ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【剣盾シングル】壁+まきびしゼルネアス【S15瞬間1位/レート2014達成】

こんばんは、ユウキです。
シングルランクマで瞬間1位、レート2014(2/11時点)を達成することが出来ました!
剣盾になって初の瞬間1位なので、とても嬉しいです!!

せっかくなので記念にパーティ解説記事を残しておこうと思います。
レンタルパーティもあるので、興味があれば遊んでみて下さい!
ゼルネアスの虜になること間違いなし!w



【パーティ】
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2/8にTwitterで公開し、GameWithさんにもパーティ解説記事を寄稿したもの。
どのくらいの方に記事を見てもらえてたかは分かりませんが、公開してても案外勝てるものなんですねw



【参考リンク】
gamewith.jp
GameWith掲載の解説記事。
使い方を含めてしっかり解説してますが、分かりやすさ重視で文章は簡潔にしてあります。
レイアウト等も見やすく作って頂いてるので、是非ご覧下さい!


本記事では、上記には書ききれなかった構築経緯や選出パターン、細かい立ち回り等にも突っ込んで書きます。
好き放題書くので長くなると思いますが、「もっと詳しく知りたい!」という方は是非お付き合い下さいw



【戦績】
●シングルランクマッチ シーズン15
瞬間1位 レート2014 (2021/2/11)
使用時の勝敗:43勝10敗(勝率81.1%)
備考:レート1800以降で24勝3敗(勝率88.9%)
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【コンセプト】
・壁+ゼルネアスで全抜きを狙う
・「まきびし」を利用して苦手な相手にもゼルネアスを通す
メタモンに弱くない積みパーティ



【構築経緯】
①ゼルネアスを軸にしたパーティを組みたい!
パワフルハーブ+「ジオコントロール」により1ターンで特攻・特防・素早さを2倍にして全抜きを狙えるゼルネアスを軸に構築を組み始めた。
前作までも伝説戦では間違いなく強かったが、今作では「ドレインキッス」という回復ソースまで手に入れたので抜き性能に磨きがかかる。

対応範囲の広さから、早期の段階で「みがわり」ゼルネアスを使うことを決めていた。

■ゼルネアス@パワフルハーブ フェアリーオーラ
ムーンフォース ドレインキッス みがわり ジオコントロール



②壁役の選定
ゼルネアスを運用する上で、「リフレクター」「ひかりのかべ」等の壁貼り役は是非欲しいところ。被ダメージを抑えることで幅広い範囲を「ジオコントロール」の起点に出来るようになる。
様々なポケモンの中で候補に挙がったのは以下4種。


■オーロンゲ
○「ちょうはつ」持ちで相手の展開阻止、起点作成能力が高い
○「いたずらごころ」で先制で補助技が撃てる
×ゼルネアスと毒、鋼弱点が被っていて縦の相性が悪い


クレッフィ
○「いたずらごころ」で先制で補助技が撃てる
○オーロンゲと異なりゼルネアスと弱点被らない(毒無効、鋼等倍)
○「まきびし」でタスキのケアや削りが可能
○「てっていこうせん」で自主退場可能
×「ちょうはつ」がないため起点にされやすい


■レジエレキ
○「いたずらごころ」ではないが超高速でスカーフオーガ等より先に動ける
○圧力があるため地面枠を呼んだり、相手を殴り倒せる
○「だいばくはつ」で自主退場可能
×「ちょうはつ」がないため起点にされやすい


メタグロス
○「ステルスロック」でタスキのケアや削りが可能
○毒無効、鋼半減
○「だいばくはつ」で自主退場可能
×素早さが低いので両壁出来ない、上からワンパンされるリスク


今回は特に「まきびし」の強さに着目して、クレッフィを選択した。


★「まきびし」のメリット
・相手のきあいのタスキ、「がんじょう」をケアして全抜きが狙える
・相手の耐久調整を崩すことが出来る
・鋼タイプに等倍で入る
ダイマックス前の相手のHPを削ることでダイマックス後の性能を落とせる
・複数回撒くことで更なる蓄積を狙える(最大3回で1/8→1/6→1/4ダメージ)


特に鋼タイプへの削り性能が光っていて、ダイマックス前のメタグロス等の回復ソースのない鋼タイプを「まきびし」で削ることでゼルネアスで押し切れるようになる。



③基本選出の補完枠
クレッフィ+ゼルネアスを基本選出とした場合に3匹目に求める要素は以下。

・ザシアンに強い
・鋼全般に強い(メタグロス、日食ネクロズマ
ダイマしてもしなくても強い
・壁と相性良い(積みから全抜き狙える)
メタモンに弱くない


この条件から候補に挙がったのが以下の型のアーマーガア。


■アーマーガア@ゴツゴツメット ミラーアーマー
てっぺき ボディプレス とんぼがえり はねやすめ

・「てっぺき」「はねやすめ」でザシアン、メタグロス、日食ネクロズマ等鋼全般に強い
ダイマしなくても強い
・「てっぺき」から全抜き狙える
・『ゴツゴツメット』「はねやすめ」によりメタモンに強い


