ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

電磁波メガ+オニZVer.1 クレゴーリピクシー 〜真皇杯ラスチャレベスト16・シングル厨ベスト13〜

ご無沙汰してます、ユウキです。今回は久し振り(第七世代初)のシングル63のパーティ紹介記事です。
サンムーン発売以降ずっとオニゴーリ軸のパーティを煮詰めており、以下のような結果が出たこと、自分の予定しているサンムーン環境でのオフ出場が終わったことから公開することにしました。
こちらの記事では2017年6月〜8月上旬に使用していた形(Ver.1)を紹介します。
以降の形については以下のリンクを参照下さい。
Ver.2:http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20170923
Ver.3:http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20170924



【実績】
第3回真皇杯ラスチャレ砂町会場 ベスト16(予選6-2で1位抜け→決勝T初戦敗退)
第34回シングル厨のつどい    ベスト13(予選6-1で1位抜け→決勝T初戦敗退→ルーザーズTで5連勝)



【パーティ】
■Ver.1 クレゴーリピクシー 真皇杯ラスチャレ・シングル厨使用

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
クレッフィ 図太い でんじは どくどく リフレクター ひかりのかべ ひかりのねんど いたずらごころ
オニゴーリ 無邪気 フリーズドライ じしん みがわり まもる たべのこし ムラっけ
ピクシー 図太い ムーンフォース ちいさくなる めいそう つきのひかり アッキのみ マジックガード
メガギャラドス 陽気 たきのぼり でんじは ちょうはつ りゅうのまい ギャラドスナイト いかく→かたやぶり
ポリゴンZ 控え目 10まんボルト れいとうビーム みがわり テクスチャー ノーマルZ てきおうりょく
メガフーディン 臆病 サイコキネシス でんじは ちょうはつ リフレクター フーディナイト シンクロ→トレース

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【構築の経緯】
オニゴーリを軸に選んだ理由
 第七世代に入ってすぐのシングル63環境(バンク解禁前は特に『○○○スキン』+「ハイパーボイス」が使えなかった)においてオニゴーリが使いやすい環境であると考えたのがきっかけで、それ以来長い間オニゴーリ軸のパーティを使って来た。
 基本的にオニゴーリ自体は第六世代以前から強化されたポイントはそこまでない(強いて言えば対戦中にステータスの変化状況を対戦画面でチェック出来るようになりメモの手間が省けるくらい)のだが、以下の点で相対的な強化を受けた。


メガガルーラの〔おやこあい〕の倍率弱体化
ニンフィアの絶滅
ファイアローの絶滅
・化身ボルトロスの激減
メガサーナイトの激減


これらのオニゴーリが苦手としていた敵が軒並み弱体化や数を減らしたことで格段に動かしやすくなったと言えるが、反対にサン・ムーンから登場したポケモンオニゴーリに強いのは以下。


アシレーヌ(「うたかたのアリア」が「みがわり」貫通、「ほろびのうた」や「アンコール」を無理なく採用してくる)
ミミッキュ(〔ばけのかわ〕で最低1回は行動してくる。「のろい」を採用した個体が一定数いる)


これらに対し別枠で回答を用意するよう、パーティをまとめていった。



■起点作り役の選定
 まずオニゴーリの展開を補佐する上での起点作り役(麻痺撒き要員)を採用するが、今回はクレッフィを採用した。クレッフィ自体は第七世代でかなりの弱体化を受けた印象ではあるが、サポート型であれば今でも十分に使える。特に特性〔いたずらごころ〕による先制での状態異常技はやはり強力で、加えて「リフレクター」「ひかりのかべ」で後続を補佐することが可能なポケモンと言うとかなり限られてくる。壁技を採用することにより、オニゴーリメガガルーラアシレーヌキノガッサ等に殴り勝てる可能性が上がる。尚、同じ技構成が可能で特性も同じニャオニクスとは優秀なタイプで差別化出来る。



