ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〜カバドリゴチル〜 第4回・第5回夜空杯使用パーティ

第4回・第5回夜空杯で連続で使用した、第五世代シングル66のパーティの紹介です。
第4回では予選4-4であと1勝というところで惜しくも予選落ちしてしまいましたが、
第5回では予選7-1で全体2位抜けから優勝を決めることが出来ました。
構築の完成度自体には当初から自信があったものの第4回の時は全体を通して運が悪く結果が出せなかったのですが、
全く構築を変えずに挑んだ今回で無事リベンジを果たせたので非常に満足です。
第五66では主に砂パをメインで使ってきましたが、過去の夜空杯で砂パが優勝したことが一度もなかったのもあり、
自分が初めて砂パを優勝させることが出来たというのも嬉しかったです。
それではパーティ解説を行います。オフレポは後程更新予定。



【使用パーティ】


種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カバルドン 腕白 ステルスロック 地震 氷のキバ 怠ける 綺麗な抜け殻 砂起こし
ドリュウズ 陽気 地震 アイアンヘッド 岩雪崩 剣の舞 風船 砂かき
ゴチルゼル 穏やか サイコキネシス めざめるパワー(炎) 10万ボルト トリック 拘り眼鏡 影踏み
ボーマンダ 無邪気 流星群 ドラゴンクロー 大文字 羽休め ラムの実 威嚇
スターミー 臆病 波乗り サイコショック 冷凍ビーム 自己再生 命の珠 アナライズ
ナットレイ 生意気 パワーウィップ ジャイロボール 宿木のタネ 守る 食べ残し 鉄のトゲ



【背景】
現在の66の環境は天候パが主流であり、異なる天候パ同士が戦う場合はいかにして自分のフィールドで戦えるかがカギとなる。
天候の取り合いを制するために、相手の天候ポケを逃がさずに狩れる特性を持つダグトリオソーナンスゴチルゼルの3匹が
天候ポケと同居する構築も多く、第3回夜空杯で登場したキュウコンダグトリオゴチルゼルの組み合わせ
(しんめーの第3回夜空杯使用パーティ>http://d.hatena.ne.jp/me-ss/20121222/1356174874)のように
複数のキャッチポケモンを入れて他天候をメタったギミックも見られ、天候の取り合いは以前にも増して激しくなっている。


そこで、天候の取り合いになった場合に自分のフィールドを維持しやすいようなパーティを目指すことにした。
自身が以前使っていた砂パ(第2回夜空杯使用パーティ>http://d.hatena.ne.jp/yuki_rotom/20121030/1351587054)を元に、
現在流行している天候奪取ギミックに対する耐性を上げられるように改良したのが今回の構築である。



【概要】
砂かきドリュウズをエースとした砂パーティ。天候の取り合いになりやすい現在のシングル66環境において、
最終的に自分のフィールドである砂嵐状態を維持して勝つことを目標にパーティを構築した。


まず砂パを使うにあたり、天候要員にバンギラスカバルドンのどちらを採用するかを検討する。
他天候とは違って天候要員を決める際に複数の選択肢が持てるのも砂パの強みだろう。
今回は砂嵐状態を維持する上で、場持ちの良さやキャッチポケモンへの耐性を考えてカバルドンを採用。
以前使っていたのはバンギラスだったが、天候の取り合いが激しくなった現環境ではバンギラスは正直厳しい。
特にジュエル地震ダグトリオに対してバンギラスはほぼ無力であり、蟻地獄でキャッチされると確定で処理されてしまう。
シュカや抜け殻を持たせてダグトリオをメタったとしても、「眠る」等の回復ソースを入れられなくなるため、
今度は交代際のダメージやステロ等の蓄積で消耗して天候の取り合いに不利となる。
一方カバルドンはダグにもゴチルにもワンキルされないだけの耐久力があり、更にソーナンス等も含めたキャッチ系特性に
対する耐性を上げるために綺麗な抜け殻を持たせたとしても、「怠ける」という安定した回復ソースが持てる。
天候変化ポケモンの中で唯一ステルスロックが半減なのもあり、ステロが互いに撒いてある状態で交代合戦になっても
消耗を抑えられるので、他の天候パに対して天候の取り合いで有利になりやすいのが最大の強みだ。


