ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【シングル66】王道ザシオーガサイクル【第34回夜空杯優勝】

こんばんは、ユウキです。
11/12に開催されたシングル66のオフ大会、第34回夜空杯に参加して優勝して来ました。
一年前の第33回に引き続き2連覇で、最高の気分で剣盾を締めくくることが出来ました。
せっかくなので記録を残しておきます。


★目次

【パーティ】

【戦績】

●第34回夜空杯 優勝

予選5勝1敗 同率1位(直対で2位)通過
→準決勝vsくれはさん 勝ち
→決勝vsワイルドさん 勝ち

実は1年前の第33回夜空杯でも全く同じ流れで予選エースワイルドにのみ負けて同率1位(直対2位)抜け→決勝で再戦勝利で優勝していた。
そして今回と前回のベスト4の内3人が同じメンバーなのも笑ってしまったw
皆戦績が安定してるな…


【コンセプト】

①王道にして最強、ザシオーガ
②受け崩しの手段を持たせる
③相手のザシオーガをしっかり受け切る
ダイマ枯らしの「まもる」
⑤伝説枠の再利用

①王道にして最強、ザシオーガ
今回は伝説2匹使用可能ルールということで、同レギュレーションのシングル63やダブルバトルで培った経験からザシオーガの組み合わせが最強だろう、と軸にすることに。
分かりやすく2匹の相性も良い上に両方ともトップメタなので対策されて当然なのだが、対策されても尚それを上回るだけのパワーがあると判断。
余談だが、第六世代終盤の夜空杯で当時のシングル66におけるトップメタであったメガボーマンダ軸の構築で2連覇した経験からも、メタられようが王道を使って構築やプレイングでゴリ押すスタンスの方が自分には合っている、と感じていたのも背景にある。

②受け崩しの手段を持たせる
ザシアン受けとしてメジャーなのはヌオーとHB日食ネクロズマ
基本この2匹にはオーガ後出しからテンポを取れるが、ザシアン自体にもこれらを崩せる選択肢を持たせたかったので、攻撃特化で「じゃれつく」「インファイト」採用個体とした。
予選では見事ステロと併せて後出しヌオーや日ネクを突破してザシアンが止まらない状況を作れたのでこれは正解だった。
カイオーガは後出しされるラッキーやハピナスナットレイトリトドンコスパダイナ意識で「ぜったいれいど」採用型とした。これまたオーガ受けにはザシアン後出しでテンポを取れる場合も多いが、そうしなくても単体でサイクルを崩せる選択肢があると有利になれる。

③相手のザシオーガをしっかり受け切る
トップメタであるザシアン、カイオーガそれぞれに安全に後出し可能なラキヌオーを採用。
こちらの火力は押し付けつつ、相手の伝説枠はしっかり受け切るサイクル構築に仕上げた。

ダイマ枯らしの「まもる」
ヌオー、ブラッキーに「まもる」を、ドヒドイデに「トーチカ」を採用して相手のダイマをローリスクで凌ぎやすくした。
「どくどく」とも相性が良く、相手のエースに毒さえ入れれば無理やり時間を稼いで凌ぎ切れるようになる。
このお陰でダイマターンを最小限の被害で枯らしたり、こちらに刺さっているエースを毒殺する動きに繋げられて安定した試合運びが可能になった。

⑤伝説枠の再利用
伝説枠の採用数に制限のあるルールでは伝説枠を実質的に増やせるメタモンや「いやしのねがい」「みかづきのまい」「ねがいごと」が強いので、ラッキーとブラッキーを採用して伝説枠の再利用を試みた。
クレセリアはザシアンがギリギリ受からない点、雨で回復量が落ちる点から今回は没にしたが、トリル三日月の展開性能は非常に強いので検討の価値はある。
復活手段があることで伝説枠を序盤から(倒されない範囲で)積極的に動かせるのが本構築の強み。


【構築経緯】

①ザシアン
このルールでも最強のエースアタッカー。
並の物理受けでは止まらない、それらですら無理やり崩せる火力がある、「きょじゅうざん」で相手のダイマを強打出来る、自分はダイマなしで性能が高い。
採用しないことに理由が必要なレベルのポケモンで、文句なしで最初に採用。

カイオーガ
特殊エースとして採用。純粋に火力お化けで受かるポケモンが限られているため相手の行動に制限をかけやすい。
ザシアンの相方としては雨を降らせて炎に耐性が付く点、ヌオーや日ネクに対面有利な点が偉い。ダイマ適性も高く、第一のダイマ候補。