これにより基本選出はクレッフィ/ゼルネアス/アーマーガアと決定。
基本プランは下記のようになる。

・物理はアーマーガアで詰ませる
・特殊は「とんぼがえり」からゼルネの起点にする
・「まきびし」+ゴツメで鋼を崩してゼルネを通す

基本選出で一般的なゼルネアス対策の鋼、メタモンへの回答をしっかり持てている点が重要。



④炎に強いキャラ
基本選出の全員が炎に弱めなので、対策を考える。
環境に多い炎タイプはエースバーン、ホウオウ、ヒードランあたりなので勝てるポケモンを入れる。求める条件は以下。

・炎の弱点を突ける(炎耐性もあると嬉しい)
・特殊アタッカーが望ましい(「せいなるほのお」「おにび」で機能停止しない)
・火力、素早さを上げて全抜きを狙える

そこで候補に挙がったのがカメックス

■キョダイカメックス@しろいハーブ げきりゅう
ハイドロカノン ふぶき あくのはどう からをやぶる

・炎全般に強い特殊水エース
・壁と相性の良い全抜きエース
・物理鋼の大半にも強い
・「キョダイホウゲキ」の定数ダメージがパーティコンセプトとマッチする



⑤電気の一貫切り
アーマーガアを入れている手前、電気の一貫を切れていないと窮屈な場合があるので見た目上電気無効のキャラが欲しい。そこで全抜き型の霊獣ランドロスを採用。

■霊獣ランドロス@ラムの実 いかく
じしん そらをとぶ ストーンエッジ つるぎのまい

・電気無効
・「つるぎのまい」+「ダイジェット」で全抜きを狙える
・フェアリー半減の毒、鋼、炎の全てにタイプ一致地面技で弱点を突ける
・上記炎タイプ絡みをカメックス以外でも「いかく」と『ラムの実』で安全に崩せる
ナットレイで止まらない
・一貫を切れていない「あくび」を起点に全抜きを狙える



⑥最後の穴埋め
ここまでの5匹で面倒だったのが以下。

・ムゲンダイナ+メタモン
・「やどりぎのタネナットレイテッカグヤ
・ホウオウ+ヌオー(ピクシー)
・受けループ系
・「のろい」ミミッキュ

このあたりに回答を持てる「マジックガードランクルスを採用することにした。

・ムゲンダイナがアタッカー型なら「ひかりのかべ」→「めいそう」で返り討ち
・「コスモパワー」型でも「どくどく」無効で「めいそう」ガン積みから「アシストパワー」で倒せる
・裏にメタモンが控えていても勝てる
・「やどりぎのタネ」無効でナットレイテッカグヤを起点にサイクルを崩せる
・ヌオー程度なら「アシストパワー」の威力上昇で貫ける
・定数ダメージ全般が無効なので受けループ系統にめっぽう強い
・「のろい」無効なのでミミッキュで止められない



⑦水枠の見直し
最後に残った課題点が以下。

・「コスモパワー」ムゲンダイナの処理ルートがもう1つ欲しい
・「からをやぶる」カメックスメタモンにコピーされると厄介
・「てんねん」ピクシー入りに勝てない
ミミッキュに行動させると面倒
・水技を撃ちたい相手+「ちょすい」「よびみず」を崩せない

そこで、カメックスの水タイプとしての役割をほぼ保ちつつ、上記への回答となる要素を持つ「スナイパー」キョダイインテレオンを採用することでパーティパワーを落とさず対応範囲を拡げた。

■キョダイインテレオン@ピントレンズ スナイパー
ねらいうち れいとうビーム エアスラッシュ きあいだめ

・「きあいだめ」+ピントレンズの確定急所コンボで「コスモパワー」ムゲンダイナに強い
メタモンにコピーされても相手はピントレンズがないため確率上有利
・急所率UPは「てんねん」で無効化されない
・「キョダイソゲキ」が「てんねん」「ばけのかわ」「ちょすい」「よびみず」貫通


以上で6匹が決定した。



【基本選出と鋼入りの崩し方】
●基本選出
クレッフィ/ゼルネアス/アーマーガア


クレッフィで起点作り
ゼルネアスの「ジオコントロール」を狙いやすい盤面を作るべく「リフレクター」「ひかりのかべ」を貼る。
なるべく「まきびし」を複数回狙い、きあいのタスキをケアしたり鋼タイプを定数ダメージの蓄積で押し切れるようにする。
場合によっては「でんじは」を撒いて上から「ジオコントロール」「みがわり」を狙って行く。


