ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【単体考察】悪巧みカムラヒートロトム

こんにちは、ユウキです。
今回は、最近私が使っていた全抜きエース型のHロトムの調整について紹介します。
これまでロクな積み技がなかったロトムですが、ついに剣盾で新たに「わるだくみ」を習得しました。
これにより従来の「ボルトチェンジ」を軸にサイクルを回す使い方ではなく、居座って積み技から全抜きを狙いに行く型が実現可能になります。
現段階で私の知る限りでは「わるだくみ」で全抜きを狙うのはSロトムぐらいのイメージでHロトムのこのような型は見たことがないですが、優秀な耐性で充分に活躍してくれます。
良ければ実際に使ってみて下さい!



【個体詳細】
■Hロトム@カムラのみ
性格:臆病
技構成:10まんボルト あくのはどう みがわり わるだくみ
実数値:144-63-128-138-128-151
努力値:148-0-4-100-4-252



【調整意図】
○HP
・「みがわり」3回で『カムラのみ』発動の4n
HPを4n+aとした場合、4回「みがわり」を貼れる代わりに『カムラのみ』発動後に残るHPが極端に少なくなる。するとせっかく抜き態勢に入れても先制技や砂嵐等で倒れる可能性が上がるため、『カムラのみ』発動後のHPを最も多く確保出来る4nとした。


○B
●通常時
・A115ナットレイの「パワーウィップ」を「みがわり」が81.2%耐え
・A67までの一致「イカサマ」を「みがわり」が確定耐え ※攻撃個体値11以下で実現可能
・A108アーマーガアの「ブレイブバード」を「みがわり」が確定耐え
・A178オーロンゲの「ソウルクラッシュ」を「みがわり」が確定耐え


●DM時
・A172ドラパルトの「Dゴーストダイブ」+B(-1)で「Dゴーストダイブ」急所込90%耐え
・「みがわり」3回後の残りHP(36→72)でA189オーロンゲの「ふいうち」耐え
 =「みがわり」3回後の残りHP(36→72)でA189ドラパルトの『こだわりハチマキ』「ふいうち」耐え
・「みがわり」3回後の残りHP(36→72)でA211ローブシンの〔てつのこぶし〕『いのちのたま』「マッハパンチ」耐え


○C
・「ステルスロック」+「Dあくのはどう」で164-95ドラパルト確定1発
・「ステルスロック」+C138(+2)「Dあくのはどう」でDM164-95(328-95)ドラパルト15/16で1発
・「D10まんボルト」でDM171-121(342-121)ギャラドス14/16で1発
・C138(+2)「Dあくのはどう」+D(-1)に「Dあくのはどう」で181-184ナットレイ確定
・C138(+2)「10まんボルト」で192-147トゲキッスまで確定
・「ステルスロック」+C138(+2)「D10まんボルト」でDM192-142(384-142)トゲキッスまで確定
・C138(+2)「あくのはどう」で192-86ドリュウズまで確定2発


〇D
●通常時
・C189(+2)トゲキッスの「Dエアスラッシュ」「Dマジカルシャイン」を耐えた上で『カムラのみ』発動


〇S
・最速
『カムラのみ』でドラパルトを抜くために、最低限「S(+1)で最速ドラパルト抜き:S143」を確保したい。また最速トゲキッスは是非抜いておくべきで、ついでにすぐ上にいるギャラドスも抜いておきたい。『こだわりスカーフヒヒダルマも抜けると嬉しい・・・と考えて行った結果、最速になった。
最悪の場合Wロトム相手に突っ張れるようになるためにも最速推奨。一度ウッウに上から電気技を撃って勝ったので、最速にしておいて正解だった。


●参考
・S(+1)で最速ドラパルトS213抜き:S143
・最速トゲキッスS145抜き:S146
・最速ギャラドスS146抜き:S147
・準速ヒヒダルマS147抜き:S148
・準速ミミッキュS148抜き:S149
・準速オノノクスS149抜き:S150
・準速サザンドラ、最速ジャラランガ、ジュラルドン、ウッウS150抜き:S151



