ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〜メガボーマンダ軸結論パ〜 第19回夜空杯優勝パーティ【2連覇】

10/9に開催された第19回夜空杯(シングル66)にて優勝したパーティの紹介です。
前回の第18回での優勝に続きこれで2連覇となり、嬉しい限りです。
パーティは前回のものをベースに微調整を加えたものなので、まずは先に前回の記事を読むことをお勧めします。


〜ジバコキャッチ+メガマンダ〜 第18回夜空杯優勝パーティ
http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20160719/1468941563


元々は脳内で構築した事前調整なしの「机上論最強パーティ」。
しかし、第18回夜空杯でぶっつけ本番から全勝優勝。(9-0)
その後微調整を経て第19回夜空杯でも予選1敗のみで優勝。(予選6-1→決勝T4-0)
間に挟んだ調整のフレ戦3回(3-0)を含めて、このメガボーマンダ軸パーティの戦績はトータル22勝1敗。
実績もきちんと伴い、ORAS環境のシングル66における個人的な結論パーティと言える傑作です。


それではパーティを紹介しましょう。



【パーティ】


種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ボーマンダ 無邪気 すてみタックル じしん りゅうせいぐん はねやすめ ボーマンダナイト いかく→スカイスキン
マンムー やんちゃ フリーズドライ こおりのつぶて じしん ステルスロック きあいのタスキ あついしぼう
ジバコイル 控え目 10まんボルト ボルトチェンジ ラスターカノン めざめるパワー(炎) こだわりメガネ じりょく
ゲッコウガ 臆病 なみのり れいとうビーム みずしゅりけん くさむすび いのちのたま へんげんじざい
クレッフィ 穏やか イカサマ でんじは いばる みがわり たべのこし いたずらごころ
シャワーズ 図太い ねっとう くろいきり ねがいごと まもる きれいなぬけがら ちょすい


※赤字が第18回からの変更箇所


【背景】
 第18回夜空杯の終了以降、第19回の使用パーティを考える中で、以下の2通りの考え方で色々とパーティ案を模索していた。


(1)メガボーマンダに有利なメガ枠を主軸としたメタ寄りな発想のパーティ
 これまで使われていないメガ枠を開拓してみたいという好奇心と、マークが厳しくなるであろうメガボーマンダを使うよりメタ側に回る方が勝率が高くなるのではないかという発想から。真面目にパーティ編成を考えていた候補として、メガプテラメガジュカインメガライボルト等がいる。これらは単体でメガボーマンダを上から縛れる上に、前回私自身が使って非常に強力だと思ったゲッコウガも上から縛れるポケモンである。しかし、メガボーマンダと比較した際にパーティパワーが著しく落ちてしまっている点が気になっていた。


(2)メガボーマンダを使用する王道のパーティ
 何度思考を巡らせても、このルールで勝利を目的としてパーティを組む場合にメガボーマンダを採用しない理由が見当たらなかった。トップメタであるメガボーマンダを使うと、勿論メタられる側になってしまう。しかし、それでもパーティ構成や立ち回りを工夫することでそれらをかわすことは可能であるし、いわゆる「メタられてても強い」という圧倒的な強さを持ったポケモンなので、今回も採用することにした。ちなみに、参加者が多くて20名くらいでメタの推移が速かった初期の夜空杯や昔のシングル厨のような環境であれば、(2)のメタる側になっても十分な勝率を見込めると思うが、今回は45名という大勢の参加枠が埋まっていたこと、初参加の人もちらほら見られたことから、素直にメガボーマンダで行く方が勝率は高くなると考えた。

 
 というわけでメガボーマンダ軸で考えたわけであるが、前回のパーティの完成度が思いのほか高かったのでそれをベースに考えることにした。対戦していてきついと思ったポケモンや、当たりはしなかったが当たったら辛そうなポケモンや組み合わせに対してメタを張り、以下の形になった。
 

 以下に変更点に絞って個別に解説する。変更なし個体については雑感を述べる。



ボーマンダボーマンダナイト 〔いかく〕→〔スカイスキン
無邪気 171-186-101-131-90-167
メガシンカ時:171-196-151-141-100-189
すてみタックル じしん りゅうせいぐん はねやすめ


