長くなってしまったので記事を分けます。
前編は「使用パーティ」と「パーティ構築に至るまで」の2本立て。
パーティ解説・個別解説は別記事の後編へ。
後編:http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20110830/1314719093
種族名 | 性格 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カポエラー | 意地っ張り | 猫騙し | インファイト | 不意打ち | 手助け | 格闘ジュエル | 威嚇 |
ブルンゲル | 冷静 | 潮吹き | シャドーボール | 自己再生 | トリックルーム | 水のジュエル | 呪われボディ |
ユキノオー | 冷静 | 吹雪 | 草結び | 氷の礫 | 守る | 氷のジュエル | 雪降らし |
シャンデラ | 冷静 | 熱風 | シャドーボール | トリックルーム | 守る | 炎のジュエル | 貰い火 |
モロバレル | 生意気 | キノコの胞子 | ギガドレイン | ヘドロ爆弾 | 怒りの粉 | 黒いヘドロ | 胞子 |
ドータクン | 冷静 | サイコキネシス | ラスターカノン | めざめるパワー | トリックルーム | ラムの実 | 耐熱 |
【パーティ構築に至るまで】
4/3のDEXオフ決勝でバンドリを使って雨パに敗れて以来、雨パが環境の中心であると実感。
悔しいが時代はバンドリではなく雨パだと認めざるを得なかった。
バンドリでもある程度戦える証明は出来たが、やはり雨パは強い。
DEX終了後、自分で雨パを回してみてその強さと弱点を研究した。
しかししばらく考えてもミラーへの解決策も含めしっくりと来る雨パが自分で組めなかった。
雨使用者が今後増えるであろうことは容易に予測出来たが、その際に最も厄介なミラーをしっかり処理出来ないのであれば、自分で雨を使ってもある程度勝率を稼ぐことは出来てもオフや大会で優勝する、つまり「勝ち切る」ことは出来ない。
そこで、雨が流行するのであればそれをガンメタしたパーティを使えば一人勝ち出来るじゃん!と考えたのが今回のパーティ構築に至ったきっかけである。
雨パへの明確なメタといえば、やはり最初に浮かんだのはユキノオーだ。
ユキノオーを軸にしたパーティ、つまり霰パを使えば雨パがのさばるこの環境で勝ちを稼げると踏み、試しにBW環境になって初の霰構築に着手した。
パーティの原形が最初に出来たのは5月初旬で、その時の6匹は
「ユキノオー@襷、グレイシア@眼鏡、シャンデラ@珠、モロバレル@バコウ、ローブシン@オボン、ボルトロス@ヨロギ」という形。個体はボックスからの寄せ集めで、09やイッシュの使い回し。
ノオーグレイシア+霰と攻撃範囲で相性の良さそうなシャンデラまではすぐ確定し、格闘技を怒りの粉で吸え、シャンデラのトリルサポートも出来るモロバレル。このままでは辛いバンギやカビやヒードランを処理する格闘枠としてローブシン。最後にグロスにそれなりに強く、シャンデラがトリル出来なかった場合の保険に電磁波も撃てるボルトロス。こうして6匹が決まった。
正直適当感が否めないが、パーティが出来る時なんてだいたい最初はこんなもんじゃないだろうか(
この6匹でダブルレーティングに潜ったところそれなりの勝率で、霰パがBWのダブルでもそれなりに強いことは実感できた。
この後「ユキノオー、グレイシア、シャンデラ、ブルンゲル、ズルズキン、ラティオス」を経て
「ユキノオー、グレイシア、シャンデラ、モロバレル、カポエラー、ボルトロス」となった。
途中まではトリルは決めれたら決めるというスタンスで戦っていたが、だんだんとトリル前提のパーティへシフトして行った。
そして「ユキノオー、グレイシア、シャンデラ、ブルンゲル、モロバレル、カポエラー」を使って5月の下旬頃に行われた突発パプリカップと、その翌日の突発すづけ杯で2連続優勝を果たした。
>http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20110528/1306538453
ちなみに決勝の相手はどちらも雨パで、想定通り見事なまでに刺さってくれて大勝した。レートだけでなくこのようなネットの大会でも通用する構築であると実感出来たので、その後もこの構築を煮詰めて行くことに。
その後もこのメンツでしばらくレート1800くらいをウロウロしていた。
