(カプ・コケコと比較した場合)
・眠り以外の状態異常にも耐性がつく
・相手のジャラランガに単体で非常に強い
・相手のドラゴン技に対してパーティ全体で耐性を付与出来る
カプ・テテフに対してフィールドを取れば「めいそう」含めて強めに出られる
・耐久が高いためフィールド奪取のための後出しにある程度余裕がある
・不安が残る対雨パーティやバンドリ、バシャーモ入り等にもある程度強い
モロバレルガオガエンとの縦横の相性が良い(サポートしつつ「めいそう」エースにしやすい)


一方でレヒレの場合以下のデメリットが発生する。


カプ・レヒレを採用するデメリット(カプ・コケコと比較した場合)
・味方ジャラランガとの相性が最悪(メインウェポンの威力が半減するため同時選出がしにくい)
・味方モロバレルの「キノコのほうし」が撃ちにくい(これはコケコでも同様)


カプ・レヒレの展開するミストフィールドは味方ジャラランガのメインウェポンのドラゴン技を半減してしまうだけでなく、味方モロバレルの「キノコのほうし」を不発にしてしまうため、かなりアンチシナジーである。そのため、今まではジャラランガ入りの構築とカプ・レヒレは両立し得ないと思い、考察を重ねる中でレヒレが候補には上がりつつも採用は敬遠していた。実際、これまでの経験上BIG-Kにコケコが入ったパーティはそこそこ見たが、レヒレ入りはほとんど見ることはなかった。
しかし「何事もまず試してから」というチャレンジ精神により、とりあえずこの6体で試運転を開始することにした。
すると、選出・立ち回りにきちんと気を付ければ問題なく扱えるレベルであることが分かり、これらデメリットに目を瞑れる程にレヒレ自体の単体性能が高かったので、そのまま練習を重ねて本番に持ち込んだ。練習の成果あって、本番では自らの展開したミストフィールドで損をするミスはなかった。


こうして一見アンチシナジーな並びを擁する本パーティが完成した。
以下、個別に解説する。



【個別解説】
■ゲンガー@ゲンガナイト 〔のろわれボディ〕→〔かげふみ〕
臆病 146-**-101-211-116-200


●技構成
シャドーボール/ヘドロばくだん/ほろびのうた/まもる
全国大会から変更なし。「ほろびのうた」は特にBo3においても貴重な勝ち筋、詰め筋となれるため重要。
可能であればBo3の初戦では「ほろびのうた」を見せずにビートダウンでの勝ちを目指し、2戦目で初めて見せる「ほろびのうた」で締めることを心掛けた。


努力値配分
・C211「ヘドロばくだん」で158-136テテフ確定1発
・C211「ヘドロばくだん」で159-135テテフ93.8%で1発
・C211「ヘドロばくだん」+C166(+1)「かえんほうしゃ」で177-151レヒレを89.2%で撃破
・C211「シャドーボール」+C167W「ブレイジングソウルビート」で227-151クレセリアを85.1%で撃破
・C211「シャドーボール」で167-116メガゲン確定1発
・C211「シャドーボール」で156-130メガグロス75%で1発


・A183メガメタグロスの「じだんだ」43.8%耐え
・A216(-1)霊獣ランドロスのWダメージ「じしん」確定耐え
・A165ガオガエンの「はたきおとす」確定耐え
・C139クレセリアの「サイコショック」81.3%耐え


・C147コケコの「10まんZ」87.5%耐え(同速込で93.8%生存)
・C161レヒレの「だくりゅうZ」37.5%耐え
・C154レヒレの「だくりゅうZ」62.5%耐え
・C200ヒードランの晴れ「かえんほうしゃ」62.5%耐え
・C233メガリザYの晴れW「ねっぷう」確定耐え
・C139クレセリアの「サイコキネシス」93.8%耐え
・S最速