③ヌオー
最強のザシアン受け。電気の一貫を切れるのもザシオーガと組む上では嬉しい。
ただ基本低種族値なのでザシアンはギリギリ受かるが珠ランド等の一般枠には簡単に倒されることに注意が必要で、物理受けを一任は出来ない。
そこにさえ気をつければザシアンがトップメタのルールでは活躍の機会は多い。

④ラッキー
ヌオーがオーガ等の特殊アタッカー後出しに隙だらけなので、しっかり受け切れる枠として採用。
当日はいなかったがWキュレムディアルガのようなタイプ受けが不可能な技範囲を持つ伝説も受け切れる安心感はラッキーかハピナスだけ。
ステロ枠もここに圧縮したかったので、雑に耐久の高いラッキー。

ブラッキー
ラッキーが黒バドに勝てないので対策として渋々採用。ラッキーをシャドボ採用にするよりはブラッキーを入れた方が強いかなと考えた。
実際黒バドに仕事出来たり、仮想的に当たらない場合は雑にクッションにしたり「ねがいごと」で味方のザシオーガの行動回数を増やせるのが偉かった。黒バドあんまりいなかったけど2回当たったし、採用して正解。

ドヒドイデ
このままだと水が一貫していてウオノラゴンに「エラがみ」されてるだけでサイクル崩壊するので安全に受け出せる駒として採用。
また、ラキヌオーブラッキーサイクルの弱点である「どくびし」回収のため接地毒が欲しかったという理由も大きい。
代わりに地面が一貫してしまいランドロスが非常に重かったので、浮いていて水半減でスピン持てるポケモンが欲しい…
伝説戦のランドロスはステロHBとかでしょーと甘えた結果、鉢巻ランド入りのくれはさん戦(準決勝)と珠ランド入りのエースワイルド戦(予選、決勝)でサイクルが崩壊したので、やっぱりランドが受かるキャラ(エアームドやアーマーガア、テッカグヤあたり)は欲しかったかも。


【個別解説】

■ザシアン@くちたけん ふとうのけん
きょじゅうざん じゃれつく インファイト ワイルドボルト
意地っ張り189-242-136-**-136-180
172-236-4-0-4-92

努力値配分
・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え

・C222パルキアの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え
・C152フシギバナの晴れ「Dウェザーボール」13/16耐え
・C167フシギバナの珠「Dだいちのちから」耐え

・S最速ボルトロス+1

ダブルで使っていた個体の流用。
ヌオーや日ネクを崩したいのでボックスにいたなるべくAが高いやつを連れて来た。
素早さはシングルではあまり意味のない調整だが、決勝でザシアンミラーで上を取れたので良かった。
ほぼ特化の火力は凄まじく、色々崩してくれたので配分の選択は正解。

●技構成
・きょじゅうざん
威力100命中100のインチキ技。ダイマすると威力200になるのが強過ぎてザシアンを盤面に残すだけで相手の立ち回りが相当歪む。

・じゃれつく
ヌオーへの最高打点。ステロと併せて崩しを狙ったり、ダメージを蓄積させることで「じこさいせい」を強要してオーガを無償で投げたり。

インファイト
ナットレイやラッキー、ポリゴン2等のオーガ受けへの打点。日ネクへの威力重視でインファ。

ワイルドボルト
当日朝までコスパダイナ意識の「つるぎのまい」と迷っていたが、数の多いカイオーガへの最高打点、数は少ないかもしれないがホウオウやエアームドで止まらないことを考えて採用。
無事準決勝でホウオウナットを崩し、決勝でもアーマーガアやダイマの切れたオーガを倒し切れたので正解だった。


◾️カイオーガとつげきチョッキ
しおふき ねっとう かみなり ぜったいれいど
控えめ191-**-110-222-160-127
124-0-0-252-0-132

努力値配分
・HP16n-1
・C222「かみなり」2発耐え
・C167レジエレキのメガネ「10まんボルト」15/16耐え

ボックスにいたS高めで火力高いチョッキ用オーガを持って来た。
ミラーで気持ち上取れたらいいな、と思ったらエースのオーガより速かったので悪くはなかった。

●技構成
・しおふき
体力多い時に撃てるだけでサイクル破壊性能がある。ステロ撒いてちょっと蓄積入れた後出しラッキーをそのまま突破した。最強。

・ねっとう
体力が減った時用の水技。こんげんは外すとストレスなのと、ナットレイ後出し等にワンチャン火傷させると後が楽になるので。割と選択した。

・かみなり
最低限ちょすいやミラーで打点持てるように採用。

ぜったいれいど
コスパダイナ、ラッキー、ハピナス、トドン、ナットレイあたりのオーガを止めに来る受けポケモンの対策。ナットレイ以外はチョッキで負担を軽減出来るため試行回数を稼げる。実際撃ったのはくれはさんのナットに1発だけだが、その1発で当てたので相当試合が有利に傾いた。採用して正解だった。
氷打点が欲しい相手には最悪ダイアイスすれば良いし、生半可な奴らは半減の水技で充分押せたのでこの構成で問題ない。