●雑感
前回から一切の変更なし。
今回は「はたきおとす」ハッサムを採用していない関係上、『きれいなぬけがら』エアームドを単体で崩せるように「じしん」もしくは「りゅうせいぐん」を抜いて「かえんほうしゃ」「だいもんじ」を入れるか非常に迷った。バンギラスヒードランに隙を見せると厄介なので「じしん」は抜けず、ミラーやウォッシュロトムカバルドン、サンダー等を意識して「りゅうせいぐん」も欲しかったので、結果的に炎技の採用は見送った。「りゅうせいぐん」があることでロトムカバルドン、サンダーを受け出しされた際に退かずに倒しに行けるというのは、個人的にはとても大きいと考えている。こいつらを仕留め損ねると回復技を使われてダメージ蓄積をなかったことにされた上に、こちらは「すてみタックル」『ゴツゴツメット』の反動や「ステルスロック」のダメージを受けた状態で退かざるを得なくなり、サイクル戦で不利になるからだ。一方『きれいなぬけがら』エアームドからはこちらもあまり負担を受けないので、ジバコイルゲッコウガの攻めの起点にして周りから崩せばいいと考えている。



マンムーきあいのタスキ
やんちゃ 185-176-100-121-72-124
フリーズドライ こおりのつぶて じしん ステルスロック


●技構成
つららばりフリーズドライ
前回、ウォッシュロトムを出された場合に退き先がおらず、不便に感じたため採用。この技があることでロトム入りに対しても強気に「ステルスロック」を序盤から仕掛けることが出来る。HP振りウォッシュロトムを「フリーズドライ」で2発で倒せるため、交代際に当てることが出来れば無償で突破、もしくはHPを半分以下まで削りながら「ステルスロック」を撒くといった従来の強弱関係を逆転させる立ち回りが可能。また、ジバコイルが打点を持ちにくいラグラージトリトドンに対しても4倍弱点を突けるため、周りとの相性は抜群。「つららばり」を抜く弊害として「みがわり」を用いるエルフーングライオンキノガッサ等の突破ソースが減ってしまう点が挙げられるが、これらは個体数が少ないと判断。また、エルフーンは「ボルトチェンジ」で、グライオンキノガッサは「こおりのつぶて」で最低限抗うことは可能。


努力値配分
フリーズドライ」採用に伴い、とくこうをHP振りウォッシュロトム意識で高めた。すばやさかこうげき、どちらを犠牲にするか考えた結果、ヒードランに先制出来なくなるデメリットよりもメガボーマンダや霊獣ボルトロスへの「こおりのつぶて」のダメージが落ちるデメリットの方が大きいと判断し、こうげきを伸ばしてすばやさを最低限にした。このルールに最速メガバンギはいても最速バンギはほぼいないので、最速60族抜きで十分。こうげき177があれば陽気ASマンムーと同じ感覚で扱っても問題なかったので、ヒードランを他に任せられるのであれば非常に扱いやすかった。
尚、本番では一度もウォッシュロトムと当たらずにほぼ腐る形となった。ただ、1回だけ撃った準々決勝のこばると戦では、『オボンのみ』霊獣ボルトロスを6割程度しか削れなかったが、凍結を引いてくれたお陰で「ステルスロック」の起点に出来たので採用して良かったと思っている(



ジバコイル@こだわりメガネ 〔じりょく〕
控え目 146-**-136-199-111-111
10まんボルト ボルトチェンジ ラスターカノン めざめるパワー(炎)


●雑感
前回から一切の変更なし。
予選で唯一の1敗を喫した試合では、地面タイプを倒して相手の残りが「スイクン/ゲッコウガ/化身ボルトロス/ヒードラン/メガメタグロス」となった盤面で、シャワーズの後ろから出した際にスイクンの「ぜったいれいど」を1発で被弾してしまった。電気が一貫しており、ジバコイルの攻撃を通す度に1匹以上持っていけるという絶好の盤面だっただけに悔やまれる。このときばかりは特性〔がんじょう〕が欲しくなったが、決勝トナメではきちんとナットレイを焼いたりクレッフィを倒してくれたのでパーティコンセプト上は〔じりょく〕でいいと思う。
クレッフィに対して後出しから逃さず狩れるというのはやはり魅力的。ジバコイルに自覚がないとクレッフィには勝てないが、シャワーズとセットにすることで安定感がぐーんと上がる。準決勝のがちゃぴん戦では相手クレッフィに要所で自虐させられて5回も退けられるも、シャワーズの「ねがいごと」で5回蘇らせ、最終的にはきっちり倒すことが出来、その後こちらのクレッフィで楽しいゲームを展開することが出来た。相手のクレッフィ対策を完璧にし、自分だけクレッフィを使うというのは爽快だった。