何戦もしているうちにグレイシアが全く選出されない(出来ない)ことに気付いた。
エースのつもりで入れていたのだが、霰トリパという形を取る以上こいつを活躍させるには以下の2つの条件が要る。
・トリックルーム状態にする
・霰状態にする
シンプルな条件ではあるが、実はこの2つを両立させた上でグレイシアを出すのは結構面倒。
1つ目の条件を満たすためには先発にトリル要員を入れなければならないが、さらに2つ目の条件を満たすためにユキノオーも出す必要がある。
トリル要員は必然的に先発になるが、ノオー+トリル要員の並びではうまくトリルを決めさせてもらえない場合が多いので、トリル要員の隣には始動補佐要員が必要となる(カポエラーやモロバレルがそれにあたる)。
猫騙しや怒りの粉(この指とまれ)によりサポートしてやることで、かなりの確率でトリックルーム自体は成功させることが出来る。
だが、残された4ターンのトリル状態中にユキノオーを出して天候を霰にし、さらにグレイシアを降臨させるというのはなかなか骨が折れる。
さらに致命的だと思ったのは、ユキノオーとグレイシアの攻撃範囲が丸被りな点。
基本的にこいつらは吹雪しか撃たないので、氷半減のポケモンが出てくるとすぐに止まってしまう。
半減が出てこようが2匹で吹雪を連打して凍結事故させたり霰ダメージと合わせてゴリ押ししてしまうのが霰パーティの醍醐味であり強みでもあるが、ノオーもグレイシアも苦手なポケモンが被りすぎてるだけでなく得意なポケモンもある程度被っていて、グレイシアでやりたいことはノオーでも出来てしまうことが大半だったりする。
グレイシアはユキノオーと同時に選出しないとメインウェポンの命中も安定しないのに対し、ユキノオーは単体で必中吹雪が使える上に吹雪を半減する水タイプ、霰を阻害してくるバンギラスに対して一致で抜群を取れる草技が使える。グレイシアは吹雪以外のサブウェポンといえばシャドボと水の波動、めざパくらいのものであり器用さに欠ける。単体運用が出来るポケモンかそうでないかは選出のしやすさに露骨に関係してくる。
結果、パーティにユキノオーとグレイシアを両方入れていても、選出率はユキノオー>>>グレイシアとなってしまっていた。
グレイシアが見せ合い時にプレッシャーをかけることは多少はあっても、それ以上に6匹の中に選出しにくいポケモンがいるというのはあまり好ましくはない。
さらに現状の6匹で既に穴がないかと言われれば決してそんなことはなく、実際にバンギラス、メタグロス、シャンデラなどはとても厳しい相手であり、グレイシアはその3匹全員に相性上は不利である。
そこで、実質腐り気味であったグレイシアを抜くという選択を取った。
エースというよりはもはやマスコットと成り下がっていたので、グレイシアがいなくなっても困る場面はほとんどなかった。
最初に穴埋めとして入れたポケモンは「ニョロトノ」である。
採用理由としては上記のバンギグロスシャンデラに対してタイマンで有利な点と、もう1つは「滅びの歌」によりデスラッキー対策も兼ねられる点だ。
モロバレルの怒りの粉とニョロトノの滅びの歌により、既存のデスラッキー構築にはかなり強くなったと言える。
また、特性雨降らしはブルンゲルの水技の威力を上げることが出来たり、相手の炎技の威力を下げてくれるというのもパーティとシナジーしていた。
そして第1回たねおふには、グレイシアをニョロトノに変更した6匹で挑んだ。
結果は9-5でブロック3位でギリギリ予選落ちだった。
また、このたねおふには相談したわけでもないのに自分のパーティと5匹被りが2人いたのも驚きだった。
「カポエラー、ブルンゲル、ユキノオー、シャンデラ、モロバレル」の5匹までは一緒で、残り1枠が3人全員違っていた。
1人はグレイシア(テケテケ)、もう1人はトゲキッス(こばると)、そしてニョロトノ(ユウキ)。
それぞれ利点と欠点があるが、考えの違いが見られて興味深かった。
グレイシアは素直に組むならば当然入ってくるし、最悪雪がくれや吹雪ゴリ押しで不利なやつ相手にも逆転のチャンスがある。
トゲキッスはトリルサポートのこのゆび要員になれる上に、パが苦手気味なシャンデラのシャドボを無効にして吸い寄せられるのは大きな利点だろう。エアスラでのクソゲーも相当強い。
ここでこのたねおふで予選14戦やって気付いたことは、ニョロトノを1回も選出しなかったことであるw