自分の天候を維持するためには、自身の天候要員の場持ちを良くするだけでなく、
相手の天候を妨害して(更に言えば相手の天候要員を先に潰して)しまうことも非常に重要となる。
そこで今回採用したのは影踏みゴチルゼル。先に相手の天候要員を影踏みでキャッチして倒してしまえば、
その後自分のカバルドンを出すことで相手に手動天候技がない限りは永続で砂状態を維持出来る。
ゴチルゼルソーナンスとは違って能動的に役割を遂行出来るため、補助技連打で逃げられることがないのが強み。


これらのギミックを活用して、相手の天候要員をゴチルゼルで先に潰してからカバルドンで永続砂を維持して、
ドリュウズ・スターミー・ボーマンダの高速エース3枚で相手を殲滅するのがこのパーティの基本的な動きである。
勿論相手側もニョロトノユキノオーキュウコンゴチルゼルに捕まる展開は避けたいはずで、アイテムや立ち回りで
ゴチルキャッチをメタってくる可能性も高いのだが、交代合戦になったらなったで消耗戦に強いのはこちらの方なので、
定数ダメージや交代際のダメージで先に相手を疲弊させてしまえば問題ないという二段構えになっている。
また相手が無天候及び同列の砂パであれば最初から永続砂が決定するので、天候の取り合いは意識せずに普通に戦える。


対雨パに関しては以前使っていたスターミージバコのギミックではなく受けに回れるナットレイを採用し、
トノをゴチルでキャッチ出来なかった場合に備えて普通に交代合戦も仕掛けられるようにした。
相手のパーティにこちらの雨ナットレイを処理出来るポケモンが少なかった場合は、敢えて天候を雨から砂に取り返さず
こちらのナットレイで相手を詰ませることを目標に立ち回っていくことも可能となる。


それでは個別に解説を行う。



【個別解説】
カバルドン@綺麗な抜け殻 <砂起こし>
腕白 215-132-159-**-118-62
ステルスロック 地震 氷のキバ 怠ける


・ステロ+A187ドリュウズ剣舞地震最高乱数以外耐え
・C161ゴチルゼルの眼鏡草結び最高乱数以外耐え
・C158ユキノオーの吹雪最高乱数以外耐え
・C156ニョロトノハイドロポンプ耐え
・C178ボーマンダのジュエル流星群耐え
・ステロ+C162ボーマンダのジュエル流星群耐え


天候要員。高耐久+再生回復+ステロ半減という要素を持つため天候の取り合いに非常に強い。
無理なくステルスロック要員も兼ねられ、弱点も少ないので先発にも置きやすい。
高耐久を活かして多くの厄介なポケモンと撃ち合うことが可能。
技構成は他のエースで攻める展開でも天候の取り合いになった場合でも欲しいステルスロックと、
消耗したHPを回復するための怠けるはほぼ必須だろう。
あくび連打がルール上禁止されており普段より弱体化しているのも含めて、残りは攻撃技2つ。
ドリュウズバシャーモ等への遂行技になり威力が高いメインウェポンとなる地震と、
地面技との相性補完に優れるサブウェポンとして氷のキバを採用した。
氷のキバを採用することで特に受けが難しいボーマンダガブリアスに対してタイマンを挑める駒となれる。
無限グライオンの起点になることを防げるというのも地味に重要な要素の1つだろう。
持ち物は綺麗な抜け殻とし、HPが削れた状態でダグゴチルを出されても逃げられるようにした。
また、ソーナンスに対しても悠々とステロや怠けるを選択出来るようになる。



