5/20に開催された第21回夜空杯(シングル66)にて3位に入賞したパーティの紹介です。
夜空杯はこれまで第18,19,20回大会で優勝しており四連覇がかかっていたのですが、準決勝でしんめーに敗れてしまいました。
四連覇はならず残念でしたが、かなり前のめりなパーティであり予選抜け出来ただけでも十分な気がしますw
【パーティ】
種族名 | 性格 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カプ・テテフ | 控え目 | サイコキネシス | ムーンフォース | シャドーボール | めいそう | ゴーストZ | サイコメイカー |
メガフーディン | 臆病 | サイコキネシス | マジカルシャイン | シャドーボール | きあいだま | フーディナイト | マジックガード→トレース |
ゴチルゼル | 控え目 | サイコショック | 10まんボルト | めざめるパワー(炎) | トリック | こだわりメガネ | かげふみ |
バシャーモ | 無邪気 | かえんほうしゃ | ばかぢから | めざめるパワー(氷) | まもる | いのちのたま | かそく |
ハピナス | 図太い | ステルスロック | かえんほうしゃ | ちきゅうなげ | タマゴうみ | オボンのみ | しぜんかいふく |
ミミッキュ | 意地っ張り | シャドークロー | じゃれつく | かげうち | つるぎのまい | レッドカード | ばけのかわ |
【概要】
第8回どうするよ杯にて優勝したパーティ(http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20170502/1493708253)がかなり強く、自身が解説記事でポジティブキャンペーンをしたことで今回の夜空杯から使用可能になったサトシゲッコウガが一定数いると踏んだ。そこで、サトシゲッコウガ+メガボーマンダに隙を見せないポケモンを軸にしたいと考えていた。
今回はこの2匹の高速アタッカーを上から縛れる素早さを持ち、火力も申し分ないメガフーディンを初めて使ってみることにした。相方には、第20回夜空杯で使用したテテフ・フェローチェ(http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20170129/1485717574)同様の考えでカプ・テテフを採用。メガフーディンの弱点である先制技を封じつつメインのエスパー技の威力を底上げ出来るため、非常に相性のいい組み合わせである。エスパー同士の組み合わせではあるがカプ・テテフはフェアリーを持っており悪タイプに隙を見せにくいのが偉い。
エスパー2匹を軸にして考えた場合に障害となる鋼タイプ、悪タイプ、高耐久(ハピナス、ラッキー、カビゴン、ポリゴン2等)に対しての崩しを期待してバシャーモを採用。テテフのサイコフィールドとの相性も良く、第二の勝ち筋として強力である。
ゴチルゼルの枠には当初エスパー2匹で重い鋼タイプ(主にテッカグヤ、ナットレイ、エアームド)を狩るジバコイルを考えていたが、バシャーモの採用にあたり相手のドヒドイデを逃がさずに狩れることの方が勝ちに繋がりやすいと考えてゴチルゼルとした。このポケモンもエスパータイプであるためサイコフィールドに乗れる。この時点でエスパー3匹というバランスの悪さだったので、残り2枠には大変な負担がかかった。
まず残り2枠で達成したかったのが
・ステルスロック要員
・積み技に対する切り返し
・サトシゲッコウガを受けられる
・ヒードラン、ギルガルドに隙を見せない
という要素である。
本当は電気の一貫を切ったり相手のメガボーマンダや諸々への受けも用意したかったのだが、2枠で達成するのは無理だったのである程度優先順位を付けて割り切った結果、ボルチェンの一貫は切れずとも特殊全般を任せられステルスロックを撒けるハピナスと、積み技への切り返しとしてこの上ない信頼が置けるミミッキュとなった。
