ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〜メガライボルト軸サイクル〜 湧泉杯ベスト4

アローラ!ウルトラサンムーンが発売して一週間が経ちましたね。
私はまだ絶賛ストーリー攻略中です。竜王戦までには対戦環境を整えたいところ。。。
さて、去る8月・10月に私のお気に入りルールであるシングル66のオンライン大会が開催されていましたので、66布教のためにも使用したパーティを残しておきます。



【実績】
湧泉杯ベスト4(予選3-1で2位抜け→準決勝敗退)
大湧泉杯 予選4-3 同率2位(残数1匹差で予選敗退)



【パーティ】
湧泉杯使用Ver.

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
メガライボルト 臆病 10まんボルト ボルトチェンジ かえんほうしゃ めざめるパワー(氷) ライボルトナイト ひらいしん→いかく
テッカグヤ 生意気 ヘビーボンバー かえんほうしゃ やどりぎのタネ まもる たべのこし ビーストブースト
ランクルス 図太い サイコキネシス きあいだま めいそう じこさいせい いのちのたま マジックガード
トリトドン 穏やか だいちのちから れいとうビーム どくどく じこさいせい オボンのみ よびみず
ドヒドイデ 図太い ねっとう どくびし くろいきり じこさいせい きれいなぬけがら さいせいりょく
バンギラス 意地っ張り ストーンエッジ おいうち れいとうパンチ ステルスロック イワZ すなおこし

大湧泉杯使用Ver.

種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
メガライボルト 臆病 10まんボルト ボルトチェンジ かえんほうしゃ めざめるパワー(氷) ライボルトナイト ひらいしん→いかく
テッカグヤ 生意気 ヘビーボンバー かえんほうしゃ やどりぎのタネ まもる たべのこし ビーストブースト
ランクルス 図太い サイコキネシス きあいだま めいそう じこさいせい いのちのたま マジックガード
ニドクイン 臆病 だいちのちから れいとうビーム どくびし ステルスロック シュカのみ ちからずく
シャワーズ 図太い ねっとう ねがいごと くろいきり まもる ウイのみ ちょすい
ミミッキュ 意地っ張り シャドークロー じゃれつく かげうち つるぎのまい ゴーストZ ばけのかわ

【概要】
まず今強いメガ枠は何かを考えた時、メガボーマンダゲッコウガの上を取れるメガライボルトに着目した。前回の夜空杯で使ったメガフーディンもそうだが、すばやさが高いメガ枠の評価は基本的に高い。
メガライボルト自身は高いとくこうとすばやさが特長だが、積み技もない上に技の威力も控え目であるためメガボーマンダメガガルーラのように高威力の技で序盤からガンガン負担をかけたりする戦い方は出来ない。従って役割としては高いすばやさからの「ボルトチェンジ」での試合の組立て及び終盤に削れた相手を一掃するスイーパーが適任である。幸いメガシンカ後の特性〔いかく〕もあるお陰で耐久が低い割にはサイクル適正がそれなりにあるため、取り巻きを高耐久でしっかり囲んでサイクル戦をして蓄積を入れていき、終盤に向けてメガライボルトの一貫を作っていくのをコンセプトとした。


また、ライボルト以外に前から着目していたランクルスも採用し、受けサイクルミラーを優位に進められるようにした。ランクルス自身は初登場のBW初期から猛威を振るっていたが、技の威力のインフレに従い数を減らし、最近ではほとんど見なくなっていたためマークは薄くなっていると考えた。ランクルスの特性〔マジックガード〕は現環境で多く採用されているドヒドイデテッカグヤにほぼノーリスクで繰り出せるという唯一無二の強みを持っており、これらのサイクル相手にストレスフリーな試合展開を出来る。



【個別解説1】湧泉杯使用Ver.
ライボルトライボルトナイト 〔ひらいしん〕→〔いかく〕
臆病 146-**-80-157-80-172
メガシンカ時:146-**-100-187-100-205
10まんボルト ボルトチェンジ かえんほうしゃ めざめるパワー(氷)


構築の始点として採用。メガボーマンダゲッコウガ、カプ・コケコ等を抜いて「ボルトチェンジ」が撃てるため立ち回りの主導権を握りやすくなる。
メガシンカ前の特性は〔ひらいしん〕とし、地面タイプ以外でも電気の一貫を切ることでテッカグヤ軸での立ち回りをより組み立てやすくした。
技構成、努力値配分は特に捻りがないので説明は割愛。
メガシンカ後の〔いかく〕も有用で、相手の物理アタッカーの全抜きを牽制してくれた。
全抜きはしないが仕事をせず出落ちすることもない、3割バッター的な使用感。終盤まで残せれば高いすばやさから相手の行動を制限しやすく、非常に安心感があった。