オニゴーリが出せない相手への裏エースの選定
 オニゴーリ入りのパーティを組む上で次に考えなければならないのは、オニゴーリが出せない相手に対してもう1つの勝ち筋を用意することである。「オニゴーリ絶対選出」という縛りプレイでもない限り、相手パーティに以下のポケモンがいたらオニゴーリの選出を控えた方が良い。


○弱点先制技持ち+こちらがすぐに処理しにくい
・「バレットパンチ」持ち鋼タイプ(ハッサムメタグロスルカリオ等)


○「みがわり」貫通
・〔すりぬけ〕シャンデラ
・「むしのさざめきウルガモスフェローチェ
・「ハイパーボイスメガサーナイト
・「うたかたのアリアアシレーヌ(但し「ひかりのかべ」があれば「フリーズドライ」で殴り勝てる)
・「ロックブラスト」パルシェン、メガヘラクロスドサイドン


○パターンに入っても止められてしまう
・「ほろびのうた」メガゲンガー
・「のろい」ミミッキュ
・「ちょうはつ」+「みちづれ」メガジュペッタ


 これらに対して有利なポケモンとして、まずメガギャラドスに目を付けた。「バレットパンチ」を半減しつつそれらを持つポケモンを起点に「りゅうのまい」から全抜きを仕掛けられる。「むしのさざめき」にも強い上、メガシンカすることでシャンデラのメインウェポンも両方半減可能。「りゅうのまい」でのすばやさ上昇によりメガゲンガー入りにも展開して行ける。
 次にメガギャラドスを止めてくる高耐久水タイプ(カプ・レヒレドヒドイデ等)等に対し弱点を突ける上、鋼タイプにも強く全抜きを仕掛けられるポリゴンZ(電気タイプにテクスチャーする個体)を採用。オニゴーリが出せない場合の裏エースとして十分な攻撃性能を誇る。



■起点作り役(補完)の選定
 メガバシャーモカプ・テテフに対してクレッフィでは展開が間に合わず先に積まれたりすばやさを上げられると切り返せないため、それらに対して展開することが可能な枠としてメガフーディンを採用。



■その他補完枠
 最後にオニゴーリをうまく展開してもネックになってくる「のろい」ミミッキュへのメタとして、〔マジックガード〕ピクシーを採用。通常採用される〔てんねん〕と比べて積み技に隙を見せることにはなるが、〔てんねん〕の採用率が圧倒的多数のピクシーに対してノータイムで積み技を選択するのはリスキーであり、ピクシーが通常苦手とする「どくどく」「やどりぎのタネ」「のろい」に対して強弱関係を逆転させることが可能なため有用であると考えた。



以下、個別に解説を行う。



【個別解説】
クレッフィ@ひかりのねんど 〔いたずらごころ
図太い 164-**-146-**-118-95
でんじは どくどく リフレクター ひかりのかべ


○採用理由
優秀な耐性と特性〔いたずらごころ〕により先制で状態異常技や壁技を放てる点で、サポーターとして見ればまだまだその強さは健在であるため、オニゴーリを始めとするエースの相方として採用した。麻痺撒きだけでなく壁貼りサポートを絡めることで、麻痺を入れられない相手にも攻撃を耐えてオニゴーリの「みがわり」を残す戦法へとシフト出来る。オニゴーリ以外のエースポケモンも壁があると活躍の場が広がるため、積極的に選出したい。


○技構成
・でんじは
オニゴーリの無限の勝ち筋を生み出すために必要。すばやさの減少が1/2になってしまったため特性〔かそく〕のポケモンには麻痺を入れても安心しきれなくなったのは痛い。しかし行動不能率は変わっていないためオニゴーリの「みがわり」での痺れ待ち戦法は健在。