ゲッコウガ@いのちのたま [へんげんじざい]
臆病 148-103-87-155-91-191
なみのりれいとうビーム、みずしゅりけん、くさむすび


●技構成
あくのはどう→みずしゅりけん
メガボーマンダゲッコウガ共に自分より速い相手が苦手である。特に対面した場合に退くと甚大な被害が出る〔かそく〕バシャーモに対して抗えるように、先制技で弱点を突ける「みずしゅりけん」を採用した。シングル66であれば『いのちのたま』バシャーモが多い上、「ステルスロック」等で蓄積を与えていれば「みずしゅりけん」圏内まで押し込むことは比較的容易であると考えた。また、『こだわりスカーフ』が割れたポケモンにも相手のHP次第では勝てるようになるため、採用することでゲッコウガの戦える範囲が通常以上に増える。
あくのはどうの仮想的はゴースト、エスパータイプが主だが、今回はクレッフィを採用したことでこれらにゲッコウガが打点を持てずともクレッフィの起点にしてしまえばいいだけなので、困る場面はないと判断した。実際「あくのはどう」を撃ちたい場面はなく、「みずしゅりけん」で『こだわりスカーフヒヒダルマや「りゅうのまいメガバンギラスをケア出来たので、この技構成で正解だった。
なみのり」もしくは「くさむすび」を抜くという選択肢も考えたが、マンムーヒードランを倒せない以上ヒードランの処理が出来るように「なみのり」は欲しく、重めなスイクンにダメージを見込める「くさむすび」も採用したかったので結局「あくのはどう」が抜けた。「くさむすび」はスイクンに撃つだけでなく、ジバコイルでは相手が出来ないスイクン+地面タイプの並びに一貫する点や、ラグラージトリトドンに刺さる点が非常に優秀だった。



クレッフィ@たべのこし 〔いたずらごころ
穏やか 161-**-115-100-152-95
イカサマ でんじは いばる みがわり


●採用理由
前回は当たらなかったが絶対に重いと感じていた『こだわりスカーフサザンドラギルガルドの並びに強く出られることから採用。他にも厳しいバシャーモにも「でんじは」で処理ルートを増やすことが出来、メガボーマンダが苦手とする大半のポケモンに強いという縦の相性の良さを買って採用した。メガボーマンダクレッフィは王道かつメジャーな並びであると思っているが、前回採用出来なかったのは枠の都合とシャワーズが「たべのこし」を持っていたから。クレッフィは「たべのこし」がないと論外であり、シャワーズも「たべのこし」+「まもる」によって足りない耐久を補いながらギリギリで受けが成立するポケモンであるため、この2匹の同居はありえないと思いしばらく悩んでいた。しかし、シャワーズを超えるサポートポケモンも思い浮かばなかったので、シャワーズから「たべのこし」を剥奪する方向性でこの2匹の同居を決めた。
ハッサムと比較すると、「バレットパンチ」と違いダメージはないが、「でんじは」による全抜きストッパーとしての性能や、同じくハッサムが仮想的としていたポリゴン2やクレセリア等の高耐久やオニゴーリへの崩し性能もきちんと維持している上に、自身が「みがわり」から全抜きを仕掛けることが出来るエースとなり得る点が優れている。普通に運用するだけでも強いのに、多少不利で厳しい展開になってしまった場合も、苦し紛れの「でんじは」「いばる」で無理やりワンチャンスを作れるため最後まで勝ち筋を残せるというのは反則的な強さだ。


●技構成
イカサマ
唯一の攻撃技。後述の「いばる」との相性が抜群。序盤でガブリアスランドロスのようなこうげきの高い地面タイプに「でんじは」読みで降臨されても、そこそこの負担を与えることが出来る。


・でんじは
すばやさを奪うことで相手の全抜きを阻止する。「りゅうのまい」や『こだわりスカーフ』持ちもメガボーマンダゲッコウガで上から縛り返せるようになるため、非常に心強い。


・いばる
基本的には「みがわり」を残した状態で撃つ。耐久の高いポケモンもこれで崩せるようになる他、苦しい展開やポケモンの誤魔化しにも使える。


・みがわり
どれだけローリスクで残せるかが腕の見せ所。「でんじは」を被弾したくないであろうポケモンの交代際に積極的に使う。天候ターン稼ぎにも使え、予選のiorinさん戦ではリザYの晴れターンを「みがわり」連打で凌いでから安全にシャワーズで受けたりした。
また、この技の存在自体がクレッフィ対面で地面技や炎技を選ばせやすくするため、エースのメガボーマンダの無償降臨のサポートにもなる。