●持ち物
ぜったいれいど」でこだわりたくなかったので、撃ち分けが可能なアイテムで無難に黒バドやゼルネ等に抗える手段になるチョッキ。
ブラッキーの「ねがいごと」からチョッキアタッカーを出す動きは結構強いのだが、それをこの火力のポケモンで実現出来るのは鬼だった。



◾️ヌオー@ゴツゴツメット てんねん
どくどく じしん まもる じこさいせい
腕白202-105-150-**-86-55
252-0-252-0-4-0

努力値配分
ステロの蓄積を考えるとザシアン受けは数値がカツカツなので防御特化。

●技構成
・どくどく
誘う特殊アタッカーに当ててから時間稼ぎに徹してヌオーで詰め切る勝ち筋が強いので採用。上手く交代際に刺したり、時にジオコンのターンにゼルネに当てたりめいそうのターンにオーガに当てたりもした(超勇気の居座り)。
ポリ2崩すのにも強かったし、ホウオウにも困らなさそうだったので偉い技だった。準決勝でポリに外したがそれ以外は当ててくれた。

・じしん
ザシアンや電気への遂行技でありつつ最低限の削りが可能な技。
ダイアースによる詰め筋にもなれるのが偉い。

・まもる
どくどくと相性が抜群。ダイマ枯らしにも使えたり、相手の釣り交換に対してアドが取れるようになる。

●持ち物
ザシアンに蓄積を入れて味方の圏内に入れやすくするゴツメ。再生連打でアドを取れるようになるため、安定行動をしやすい。



◾️ラッキー@しんかのきせき しぜんかいふく
ステルスロック ちきゅうなげ いやしのねがい タマゴうみ
慎重343-25-57-**-154-70
140-0-252-0-116-0

努力値配分
・HP8n-1
・ステロ+C222カイオーガの雨「しおふき」2発耐え
・C222カイオーガの雨雫「しおふき」2発95.4%耐え
・ステロ+C244Wキュレムの珠「Dふぶき」を霰込みで受け切れる

伝説環境における特殊受けとしての役割を考えてD補正。メガネ以外のオーガに後出し可能。瞑想やメガネは受からない代わりにザシアンで縛り返せるので、スカーフに無限に後出し出来る耐久があれば問題ない。
不意の「サイコショック」等を考えて防御は全振り。物理相手にも行動保証があり、ステロ役として雑に動かしやすくなる。
細かい部分だがダイマックスする可能性も考慮してA無補正個体値31。

●技構成
ステルスロック
サイクルを有利に進める技。どこかに入れたかったが覚えるポケモンで伝説戦に採用出来そうなのが少なくてコイツに持たせた。

・ちきゅうなげ
最低限の削り技。HP204以上のめいそうみがわりオーガ@たべのこしにハメられた時は泣きそうだったが、逆に言えば2回でみがわり割れるのはこの技くらいなので正解だった。
ブラッキーを採用していない場合は黒バドに打点を持たなければならなくなり、汎用性が著しく下がる。

・いやしのねがい
伝説枠の採用数に制限があるルールだとクレセのみかづきのまいやいやしのねがいのような蘇生技で伝説枠を実質増やす戦法はシンプルに強いので採用。雑に硬いため撃てるチャンスが多い。
決勝ではうっかりバンギの「でんじは」を貰ったザシアンを蘇生させて上手く最後にザシアンを通して勝てた。この技があることである程度エースが状態異常を貰うことを許容出来るため、序盤に積極的な立ち回りが可能になるのが大きい。



◾️ブラッキー@たべのこし せいしんりょく
イカサマ あくび ねがいごと まもる
慎重202-85-131-**-200-85
252-0-4-0-252-0

努力値配分
黒バド意識の採用なのでHD特化。
特殊イベルも誤魔化せる。
細かい部分だがダイマックスしてダイアークを選択する可能性もあるポケモンなので性格は慎重でA個体値31で採用。