ドリュウズ@風船 <砂かき>
陽気 185-187-81-**-85-154
地震 アイアンヘッド 岩雪崩 剣の舞


砂エース。砂+ステロ+剣舞の状況が揃えば無双が狙える分かりやすい強さを持つ。
特に第五世代以降はアイアンヘッドの習得により広い相手に剣の舞を積まずとも殴りに行けるように。
パーティに先制技持ちがいないので、相手の高速ポケモンの処理もコイツに一任することになる。
攻撃性能だけに目が行きがちだが、実は防御面で見ても優秀なタイプを持っている。
ステルスロックのダメージを1/4に抑えられるのでサイクル戦に強く、また鋼タイプの耐性を活かして
無理やりドラゴン技へ繰り出したり、半減技で拘った相手を剣舞の起点にしたりと器用に立ち回れる。
技構成は、地震アイアンヘッド、剣の舞までは確定と言ってもいい。
岩雪崩はボーマンダを対面で殴りに行ったり、エアームドに対して剣舞から突破を狙えるように是非欲しい。
持ち物はミラーを意識して風船+最速。マッパ持ちがいないので、相手のドリュウズカバルドンドリュウズで止める。
また、風船+鋼タイプの耐性で相手のカバルドングライオンガブリアス等を起点にして行ける点も素晴らしい。
風船が割れていなければ撒き菱も踏まないので、ステロ1/4、どくびし無効も併せて昆布戦法にも滅法強い。



ゴチルゼル@拘り眼鏡 <影踏み>
穏やか 175-**-116-134-145-98
サイコキネシス めざめるパワー炎 10万ボルト トリック


サイコキネシス+1/16ダメージ×3で212-117ローブシン確定
・めざめるパワー炎で197-106ユキノオー確定
・めざめるパワー炎+ステロで177-132ハッサム確定
・10万で197-147ニョロトノ確定2発


・C133キュウコンの晴れ火炎放射2連最高乱数以外2発耐え
・C142ニョロトノの雨ジュエルハイドロポンプ最高乱数以外耐え
・C144ユキノオーの吹雪霰1回込み2発耐え
・A211ローブシンの珠ちからずく冷凍P+マッハパンチをステロ+砂ダメ1回込み耐え


・準速ローブシン抜き


天候・格闘ポケモン処理要員。特性影踏みによって処理したい相手を確実に狩るのが仕事。
主に相手の天候ポケを倒して砂を維持したり、格闘を処理してドリュウズナットレイが動きやすい環境を作る。
技構成はまずローブシンの処理を役割に入れたいのでメインをサイコキネシスに。
次にユキノオーを処理するためのめざ炎、そしてニョロトノエアームドを見る10万ボルト。
自分が砂パなので相手のカバルドンバンギラスはコイツで狩る必要がなく、草結びは入らなかった。
構築からバンギラスを抜いたせいでランクルスの処理が難しくなったので、最後の枠にはトリックを採用。
ポリゴン2やラッキー、ナットレイ等の受けポケモンを崩せるため、この技の汎用性は高い。
持ち物は拘り眼鏡。目の前の相手を迅速に処理してもらう目的のためには最適なアイテムだろう。
特性により相手に逃げられるリスクがほとんどないので、交代読み等をせずに素直に殴っているだけで強い。



ボーマンダ@ラムの実 <威嚇>
無邪気 171-156-101-161-90-167
流星群 ドラゴンクロー 大文字 羽休め


ドラゴン枠。威嚇+飛行タイプにより格闘や地面が重くなりがちなカバドリの穴を綺麗に埋めてくれる。
エスパーを2匹採用したことで虫耐性も欲しかったので、この枠はガブリアスでは絶対に務まらない。
砂パに限った話ではないが、相手のキングドラを非雨下で縛れる高速ドラゴンは構築に1匹は欲しい。
技構成は撃ち逃げ前提の最高火力流星群と、Cが下がっても撃てる上に命中安定の遂行技ドラクロの両立。
後はエアームドナットレイハッサム等への役割遂行になりドラゴン技との相性抜群のサブウェポン大文字、
最後はステロや砂ダメージでの消耗を抑える羽休め。
補助技を1つ入れることで、ソーナンスに捕まっても処理されずに羽休め連打で逃げられるようになる。
持ち物はゴチルでの処理が難しい格闘タイプであるキノガッサへの繰り出しを考えてラムの実。
キュウコンフシギバナの催眠技やナットレイの電磁波等への耐性も上がるため後出しの安定感に繋がる。