まず第一に対コケコやメガゲンミラーで後手に回る訳にはいかないため、すばやさを最速にするのはマストであると考えた。安定感を求めるのならすばやさを落とした耐久振りも選択肢ではあるが、相手のコケコやゲンガーが軽い構築ではないため、最悪突っ張る選択肢を持てるか持てないかで大きく戦局が変わると判断。
そして耐久を最小限として今回は火力を重視した。主な理由は耐久振りの『こだわりスカーフカプ・テテフカプ・レヒレ、控え目『エスパーZ』クレセリア、そしてメガゲンミラーの処理速度である。
まず『こだわりスカーフカプ・テテフであるが、メガゲンガー単体では勝てない相手であるがモロバレルの「いかりのこな」により一度攻撃を吸い寄せて、返しの「ヘドロばくだん」で倒すのが貴重な処理ルートの1つである。CSベース(146-136)のカプ・テテフはC190「ヘドロばくだん」でも93.8%で倒せるので問題ないのだが、耐久に振った『こだわりスカーフカプ・テテフに「ヘドロばくだん」をギリギリ耐えられるとそのまま負けに繋がるため、ある程度耐久に振ったカプ・テテフまで確実に一撃で仕留めるだけのとくこうが欲しかった。仮想敵として考えたのは、とくこう降り切り、すばやさを最低限の135(『こだわりスカーフ』で最速メガゲンガー抜き)で残りをHPに振ったカプ・テテフ。159-135か158-136となるのでこのラインまでを一撃で倒すためC210以上を指標とした。
C210以上にすることでHP振りカプ・レヒレに対してもジャラランガのC167(+1)「かえんほうしゃ」+C211「ヘドロばくだん」で89.2%で倒せるようになるので、ゲンガー+ジャラランガの並びでの対応範囲がグッと広がる。
また、最近地味に数を増やしている『エスパーZ』クレセリアに関しては処理を間違えるとかなりの痛手を負うので、「シャドーボール」+「ブレイジングソウルビート」で控え目HC振り(227-151)クレセリアをなるべく処理出来るようにしたかった。C211まで伸ばすと急所や追加効果込で85.1%で倒せるようになるため、まずまずのラインであると考えた(穏やかクレセリアには耐えられる可能性が高いが、C127「サイコキネシスZ」ならジャラランガが能力上昇後にほぼ耐えられるため許容範囲)。
最後にミラーであるが、C191「シャドーボール」ではせっかくメガゲンミラーで先手を取れたとしても相手がHP振りだった場合は62.5%で耐えられてしまうのが気になっていたため、同速に勝てばそのままほぼ勝ちを確定させられるよう、167-116メガゲンを確定で倒せるだけのとくこうが欲しかった。これもC211でぴったり達成出来る。
一応ここまでとくこうを伸ばしても残りを耐久に振ることで最低限の行動保証を得られる。特に重要なのがC147コケコの「10まんボルトZ」を耐えることで、同速勝負を仕掛ける際にフィールドを取れば一方的にコケコを処理出来る。


また、余談ではあるがC211「シャドーボール」で146-135カプ・テテフであれば93.8%で倒せるため、テテフグロスの並びで「サイドチェンジZ」を使ってくる不届きなテテフに対しても、メタグロス方向に「シャドーボール」を選んでおけば高確率で処理出来るためパーティの崩壊を防げるようになる。耐久振りテテフまで考慮するとカプ・テテフは「ヘドロばくだん」で倒したいが、「サイドチェンジZ」でグロスと入れ替わられると完全に裏目になるため、初戦で相手の型が分からない状況においてはテテフ+グロスの並びにはグロス方向に「シャドーボール」を撃ちたい。


一方、従来の耐久振りからの変更点ではA197メガメタグロスの「じだんだ」やC161レヒレの「だくりゅうZ」を耐えなくなる点が気になるが、これらは立ち回りで気を付ければ被弾せずに済むレベルであると考えた。実際モロバレルと組むことでそれらを直接喰らわない立ち回りは可能になるので、本番でも耐久の低下が気になる場面はなかった。