②ゼルネアスで「ジオコントロール」+「みがわり」
「ジオコントロール」から全抜きを狙う。壁下のゼルネアスは非常に耐久が高く、「みがわり」を残した状態で相手を倒せると次以降の殴り合いで非常に有利。「ドレインキッス」でHP消費を回復出来るのが優秀。


鋼タイプ絡みのサイクルに対しては、以下4パターンの勝ち筋を狙って行く。


★プランA:数値の暴力でゴリ押す
事前に「まきびし」と「リフレクター」の準備が出来てHPを7割程度残せていれば、チョッキグロスですらダイマックスの撃ち合いになっても無理やり返り討ちに出来る。タイプ相性とは…

・C(+2)「Dムーンフォース」で187-111DMチョッキグロス高乱数(83.3%)3発
・「まきびし」1回+C(+2)「Dムーンフォース」で187-120DMチョッキグロス3発
・DM時A205メタグロスの「Dアイアンヘッド」を98.7%で3発耐え@リフレクター
 (2発耐えるHPを残せていれば撃ち勝てるが、一応3発耐える)


★プランB:「みがわり」を残して抜きに行く
壁ゼルネアスで「みがわり」を残して1匹目を倒せれば、相手の2匹目が鋼タイプだったとしても撃ち勝てる可能性が高い。

①みがわりを盾にC(+2)「ムーンフォース」で削る
ここで相手がダイマックスを渋ればめちゃくちゃ削れるので自身のダイマックスを温存したまま突破が可能。
ダイマックスされた場合もHP1/4消費でダイマターンを1ターン使わせてるので有利。

ダイマックスして「Dムーンフォース
倒し切れなくても返しの「ダイスチル」を1発耐えるHPが残っていれば問題ない。

③「Dムーンフォース」圏内なら攻撃、圏外なら「ダイウォール」
「ダイウォール」すれば相手のダイマックスが終了するので次ターンに必ず押し切れる。


★プランC:サイクル戦で鋼タイプを消耗させてゼルネアスを通す
ちょっと複雑な動きになるが、サイクルを回すことでゼルネアスを通せる。

①ゼルネアスを慎重に動かす
クレッフィが特殊アタッカーに倒された場合は死に出しゼルネアスで起点にして行く。
ただし「リフレクター」が貼れていなかったり相手の後出しの鋼タイプに止められる可能性がある場合は「ジオコントロール」はせずに一旦「ムーンフォース」や「みがわり」を絡めて様子を見つつ攻めて行く。

ここで鋼が出て来ないようなら目の前の特殊を起点に「みがわり」+「ジオコントロール」が決まるため、そのままプランBのように裏の鋼を返り討ちに出来る。
ここではすぐ交代で鋼が出される想定で話を進めて行く。

尚、クレッフィが物理鋼に倒された場合はアーマーガアから出して②以降のように立ち回る。

②鋼タイプが出てきたらアーマーガアを後出しする。
交代際or「みがわり」を盾に「ムーンフォース」で削りを入れてからアーマーガアを後投げ。

③相手の様子を見て「とんぼがえり」でサイクル
相手がダイマックスしていた場合:「はねやすめ」で枯らせばほぼ勝ち。
りゅうのまい」等を積んできた場合:「てっぺき」「ボディプレス」で返り討ちにする。
それ以外:「とんぼがえり」で相手が退いて来るか一旦様子見。

④疲弊した鋼タイプをまとめて貫く
相手がたまらず特殊に退いてきた場合は「とんぼがえり」から特殊アタッカーとゼルネアスを対面させられる。
裏にいる鋼タイプは最低でも「まきびし」2回、ゴツメ1回、「ムーンフォース」1回でHPが削れまくっている(定数ダメージだけで10/24は削れている)ので、「ジオコントロール」からまとめて全抜き出来る。


★プランD:アーマーガアで詰める
相手が物理偏重な選出をして来た場合、もしくは特殊1匹だけでその1匹をゼルネアスで倒せた場合は「てっぺき」アーマーガア1匹で全員詰ませられる。
特に鋼タイプ+メタモンのようにゼルネアスに厚く選出して来た場合でもその両方をアーマーガア1匹で見られるのが強い。



【個別解説】
■ゼルネアス@パワフルハーブ フェアリーオーラ
ムーンフォース ドレインキッス みがわり ジオコントロール
控え目226-**-115-201-118-127
196-0-0-252-0-60