・どくどく
カプ・コケコやデンジュモクのように「でんじは」が無効でかつ「イカサマ」の通りも良くない強力な特殊アタッカーが登場してしまったので採用。メガボーマンダに対しても「りゅうのまい」「はねやすめ」型には麻痺よりこちらの方が有効となる。「でんじは」の通らない電気や地面タイプに毒を入れ、壁を貼ってからオニゴーリで時間を稼ぐことで、これらの相手がいても問題なく展開が可能になる。

・リフレクター、ひかりのかべ
受けるダメージを減らし、オニゴーリの「みがわり」を残しやすくしたりギャラドスやポリゴンZで積み技を使うサポートをする。


○持ち物
壁ターンを伸ばす『ひかりのねんど』。


努力値配分
・リフレクター込でA182ガブリアスの「じしん」2発耐え
ひかりのかべ込でC147カプ・コケコのエレキフィールド「10まんボルト」3発耐え
 (=同条件『こだわりメガネ』+「10まんボルト」2発耐え)



オニゴーリ@たべのこし 〔ムラっけ〕
無邪気 177-101-112-101-90-143
フリーズドライ じしん みがわり まもる


○採用理由
先述の通り、パーティの軸としての採用。環境の変化による追い風が多く、以前より活躍しやすくなった。


○技構成
フリーズドライ
タイプ一致のメインウェポン。水タイプに抜群が取れることにより、積み対策となる「くろいきり」を持ったカプ・レヒレドヒドイデ、「ほろびのうた」持ちのアシレーヌニョロトノ、特性〔てんねん〕で能力上昇を無効化してくるヌオーやナマコブシの弱点を突いて有利に戦える。これらによる対策を覆せるのは大きなメリットであるため、氷技には「フリーズドライ」を優先的に採用したい。

・じしん
氷技の通りが悪い炎タイプや鋼タイプへのサブウェポン。数値受けを手っ取り早く崩せる「ぜったいれいど」も採用率が高く人気だが、自分の運に自信がないので運要素に左右されず堅実な立ち回りで試合を組み立てられるように「じしん」とした。この技がないと環境に多いバシャーモギルガルド等を見るだけで選出を渋ったり選出しても不利な運ゲーを仕掛けるハメになるため、個人的には必須。ヒードランジバコイルにも恐れをなさずに済む。また、「ぜったいれいど」がないと突破できない相手は実はそこまで多くなく、時間をかけてしっかりこうげき・とくこうを上げきればだいたいの相手は倒せる。

・みがわり、まもる
〔ムラっけ〕による能力上昇を1回でも多く稼ぎたいのでセットで必須となる。今作から登場したZワザに対してローリスクで受け流せる手段を2つも持っており、それが汎用性を全く失わない技構成で実現出来る点がオニゴーリの強みである。


○持ち物
「みがわり」による体力消耗を回復出来る『たべのこし』。「はたきおとす」等を受けない限り無限に回復出来る点でいつでも希望を失わずにチャンスを生み出せる。


努力値配分
・A182ガブリアスの「げきりん」を受けてから「みがわり」が貼れる
・A233メガバシャーモの「とびひざげり」を「リフレクター」込で最高乱数以外耐え
・A197メガボーマンダの「すてみタックル」耐え
・最速ヒードラン抜き
・最速マンムー抜かれ(同速により「みがわり」「まもる」のパターン崩壊を避けるため)



■ピクシー@アッキのみ 〔マジックガード
図太い 201-**-133-115-110-86
ムーンフォース ちいさくなる めいそう つきのひかり


○採用理由
ミミッキュの「のろい」でオニゴーリを対策する人が多いため、同じく一見「のろい」で対策出来そうな「ちいさくなる」ピクシーを特性〔マジックガード〕で採用することで逆にミミッキュをカモりたいという発想から。単純にクレッフィの壁サポートと相性が良く、オニゴーリとポリゴンZに次ぐ第3のエースとして活躍が期待出来る。