【解説】
低速、低火力な受けポケモンや相性有利なポケモンを起点に「みがわり」「わるだくみ」を積んで行き、全抜きを狙う型。
主な起点対象はアーマーガア、ナットレイ等の鋼タイプやブラッキー等の低火力受け、オーロンゲ等。
炎・電気の耐性により多くの鋼、フェアリー、電気、炎に有利を取れる。
「みがわり」は「やどりぎのタネ」「あくび」等の補助技による妨害をカット出来るので受けポケモンに非常に強くなれる上、能動的に『カムラのみ』を発動させる手段としても重宝。全抜きに足りていない素早さを補う。


現環境で最メジャーなドラゴンであるドラパルトに対する打点の「あくのはどう」と『カムラのみ』を採用することで、アーマーガア+ドヒドイデ+ドラパルトやナットレイドヒドイデ+ドラパルトのような並びを崩せる。
相手の鋼タイプ絡みのサイクルを破壊する役として、相手目線から見えない勝ち筋になり得るのが強み。
思い切って「オーバーヒート」を切る形となったが、炎技で遂行したい相手には一度退かせた上でのC+2サブウェポンで処理が間に合うと判断。


全抜きエースとして貴重な電気タイプで、オーロンゲ等の〔いたずらごころ〕+「でんじは」で止まらないのも偉い。


また、飛行・フェアリー・炎・草に耐性を持つため、強力なDMアタッカーであるトゲキッスリザードンに対して、相手をストップした上で逆に起点にして行けるのは他のアタッカーにはない強み。
壁+『じゃくてんほけんトゲキッスにも「みがわり」でのターン稼ぎや「わるだくみ」で、アイテムの発動をさせずにDMや壁終了後にワンパンを狙う立ち回りでかなり勝率が安定する。
壁役に多いオーロンゲも、事前にバンギラス等の悪タイプで「ちょうはつ」しておけば安全に起点に出来る点も優秀。


尚、似たような戦術が可能で「Dエアスラッシュ」で能動的な素早さ上昇が狙えるSロトムがライバルになるが、差別化要素は多々ある。
基本的にSロトムはサイクル適正がなく運用法がDM前提の全抜きエース型1つに絞られてしまうのに対し、Hロトムは既に使用率上位に食い込んでおり優秀な耐性によるサイクル要員としての側面を持つため、見せ合い段階で型を絞られにくい。
相手が型を読み違えると選出段階でケアしきれていなかったり、相手が「みがわり」を残させる選択をしたら一気に試合を決めに行けたりといわゆる初見殺しギミックに近い動きを期待出来るのは間違いなく強みになる。
またその優秀な耐性から「みがわり」を残せるキャラが多いため、起点に出来る範囲が広い点も大きい。
『カムラのみ』持ちなので素早さ上昇にDMが必要なく、DMを切らなくてもある程度の抜き性能があるのもポイント。
同様の戦術を得意とするサザンドラと比較しても、後出しでトゲキッスに勝てるという点で全く異なる運用が可能。



【相性の良いポケモン
バンギラスきあいのタスキ
陽気HS
がんせきふうじ かみくだく ちょうはつ ステルスロック


全抜きを狙う際に必要な火力を補う「ステルスロック」要員と組ませたい。
私は相手のオーロンゲに「ちょうはつ」がある場合を想定して、〔いたずらごころ〕+「ちょうはつ」無効でこちらだけが一方的に「ちょうはつ」を通せるバンギラスを先発にして展開していた。「ちょうはつ」状態のオーロンゲなら安全にロトムの起点に出来る。
バンギラス自身が攻撃力が高く物理受けを呼ぶため、呼んだアーマーガアやブラッキードヒドイデナットレイを起点に出来るロトムが後続に控えていると展開しやすい。
また、細かい点ではバンギラスの砂ダメージは『カムラのみ』発動の調整にも相性が良かったりする。


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以上、ここまでお読み下さりありがとうございました。
近いうちにこのロトムを採用したパーティの解説記事を投下予定です。お楽しみに!