努力値調整
○HPの調整意図
・「みがわり」が「ちきゅうなげ」耐え

○Bの調整意図
・A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え@リフレクター
・「みがわり」がA197ランドロスの「じしん」81.3%耐え@リフレクター
・DM時A205メタグロスの「Dアイアンヘッド」を98.7%で3発耐え@リフレクター

○Cの調整意図
・C(+2)「ムーンフォース」で247-116ムゲンダイナ確定1発
・C(+2)「Dムーンフォース」で187-111DMチョッキグロス高乱数(83.3%)3発
・まきびし1回+C(+2)「Dムーンフォース」で187-120DMチョッキグロス3発
・まきびし1回+C(+2)「Dムーンフォース」で168-136ザシアン87.5%で1発
・まきびし3回+C(+2)「ムーンフォース」で155-119(+2)ゼルネアス(メタモン)確定1発
・まきびし3回+C(+2)「Dムーンフォース」で157-163ドヒドイデ確定1発
・C(+2)「ムーンフォース」+「Dムーンフォース」で357-126ラッキー確定1発

○Dの調整意図
・D(+2)orひかりのかべで「みがわり」がC183イベルタルのいのちのたま「デスウイング」耐え

○Sの調整意図
・S(+1)で最速120族+1
・S(+2)でS(+1)最速102族+1
・S(+2)で準速レジエレキ抜き

素早さは積めば2倍になる上、先制「ジオコントロール」を積みたい場合は「でんじは」に頼れるので最低限。耐久は「みがわり」を残せる相手を増やせると強いため高くしており、最悪ザシアンと撃ち合うことになっても勝てるようにした。特攻は上述の通り様々なゼルネアス対策を「まきびし」と併せて破壊するため振り切り。


●採用理由
絶対的エース。「ジオコントロール」を積んで全抜きを狙うだけの分かり切った戦術でも、その数値の高さから相手の生半可な対策では止まらない。余程のことがない限りは選出して行ける。


●技構成
ムーンフォース
威力の高いメインウェポン。追加効果が地味に優秀。

・ドレインキッス
「みがわり」使用や積んだターンのHP消耗を回復して場持ちを良く出来る。積む→回復しながら倒す→HP増えた状態でダイマックスの流れが非常に強い。

・みがわり
「あくび」「でんじは」「かいでんぱ」「やどりぎのタネ」等の妨害回避が可能。加えてメタモン対策、後発ダイマへの詰ませ性能を持つ最強技。

・ジオコントロール
説明不要の壊れ積み技。



クレッフィ@ひかりのねんど いたずらごころ
リフレクター ひかりのかべ まきびし でんじは
図太い164-**-139-100-124-95
252-0-124-0-132-0


努力値調整
○Bの調整意図
・A166ランドロスの「じしん」@リフレクター 確定2発耐え
・A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」@リフレクター 確定2発耐え
・A182ウーラオスのこだわりハチマキ「すいりゅうれんだ」確定耐え
・A168エースバーンのいのちのたま「キョダイカキュウ」@リフレクター 75%耐え

○Dの調整意図
・C197ムゲンダイナのいのちのたま「かえんほうしゃ」@ひかりのかべ 96.9%で2発耐え
・C177サンダーのいのちのたま「D10まんボルト」@ひかりのかべ 確定2発耐え

多くの相手に壁から入って3回動けるよう調整し、両壁+「まきびし」展開を狙う。


●採用理由
ゼルネアスのサポートをする壁貼り要員。壁貼りと「まきびし」を同時にこなせるのはクレッフィの特権。


●技構成
・リフレクター/ひかりのかべ
採用理由のサポート技。普段から強い技だが、伝説戦においては更にその強さが増す。

・まきびし
タスキ潰しや、鋼タイプを始めとするフェアリー半減の相手に蓄積を入れることでゼルネアスで突破可能になるため採用。特性と壁のお陰で複数回狙うことも容易で、3回撒いた時のダメージは最大HPの1/4と侮れない。
崩しの手段として重要な役割を持つため、なるべく多くの「まきびし」を撒くことを狙う。

・でんじは
当初は自主退場の「てっていこうせん」を入れていた枠。今回の構築では「まきびし」の重要性が高く、壁を貼った後もすぐ自主退場せず「まきびし」を連打するためあまり使わなかった。
そこで、相手の積み技による全抜きを妨害したり、ゼルネアスが先制で積める場面を作れる「でんじは」を採用した。麻痺した相手にゼルネアスを出せば「みがわり」を残せる確率が上がるのも強い。