○技構成
ムーンフォース
攻撃技を1つに絞らなければならない都合上、無効タイプのない「ムーンフォース」採用となった。「アシストパワー」は積まないとまともに火力が出ない反面、タイプ一致でそこそこ火力が出るためピクシーを捨て気味に動かして削りに使うような展開で役に立つ。クレッフィが〔いたずらごころ〕の仕様変更により悪タイプに隙を見せるので、このポケモンを悪に強いコマとして扱えるようになるのは大きな意味を持つ。

・ちいさくなる
ピクシーを勝ち筋として考える上で外せない技。最近では「ヘビーボンバー」を採用したテッカグヤが減ってきたため「やどりぎのタネ」無効と合わせて勝てる場合もある。

・めいそう
火力と特殊耐久を同時に補う技。

つきのひかり
安定した回復技。〔マジックガード〕のお陰で「どくどく」等をケアする「ねむる」を採用せずとも耐久ポケモン相手に要塞化が狙えるのが強み。


○持ち物
不足している物理耐久を補う『アッキのみ』。リフレクターとの相性が良く、壁下で無理やりバシャーモ等に後出ししてから回復が追いつくうちに「ちいさくなる」を積んでいく等の立ち回りが可能になる。


努力値配分
・H全振り-1(2n+1)
・S同族意識 無振り65族+1
・余りB


○特性
散々述べているが「のろい」対策での採用なので〔マジックガード〕。



ギャラドスギャラドスナイト 〔いかく〕→〔かたやぶり〕
陽気 177-170-100-**-121-146
メガシンカ時:177-200-130-**-151-146
たきのぼり でんじは ちょうはつ りゅうのまい


○採用理由
オニゴーリが苦手とする「バレットパンチ」持ちに軒並み強い点から相性がいいメガ枠として採用。他にもオニゴーリの天敵となる〔すりぬけ〕シャンデラや「むしのさざめきウルガモスフェローチェに強い点、「のろい」でオニゴーリを止めてくるミミッキュに対し〔かたやぶり〕による〔ばけのかわ〕貫通で倒しに行ける点、オニゴーリを妨害してくる特性〔いたずらごころ〕による補助技が悪タイプにより無効な点、特性〔てんねん〕でオニゴーリの能力上昇を無視して来るヌオーやピクシー、ナマコブシにも〔てんねん〕を無視して攻撃を通せる点などなど、オニゴーリと相性のいい点が非常に多い。


○技構成
たきのぼり
役割対象となる鋼や炎に通りのいいメインウェポンとして採用。後述の補助技を採用したい関係で攻撃技を1つに絞ることになったので、フーディンと同時選出した場合に非メガシンカ状態でも運用可能な水技になった。

・でんじは
主にオニゴーリのサポートとして採用。ギャラドスだけで簡単に全抜き出来るパーティは最近では多くないので、ギャラドスを止めに来たポケモンに麻痺や「ちょうはつ」を入れてからオニゴーリやポリゴンZで全抜きを目指すというのが実際によく用いる勝ち筋であり、このメガギャラドスはエースというより囮の意味も含めた展開役である。オニゴーリに次ぐ第二のエースであるポリゴンZも先手で「Zテクスチャー」を撃てれば残りHPを温存出来るため、そのサポートにもなる。また、「たきのぼり」の怯みと「でんじは」の行動不能率を合わせれば相手は60%でしか行動できなくなるため、相性が悪い相手を無理やり突破してしまう芸当も可能になる。

・ちょうはつ
ステルスロック」+「ほえる」「ふきとばし」戦法によりオニゴーリギャラドスも手痛いダメージを喰らってしまい試合をうまく展開出来ないため、その対策として採用。地面技しか攻撃技を持たないカバルドングライオン等を完全に起点に出来るようになる。また、自身が全抜き出来ないと分かった際には「ちょうはつ」を当てた状態で後続のポリゴンZに繋ぐことでカプ・レヒレドヒドイデの「くろいきり」等の補助技を封じつつ「Zテクスチャー」へと展開出来る。他にも「じこさいせい」や「トリックルーム」等を止めて受けを突破したり展開を阻止するのに一役買う。

