ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

エルゲンジャララVer.4 W影踏み 〜WCSレート シーズン8使用パーティ〜

アローラ!ユウキです。
今回はレーティングバトルのシーズン8にて使用したパーティの紹介です。
INC Januaryが終わってからすぐに反省点を基に改良を重ね、レーティングバトルでも高い勝率を記録したため自信があったのですが、残念ながら突然の〔いかく〕ガオガエン解禁に伴いお蔵入りとなりました。


●参考リンク
エルゲンジャララVer.1 Wコットン -ユウキのめざめるパワー(氷)
エルゲンジャララVer.2 イカスイッチ -ユウキのめざめるパワー(氷)
エルゲンジャララVer.3 襷ゲン+暗示メガグロス -ユウキのめざめるパワー(氷)



【実績】
レーティングバトル シーズン8 WCS部門 最高1830(33-7)で20位 2018年2月下旬
第34回がにゅーオフ ベスト16(使用者:コウキ)



【パーティ】



【QRレンタルパーティ】
https://3ds.pokemon-gl.com/rentalteam/usum/BT-4730-81C5



【背景】
ジャラランガと組ませるゲンガーはメガが欲しい
前回非メガのゲンガーを採用してまず思ったのは、ジャラランガをエースとして扱うのであればゲンガーの〔かげふみ〕は是非取り入れたいということ。やはりフェアリーのいない盤面を維持してジャラランガZを通せるようにする動きは強力であり、今やジャラランガ対策はほぼ全パーティに仕込まれている中でも、あらゆる相手にジャラランガを選出できるようにするためには必須ともいえる要素であると痛感していた。
そのため、まずはゲンガーをメガゲンガーにするところから考察を再スタートした。



■メガゲンを上から縛る動きへの切り返し
従来問題としていたこれらの動きに対し、前回のVer.3では『きあいのタスキ』ゲンガーを使うことで対策していた。今回はメガゲンガーを使いたいので、これらの上からメガゲンガーを縛る動きに対しては以下のように対策するアプローチで考えた。アイデアはこちらの記事より拝借。


【VGC2018 第17回あいオフ優勝構築(パーティ)】ゲンガー+カプ・ブルル+ジャラランガ-EMOLGAME


・スカーフランドロスグラスフィールド展開で「じしん」を耐える
・スカーフカプ・テテフ→同上でフィールド補正なしの「サイコキネシス」を耐える



エルフーンの『だっしゅつボタン』採用
今回、組み合わせると面白そうだったのでエルゲンの動きでエルフーンの持ち物を『だっしゅつボタン』とした。メリットは以下。


・先制「おいかぜ」後にスカーフランドロスの「じしん」を受けてからブルルを交代で出すことで、相手も「おいかぜ」を使った次のターンにもゲンガーを動かしつつリザY+スカーフランドを両縛りに出来る
エルフーンが速やかに退場することで「おいかぜ」ターンを無駄なくジャラランガに回せる
エルフーンの「おいかぜ」を1試合通して2回以上展開する動きが狙いやすい
ランドロスの「とんぼがえり」やカプ・コケコの「ボルトチェンジ」を一方的にカモれる



トリックルームへの対策
高耐久で「トリックルーム」をしてくるクレセリアやポリゴン2への対策が不十分だったので、「ちょうはつ」を使えるゴチルゼルを採用した。
メガゲンガーと違って初手から〔かげふみ〕を発動するため、相手の選出における先発の決定に対して大きな制限をかけられる。ジャラランガとの相性もそこそこ良く、「サイドチェンジ」でジャラランガを守ったり「トリックルーム」返しも狙える。
〔かげふみ〕を意識して組んだパーティであるため、カプ・ブルルウインディとの相性も良好で、場合によってはメガゲンガーの代わりになったりメガゲンガーを雑に扱っても良くなるなど、2枚目の〔かげふみ〕により盤面操作がかなりしやすくなった。



■特定の並びへの対策、〔いかく〕枠のウインディ
〔かげふみ〕を利用して有利な盤面を作る際、ジャラランガ及びカプ・ブルルが片方にしか有利を取れない並びに対して満遍なく戦えるキャラが欲しかった。
具体例を挙げると

・カプ・コケコ+リザードン (ジャラランガはリザに強いがコケコに弱く、ブルルはコケコに強いがリザに弱い)
カプ・レヒレナットレイ(ハッサム) (ジャラランガはナットハッサムに強いがレヒレに弱く、ブルルはレヒレに強いがナットハッサムに弱い)