「てっていこうせん」はHP満タンから2回撃たないと自主退場出来ないため、積み技を見てからだと3回積まれてしまうことが多く、起点回避技として機能しない(「みがわり」を壊せる利点はあるが)。
一方で「でんじは」なら裏が先制出来る盤面を作ることで全抜き阻止になったり、そのターンから相手に麻痺による行動不能を押し付けられるため起点回避という側面で見ても「てっていこうせん」より優れていると感じた。「みがわり」持ちにも先に当てれば被害が少ない。

また、「でんじは」採用のお陰で初手のバドレックス黒に対して怯えずに済むようになった(「でんじは」がない場合は「わるだくみ」+「くろのいななき」で3タテされる)。
他にも上から「でんじは」を狙って来るウツロイド等、ゼルネアスで起点に出来ないポケモンの一部を起点に出来るようになるのは大きなメリット。

ゼルネアスミラーにおいてもこれがあると非常に有利になれる。



■アーマーガア@ゴツゴツメット ミラーアーマー
てっぺき ボディプレス とんぼがえり はねやすめ
腕白205-107-172-**-106-87
252-0-252-0-4-0


●採用理由
ゼルネアスが苦手な物理鋼タイプに強い物理受け。ザシアン、日食ネクロズマメタグロスナットレイカミツルギ等に安定して殴り勝てる。物理全般に対して高い詰ませ性能を持つ。


●技構成
・てっぺき
鋼タイプが積み技を持っていても突破されないようにするために採用。「りゅうのまい」や「ダイナックル」程度なら後出しから余裕で間に合う。ランドロスドリュウズの「つるぎのまい」にも間に合う。

・ボディプレス
「てっぺき」との併用で自身の突破力を出せる技。これにより「あさのひざし」日食ネクロズマ等も迅速処理出来る。

・とんぼがえり
「てっぺき」との両立はアンチシナジーで珍しい採用だが、ゼルネアスを立てる上で欠かせない技。物理と対面させて「とんぼがえり」を選ぶことで相手の特殊アタッカーへの交代にゼルネアスを合わせ、有利対面を作れる。

・はねやすめ
物理に対する役割の維持のため必須。メタモンとの殴り合いでも役に立つ。


●持ち物
仮想敵の物理鋼に繰り出して「はねやすめ」連打するだけでダメージを稼げる『ゴツゴツメット』。仮にアーマーガアが倒されたとしても、鋼タイプを充分削ることが出来れば役割を遂行したことになる。
メタモンに対しても非常に強くなれる。



■インテレオン@ピントレンズ スナイパー
ねらいうち エアスラッシュ れいとうビーム きあいだめ
臆病146-**-85-177-85-189
4-0-0-252-0-252


努力値調整
・「まきびし」3回+「Dエアスラッシュ」急所で155-85インテレオン(メタモン)がDMしても確定1発
・DM時C177「Dエアスラッシュ」急所を確定耐え


●採用理由
クレッフィ、ゼルネアス、アーマーガアの苦手な炎タイプ対策。ホウオウやヒードラン等、ゼルネアスとアーマーガアでは対処出来ない範囲をカバーしつつ壁下の「きあいだめ」から全抜きを狙える。
確定急所によりムゲンダイナ等の耐久積みに強い上、メタモン、「てんねん」、ミミッキュで止まらない等偉い要素を多く持つエースアタッカー。


●技構成
・ねらいうち
メインウェポン。威力は控えめだが、急所率が高いため「きあいだめ」前でも50%で急所に当てられるのが売り。「キョダイソゲキ」のベース。

れいとうビーム
水半減の草やドラゴンに対する有効打。ムゲンダイナを急所で一撃で倒せる。「ダイアイス」の霰ダメージも強い。

エアスラッシュ
水タイプへの打点。「ダイジェット」で自身より速い敵がいても全抜きを狙える。

・きあいだめ
急所率UPの積み技。メタモンや「てんねん」に強いのが偉い。


●持ち物
確定急所コンボのため『ピントレンズ』。



■霊獣ランドロス@ラムの実 いかく
じしん そらをとぶ ストーンエッジ つるぎのまい
陽気165-197-110-**-100-157


努力値調整
・S(+1)で最速ザシアンを抜くため陽気
・S最速90族+1


●採用理由
アーマーガア、インテレオンに一貫する電気技をストップする役。また「でんじは」無効も優秀で、簡単に足を奪われない。物理アタッカーなのでゼルネアスやインテレオン、ランクルスで突破しにくい特殊受けを崩せる。