最終的にエスパー3匹という歪な構成になったが、
・エスパー3匹による役割集中的な動きで相手のエスパー受けを疲弊させてからメガフーディンを通す
・ドヒドイデ等のバシャーモの天敵を狩ってからバシャーモを通す
という2パターンを用意した攻め主体のパーティに仕上がった。
それでは、以下に詳細を個別に解説する。
■カプ・テテフ@ゴーストZ
控え目 146-**-95-200-135-147
サイコキネシス ムーンフォース シャドーボール めいそう
●採用理由
エースであるメガフーディンの補佐として採用。サイコフィールドを貼ることが一番の役割であるが、フェアリータイプであることと持ち物枠が自由であることを活かしてメガフーディンのエスパー技が通らない悪タイプや鋼タイプへの削りを担当し、エスパー技の一貫を作る。
●技構成
・サイコキネシス
タイプ一致のメインウェポン。ラキハピ意識のショックと迷ったが基本的な威力の高さを重視。あとPP増やしてあるので消すのが勿体なかった。結果的にラキハピには遭遇しなかったので困る場面はなかった。
・ムーンフォース
悪タイプで止まらないため採用。これと後述の『ゴーストZ』+「シャドーボール」があることで厄介なサザンドラ+ギルガルドの組み合わせを単体で崩せる駒になれる。
・シャドーボール
ギルガルドへの役割破壊、ミラー意識で採用。クレセリアやヒードラン、ジバコイル等にも広く通るためダメージを稼ぐのに適している。
・めいそう
主に受け系統の組み合わせを崩すのに使えると思い採用。交代際の「めいそう」後の「むげんあんやへのいざない」で後出しされる鋼に大きな負担をかけられる。
●持ち物
ギルガルドへの瞬間火力を意識した『ゴーストZ』。
●努力値配分
とくこう・すばやさ全振り。
■フーディン@フーディナイト 〔マジックガード〕→〔トレース〕
臆病 131-**-65-187-115-189
メガシンカ時:131-**-85-227-125-222
サイコキネシス シャドーボール マジカルシャイン きあいだま
●採用理由
サトシゲッコウガやメガボーマンダを上から縛れるアタッカーとして採用。特に相手に蓄積が入った終盤での抜き性能に期待。
●技構成
・サイコキネシス
威力重視のメインウェポン。
・マジカルシャイン
ヤミラミやサザンドラ等の悪タイプ意識。削れたメガマンダを縛ったりゲッコウガに「きあいだま」を撃たずに済む。
・きあいだま
上記で対応出来ないバンギラスやジバコイル等を崩すサブウェポン。
●持ち物
メガシンカのために必須の『フーディナイト』。
●努力値配分
とくこう・すばやさ全振り。性格は控え目でも最速カプ・コケコを抜けるが、最速サトシゲッコウガと同速となってしまうためゲッコウガ意識で臆病とした。
●特性
「ステルスロック」や天候、「どくびし」による蓄積を防げる優秀な特性〔マジックガード〕。メガシンカ前の特性が優秀すぎてメガシンカを渋る場面もあるくらい。〔トレース〕も使いどころを考えれば非常に強力なのでこのポケモンは特性に恵まれている。
■ゴチルゼル@こだわりメガネ 〔かげふみ〕
控え目 151-**-116-155-131-116
サイコショック 10まんボルト めざめるパワー(炎) トリック
●採用理由
〔かげふみ〕で相手のサイクルに穴をあけ、エースを通す役割として採用。主なターゲットはフーディンの弊害となるテッカグヤ、ジバコイル、ナットレイ等の鋼タイプ、バシャーモの弊害となるドヒドイデ。
●技構成
・サイコショック
上記2匹のエスパーに「サイコキネシス」を採用している都合上、相手のラキハピ意識のショックをこいつに持たせる結果になった。逃さずに削りを遂行するという点ではゴチルゼルに受けの崩しを担当させる考え方で合っていたとは思う。