りゅうのまい
優秀な積技。自身が全抜きを狙うのは勿論、すばやさを上げて上から「でんじは」「ちょうはつ」を撃てるようになることで後続へ繋ぐ動きをスムーズにとりやすくなるため非常に便利。


努力値配分
メガシンカ状態でC147カプ・コケコのエレキフィールド「10まんボルト」耐え
ステルスロック+「りゅうのまい」1回「たきのぼり」で無振りカプ・コケコ確定1発
・最速(最速マンムー抜き)



■ポリゴンZ@ノーマルZ 〔てきおうりょく
控え目 161-**-90-205-95-142
10まんボルト れいとうビーム みがわり テクスチャー


○採用理由
余っていたZワザを使うポケモンの中でも屈指の抜き性能を誇るポリゴンZを採用。オニゴーリが出せない相手(ハッサムメタグロスルカリオ等)に対して、電気タイプにテクスチャーすることで「バレットパンチ」を半減しつつ全抜きが狙えるので裏エースとして適任であると考えた。それ以外にも同様にオニゴーリが苦手なアシレーヌや「ほろびのうた」ゲンガー入り、「ちょうはつ」カプ・コケコ等に対して全抜きを仕掛けられるのは非常にありがたい存在であり、オニゴーリで誘ったポケモンを起点にポリゴンZを通すといった選出は何度も決まった。


○技構成
・10まんボルト
オニゴーリの苦手な鋼タイプへ通りがいいメインウェポン。この技を一番上に配置することで「テクスチャー」で電気タイプとなる。電気タイプは一貫性が高い点、サブウェポン1つで広い範囲を網羅出来る点、弱点が1つしかない点、「バレットパンチ」が半減な点、麻痺により機能停止しない点が非常に優秀。

れいとうビーム
電気技の効かない地面タイプを始め、半減のドラゴンや草にも抜群を取れるサブウェポン。この2つの技でほとんどの敵を相手に出来る。

・みがわり
壁や「でんじは」と相性が良く、起点対象である高耐久低火力ポケモンの「どくどく」「やどりぎのタネ」等の対策になる。うまく「みがわり」を残して相手を突破出来れば『こだわりスカーフ』持ちやメガバシャーモでも止まらなくなる。

・テクスチャー
自身を電気タイプに変える技。Zワザ化することで一度きりだが全ステータスのランク+1の壊れ積み技になる。


○持ち物
「テクスチャー」をZ技化するための『ノーマルZ』。


努力値配分
・HP4n+1
・CS全振り



フーディン@フーディナイト 〔シンクロ〕→〔トレース〕
臆病 162-**-80-155-115-173
メガシンカ時:162-**-100-195-125-206
サイコキネシス でんじは ちょうはつ リフレクター


○採用理由
クレッフィを初手に置くとどうしても相手のカプ・テテフバシャーモ入りが厳しくなってしまうので、相手のパーティにこれらがいた場合に代わりに選出する枠としてカプ・テテフ及びバシャーモに弱くないメガフーディンを採用した。カプ・テテフより先に「でんじは」を撃てるすばやさ、カプ・テテフが『こだわりスカーフ』だった場合でも一撃でやられないタイプと耐久を併せ持つ。また、バシャーモと初手で対面しても〔かそく〕をトレースしてしまえば相手が「まもる」を使っても常に上を取り続けることが出来るのでバシャーモ入りに対してもバシャーモを退かせた上で他のポケモンに麻痺を入れることが可能となる。特にメガバシャーモ軸の「バトンタッチ」パーティによくいる霊獣ボルトロスに対しても〔ちくでん〕をトレースすれば完封出来るため、バシャバトン系統に屈指の強さを誇る。また、厄介な「ほろびのうた」持ちのメガゲンガーも上から縛ることが出来る(=メガゲンガーを退かせて控えを起点に出来る)点でもオニゴーリやポリゴンZとの相性はいい。