■スターミー@命の珠 <アナライズ>
臆病 135-**-106-152-105-183
波乗り サイコショック 冷凍ビーム 自己再生


対水、格闘枠。カバドリが苦手とするこの2タイプを起点に攻撃を仕掛けていけるエースアタッカー。
広範囲+高速により多くの相手に制限をかけられる上に、特性「アナライズ」で後出しにもリスクを負わせられる。
スターミーで縛れるポケモンに繰り出せば、相手はそのポケモンを失うか交代するかの2択となるが、
交代して受けようにもアナライズ補正の攻撃+次の攻撃をステロ込みで耐えられるようなポケモンはほとんどおらず、
場に出る度に相手を1匹持っていくほどの凶悪な性能を誇る。
攻撃技はメインの波乗りに加えてエスパー技にはサイコショックを採用。これによりハピナスやラッキーで受けられず、
Bナットレイ@食べ残し <鉄のトゲ>
生意気 181-122-162-**-165-22
パワーウィップ ジャイロボール 宿木のタネ 守る


・A177ヘラクロスインファイト耐え
・C161キングドラの雨眼鏡ハイドロポンプ2発耐え
・ステロ+C158ユキノオーの吹雪2発+霰ダメージ1回耐え(食べ残し込み)
・C142ニョロトノの気合玉2発耐え(食べ残し込み)


対水(雨パ)枠。ここまでできつい雨グドラへの安定した後出し要員となる。
交代で受けるのが非常に難しいキングドラ・スターミー・ギャラドスへの受け先として非常に優秀。
鋼タイプを活かしてドラゴンにも出せそうだが、ガブマンダは炎技持ちの可能性が高いのであまり信用は出来ない。
雨が降っていればこれらへの後出しも比較的しやすくなるため、相手が雨パの場合は敢えて雨状態のまま戦うことも多い。
技構成は水に対する役割遂行のパワーウィップと、ドラゴンを始めとする草半減にも圧力をかける鋼技は確定。
ユキノオーと撃ち合えるように威力重視のジャイロボールを採用。PPは少ないが相手の高速ポケモンに高い打点を持てる。
残りは相手の交代際に撃つことでアドバンテージを稼ぎやすい宿木のタネと、拘りポケモンの技を様子見しつつ固定させたり、
宿木のダメージを稼いだりと広く使い道がある守るを採用。
持ち物は受け出しの際の負担を減らし、宿木+守るとの相性も抜群の食べ残し。これにより粘り強く戦える。



* * *



最後に全体を見て言える強みと弱みを挙げて終わります。


■強み
・相性補完が綺麗(どのポケモンの弱点も最低2匹以上で補っている)
・決定力が高いエースが複数いる(1匹に依存していないのである程度使い捨てが可能)
・パーティ全体の場持ちがいい(再生回復3匹+宿木持ち)


■弱み
・先制技がないので高速ポケモンの処理が砂ドリュウズに一任されがち
・スピン持ちや接地毒がいないので撒き菱やどくびしを撒かれると長期戦では不利


改善点がないわけではないですが、現状ではかなり完成度には満足しています。
先制技がない構築は高速ポケに対して隙を見せがちですが、立ち回り次第では何とかなります。
うまくドリュウズを処理されたり砂を維持させてもらえないと終了なのでだいぶシビアですが。
今後また砂を組むとしたらこのあたりを意識して回答を用意しておきたいところ。
ではでは今回はこの辺で。最後まで読んで下さりありがとうございました。