第22回シングル厨のつどいオフ、第4回キツネの社mfにて使用したパーティの解説記事です。
成績はシングル厨が予選5-4で4/10位(同率3位)、社mfがスイスドロー予選6-2で6/69位抜け→決勝トナメ3-1で準優勝。
2つのオフの間にパーティ内容に微調整を加えたため、技構成や実数値が使用時により違う箇所があります。
ここで紹介するのは社mf使用時のものです。これを本パーティの結論形としたいと思います。
【使用パーティ】
種族名 | 性格 | 技1 | 技2 | 技3 | 技4 | 持ち物 | 特性 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
カバルドン | 生意気 | ステルスロック | あくび | 岩雪崩 | めざめるパワー飛行 | ラムの実 | 砂起こし |
ドリュウズ | 意地っ張り | 地震 | 恩返し | 燕返し | 剣の舞 | 地面のジュエル | 砂かき |
ラティオス | 臆病 | サイコキネシス | リフレクター | 光の壁 | 置き土産 | 光の粘土 | 浮遊 |
ハッサム | 意地っ張り | バレットパンチ | 虫食い | 電光石火 | 剣の舞 | 命の珠 | テクニシャン |
サクラビス | 控え目 | 波乗り | 冷凍ビーム | 殻を破る | バトンタッチ | 白いハーブ | うるおいボディ |
キノガッサ | 陽気 | ローキック | タネマシンガン | 身代わり | キノコの胞子 | 毒毒玉 | ポイズンヒール |
【パーティ解説】
カバルドン+ドリュウズを軸とした、いわゆるカバドリ。
・・・というのは見せかけで、実際はサクラビス+キノガッサの殻を破る+バトンタッチコンボをメインとしたサクラバトンパーティ。
ラティオスの両壁+置き土産→サクラビスの破りバトン→キノガッサで全抜きをするのが本パーティの主な狙いとなる。
このメイン選出が苦手とするポケモンに対して、残りの3匹で穴を埋める形となっている。
始めにメインコンセプトであるサクラバトンの基本的な動きについて説明する。
まず先発ラティオスのリフレクター・光の壁・置き土産のサポートでサクラビスが殻を破るを使用しやすい状況を作る。
次に死に出しサクラビスで殻を破り、その後はサクラビスの暴走を止められるポケモンが現れるまで目の前の敵をどんどん倒していく。
サクラビスが止まったところで後続のポケモンにバトンタッチ。能力上昇を引き継いだまま第2のエースが暴れることが出来る。
バトンのアンカーにあたるポケモンに求められる資質は以下の3つ。
・状態異常耐性(特に悪戯心+電磁波耐性)
・止まりにくさ(火力・攻撃範囲の広さ)
・ある程度の素早さ
加えて
・場持ちの良さ
・電気耐性
・草耐性
があると尚良い。これらの条件を満たすポケモンの中で、個人的に最も強いと思っているのがキノガッサである。
まず特性「ポイズンヒール」を「毒毒玉」により能動的に発動させることで、他の状態異常をシャットアウトすることが出来る。
ポイズンヒールにより毎ターン最大HPの1/8回復するため定数ダメージ等の削りに滅法強く、場持ちが良い。
止まりにくさに関しても、高い攻撃種族値と広い攻撃範囲に加え、命中100の催眠技「キノコの胞子」によりある程度の相性の悪さであればゴリ押せるため文句なし。
そしてサクラビスの弱点となる電気タイプ・草タイプの技両方に耐性を持ち、水タイプやナットレイを始めとするサクラビスを止めてくるポケモンの大半に強い。
ここまでの条件が揃うポケモンは他にはいないため、キノガッサはサクラビスのバトン先としてこれ以上なく適任であると言えよう。
このコンボがスムーズに決まった場合、壁も含めて実数値にして155-302-202-**-184-268という化け物が誕生する。
こんなポケモンに「キノコの胞子」まであるのだからまさに鬼に金棒である。
更にキノガッサの素晴らしい点は、一度パターンに入った後の事故率が非常に低い点だ。
サクラビスがバトンタッチを使用する際に目の前にいるポケモンが「不眠」「やる気」「マジックミラー」「ラムの実」「カゴの実」「毒毒玉」「火炎玉」「神秘の守り」状態以外であれば、バトン成功後にそのポケモンを起点に胞子身代わりループが可能。
攻撃と素早さが2段階上昇したキノガッサは通常の催眠対策のポケモンのほとんどに勝てるようになることから、相手は先制技以外でこのキノガッサを処理することは非常に難しい。
胞子→身代わり→身代わりが残った場合のみ攻撃(相手が起きたら再度胞子) というループは基本的に相手の行動を読む必要がなく、常に安定択を取り続けるだけで勝ちを狙えるためプレイヤーへの負担も少ない。
コンボパーティの類は一度コンボが決まったらなるべく高い確率で勝ちをモノにしたいので、この安定感は特に重要である。