○技構成
サイコキネシス
仮想敵とするバシャーモやゲンガーを一撃で倒すメインウェポン。

・でんじは
オニゴーリやポリゴンZのサポートとして。

・ちょうはつ
相手に起点にされると困る場合に。カバルドン展開にも強くなれる。ギャラドス同様、「でんじは」+「ちょうはつ」で多くの相手をオニゴーリ及びポリゴンZの起点にする。
また「ムラっけ」による能力上昇を無視して一方的に積んでくる特性〔てんねん〕ピクシーは「ぜったいれいど」不採用のオニゴーリの天敵であるが、メガフーディンに「ちょうはつ」を入れることで〔てんねん〕をトレースして「ちいさくなる」を無視して「ちょうはつ」を当てて削り切れるため、オニゴーリに「ぜったいれいど」を採用せずに済む。

・リフレクター
初手で対面したバシャーモが特性〔もうか〕個体であった場合、こちらが先にメガシンカして〔もうか〕をトレースしてしまうため、相手にメガシンカしつつ「まもる」ですばやさを上げられると次のターンに上を取られてしまう。メガバシャーモの「フレアドライブ」耐えは必要努力値が多過ぎてすばやさの最低ラインであるメガゲンガー抜きと両立不可であり、すばやさを最速にしても1回加速したすばやさ149以上のメガバシャーモには抜かれてしまうため、全パターンに対応するため「リフレクター」を採用。対レヒレアシレーヌを考え「ひかりのかべ」採用も検討したが、バシャーモを見て安心して出せないような型では採用した意味が薄れるのでこちらになった。「リフレクター」によりオニゴーリの「みがわり」がカバルドングライオンの「じしん」で割れなくなったり、ポリゴンZが先制技で縛られにくくなる等のメリットもある。


努力値配分
・A167カプ・コケコのエレキフィールドワイルドボルト」耐え
・A183カプ・コケコのエレキフィールドワイルドボルト」87.5%耐え
・A200ガブリアスの「げきりん」耐え
・C147カプ・コケコのエレキフィールド『こだわりメガネ』+「10まんボルト」耐え
・C161カプ・レヒレの「Zハイドロポンプ」耐え
・最速メガミミロップメガライボルト抜き


○特性
メガシンカ前の特性を〔シンクロ〕としているのは主に〔マジックミラー〕持ちのエーフィ、ヤミラミ等を意識して。通常「でんじは」による麻痺を入れられないこれらの特性持ちに対しても、メガシンカせずに「でんじは」を放つことで〔マジックミラー〕で跳ね返されて自身が麻痺になる→〔シンクロ〕で相手にも麻痺を移すという芸当が可能になる。
フーディンメガシンカせずに〔マジックミラー〕に麻痺を入れることが可能である一方で、ギャラドスメガシンカすることで〔かたやぶり〕で〔マジックミラー〕を無視して麻痺を入れることが可能であるため、イーブイ+エーフィ等の特定の並びを見た際にこれら2匹を同時選出がしやすくなる。特にイーブイバトン系統にはこのフーディンが〔シンクロ〕かどうかで選出の可否が変わってくるため、〔シンクロ〕で採用したかった。カバルドン入り等に対してもフーディンギャラドスを同時選出することは多いが、その際に〔マジックガード〕であれば「ステルスロック」や砂嵐のダメージを受けないため一見便利に見えるが、〔マジックガード〕であることが直接勝敗や選出の可否にかかわってくることはないため、特定の並びに対し選出幅を広げる〔シンクロ〕に軍配が上がった。