ジャラランガジャラランガZ 〔ぼうおん〕
控え目 151-104-145-167-125-137


●技構成
スケイルノイズ/かえんほうしゃ/まもる
全国大会から変更なし。


・みがわり
メガゲンガーの「ほろびのうた」展開との相性の良さ、状態異常対策(レヒレと同時選出しない場合が多いため単体で相手モロバレル等の対策になる技が欲しい)、相手の「まもる」読みで残せた場合の強さを買って採用。特にガオガエンの「ねこだまし」とセットで使うことで真価を発揮し、「ブレイジングソウルビート」を通した後にジャラランガを倒し得るカプ・コケコやカプ・レヒレに「ねこだまし」をしながら「みがわり」を残す立ち回りで、これらフェアリーからジャラランガを処理されるのを遅らせつつ味方メガゲンガーカプ・ブルルでフェアリーの処理を狙えるようになる。「おいかぜ」「トリックルーム」のターン稼ぎにも便利。
また能力を下げることで対応してくる「こごえるかぜ」「クリアスモッグ」の対策にもなるなど、用途が多い。
地味な所では「みがわり」「まもる」両採用により場に長く居座れるようになることで、味方レヒレと同時選出した場合にもミストフィールドが切れるのを待ちやすくなる等のメリットも。
ジャラランガミラーはジャラランガの「りゅうのはどう」ではなくレヒレを選出することで対策する方法にシフトしたため、「りゅうのはどう」を切る弊害はなかった。
格闘技が欲しい場面もあるにはある(主にヒードランバンギラスの処理が遅れるのがネック)が、それ以上に「みがわり」があることで勝ちを盤石に出来る場面や選出可能な範囲が広がるためこの技構成が最も強いと思った。


努力値配分
・「みがわり」がC124クレセリアのWダメージ「こごえるかぜ」93.8%耐え
・「みがわり」がC131モロバレルの「クリアスモッグ」確定耐え
・A135(-1)「ねこだまし」+C166(+1)晴れ「かえんほうしゃ」で146-96カプ・コケコを93.8%で撃破
・S+1で最速メガライボルトメガミミロップと同速


耐久調整をして行動保証を得られることで得する場面よりも、火力を最大まで上げることで相手を倒せることで得する場面の方が多くなると考えてCS振り切り。Bo3であることを考えれば、ランドロスの「じしんZ」等は直撃しないよう立ち回れる。とくこうを高めたお陰でリザコケコやレヒレ、HCクレセリアの処理ルートが増えた。すばやさに関しても、マッチング数は多くないがメガライボルトメガミミロップに先手を取れると味方メガゲンガーが大きな恩恵を受けるので振り切った。


●特性
他の特性もピンポイントで役立つ場面はあるが、味方メガゲンガーの「ほろびのうた」を聞かせつつ居座りたい場面があるので〔ぼうおん〕。相手のジャラランガは基本的にレヒレに処理を任せるが、場合によっては「ブレイジングソウルビート」を無効化する並びを作れるように、やはり〔ぼうおん〕が優位である。他にも「バークアウト」「すてゼリフ」持ちとの対面で明確に有利になる。
ちなみに、「フリーフォール」へのメタとしてぬしジャラランガを使う案も一瞬考えたが、特性が〔ぼうじん〕固定となるため断念した。



ガオガエン@フィラのみ 〔いかく〕
生意気 202-135-123-**-143-58


●技構成
ねこだまし/フレアドライブ/とんぼがえり/まもる
全国大会から変更なし。ビートダウン展開、滅び展開どちらにも対応するためにこの技構成以外ありえない。


努力値配分
・A216メガメタグロスの「アームハンマー」93.8%耐え
・A216(-1)メガメタグロスの威力2倍「じだんだ」93.8%耐え
・A222(-1)メガラグラージの雨「たきのぼり」確定耐え
・A233(-1)メガバシャーモの「ばかぢから」93.8%耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなりZ」確定耐え
・C161カプ・コケコのEF「かみなりZ」81.3%耐え
配分変更なし。色々見直してみたがこれ以上の配分は浮かばなかった。特に物理耐久のラインがこれだけあるとかなり安心である。


●持ち物
HPを回復し、「ねこだまし」の試行回数を稼げるようになる『フィラのみ』。意地っ張りハッサムから「むしくい」を被弾する可能性を考えて『ウイのみ』に変えるか迷ったが、そんなに数はいないであろうということと自身が意地っ張りでないことをバラしてしまうデメリットの方が気になるということからそのままにした。
しかしながらDAY1で一度メガハッサム入りとマッチングし「むしくい」を被弾したので、結果的には『ウイのみ』の方が良かったと思う。