●技構成
イカサマ
黒バドへの遂行技でありつつ伝説戦で真価を発揮する強い技。ザシアン等にもモリモリ入るのが強い。

・あくび
ダイマを流せるのが強い技。取り巻きの「どくどく」との相性は良くないが、対面操作をしてから「ねがいごと」で有利対面を作りつつ裏の体力を回復する動きに役立った。
予選のモロ君との対戦では「ちょうのまいダイマウルガを眠らせて処理出来たので強かったが、その前にやどみが黒バドにハメられていたので、「バークアウト」があればなぁ〜とも思った。

・ねがいごと
自身の安定した回復ソースになるだけでなく、伝説の高い耐久を活かして、サイクル下で隙あらば再利用を狙う。

・まもる
「あくび」「ねがいごと」とセットで自身の単体性能を完結させるだけでなく、味方の「どくどく」からの時間稼ぎ、ダイマ枯らしに超役立った強い技。

●持ち物
技構成と相性の良いたべのこし。粘り強く戦えるようになる。

●特性
手元にいたHD個体がせいしんりょくだったのでそのまま採用。
ヌオーに繰り出した際に「どくどく」を貰ってもアドが取れるシンクロでも良いと思うが、「あくび」を押し付ける際に邪魔になる可能性もあったり、準決勝でブラッキーの特性をトレースしたポリ2にヌオーで「どくどく」を押す場面もあったので今回はせいしんりょくで正解だった。



ドヒドイデ@くろいヘドロ さいせいりょく
ねっとう どくどく トーチカ じこさいせい
図太い157-**-224-73-163-55
252-0-252-0-4-0

努力値配分
主にウオノラゴン、ウーラオスへの役割意識で防御特化。
特殊耐久は無振りでも非常に高い水準があり、初見で物理か特殊か分かりにくいポケモンに対してもある程度受け出しが成立するのも強み。

●技構成
・ねっとう
火傷の追加効果が強力なメインウェポン。耐久の高さと特性により試行回数を稼ぎやすく、火傷を撒く目的で連打する。物理アタッカーを焼いてしまえばそのまま機能停止に出来るのが強い。

・どくどく
サンダーやカイリュー等の浮いている再生ポケモンを崩せる点や、対面した相手に毒を入れることで積み技からドヒドイデを起点にして崩す動きに対抗出来る点から採用。必中なのも偉い。
「どくびし」はガラルヤドキングアーゴヨンドヒドイデ等の強い接地毒が多い環境なので回収されやすいのがネック。

・トーチカ
従来の使い道に加えて接触技を撃ってきた相手を毒にするという追加効果があり、ウオノラゴン等に強くなれる。
「とんぼがえり」に対して毒を浴びさせられる点も偉く、毒を入れることでサイクルを有利に運べる。

じこさいせい
対面突破を仕掛けて来る敵に対して「どくどく」から粘るために採用。特性とこの技のお陰で非常に広い相手に対して粘って行ける。

●持ち物
「トーチカ」と併せてHPを回復出来るくろいヘドロ。特性「さいせいりょく」も含めて「じこさいせい」を選ばずに済む場面を増やすことで「どくどく」等で相手に負担を掛けやすくなる。

●特性
シングル66最強特性「さいせいりょく」。
クルクルするだけでHPを回復しまくる動きが強力。


【雑感】

・ラキヌオーブラッキードヒドのサイクルが安定しており多くの伝説枠を封殺した
カイオーガダイマすら使わずにサイクルだけで受け切って勝つ試合が2回あった
・いやしのねがい、ねがいごとのお陰でザシアンやオーガを雑に使えるのは強かった
・地面が一貫しているのが致命的で、アタッカーランドで吐きそうになっていた
・次に組むなら流石に地面無効枠は入れたい
・他の人の構築を見るとザシオーガラキヌオーまではかなりKPが高く鉄板の組み合わせだった
・そこにランドロスを入れると地面の一貫も切れるし良い感じ
・ウオノラゴン、どくびし意識のドヒドイデだったがその2つとはほぼ当たらず
カイオーガは強いけどサイクル加入しにくかったので、ホウオウやイベルのような伝説を入れてサイクルを補強しても良さそうではあった



* * *


今回の記事は以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。
伝説にすぐに崩されそうな環境ながら頑張ってサイクル回したり、アツい読み合いをしたりととても楽しかったので、シングル66はやっぱり神ゲーだと再認識しました。
もうすぐSV発売ですが、新作でも66を楽しんで行けると嬉しいです。
夜空杯主催の皆さん、いつもありがとう!