・10まんボルト
エアームド、テッカグヤを潰すための技。テッカグヤは特殊耐久が高く倒しきれないが、削りを入れるだけでも十分。
・めざめるパワー(炎)
エスパー勢の邪魔になるジバコイル、ナットレイ、ハッサム等を意識して採用。バシャーモでも焼けるが逃がさずに狩ることが重要。
・トリック
殴るだけでは突破が難しい高耐久ポケモンへのアイテム押し付けとして。崩し性能を大きく上げてくれる。
●持ち物
瞬間火力を上げて役割を遂行しやすくなる『こだわりメガネ』。「トリック」で受けポケモンを機能停止に追い込むためにはこだわり系アイテムを持たせるのはほぼ必須となる。
●努力値配分
すばやさは最速マリルリを意識した配分のメガフシギバナまで抜けるよう調整。
火力はHP振りのメガフシギバナを「ステルスロック」+「サイコキネシス」で1発。
耐久は「ステルスロック」+バシャーモの『いのちのたま』「だいもんじ」耐えかつ「ちきゅうなげ」3発耐え。
■バシャーモ@いのちのたま 〔かそく〕
無邪気 155-143-90-162-81-143
かえんほうしゃ ばかぢから めざめるパワー(氷) まもる
●採用理由
メガフーディンと攻撃範囲の相性がいい第二のエース。メガフーディンが苦手とする鋼や悪に強いだけでなく、メガフーディンを上から縛ってくる『こだわりスカーフ』持ちに対しても〔かそく〕を重ねて抜きに行ける点が偉い。パーティに3匹もエスパーがいる都合上、天敵となるドヒドイデやドククラゲへのケアが通常のパーティよりも大分楽なので活躍する機会が多かった。
●技構成
・かえんほうしゃ
命中安定のメインウェポン。ギルガルドの「キングシールド」を意識して物理メインではなく特殊技にした。
・ばかぢから
同じく命中重視で「とびひざげり」ではなくこちらを採用。ゴーストにスカされると反動を食らう「とびひざげり」とは違い相手にゴーストタイプがいても安心して撃てるのでサザンガルドに屈しないコマになれる。
・めざめるパワー(氷)
トップメタであるメガボーマンダ意識。マンダのKPが高いルールなのでピンポイント採用でも活きる場面は多く、むしろマンダに起点にされるような技構成では後続にかかる負担が大きすぎてこの技がないと採用出来ないレベル。
・まもる
安全にすばやさアップするため必須。
●持ち物
全ての技の威力を底上げする『いのちのたま』。勿論このポケモンの強みを最大限に活かせるアイテムではあるのだが、せっかく全抜き出来そうでも反動ダメージで残りHPが足りずに途中で死ぬという場面があったので、少し考えもの。
●努力値配分
ヒードランに対して「まもる」を挟まずに攻撃したいためすばやさを上げる性格にし、最速ヒードラン抜き。サイコフィールドで先制技はある程度ケアしているが食らう場面もあるので先制技に多い物理技意識でぼうぎょは下げず、とくぼうの下がる無邪気に。とくこう全振りで残りこうげき。
■ハピナス@オボンのみ
図太い 362-**-68-96-155-75
ステルスロック かえんほうしゃ ちきゅうなげ タマゴうみ
●採用理由
「ステルスロック」が撒けてゲッコウガを受けられ、ギルガルドやヒードランにも隙を見せないポケモンを探した結果採用された。電気の一貫は切れないが圧倒的特殊耐久からだいたいの電気勢へのクッションとしても使える。
●技構成
・ステルスロック
採用理由。耐久が高いのでほとんどの相手に突っ張って撒ける。特殊と対面させられれば無償で撒ける。
・かえんほうしゃ
ギルガルドの「みがわり」を壊せるように採用。ヒードランの「みがわり」も壊したいが「ちきゅうなげ」だとギルガルドに攻撃出来ないので両者に有効な「めざめるパワー(地面)」も検討したが、ギルガルドの「みがわり」を壊すには威力が足りなさ過ぎて断念。
・ちきゅうなげ