●持ち物
長く居座る型であるため、自力で永久に回復出来る『たべのこし』。


努力値配分
ゲッコウガサザンドラ等を意識した特殊耐久振り。



シャワーズ@きれいなぬけがら 〔ちょすい〕
図太い 237-**-123-130-116-85
ねっとう くろいきり ねがいごと まもる


●持ち物
『たべのこし』→『きれいなぬけがら』
クレッフィの採用により『たべのこし』を剥奪され、代わりのアイテムを探していた。素直に行けば繰り出し回数や受けられる範囲が増える『オボンのみ』が候補だったが、前回の決勝戦で「くろいきりシャワーズを活躍させたことからこの型のシャワーズの増加が見込まれ、逆にこいつを起点にしてくるようなギミックを考える人がいると思い、『きれいなぬけがら』を採用(自分自身、この型のシャワーズをハメるゴチルゼルメガゲンガーを考えたが、今回は採用には至らず)。当日は11試合やってゴチルゼルを1回しか引かなかったので、残り10試合は実質持ち物なしで戦っていた。しかしそれでも予定していた仕事は十分こなせるだけの耐久があったので、『たべのこし』以外のシャワーズも十分採用圏内であることを今回初めて知ることが出来たのは収穫である。また、その唯一ゴチルゼルと当たった試合が予選最終戦のわいたろうさん戦で、相手のゴチルにキャッチされた後「まもる」で技を固定し、交代で受けてペースを握ることが出来た。その1ターンの動きが有利な試合運びに導いてくれて結果的に勝てたので、採用して良かった。



【バトルビデオ】
@決勝戦
vs iorinさん
相手パーティ:ヒヒダルマ/スイクン/メガリザードンY/マニューラ/バンギラス/ドリュウズ
バトルビデオ:457W-WWWW-WW5X-DN9C


ちなみにiorinさんとは予選で当たっていてその時も勝っている。お互いの大体の型や動きは予選の時に判明済みなので、所々で強気な読みを通して一気に流れを持って行った。具体的には予選ではスイクンと相打ちになり1匹しか倒せなかったゲッコウガの攻撃チャンスを無駄にしないように立ちまわった。
一度やった相手と決勝で再戦っていう流れは、いつやっても慣れないというか余計な緊張があって嫌だなーと思っているが、今回はうまく噛み合って良かった。



【雑感】
全体を通して、どのパーティにも選出段階では不利を感じることなく戦えた。構築の完成度が上がっている証拠だろう。やはりメガボーマンダはメタられていても強く、繰り出すタイミングさえ間違わなければしっかりと活躍してくれた。同様にゲッコウガも非常に刺さりが良く、メガ枠並みの活躍を見せてくれた。決勝戦では有利対面からの交代読みを決めまくって相手のポケモン4匹をなぎ倒すという快挙を成し遂げた。そして、補完としての採用ではあるがジバコイルも多くの敵を倒した。役割対象の鋼タイプに限らず、優秀なタイプと攻撃範囲によりメガボーマンダゲッコウガと同等の撃墜数を誇っていた。
対戦して一番辛かったのは、こばるとのメガジュカイン入りパーティ。メガボーマンダゲッコウガが上から縛られる上に「でんじは」無効の高速アタッカーなので、苦戦を強いられた。自分でも考えたが結局使わなかったメガジュカインがベスト8に食い込み、対戦相手ながらも活躍が見られたのも面白かった。
しかし結局メガボーマンダが連覇したので、やはりORAS環境のトップはコイツで間違いないんだなぁと実感もした。
第七世代でもシングル66は勿論やるので、今後の環境の変化に期待が高まる。



* * *



今回の夜空杯に参加された皆様、運営の皆様、お疲れ様でした!
非常に楽しい1日を過ごせました。対戦して頂いた皆さん、ありがとうございました。
せっかく連覇したのに二次会に行けなかったのは心残りだったので、次も頑張って3連覇目指しますw


■次の更新予定(下書きはほぼ出来ているので、第六世代終わらないうちに更新しておきたいw)
・パーティ解説記事(バンギラス/エアームド/グライオン/クレッフィ/メガゲンガー/ドククラゲ) 〜第17回夜空杯3位、第1回ステロオフ準優勝パーティ〜
オフレポ 第18回夜空杯


ではでは今回はこの辺でノシ