【選出例】
クレッフィ/オニゴーリ/ギャラドス
 基本選出その1。相手に露骨なオニゴーリ対策がなさそうな場合はこれで行ける。クレッフィの状態異常サポートがうまく行けばオニゴーリから出して展開して行く。オニゴーリの自覚がなかったり想定外の崩しにより全抜き出来なかった場合でもギャラドスが後掃除を行う。クレッフィが炎タイプや地面タイプに倒されていた場合、先にギャラドスから出す場合もある。壁ギャラドスで無理やり「りゅうのまい」から全抜きを仕掛けていき、全抜きが無理だと判断したら「でんじは」「ちょうはつ」でギャラドスを捨ててオニゴーリに託す。
 同じ選出でも出す順番で2通りのルートを用意出来るため、非常に柔軟な戦いが可能。起点が作れて全抜きも狙えるギャラドスは強い。


クレッフィ/ギャラドス/ポリゴンZ
 オニゴーリが出せない「バレットパンチ」勢やシャンデラ等がいた場合の選出。ギャラもポリZもオニゴーリが誘う相手に強い上に、この2匹がお互いが止まる相手を起点に出来る、相性のいい積みリレーの組み合わせであることがミソ。


クレッフィ/オニゴーリ/ピクシー
 オニゴーリミミッキュに止められそうで、相手のパーティにメガギャラドスストッパーがいる場合の選出。ミミッキュに「のろい」がなければ壁オニゴーリで勝てるし、「のろい」型ならピクシーで勝てる計算。


フーディン/オニゴーリ/何か
 クレッフィが出せないバシャーモカプ・テテフ入りへの選出。先発フーディンから相手のバシャーモ展開を阻止して、バシャーモを退かせるか倒した上で別のポケモンに麻痺を入れてオニゴーリを展開する。「でんじは」無効の霊獣ボルトロスメガフーディンが対面で有利なので、麻痺を撒くことは比較的容易。


フーディン/ギャラドス/オニゴーリ
 カバルドンランドロス(エアームド)+カビゴン等「ステルスロック」+「ふきとばし」「ほえる」戦法、ドヒドイデ等「どくびし」持ちへの選出。オニゴーリ以外を「ちょうはつ」持ちで固めることで初手から設置技を封じて展開する。どちらをメガシンカさせるかは状況により選択。特に「ちょうはつ」「りゅうのまいギャラドスは地面技しかないカバルドンや鋼技しかないカビゴン入りを単体で崩すことも可能で、オニゴーリの出番なく3タテすることも。



【雑感】
 壁クレッフィが出せた場合のパーティパワーが非常に高い。オニゴーリが無理やりガルーラやキノガッサアシレーヌに殴り勝てたり、壁下のメガギャラドスやポリゴンZが数値の化け物と化して暴れまわったり、ピクシーで詰めたりと多岐に渡ってサポートが出来た。
 逆にクレッフィが出しにくいカプ・レヒレカプ・テテフ入りには窮屈な試合展開を余儀なくされ、クレッフィを選出した場合初手でこれらのポケモンに「めいそう」や「ちょうはつ」を持たれているとだいぶ後手に回ってしまう。
 また、ピクシーに関しては「のろい」ミミッキュを完封する試合もあったが、Zワザは必中であるため、多少削られた状態で高威力なZワザで倒される場面も少なくなかった。また並びから〔マジックガード〕読みをされていきなり積んでくる相手もいたため、安定してミミッキュを狩れるとは言い難かった。
 そのため『アッキのみ』に頼らず物理耐久を底上げ出来、「ヘビーボンバー」テッカグヤや殴ってくるミミッキュにも勝てるように「コスモパワー」の採用も検討した。「コスモパワー」「アシストパワー」「ちいさくなる」型だと悪タイプに勝てなくなる上、火力が出るまでが非常に遅く〔てんねん〕でないことがバレた後に積まれた場合に処理が間に合わないため却下し、「コスモパワー」「ムーンフォース」「めいそう」のハイブリッド型を考案した。しかしながら「ちいさくなる」がないことで毎回攻撃を被弾することになり、うまくパターンに入れても急所や追加効果で負ける試合が無視出来ない数あったのでこれも却下。最終的にピクシー自体の解雇を検討することになった。



Ver.2の解説に続く→http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20170923