のような並びだ。メガゲンに2匹同時に処理を任せるのもほぼ無理なので、これらの並びに対しても退かずに戦えるキャラを探した結果、『とつげきチョッキ』+「ワイルドボルト」持ちのウインディとなった。これらの並びに対して1回以上攻撃を通せるので、立ち回りの幅が広がった。


・カプ・コケコ+リザードンウインディでコケコを処理してジャラで締めるorリザYを処理してブルルで締める
カプ・レヒレナットレイ(ハッサム)→ウインディでレヒレを処理してジャラで締めるorナットハッサムを処理してゲンブルルで締める


これらの2パターンの動きで特定の並びに対しても処理を狙えるようになった。特定の並びに対して片方を崩してサイクルを回させなくする動きは〔かげふみ〕により交代を阻止するからこそ成立する動きであり、本パーティにおける〔かげふみ〕は非常に重要な役割を持つ。


またウインディは貴重な特性〔いかく〕持ちであり、メガゲンガーの足りない物理耐久を補強してくれ、メガゲンが対面すると厄介なガオガエンバンギラスに対しても上から格闘技で弱点を突けるため、メガゲンの隣に置くポケモンとしても優秀であった(ガオガエンの〔いかく〕が解禁されてからは完全にその座を譲った形になるが)。


以上の流れで6匹が決まった。
では、個別に解説を行う。



【個別解説】
エルフーン@だっしゅつボタン
図太い 167-**-134-**-111-136
うそなき アンコール おいかぜ まもる


○採用理由
ジャラランガを上から行動させるための「おいかぜ」を特性〔いたずらごころ〕により先制で使えるため採用。他の「おいかぜ」要員とは発動の安定感で大きな差が出るため、ジャラランガ軸であればやはり第一に採用したい。またフェアリータイプがついているお陰で対ジャラランガミラーでも隙を見せないのも大きな採用理由の一つとなる。言わずもがなゲンガーやジャラランガとの「うそなき」の相性も抜群。


○技構成
・うそなき/おいかぜ
前回から変更なし。


・アンコール
メガゲンガーゴチルゼルの〔かげふみ〕を取り入れたことで、相手の交代を封じつつ技を固定する強みが発揮出来るため復活。相手の「ねこだまし」や「おいかぜ」、各種積み技に対して制限をかけて行ける。


・まもる
持ち物を『だっしゅつボタン』としたことで、初手の「ねこだまし」により何もせずに脱出してしまうケースを避けるため採用。「アンコール」とセットで採用することで初手「ねこだまし」を許さない。また、脱出後に再降臨させた際に、2回目の「おいかぜ」を狙うためのターン調整にも使える。


○持ち物
きあいのタスキ』も採用可能だが、今回は「おいかぜ」サポート後にスムーズに後続に交代出来る『だっしゅつボタン』を持たせてみた。メガゲンガーの〔かげふみ〕「こごえるかぜ」とセットにすることで、ジャラランガを上から通すための盤面をロックして繰り出し、HPの消耗を最小限にして「ブレイジングソウルビート」を放てる。
特に有効なのが対『こだわりスカーフランドロス入り性能で、エルゲンを崩す動きの1つである『こだわりスカーフ』+「じしん」+隣のポケモンで「おいかぜ」という動きに対して、「じしん」で脱出してからカプ・ブルルを出すことで次ターン安全にメガゲンガーが動けるようになる。場合によってはジャラランガから出して「ブレイジングソウルビート」の起点にする動きも可能。
またカプ・コケコの「ボルトチェンジ」や霊獣ランドロスの「とんぼがえり」の的になりやすいポケモンでもあるため、それら交代技を受けた際にこちらの『だっしゅつボタン』が発動し、相手の交代を許さずこちらだけ一方的に有利な後続に変えられる点も大変優秀。


努力値配分
・A194メガガルーラの「すてみタックル」確定耐え
・A205ドリュウズの「アイアンヘッド」確定耐え
・A205ドリュウズの「アイアンヘッド」+砂ダメ1回 75%耐え

・C200ヒードランの「ねっぷう」75%耐え
・C205ウルガモスの「ねっぷう」63%耐え
・C162メガマンダの「ハイパーボイス」確定耐え
・C162メガマンダの「ハイパーボイス」+砂ダメ1回 88%耐え
様々な攻撃を1発耐えてくれるように配分。生き残りさえすれば『だっしゅつボタン』で控えに戻り、2回目の「おいかぜ」展開を狙えるようになる。