カプ・ブルル
陽気 146-182-135-**--115-139


●技構成
ウッドハンマー/ウッドホーン/ばかぢから/いわなだれ
全国大会から変更なし。「ウッドホーン」はあって良かった試合があったため、基本的に「まもる」よりも有用であると考えている。


努力値配分
・こうげき/すばやさ全振り
基本アタッカーであるため、下手に耐久調整をして相手にミリ耐えされるぐらいなら先に倒し切れる可能性を上げるべきと考えている。


●持ち物
相手のコケコやメガリザードンYに先制するため『こだわりスカーフ』。



モロバレル@ウタンのみ 〔さいせいりょく〕
図太い 221-**-121-105-113-50


●技構成
・キノコのほうし
能動的に相手に干渉出来る技。この技のお陰でピッピより放置されにくく、放置された場合のリターンも大きい。相手コケコやレヒレにフィールドを取られて不発となる可能性があるものの、それら2匹にモロバレル自身は有利である上に、隣にメガゲンガーがいれば〔かげふみ〕により交代でフィールドを奪われる心配なく催眠技を撃てるためメガゲンとの相性はいい。


・いかりのこな
エースとなるメガゲンやジャラランガ、レヒレを相手から守って勝利に繋げる技。草タイプには無効だがモロバレル自身が大半の草タイプに有利であるため、「このゆびとまれ」と比べて極端に使いにくいと感じる場面は少ない。


ヘドロばくだん
フェアリーに強く出られる毒打点。相手の積み技対策になる「クリアスモッグ」も魅力的だが、相手のカプ・テテフカプ・ブルル等にも撃つため処理速度を重視。一応「クリアスモッグ」の仮想敵である積み技使いには「キノコのほうし」や「ほろびのうた」で充分に対抗可能であると判断。たまに鋼タイプ、特にカミツルギへの打点が欲しい場面があるため、「イカサマ」「めざめるパワー(炎)」も選択肢だが、切る技がないため残念ながら不採用となった。


・まもる
「キノコのほうし」の存在もあり集中されやすいポケモンであるため、準必須技。うまく相手の攻撃を「まもる」でスカせれば「いかりのこな」を使った場合以上のアドバンテージが得られる。また、サイクルの中で大事にしたい場合も活きてくる技で、Bo3では優先順位が高い。「まもる」を採用していないことが相手にバレた瞬間に的になってしまうため、採用しなかった場合でも4枠目の技はなるべく撃たない立ち回りが求められるだろう。


努力値配分
・A216ランドロスの「じしんZ」確定耐え
・A216ランドロスの「とんぼがえり」+A197メガグロスのPF〔かたいツメ〕「しねんのずつき」を『ウタンのみ』で99.6%耐え
・C172ランドロスの「だいちのちから」+A216メガメタグロスの〔かたいツメ〕「しねんのずつき」を『ウタンのみ』で確定耐え
・C200カプ・テテフの『いのちのたま』PF「サイコキネシス」を『ウタンのみ』で確定耐え
・A167ガオガエンの「フレアドライブ」93.8%耐え
・C200ヒードランの「かえんほうしゃ」確定耐え
・C161ペリッパーの「ぼうふう」確定耐え
・C232メガゲンガーの「シャドーボール」99.6%で2発耐え
テテフグロス等に対して選出した際、取り巻きの攻撃もしっかり耐えて「いかりのこな」で味方の行動回数を稼ぎたいため、取り巻きに多いランドロスの物理・特殊両面の攻撃を意識して配分した。物理耐久寄りに配分することで、キリキザンミミッキュに対しての役割も安定する。