さらに肝心のデスラッキーは別ブロックでミーサさんが使っていたのみであり、そのミーサパには防音+スキスワのバリヤードが入っていた。ニョロトノの滅びでデスラッキー対策したつもりになっていたので、その甘い考えは完全否定された。
また、何故ニョロトノを全然選出しなかったのか考えたところ、トノはグレイシアと違い単騎でも運用が出来るポケモンではあったが、このパーティとは選出の相性が悪かったので選出出来なかったという結論に至った。
トリパである以上、先発が「トリル要員」+「始動補佐要員」の並びになりがちなのは先程述べた。
そうすると、どちらでもないニョロトノ、ユキノオーは後発になることがほとんどとなる。
しかしこの2匹は一緒に選出する場合の相性がとても悪く、ユキノオーをもし先に出した場合はその後にトノを引きずり出された場合天候が雨となり、吹雪が必中でなくなってしまう。
そうするとこの2匹を同時に選出した場合は先にニョロトノを出しておかないといけないという縛りが出来てしまい、立ち回りの自由度が相当下がる。相手にかかわらず選出や行動に制限がかかってしまうというのはパーティとして致命的だ。
また、このパーティはトリパである以上後発にもトリル要員を置いておきたいのが本音である。何故なら先発でトリルを発動しても5ターン以内に決着をつけ切れないことは多々あり、その場合そのトリル要員がやられてしまったあとに後発でトリルを再始動出来ないと素早さの関係上不利になってしまうからだ。
現状の6匹の中にトリックルームを覚えているポケモンはブルンゲル、シャンデラの2匹しかいないので、先発後発どちらにもトリル要員を入れるとなると、この2匹がどちらも選出に入ってくる。
しかし、シャンデラとニョロトノの組み合わせは、雨降らしによってシャンデラのメインの炎技の威力が半減してしまうという点で相性が良くない。シャンデラにはシャドボという第2のメインウェポンがあるとはいえ、自分から炎半減にさせてしまうは痛い。
ユキノオーも同時に選出すれば雨→霰と天候を上書きすることで炎技の威力を戻すことが出来るが、ニョロトノとノオーの相性もまた悪いので、ますます選出や立ち回りに制限が生じてしまう。
このように、雨降らしは相手のバンギグロスシャンデラに有利になる要素だけでなく、味方をも巻き込んでしまい全体的に動きにくくなるなどのデメリットも孕んでいた。よって選出にうまく組み込めることが少なく、結果こいつもグレイシアのように腐りがちになってしまっていたのだ。
新しい6匹目を考えるにあたって、相手のモロバレルも厄介なことに気付いた。
バレルに対する打点は吹雪や熱風など確保はしてあったが、トリル下での相手の最遅バレルがどうしようもなく、こちらのバレルで同速ゲーを仕掛けるか怒りの粉をしながら隣で殴るかくらいしか対処法がなかった。見せ合いで相手にバレルがいるだけで非常に動きにくくなるというのは否定出来ない事実だった。
ここまでの問題点を解決してもらうべく、バンギラス、メタグロス、シャンデラ、モロバレルに対して同時に強いポケモンを模索した。
そこで見つけたのが「ドータクン」である。トリル要員がもう1匹欲しかったのもあって、かなりの適任であった。
トリル要員を3枚にすれば選出に幅が出るし、こいつ自身が他のポケモンに依存はせず邪魔もしないのでグレイシアやトノのように選出や立ち回り時の制限も生まれない。
鋼タイプでありシャンデラに弱いが特性を「耐熱」とすることで殴り合えるようにし、モロバレルのキノコの胞子対策として持ち物を「ラムの実」とすることで、ダクホ等に対しても安全にトリル発動出来るようにした。
こうして多くの穴を同時に埋めてくれるドータクンの存在に気付いたのは実は結構オフ直前のことだった。
それまでは試行錯誤を繰り返し、シュバルゴやら何やら色んなポケモンを試していた。
個体の用意がギリギリになってしまい、結局オフ前にドータクン入りの6匹で回したのはフレンド対戦わずか2戦のみ。
さらにその2戦ではドータクンを選出しなかったので、対人戦でこのドータクンを使うのはまさかのオフ本番が初という事態になってしまった(
だがドータクン自体を使うのは初めてではないし、残り5匹に関してはかなり扱いに慣れていたので脳内で立ち回りを想定しておいただけで本番も特に問題なく動かせた。
このようにして、ほぼぶっつけ本番ではあるにしろ今回の構築の6匹が決定したのである。
パーティ解説・個別解説はまた次の記事で。