■ゲンガー@ゲンガナイト
臆病 159-**-100-190-143-179
シャドーボール ヘドロばくだん こごえるかぜ まもる


○採用理由
ジャラランガが苦手なフェアリーを狩る役として、毒タイプで特性〔かげふみ〕を持つメガゲンガーを採用。非メガだと交代でフェアリーが出てくる動きを警戒しないとならないためジャラランガを通すのが非常に難しくなるため、今回はメガシンカでの採用に戻した。対フェアリー性能だけでなく、ジャラランガの有利なキャラを捕まえて盤面に留めることが重要な役割となる。


○技構成
シャドーボール/ヘドロばくだん/こごえるかぜ
前回から変更なし。特にすばやさが足りていない配分であるので「こごえるかぜ」の重要度は高い。自身の行動回数の増加にも、ジャラランガのサポートにもうってつけである。


・まもる
〔かげふみ〕の維持、「おいかぜ」を安全に使用するために採用。


努力値配分
・C200テテフの「サイコキネシス」62.5%耐え
・C182テテフの「サイコキネシス」確定耐え
・C222メガゲンガーの「シャドーボール」62.5%耐え
・C223ズガドーンの「シャドーボール」62.5%耐え
・C172霊獣ランドロスの「だいちのちから」確定耐え
・C194サンダーの「10まんボルトZ」93.75%耐え
・C161コケコのEF「10まんボルトZ」「まもる」貫通ダメ+EF「10まんボルト」確定耐え
・C161コケコのEF『こだわりメガネ』「10まんボルト」確定耐え
・A166メガボーマンダの〔スカイスキン〕「すてみタックル」81.25%耐え

・「シャドーボール」で無振りメガゲン確定1発
・「ヘドロばくだん」で無振りテテフ確定1発
・S最速110族抜き(メガメタグロス意識)


火力を削り耐久を高め、なるべく場に残ってジャラランガを通せる盤面を維持するようにした。特殊耐久を高めることで対テテフ入りへの選出・立ち回りパターンが増える。
当初はフィールド補正のない「サイコキネシス」を確定耐えの配分を使っていたが、テテフと同居していることが多いメガメタグロスに上を取られるのが致命的に感じたため、すばやさをメガメタグロス抜きとすることでテテフグロスにも出して行けるようにした。その分特殊耐久の乱数を妥協する結果になったが、控え目『こだわりスカーフ』テテフとの遭遇率とメガメタグロスとの強弱関係を天秤にかけてすばやさを取った。実際この選択は正解で、数多のテテフグロスに対しジャラランガを通して勝つことができた。
副産物としてランドロスの「だいちのちから」やサンダーの「10まんボルトZ」も耐えられるので、立ち回りに安定感が生まれる。ゲンガーミラーでも同速ゲーを仕掛けていた頃よりも勝率が上がる。



ジャラランガ@Z
おっとり 151-131-130-166-126-137
スケイルノイズ ドレインパンチ かえんほうしゃ まもる


○採用理由
エースとして採用。あらゆる相手に選出できるようにパーティを組んだつもりなので、広い相手に勝てる技構成を選んだ。


○技構成
スケイルノイズ/かえんほうしゃ/まもる
前回から変更なし。


ドレインパンチ
格闘打点があることでバンギラスカビゴン、ポリゴン2にまで手が伸びるようになる。回復効果もあるのでエースとしての役割を長持ちさせられるのもありがたい。



カプ・ブルルこだわりスカーフ
陽気 146-182-135-**-115-139
ウッドハンマー ウッドホーン いわなだれ ばかぢから


○採用理由
メガゲンガーの苦手な「じしん」対策として採用。他のカプ系全てに有利を取れる性能と〔かげふみ〕によるロックがその攻撃性能を光らせる。
ジャラランガのHPを回復する手段の1つにもなれる点がありがたい。