さて、一度決まればほぼ勝ちと言えるレベルに強力なサクラガッサバトンであるが、勿論弱点は多々ある。
そもそもバトンを主軸としたコンボの根本的な弱点としては
・挑発
・吠える/吹き飛ばし
・滅びの歌
・宿木のタネ
あたりだろうか。
特に気を付けなければならないのが挑発で、この技を受けるとバトンタッチ以前にラティオスが壁や置き土産のサポートを出来なくなり、サクラビスが殻を破ることすらままならなくなる。
補助技主体のコンボパーティはこの技1つでガタガタになってしまうことが多いため、挑発持ちに対して隙を見せたくはない。
挑発を持っている可能性が高く、汎用性及び出現率の高いポケモンは ボルトロス、トルネロス、エルフーン、アグノム、クロバット、ギャラドスあたりだろう。
これらのポケモンから挑発を受けても殴り合えるスペックがあり、また挑発を誘いにくいラティオスはコンボの始動要員として適任だと言える。
吠える/吹き飛ばし持ちに関してはバトンタッチ際に使われてしまうとそこまでの苦労が水の泡になってしまうため、なるべく防ぎたい。
これらの強制交代技は特性「マジックミラー」持ちか「きゅうばん」持ちを後続に控えさせることで対策可能だが、今回は枠の都合上採用に至らなかった。
バトンコンボへの依存度が高いパーティであればこれらの対策は必須だと思うが、今回の構築では他の戦術を選択肢に組み込むことで緩和することとした。
滅びの歌や宿木のタネはバトン先にも引き継がれてしまう以上苦手ではあるが、立ち回りでカバー出来る範囲だろう。
ちなみに「あくび」の効果はバトン先には引き継がれないので、バトン要員及びバトン先に催眠耐性がなくても大丈夫である。
以上が一般的なバトンコンボの弱点であるが、次にラティサクラガッサ固有の弱点を挙げてみる。
・ボルトロス(ラティより速い挑発持ち。悪戯電磁波。3匹全員に打点あり)
・トルネロス(ラティより速い挑発持ち。悪戯追い風。3匹全員に飛行技が一貫)
・スカーフガブリアス(スカーフ逆鱗が一貫。サクラビスで破っても抜けない)
・ユキノオー(3匹全員に一致技で弱点を突ける)
・パルシェン(ラティ対面で先に殻を破るを使われると厳しい)
・ウルガモス(ラティ対面で先に蝶の舞を使われると厳しい)
・珠ハッサム(ラティ対面で先に剣の舞を使われると厳しい)
・トリックルーム(素早さ上昇系のバトンが逆手に取られる。5ターン凌ぎにくい)
・高火力先制技(こちらの素早さ上昇による恩恵があまり得られない)
・S(+2)キノガッサ以上のポケモン(雨グドラ、砂ドリュウズ、晴れドレディア、加速バシャーモ等)
基本的にラティより速いポケモンが苦手であり、特にボルトルネ、スカーフガブリが厳しい。
スカーフドラゴンに関しては、特殊であれば
流星群:ラティオスが倒されるが、サクラビスがC200(-2)流星+C200(-4)流星まで耐えるため起点に出来る
竜の波動:ラティオスがC200竜の波動まで耐えて光の壁を貼れるため後続で起点に出来る
と、どちらの技を撃たれても殻を破ることが出来るのだが、物理ドラゴンの場合はラティが何もせず倒された場合にリカバリーが効きにくい。
また、パルシェン・ウルガモス・珠ハッサムのような積みアタッカーも苦手である。この構築には基本的に攻撃を受けるという概念はない。
こちらが殻を破るよりも先に相手の決定力が発動してしまうと、壁土産をしたとしても死に出しから殻を破るでダメージレースに勝つのが難しい。
よってこれらの積みアタッカーに対する処理方法も確立しておかないと、すぐに3タテを許してしまい兼ねない。
トリックルームに関しては壁があればある程度の攻撃までは凌ぐことが出来るが、サクラビスの攻撃を耐えるトリックルーム要員(ポリゴン2、ブルンゲル等)がサクラビス対峙した場合に、こちらが殴ろうがバトンしようが相手の安定択がトリックルームとなり、以降4ターンもの攻撃を凌ぎきれないと基本的に不利である。
キノガッサに身代わりがあるとはいえ、トリルから交代や大爆発等で根性ローブシン等の大火力のポケモンを出されてしまうと相当厳しい。
カイリューの鉢巻神速やハッサムの鉢巻バレットのような高火力先制技を連打されると、せっかく破りバトンが決まっても削り切られてしまう可能性がある。
リフレクターが残っていれば殴り勝てるが、ターンを稼がれた後に出てきたりすると厳しい。
素早さを上昇させたことでこちらの制圧力が上がるコンボなので、それを無視して殴られ続けた場合は耐久種族値の低さが露呈してしまう。
同様の理由で、破りガッサよりも早く動いてくる相手全般が苦手となる。上に挙げたようなS上昇系の特性を持つポケモンには苦戦を強いられる。
さて、ここまで挙げたラティサクラガッサの弱点を埋めるために残りの3匹を考えて行く。