ヒードラン意識で採用。汎用的な削り技として優秀。「れいとうビーム」も採用したかったがギルガルド、ヒードランを意識した採用枠であるためそちらを優先した。メガボーマンダに隙を見せる技構成になったが後述のミミッキュでケア。
・タマゴうみ
特殊相手に役割を維持するための回復技。『こだわりスカーフ』カプ・テテフやカプ・コケコを安心して任せることが出来た。
●持ち物
「ステルスロック」を積極的に撒きたいのでその際に回復出来ない隙を緩和するため『オボンのみ』として行動回数を増やした。
●努力値配分
物理相手にも突っ張って「ステルスロック」を撒きたいのでぼうぎょ特化。特殊耐久はHP振りだけで十分。
■ミミッキュ@レッドカード 〔ばけのかわ〕
意地っ張り 131-156-100-**-125-148
シャドークロー じゃれつく かげうち つるぎのまい
●採用理由
相手の積みアタッカーに先に展開されてしまった場合のストッパー。先述のハピナスがメガボーマンダに起点にされ放題の型であり、他にもイーブイバトンやオニゴーリ等の展開を許してからでも後出しで対処可能なのがこのポケモンくらいしかいないので採用した。
●技構成
・シャドークロー
タイプ一致のメインウェポン。通りが良く、命中安定。威力は低いが急所も狙える優秀な技。
・じゃれつく
外すのであまり撃ちたくないが、シャドークローでは威力が足りない相手や悪タイプへ。
・かげうち
優秀な先制技。ストッパー運用時も積んで全抜きを狙う時も有用。
・つるぎのまい
素の攻撃力は低いので積んでから戦いたい。特性により1回は確実に舞える上、相手が低火力なら2回以上も狙える。
●持ち物
積み対策として『レッドカード』。これにより立ち回りにゆとりが持てるため非常に安心感があった。相手に積みポケモンがいなかった場合でも無理やり起点に出来るキャラを呼び込んで「つるぎのまい」を複数使うチャンスを作れるのも面白かった。
●努力値配分
こうげき・すばやさ全振り。火力が低いので意地っ張り。意地っ張りでも最速ヒードランやギャラドスを抜いているので十分。
【雑感】
久し振りに非常に前のめりでバランスの悪いパーティを使ったが、対戦相手の反応が毎回面白かった。実際こういう頭悪そうなパーティは相手にすると一番嫌なタイプなので使うのは楽しかったのだが、やりたいことが出来なかった時の負け方がかなり残念なことになるのでそのあたりはやはりきちんと組まれているパーティに比べた脆弱性を痛感した。自身がペースを握っている時は押せ押せな試合展開なのだが、一度切り返されると受けほぼがいないパーティなのでこちらが体勢を立て直すのが困難だった。
コンセプトは比較的悪くなく、ほぼエスパーかバシャーモのどちらかを通して崩し切ることが出来た。しかし予選でのちゃらほい戦では『きれいなぬけがら』ドヒドイデ+鋼2枚の組み合わせを崩しきれず、準決勝でのしんめー戦では『だっしゅつボタン』ドヒドイデ+鋼2枚+バンギラスの組み合わせを崩しきれず負けた。2戦とも基本戦術の1つである「ドヒドイデを狩ってからバシャーモで締める」の「ドヒドイデを狩る」部分が通用しなかった負け方であり、もう1つのコンセプトである「エスパー受けを役割破壊してからメガフーディンで締める」といった戦術が今一歩火力不足だったのかなーという印象。ギルガルドやヒードランをかなり意識していたが実際はギルガルドは1匹もおらず、テッカグヤやジバコイルに苦しめられたのでテテフの技構成がいまいち噛み合わなかった。
また、ゲッコウガを散々警戒していたが1人しかおらず、その1人もサトシゲッコウガではなく『カクトウZ』の物理型だったのでメタの読み違いが残念だった。ゲッコウガ無視していいならハピナスなんて採用しなかったのに・・・w
変なパーティを使うのは楽しかったが、次回はもう少しバランスのいいパーティを組んで堅実に行きたいというのが今回の最終的な感想。
* * *
ではでは今回はこの辺でノシ