○技構成
ウッドハンマー
威力重視のメインウェポン。やられる前にやれ、がモットー。


ウッドホーン
威力は控えめだが回復効果付き。相手の多くに草打点が刺さっておりブルルを失いたくない場面で使用。


いわなだれ
草を半減する飛行タイプに撃つ。リザードンには4倍で入るので上を取れれば強弱関係を逆転させられる。


・ばかぢから
ヒードランナットレイを意識。


○持ち物
コケコに先手を取って上から縛るための『こだわりスカーフ』。メガゲンが確実に相手のコケコに先手を取られるため「ボルトチェンジ」で逃げられて「ヘドロばくだん」での処理が狙いにくいことから、この枠でスムーズにコケコを処理できるようにしたかったのが最大の要因。
単純に火力が高いので先手を取れるだけで縛り関係を逆転させられるケースが多く、強力。



ゴチルゼル@ウイのみ 〔かげふみ〕
穏やか 177-**-128-115-165-85
サイコキネシス ちょうはつ  サイドチェンジ トリックルーム


○採用理由
高耐久で「トリックルーム」を使うクレセリアやポリゴン2への対策として。2枚目の〔かげふみ〕要員としてパーティ全体の動きやすさにも貢献。
特にクレセリアは「ちょうはつ」を刺したあとは「わるあがき」しか出せなくなる型も珍しくなく、腐らせた状態で逃がさずに盤面に留められるこの特性の強力さは計り知れない。


○技構成
サイコキネシス
一応の「ちょうはつ」対策で攻撃技を採用。やることがない場面での削りにも。クレセより火力がある。

・ちょうはつ
対「トリックルーム」最終兵器にして最高の対策となる。他にも厄介なモロバレルや「サイドチェンジ」対策になる。

・サイドチェンジ
疑似「このゆびとまれ」で味方のアタッカーを守る。逆に自身を延命させ〔かげふみ〕を持続させる使い方も。

トリックルーム
主に相手のトリル返し用。「ちょうはつ」で止めきれなかった場合に。


○持ち物
場持ちを良くする「ウイのみ」。


努力値配分
・A216メガバンギの「かみくだく」87.5%耐え
・C161コケコのEF「10まんボルトZ」確定耐え
・C212メガリザYの晴れ「オーバーヒート」確定耐え



ウインディとつげきチョッキ 〔いかく〕
意地っ張り 190-176-100-**-100-125
フレアドライブ ワイルドボルト インファイト しんそく


○採用理由
リザコケコ、リザランド、コケコランド、レヒレナットetcの並びを見ても出し負けずに戦えるコマとして採用。恵まれた数値と耐性で撃ち合い、無理やりどちらかを削るか倒すかして、後続のポケモンを通す動きを狙う。


○技構成
フレアドライブ
メインウェポン。鋼タイプへの遂行技。


ワイルドボルト
ヒレ、リザY意識のサブウェポン。たまにエレキフィールドにタダ乗りする。


インファイト
バンギラスガオガエン意識。バンギラスは一撃で倒せる。


しんそく
あると何かと便利な先制技。削り残しを掃除する。



○持ち物
特殊耐久を高めて撃ち合いできる範囲を広げるため『とつげきチョッキ』。物理方面は特性でカバー。


努力値配分
・C161コケコのEF「10まんボルトZ」確定耐え
・C161レヒレのWダメ「だくりゅう」85.8%で2発耐え
・「ワイルドボルト」で177-136レヒレ確定2発
・最速バンギラス抜き



【雑感】
エルフーンの『だっしゅつボタン』はあまり読まれないのもあり使用感が良かった。
・あらゆる相手に初手エルゲン、後発ジャラランガを選出しやすいのが強かった。基本選出の対応範囲が広いのは大事。
・耐久振りのメガゲンガーは非常に安心感がある。しかしたまに火力不足を感じる場面もあった。
・スカーフブルルは単体性能が高い。〔かげふみ〕により〔いかく〕を阻止すると尚強い。
・能力上昇後の「ドレインパンチジャラランガグラスフィールドと併せるとかなりの耐久性能。
ゴチルゼルは選出する場面を間違えなければ強かったが、エルフーンと同時に出すとサポート専門が2匹となり不安。
ウインディはパーティの潤滑油としてよく働いてくれた。〔いかく〕はやはりあると嬉しい。


このように感触は悪くなかったが、ガオガエンの〔いかく〕解禁に伴う使用率の急激な上昇によりエルフーンの選出機会が激減し、自然と基本選出がしづらくなったことから解散となった。
軸としては悪くなかったので、今後別の「おいかぜ」枠を採用した形で再チャレンジしていきたい。
次の記事では、その発想で組んだINC Marchにて使ったパーティを紹介予定。