テッカグヤ@たべのこし 〔ビーストブースト〕
生意気 204-121-124-127-168-72 
ヘビーボンバー やどりぎのタネ かえんほうしゃ まもる


メガライボルトを運用する上で邪魔になる地面タイプ、『こだわりスカーフカプ・テテフ等を意識して真っ先に入ってきたポケモン。タイプ相性がいいのは勿論、単純に〔いかく〕+「ボルトチェンジ」から雑に繰り出せる高耐久ポケモンとして扱える。同じタイプのエアームドも「ステルスロック」枠を兼ねられるため選択肢に挙がったが、こちらは「やどりぎのタネ」でサイクルを回す際の負担を軽減出来る点が非常に優秀なため、メガライボルト軸では優先的に採用したい。
個体はいつもの。テテフ受けを安定させるためにとくぼう特化。
サイクルの中核を担うポケモンであり、特性も併せて勝ち筋の1つとして活躍してくれた。うまく扱えば全抜きが狙える点もエアームドにはない強みである。



ランクルス@いのちのたま 〔マジックガード
図太い 217-**-127-146-106-61
サイコキネシス きあいだま めいそう じこいさいせい


・「ステルスロック」+「きあいだま」でH振りバンギラス確定1発
・S4振りトリトドン抜き


ドヒドイデ撲滅委員会会長。最近の66で数を増やしているドヒドイデ入りのサイクルを崩すために採用。「ねっとう」火傷も「どくどく」も「どくびし」も怖くないため、ドヒドイデに対してノーリスクで投げた後、後ろに負担をかけて行ける。ドヒドイデとセットになりやすいテッカグヤカプ・ブルルの「やどりぎのタネ」も無効化する〔マジックガード〕は対サイクルパでは無類の強さを発揮し、決定力の低い相手を起点に大きく場を荒らしてくれた。
自身が低速ポケモンであり積み切っても急所による負け筋が残るため、こいつで全抜きを目指すのはメインの勝ち筋にはせず、サイクル序盤から中盤にかけて起点対象への繰り出しを積極的に行い、相手の交代先に攻撃技で削りを入れて負担をかける。『いのちのたま』で火力を上げているため積まずとも結構な蓄積が入る。
攻撃技はぼうぎょ特化ドヒドイデを「めいそう」後に一撃で倒すため「サイコキネシス」。「めいそう」合戦やラッキー等を意識すると「サイコショック」が欲しいが、ドヒドイデの方が使用率が高いことや単純に威力が高いことから「サイコキネシス」を採用。
バンギラスを始めとする悪タイプををあまりに呼ぶため「きあいだま」をしぶしぶ採用したが、交代で出てきたバンギラスに対する命中率が0/2という実績を持つ。しかし他の技だと1発で倒せないので代用が効かない点が悩ましい。



トリトドン@オボンのみ 〔よびみず〕
穏やか 218-**-101-113-133-60
だいちのちから れいとうビーム どくどく じこさいせい


・「ステルスロック」+A216メガボーマンダの「すてみタックル」最高乱数以外耐え
・「ステルスロック」+C161(+2)アローラライチュウの『いのちのたま』「サイコキネシス」耐え
・「ステルスロック」+C161(+2)アローラライチュウの「Zきあいだま」耐え


テッカグヤの相方として、弱点となる電気・炎両方に強いトリトドンを採用。特にテッカグヤ入りのサイクルを形成する場合「ボルトチェンジ」の一貫を切る地面タイプは必須と考えている。トリトドンの場合は特性〔よびみず〕により水の一貫も切れるため対雨パーティで安心感が上がる。カットロトム以外のロトムに強い点も見逃せない。
耐久は電気タイプを意識してとくぼうを伸ばした。
ロトムに強いといいつつ投げても打点がないのは困るので、「どくどく」を採用。テッカグヤトリトドンも「ステルスロック」を覚えてくれたらパーティの枠をもう少し圧縮して他に対策枠割けるのになぁと10回くらいは思った。余程「ステルスロック」を覚えて同じ耐性を確保出来る〔ちょすい〕ガマゲロゲを採用するか迷ったが「じこさいせい」の有無は大きいと思うので無難にトリトドンになった。



ドヒドイデ@きれいなぬけがら 〔さいせいりょく〕
図太い 157-**-224-73-163-55
ねっとう どくびし くろいきり じこさいせい


「どくびし」回収要員、バシャーモゲッコウガ受け。ランクルスを入れていても相手のドヒドイデの「どくびし」に仕事をされては意味がないので接地している毒タイプを採用。特にトリトドンだけではカバー出来ないバシャーモ等の炎タイプや格闘タイプを相手にする。
積み技対策となる「くろいきり」を無理なく採用出来る点は評価しているが、基本的に技構成が割れやすく起点にもされやすいので扱いには注意が必要。またどうしてもゴチルゼルに弱くなるため『きれいなぬけがら』と「おいうち」持ち悪タイプをセットで採用しないと不安で仕方ない点は使いにくさを感じる。しかし特性により雑に投げやすい点や役割がない時にもクッションにして対面を調整出来る点はやはり便利で、採用率が高いのも頷ける。