すばやさのラインは「しんぴのまもり」ピッピを意識して上げる案もあったが、ピッピ自体とのマッチングがそこまで多くなく、また「しんぴのまもり」持ちである確証もないため耐久を下げてまですばやさに割くことはしなかった。無論、ピッピ以外に先制「キノコのほうし」が狙えるようになる相手が増えること自体はメリットがあるが、耐久を下げるデメリットと比較すると多くの場合では耐久が高い方が助かることが多いと考えた。
ちなみにモロバレルをS57以下とするメリットが1つあり、場がエレキフィールドもしくはミストフィールドの場合に、味方ガオガエンの「とんぼがえり」からカプ・ブルルを繰り出してフィールドを書き換えつつ「キノコのほうし」を決めるという小技が使えるようになる。
逆にすばやさをもっと下げるアプローチもあるが、最遅にしてもどうせ相手がガチガチのトリパであればモロバレルで抜けない鈍足エース(メガバクーダコータスツンデツンデ等)が採用されていることが多いため、トリル下で先制することを諦め、鈍足連中との非トリル時のすばやさ関係が分かりやすくなるよう無補正無振りとした。
本番では最遅と見られるトリトドンに非トリル下で先制出来たことで勝てた試合もあったため、すばやさを敢えて落とさなかったのは正解だった。


●持ち物
メガゲンガージャラランガとの共通の弱点となるエスパー技を吸っても一度生存するため『ウタンのみ』。これによりテテフ+グロス等やメガサーナイト入りとのマッチングが大分楽になる。相手から見えていない場合に真価を発揮するアイテムで、環境における採用率が低いためBo3では初見殺し要素にもなれる。エスパーと対峙した場面でも、充分なHPと『ウタンのみ』が残っていればこちらは強気に動かせるため、相手目線ではヤンキープレイに見えるがこちらからすると安定行動となるパターンがある点も面白い。


●特性
サイクルを回す際にHPを回復して行動回数を増やせる〔さいせいりょく〕。特にガオガエンとの縦の相性の良さ、〔いかく〕を活かしてサイクルを回す動きは良く狙う。



カプ・レヒレ@マゴのみ 〔ミストメイカー〕
控え目 177-**-136-143-151-123


●技構成
・だくりゅう
全体攻撃となるメインウェポン。追加効果による上振れが狙える点が優秀。命中率が低いのが気になるが、確実に仕留めたい場合は命中100のメインウェポンもあるためしっかりと立ち回れば大丈夫・・・と思っていたが、割と撃つ場面が多く何度か外しにも泣かされた。


ムーンフォース
単体攻撃のメインウェポン。命中安定で威力も高く、追加効果も優秀と言うことなし。


・めいそう
自身が勝ち筋となれる積み技。ガオガエンの〔いかく〕「ねこだまし」、モロバレルの「いかりのこな」等のサポートを受けて複数回積むことで全抜きを狙える。


・まもる
「めいそう」使用後は特に狙われやすくなるため必須。


努力値配分
・C222メガゲンガーの「ヘドロばくだん」93.8%耐え
・C(+3)「ムーンフォース」で156-121ルンパッパ確定1発
・S準速キリキザン、ルンパッパ(S122)抜き
ナットレイのいない雨パに対して出せる駒であり、高い耐久から雨状態が切れるまで粘る展開も視野に入れるため準速のルンパッパやメガラグラージペリッパーを抜くようにすばやさを調整。
バシャキザンに出して行く場合にも準速キリキザンを抜いているかどうかで行動回数に差が出るため、すばやさを重要視した。
ミラーでも先に動けると一気に有利になるので、レヒレのすばやさは振る恩恵がかなり大きい部類であると思う。


●持ち物
「めいそう」から詰めを狙うパターン、「ほろびのうた」から交代で繰り出すパターンを考慮して回復量の多い『マゴのみ』。『マゴのみ』である理由は勇敢オニシズクモから「むしくい」を被弾した際に混乱させられることから。



【選出】
●基本選出
先発:ゲンガー+ジャラランガ
後発:ガオガエンカプ・ブルル


滅びルート、ジャラランガZルートどちらを狙う場合でもこの先発からが安定する。
特にジャラランガを立てるルートではZを通した後に出てくるカプ系の処理がカギとなる。基本的にカプ・コケコ、カプ・レヒレカプ・ブルル入りにはこの選出で対応可能となる。ガオガエンの「ねこだまし」や「みがわり」を使ってカプ系からの攻撃を凌ぎながら隣の対面を調整し、メガゲンガーの「ヘドロばくだん」かカプ・ブルルの「ウッドハンマー」で縛る立ち回りを意識する。場合によってはメガゲンガーの「ほろびのうた」も詰め筋になる。