●技構成
・じしん
ゼルネアスのフェアリー技を半減以下にする鋼、毒、炎タイプの全てに強いため相性補完が取れている。

そらをとぶ
つるぎのまい」+「ダイジェット」で素早さを上げつつ全抜きを仕掛けて行ける。

ストーンエッジ
サンダー、ホウオウ等の浮いているポケモンへの有効打。「ダイロック」の砂嵐による定数ダメージも強い。

つるぎのまい
壁や自身の「いかく」でチャンスを作り積んで行く。


●持ち物
「あくび」による起点回避や「ねっとう」「せいなるほのお」火傷、「ぼうふう」混乱等をケア出来るため全抜きを狙う上で安定感がある『ラムの実』。特に「あくび」のみで起点回避を狙うラグラージや「ふきとばし」のないカバルドンと対面した時に「つるぎのまい」を2回以上狙えるのが強い。



ランクルス@かえんだま マジックガード
アシストパワー てっぺき めいそう じこさいせい
図太い217-**-132-146-116-57
252-0-196-4-4-52


努力値調整
・S4振りヌオー、ドヒドイデ+1


●採用理由
ゼルネアスの苦手なナットレイテッカグヤの「やどりぎのタネ」まで完全にケア出来る対策枠。クレッフィテッカグヤ等に「みがわり」を残されても後出しから対処が間に合うポケモンランクルスぐらいなので採用。「マジックガード」はメインのダメージソースを定数ダメージに頼りがちな受けループに強く、厄介なゼルネアスストッパーの「のろい」ミミッキュにも強い。


●技構成
・アシストパワー
積み合いや「てんねん」に強い技。威力が最大380まで上昇するため突破力は充分。
メタモンにコピーされてもメインウェポンが互いに半減で、耐久も上がっているので問題なく撃ち合える。撃ち合いになればHP、PPの観点から圧倒的にこちらが有利。

・てっぺき
物理に対する積み技。通常ルールでは悪タイプへの打点を入れたくなるが、今回はゼルネアスという最強の悪キラーと組んでいるので思い切った構成でストレスなく運用出来る。悪タイプが出てきたらゼルネアスが通るし、いなければランクルスが通る。

・めいそう
特殊方面を強化する積み技。火力も上がるのが嬉しい。

じこさいせい
要塞化する際に必須の回復ソース。


●持ち物
状態異常、特に麻痺や眠りを防ぐために能動的に火傷になれる『かえんだま』。
『どくどくだま』でないのは物理相手に「トリック」を警戒させられるメリットがあるため。



【選出】
●基本選出(鋼タイプ、メタモン入り含む)
クレッフィ/ゼルネアス/アーマーガア

8割くらいはこの選出で行ける。
具体的には伝説枠で言えばザシアン、イベルタル、日食ネクロズマカイオーガ、ゼルネアス、バドレックス白黒、キュレム白黒、ディアルガパルキアグラードンレックウザ、レシラム、ソルガレオ等は全部これで勝てる。つまりほとんどの伝説枠に有利。
詳しい戦い方は先述の通り。
鋼にもメタモンにも屈さないゼルネアス軸が最強という結論。



●vsホウオウ、ヒードラン入り
クレッフィ/ランドロスorインテレオンorランクルスから2匹

「ジオコントロール」を積んでもホウオウとヒードランは崩せないので、必ずランドロスかインテレオンを出す。
控えにヌオーやアーマーガア等のランドロスストッパーがいる場合はインテレオンを、特殊受けやナットレイが控えている場合はランドロスを、両方いるようなガッチガチのサイクルパの場合はランクルスを通しに行く。
どう組まれていてもどれかは通るはずなので、ホウオウ入りに苦戦した記憶はない。



●vsムゲンダイナ入り
クレッフィ/ゼルネアス/インテレオンorランクルス

ムゲンダイナが耐久型、アタッカー型どちらでも対処可能な選出を心掛ける。

耐久型で「コスモパワー」を積まれた場合はゼルネアスで切り返すのが難しいため、確定急所で貫けるインテレオンかランクルスを後発に控えさせる。

アタッカー型の場合、特にこだわりメガネ型に対してはクレッフィの耐性がドラゴン・毒無効と非常に優秀で後続まで一貫する技が何もないため有利。「かえんほうしゃ」でこだわらせて裏の起点にする。
他のアイテムの場合も「ひかりのかべ」さえあれば余裕で「ジオコントロール」の起点に出来る。

クレッフィのDをいのちのたま「かえんほうしゃ」2耐え調整にしているのは、いのちのたま反動を4回食らったCSムゲンダイナが丁度C(+2)「ドレインキッス」圏内になるため。下記ルートでHPを残しつつ突破が狙える。

1.ひかりのかべ かえんほうしゃ ムゲンダイナ216→195
2.リフレクターorまきびし かえんほうしゃ ムゲンダイナ195→174
3.まきびし かえんほうしゃ ムゲンダイナ174→153 クレッフィ倒れてゼルネ死に出し
4.ヘドロウェーブ ゼルネ226→88 ジオコン ムゲンダイナ153→132
5.ドレインキッス 倒して回復88→187