バンギラス@イワZ 〔すなおこし〕
意地っ張り 207-176-131-**-121-107
ストーンエッジ おいうち けたぐり ステルスロック


サイクルを優位に進める「ステルスロック」要員。ドヒドイデが苦手なゴチルゼルを後出しから狩るための「おいうち」要員。また余っていたZ枠も兼ねている。特性により対砂以外の天候パーティに対しての切り返しが可能。単純に数値が高く、トリトドン以外でも電気タイプや炎タイプに強めな枠になれる点も優秀。
しかしバンギラスを含めて地面弱点が3匹になりバランスが悪いのと、正直一番多い天候パーティは砂なのでドリュウズが重くなりテッカグヤの負担が大きくなるのは反省点。悪タイプで「おいうち」「ステルスロック」を覚え、Z枠にしても不発になりにくいポケモンの中では最も汎用性があると判断したが、そもそもこの条件を全て満たす枠というのがまともにおらず厳しかった。



【雑感】
ライボルト自身は使用感は良く、他のポケモン達でサイクルを回して疲弊した相手を終盤に一掃するのに必要なすばやさを持ったメガ枠としてはかなり高性能だと感じた。メガボーマンダゲッコウガに先手を取れる点を買って採用したがそれらとはほとんどマッチングしなかった。しかしながらメガゲンガーやコケコに先手を取れるのはやはり便利だった。
湧泉杯ではトータル戦績5-2であり、2敗の内訳もパーティ負けというわけではなく立ち回りや運次第では勝てる試合内容だったので、パーティの軸は間違っていないと判断。続いて開催されることとなった大湧泉杯では、今回の反省点を踏まえて改良することにした。


特に湧泉杯準決勝での負け方は非常に悔しいものだったので振り返ってみる。
終盤こちらライボルトテッカグヤトリトドンランクルスvs相手ランクルスオノノクス・眼鏡コケコという場面で全員ライボルトで上を取れて削り切れる状況だったのでほぼ勝ちだと思ったが、ライボルトを相手ランクルスの「サイコキネシス」急所で失ってしまったことでワンチャンスが生まれてしまい、避ければ勝ち確定の場面の「ハサミギロチン」を1回で当てられてテッカグヤが沈み、コケコの「マジカルシャイン」が一貫して負けたという内容。序盤ラプラスに撃たれた「ぜったいれいど」も1回で命中する等全体的に運に恵まれなかったのもあるが、パーティが低速に寄っているためライボルトを失った後の高速アタッカーへの切り返し手段に乏しい点は要改善だと感じた。具体的には先制技持ちか『こだわりスカーフ』持ちを投入したかったので、それに伴いメンバー調整をした。



以下、ライボルトテッカグヤランクルスはそのままに下3匹を変更した大湧泉杯使用Ver.の紹介。



【個別解説2】大湧泉杯使用Ver.
ニドクイン@シュカのみ 〔ちからずく
臆病 197-**-108-109-106-125
だいちのちから れいとうビーム どくびし ステルスロック


・「ステルスロック」2回+A197メガボーマンダの「すてみタックル」耐え
・A216メガボーマンダの「すてみタックル」耐え
・「ステルスロック」+A197メガボーマンダの「すてみタックル」耐え
・「ステルスロック」+C161アローラライチュウの「サイコキネシス」最高乱数以外耐え
・「れいとうビーム」で171-111メガボーマンダ確定1発
・「ステルスロック」+「だいちのちから」で185-85ドリュウズ75%で1発
・S最速バンギラス抜き


トリトドンの担っていた電気の一貫阻止とドヒドイデの担っていた「どくびし」回収、「ステルスロック」要員を圧縮した枠。トリトドンより対カプ・コケコ性能が上がるが対ロトム性能が落ちる。これまでのサンムーン環境で開催された全大会の電気タイプの採用率を集計した結果、カプ・コケコ19に対してウォッシュロトム0、ヒートロトム1だけだったのでロトムは切っても問題ないと判断したが、大湧泉杯では予選7試合のうち2回もウォッシュロトム入りと当たってしまいどちらも落とす原因となった。またもう1試合の負け試合も初手でこいつが「たきのぼり」で怯んで「どくびし」を撒けなかったせいで負けたようなものだったので完全に戦犯。それ以来すばやさを引き上げた配分とした。
しかしながらコケコ環境では非常に扱いやすいタイプであり、電気受けとしてはいささか不安は残るが「ステルスロック」要員、「どくびし」要員としては優秀な部類であると感じた。
持ち物はパーティで重めな地面タイプを誘って狩れるように『シュカのみ』とし、とくこうをドリュウズメガボーマンダ等を返り討ちにする値まで引き上げた。予選では霊獣ランドロスを撃墜する等の活躍を見せた(相手は交代読みで地面技以外を選択していたが、『シュカのみ』があるからこそ居座り「れいとうビーム」を選択することが出来た)。