●滅び軸
先発:ゲンガー+ガオガエン
後発:モロバレルジャラランガ(カプ・レヒレ)


相手の展開スピードが遅い積み技系統やトリパ、コンボパに対しては滅び展開に寄せた選出をして滅びの成功率を上げる。モロバレルガオガエンの両選出によりメガゲンガーのHP全力で残すように立ち回り、「ほろびのうた」を2回歌うことを目標とする。最後の枠は「まもる」が使えないブルルよりもターン稼ぎ性能を重視してジャラランガやレヒレを選ぶことが多い。単純に耐久が高く木の実も持つレヒレは、メガゲンを交代する際のクッションとして扱うにも丁度良い。



●対テテフ入り(非リザ入り)
先発:ゲンガー+モロバレル
後発:ガオガエンカプ・レヒレ


対テテフ入りは基本選出での対応が難しい。特に『こだわりスカーフ』を持たれているとメガゲンガー、Z発動後のジャラランガカプ・ブルルが全て上から殴られてしまうので崩壊しかねない。そこでモロバレルが「いかりのこな」で吸い寄せている隙にメガゲンガーで処理して行くのが狙い。『ウタンのみ』があればPF「サイコキネシス」を喰らってもモロバレルが生存出来るため、テテフ入りに対して頭数を有利な状態で展開出来る。モロバレルメガゲンガーでの処理に失敗した場合も、カプ・レヒレでフィールドを奪ってから「ねこだまし」を当てたり「めいそう」で切り返すプランで詰めに行く。モロバレル及びメガゲンガーガオガエンの縦の相性が良く、エスパー技を無効にする選択肢が取れると相手の立ち回りに制限をかけられるためガオガエンは是非選出したい。
テテフの攻撃を吸い寄せるだけならエスパー弱点ではない方が良いのだが、アギルダーと組まれている場合を想定すると、ピッピはアギルダーの「いのちがけ」を耐えないため、HPが高くアギルダーに縛られないモロバレルに軍配が上がる。



●対テテフ入り(リザ入り)
先発:ゲンガー+カプ・ブルル
後発:ガオガエンカプ・レヒレ


リザが入っている場合はゲンガー+モロバレルの初手では「ねっぷう」に無力となるため、ブルルの「いわなだれ」でリザの行動を制限しにかかる。初手でテテフが出てきた場合に特性発動順で『こだわりスカーフ』かどうか判別可能。



●対バレル入り(サナバレル、レヒレグロス+バレル等)
先発:ゲンガー+モロバレル
後発:ガオガエンカプ・レヒレ


相手にモロバレルがいる場合、こちらの初手にもモロバレルを置くと隣への「キノコのほうし」の撃ち合いになる。〔かげふみ〕で相手モロバレルをロックした状態でカプ・レヒレを交代で繰り出すと相手のモロバレルが完全に腐るため、相手の盤面をメガゲンガーへの打点がない状態に持ちこんでから「ほろびのうた」で安全に処理することで数的有利を維持したまま試合展開出来る。



【おわりに】
WCS2018ルールにおいては環境初期からジャラランガに着目し、かなり長い間ジャラランガを軸としたパーティを使って来た。
最後までジャラランガを信じて戦い抜くことが出来、初参加の全国大会、世界大会でも良い結果が得られたのは非常に良い経験となった。
長年ポケモンをやって来た中でも最高の1年だったと言えるだろう。
何よりも今回、ナツキが生まれたばかりという状況にも関わらず世界大会へ行かせてくれたあやには本当に感謝してもしきれない。
本当に自分は恵まれた環境にいると思う。貴重な機会をくれてありがとう!



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今回の記事は以上です。長文を読んで下さりありがとうございました。
近いうちに、対戦レポートや世界大会の旅行レポートもUPしたいと思います。
来年のルールも発表されたので、そちらも早速考察していきたいところですね!
ではでは今回はこの辺でノシ