HP192あれば裏のメタモンとも「ひかりのかべ」込で充分撃ち合える。

「まきびし」1回でメタモンのHP155→136
「まきびし」2回でメタモンのHP155→130
「まきびし」3回でメタモンのHP155→117

C201(+2)「ムーンフォース」→D118(+2)@ひかりのかべ:60-72ダメージ
C201(+2)「Dムーンフォース」→D118(+2)@ひかりのかべ:83-98ダメージ

C201(+2)「ムーンフォース」→D118(+2):121-144ダメージ
C201(+2)「Dムーンフォース」→D118(+2):166-196ダメージ

6.メタモンダイウォール ダイフェアリースカされ
7.ダイフェアリー撃ち合い こちら374→276 相手272→106 ※まきびし1回時
8.メタモンダイウォール ダイフェアリースカされ ひかりのかべ切れ こちら138 相手53
9、スカーフムンフォ ほぼ耐えてドレインキッスで返り討ち

このようにムゲンメタモンに対してゼルネアスでも充分戦って行ける計算になる。
あくまでこれは最悪想定(「でんじは」を撃てない理由があったり運悪く外し、被ダメージ最大・与ダメージ最小、メタモンダイマ択で負けた想定)なので、実際はもっと余裕が生まれる。
事前に「でんじは」をムゲンダイナに当てていればよりHPを残せるし、痺れ待ちで「みがわり」を残して突破するプランもある。

また、相手の取り巻きにナットレイテッカグヤ、「のろい」ミミッキュがいる場合はゼルネアスよりもインテレオンやランクルスの方が全抜き成功率が高いためそちらで抜きに行く。
いずれもメタモンを苦としない性能なのがポイント。

実際にレート1800後半でムゲンメタモンミミッキュの3匹をインテレオンで3タテした。
複数の処理ルートを用意しておくことで取り巻きや試合展開に応じて最適なエースを選択して行けるのが良い。



●vsゼクロム入り
クレッフィ/ゼルネアス/ランドロス

アーマーガアで見られない物理積みアタッカーのゼクロムランドロス+ゼルネアスで竜・電気技をどちらも一貫させないようにして対処。
「でんじは」で足を奪えないので「リフレクター」後早めにランドロスを投げる。



●vsジガルデ入り
ゼルネアス/ランドロスorインテレオンorランクルス

クレッフィがジガルデに何も出来ずに「みがわり」や「とぐろをまく」の起点にされるため、出来れば先発を避ける。
初手ゼルネアスで圧力をかけつつ展開するとペースを握りやすい。
裏にヌケニンがいる場合はゼルネアスでは倒せないのでランドロスで展開し、裏にヌオーやメタモンがいる場合はインテレオンかランクルスを通しに行く。
ジガルデ入りのサイクルパーティは全体的に火力が低いので、壁がなくてもランドロスの「いかく」があれば充分起点にして行ける。



●vsヌケニン入り
クレッフィ/ランドロス/インテレオン (ゼルネアス)

ヌケニンは唯一ゼルネアスが勝てない一般枠。
「まきびし」で倒せれば楽だが、あつぞこブーツの採用率が高いのでアテには出来ない。
裏のエースは必ずヌケニンを倒せるポケモンにすること。
どうしてもゼルネアスがいないと崩せないポケモンがセットの場合のみ、あつぞこブーツ以外の可能性やランドロスやインテレオンで先に崩せる可能性に賭けてゼルネアスを選出する。



●vsカバルドン入り
クレッフィ/ランドロスorランクルス/ゼルネアス

「あくび」「ふきとばし」カバルドンの対策は立ち回りでカバーしているため補足しておく。
まず悪タイプがいなければかえんだまランクルスで崩して行けるが、イベルタルやウーラオスと組んでいることも多いためその場合はランドロスで崩す。

初手カバルドン1点読みで先発ラムの実ランドロスで「つるぎのまい」を狙っても良いが、先発で合わせるとまず間違いなく警戒されて「ふきとばし」から入られる上、後発のタスキウーラオスに止められる可能性があるので注意。

基本はクレッフィから出して互いに好きなように展開して行くのがお得。
カバルドンに対して初手「まきびし」から入って裏のタスキを潰し、「ステルスロック」だった場合は次に「リフレクター」。「あくび」が来るはずなのでループに入る。

「あくび」後にランドロスを投げると、相手はラムの実警戒で一度「ふきとばし」を挟んでくるのでここで1回ループが切れる。ゼルネアスが出ればこれまた「みがわり」や「ジオコントロール」→「ダイフェアリー」をケアして「ふきとばし」が来るので、そこで「ムーンフォース」で削る。