シャワーズ@ウイのみ 〔ちょすい〕
図太い 237-**-123-130-116-85
ねっとう くろいきり ねがいごと まもる


トリトドンの担っていた〔よびみず〕による水の一貫阻止と、ドヒドイデの担っていたバシャーモゲッコウガ受け・積み技対策を融合した枠。ドヒドイデとの大きな違いは地面やゴチルゼルに弱くない点と「ねがいごと」の採用でテッカグヤへの負担を軽減ことが出来る点。
パーティに入っている「どくびし」や「やどりぎのタネ」と「ねがいごと」+「まもる」のコンボは非常に相性が良く、サイクルを回せる相手にはほぼ負けない堅牢さを手に入れることが出来た。
しかし数値がギリギリであり、「ステルスロック」等で蓄積が入るとすぐに物理アタッカーから突破されそうになる点は厳しいと感じた。『たべのこし』がないととても柔らかく感じるがテッカグヤに渡していたので、『ウイのみ』として「ねがいごと」を使用した後に味方を回復させやすくした。



ミミッキュ@ゴーストZ 〔ばけのかわ〕
意地っ張り 131-156-100-**-125-148
シャドークロー じゃれつく かげうち つるぎのまい



余っていたZ枠。パーティに不足していたすばやさ及び先制技成分を補い、ライボルトを失った場合の制圧力及び切り返し要員として採用。
地面枠をニドクインにしたことで不安になるアローラライチュウにも全抜きを許さなくなる。ストッパーとしても優秀だが、崩しとしても高い性能があるためパーティの痒いところ全てを誤魔化してくれた。
しかし、あまりに便利であるが故に逆に言えばパーティのアキレス腱をこいつでカバーしきれないと負けとなるようなパーティの組み方になってしまうのは良くないと感じた。パーティ構築段階では一見誰でも詰んでいない、穴のないパーティが出来たかのような錯覚に陥るが、実戦では厳しいポケモンが複数同居していたりうまく処理出来ないパターンがあるので、思考停止でパーティに入れてしまうのは危険である。実戦では誰のどの攻撃で〔ばけのかわ〕を使うかが非常に重要となり、63よりも一層繊細な運用が要求される。



【雑感】
以前の形よりはミミッキュを入れたことで詰みパターンを減らせたが、ウォッシュロトム絡みだけはトリトドンを抜いたのが裏目に出てしまい、ウォッシュロトム入りへの2敗が原因で予選抜けを逃してしまう形となった。
これまでの傾向から数は少ないと踏んでいたが、1回引いて負けた時点ですぐに改善するべきだったのは反省。また、オフでは多かったドヒドイデ入りサイクルにもほとんど当たらずランクルスが想定よりも刺さらなかった点、メガマンダもゲッコウガもほとんど見なかった点等、メタの読み違いが多かったのは残念。
うまく使用率が高いポケモンに刺さり、使われない部分の対策は切って行く等のメタ読みを鍛えたいところだが、レーティングのような環境があるわけでもないルールであり、唯一のオフ会である夜空杯とオンライン大会から出したKPを元に構築をしているのが現状の最善手であると思っている。
プレイヤー人口も少なく勝手にメタの予想をしても結局独りよがりでしかなく実際の流行は蓋を開けてみないと分からないのは厳しい現実であるが、わいたろうさんのお陰で大湧泉杯はかなりの参加者になり、実際に参加してくれた人のツイート等を見ても「シングル66めちゃ面白い」「このルールが一番好きかも」のような好意的な発言が散見されたので、これをきっかけに66プレイヤーがもっと増えてくれることを願う。


実戦環境があまりなくメタ読みが難しいとはいえ、汎用性をある程度持ったパーティを構築していれば流行に左右されず通用するのは間違いないので、あまり変なことはせず王道で組んで行くのを心掛ければこのルールで大敗することはないと思う。
私自身66大好きプレイヤーとして他の新規参入プレイヤーの参考になるよう様々なパーティ記事を書いているが、他の皆さんも積極的に記事を書いて布教してくれると嬉しい。


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実はこの大湧泉杯の直後にもう1つ大会が開かれて、そちらでは全勝優勝を果たしたのですぐにパーティ解説記事をUPする予定です。
ウルトラサン・ムーンでも66楽しみましょう〜!