相手が「ふきとばし」をしないまたは持っていない場合、そしてランドロスを投げてすぐにクレッフィに退く動きをしているとカバルドン側は「こいつラムじゃないな・・・?」となり、「あくび」の入ったランドロスに対して交代読み「あくび」しかして来なくなる。

そこに「つるぎのまい」を合わせて、ラムの実で回復後に「ダイジェット」を展開すると3タテが狙える。
仮にランドが3タテ出来なかった場合でも裏にクレッフィ+ゼルネアスが残っていて「まきびし」も既に撒いてるので大体勝てる。

以下ダメージ計算の通り、「ムーンフォース」+A(+2)「Dそらをとぶ」でHBカバルドン、HDカバルドンをオボン込みで倒せる。
ちなみに「じしん」+「ムーンフォース」でHBカバルドンはほぼ倒せるので先にランドで削ってゼルネを通して行くプランもある。

・C201「ムーンフォース」で215-136カバルドンに105-124 オボンで最大160まで回復
・C201「ムーンフォース」で215-93カバルドンに153-181 オボンで最大115まで回復

・A197「じしん」で215-139カバルドンに81-96
・A197「じしん」で215-187カバルドンに60-72

・A197(+2)「Dそらをとぶ」で215-139カバルドンに208-246
・A197(+2)「Dそらをとぶ」で215-187カバルドンに154-183

尚、「ふきとばし」のないカバルドンラグラージ等に関してはラムの実ランドか「みがわり」ゼルネの起点にして簡単に全抜き出来る。




【注意点】
①ゼルネアスへの起点回避技に注意
ゼルネアスをエースにする上で、気を付けたいのが発動が一度きりの『パワフルハーブ』。消費した後に相手に流されてしまうと次以降の展開が厳しくなるため、相手の「ほえる」「ふきとばし」「ほろびのうた」「くろいきり」等には気を付けたい。可能性がある相手には一旦積まずに殴る等の様子見をし、最大限慎重に立ち回る。
「でんじは」「やどりぎのタネ」「あくび」等は「みがわり」を残せば無効化出来るため、こちらも警戒しつつ立ち回る。


メタモンに注意
全体的に対策していると言っても気を抜くと一瞬でひっくり返されるおそれがあるので、メタモン入りとの試合運びは慎重に。以下に気を付けて立ち回ると良い。

・ゼルネアスのHP管理を徹底する
・ゼルネアスで目の前の相手を倒しても問題ないか考えてから倒す
・ゼルネアスの「みがわり」を残すことを狙う
クレッフィの「リフレクター」「ひかりのかべ」で殴り合いを有利に進める
・アーマーガアやランクルスで全抜きを狙う


クレッフィを起点にする動きに注意
クレッフィは「ちょうはつ」等を持たず相手の積み技を許してしまうため、「つるぎのまいランドロスや「わるだくみ」ファイヤーG等の積みアタッカーが来る場合がある。
そのまま複数回積まれて壁を貫通されて3タテされないように注意する。
物理エースには「リフレクター」後すぐにアーマーガアかランクルスを出して「てっぺき」、特殊エースには「ひかりのかべ」後すぐにゼルネアスを出して「ジオコントロール」で間に合うことが多いので、積まれたら即対処すること。



【雑感】
・基本選出の選出率が本当に高く、毎試合10秒くらいでクレッフィゼルネガアを投げていた
・基本選出の対応範囲が広いパーティは選出時間から色々考えられて楽だし強い
・「これ強いって本当?」と思うような変な並びだが、実際勝てていたので多分強いのだろう
・あらゆる伝説とのマッチングで「これは勝てる」と思える仕上がり(不利マッチが少ない)
・レート1800~の勝率は9割近くで、特に上位環境への刺さりが良かった
・こうして振り返っても課題点があまり浮かばず、「全対応」に限りなく近い完成度となった


・今回は先に構築内容や記事を公開した状態で潜っていたが、公開後も問題なく勝てた
・以前は「ネタが割れたら勝てなくなるのではないか」という考えもあったが、実際は影響ない
・今後も何も気にせず積極的にパーティ記事を出して行きたい



【終わりに】
解説は以上となります。
かなりの長文でしたが、最後までお読み下さりありがとうございました!

今後はゼルネアス以外の禁止伝説枠を用いたパーティ構築に取り組み、強い伝説枠のパーティを一通り組んで構築記事を公開するのが当面の目標です!
竜王戦ルールは3ヶ月と長いですが、禁止伝説の数はとても多いため色んなパーティを組んで遊ぶだけでもしばらく楽しめそうです。

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ではまたノシ