まず3匹に一貫していたスカーフドラゴン技及びユキノオーを牽制するためのハッサムが入る。
ハッサムはこれらを牽制するだけでなく、実際に技を撃たれた場合にも剣の舞の起点にして自らも全抜きを狙いに行けるため相性がいい。
ラティハッサムの形を見せることで、相手に持ち物や型のパターンを複数想定させることも出来る。
実はこのパーティには前身となるパーティがあり、その時もこのラティハッサムサクラガッサの4匹はほぼ同じ型であった。
2011年の秋〜冬頃にかけて長らく愛用していた「ニョロトノ/サクラビス/ラティオス/ハッサム/ガブリアス/キノガッサ」というパーティがそれにあたる。
「雨偽装サクラバトンパ」というタイトルで2011年の冬コミにて発売された「ポケストラ」に解説記事を執筆させてもらった。
ポケストラの販売数促進ためブログにてこのパーティの内容を紹介することはなかったが、基本的なギミックはこの構築が元となっている。
実績は第3回微粒オフ予選4/13位、第18回シングル厨ベスト8、第1回同盟オフ優勝、第57回DEXオフ予選4(同率2)/12位、第19回シングル厨予選2/10位。
BW環境最後を締めくくるにあたり、長く活躍してくれたサクラビスを再度使ってみようという考えから今回の構築に至った。
ラティハッサムサクラガッサまでが決まり、残りの2匹を考えていた。
以前のニョロトノ+ガブリアスの枠を新たな2匹にするにあたり、最低限欲しいのは
・ステルスロック
・高速地面アタッカー
である。さらに従来の2匹ではきつかったボルトロス耐性もあると最高だ。
そこでピンと来たのがカバルドン+ドリュウズの組み合わせである。
・カバルドンのステルスロックによる珠ハッサムの決定力補佐
・ボルトロス/トルネロスにある程度強い組み合わせ
・スカーフガブリアスを牽制できる(ガブリアス以外のスカーフ持ちにも砂ドリュウズのお陰で抑止力が働く)
・砂ドリュウズであればパルシェン、ウルガモス、珠ハッサムを止められる
・ドリュウズは神速やバレットが半減であり、現在流行りの高火力先制技の連打によるストップに強い
と、ラティハッサムサクラガッサ4匹では対処に困っていたポケモンの多くにカバドリが強いことから、すぐにカバドリ+サクラガッサの構築に踏み込んだ。
また、カバドリが呼ぶポケモンの多くをサクラガッサでカモることが出来るというのも構築のうまみとなる。
カバドリの苦手な耐久の高い地面タイプや水タイプ、キノガッサ、バンギラス+ローブシン等は全てサクラビス+キノガッサで蹂躙できる。
グライオン入り構築に対しても、グライオンの後ろにラッキー、バンギラス、ナットレイ、エンペルト等のいずれがいても丸ごとサクラガッサでぶち抜ける。
カバドリに強いと言われ数を増やしつつある眼鏡ブルンゲルですらこの構築ではカモれる対象となる。
サクラガッサが苦手なポケモンにカバドリが強く、カバドリが苦手なポケモンにサクラガッサが強い。
互いに弱点を補い合っているため、この2つは強くシナジーしていると言えるだろう。
また、それぞれが強力な勝ち筋を持つ組み合わせであるため、選出時に相手に対して「カバドリで来るのか、サクラガッサで来るのか」という強烈な2択を迫ることが出来るのも強み。
性質の異なる2つの強力なコンボに対して相手はどちらを優先して対策すべきか悩まされる。どちらかを見ようとすればどちらかが疎かになる可能性が高く、非常に厄介な2択だろう。
しかしながらこの2つの両方に同時に強いポケモンも中には存在する。
カバドリとガッサ、ハッサムまで同時に見れるグライオンやローブシンはこの構築を見ればまず出てくるし、ユキノオーはハッサム以外の全員に対面から有利が取れるため選出されない理由はないだろう。
これらが構築の穴かと思いきやそうではない。むしろ敢えて一貫するポケモンを分かりやすくしておくことで、相手の選出を絞れるというメリットの方が大きい。
となればあとは簡単で、自分のパーティに出てきやすいポケモンに対してメタを厚めに張り、誘い出して殺せばいいだけ。
あらかじめ勝ちパターンを何通りも用意しておくことで、それらのポケモンを含む複数の選出パターンに対応できるはずだ。
というわけで6匹の組み合わせが決定し、対戦数をこなしつつ穴があればチューニングを加え、パーティの完成度を上げて行った。
カバドリ偽装とは言っているが、通常のカバドリ選出もきちんと出来るような構築を目指した。
最近ではメタを張られ過ぎているため一筋縄ではいかないが、それでも強力な組み合わせであるのには間違いないため、従来のカバドリとは形を変えて、それらのメタのさらに上を行けるよう工夫した。
だいぶ歪んだ形となってしまったが、普通のカバドリよりも環境に適応したカバドリになったのではないかと思う。
また、基本的にはカバドリはサクラガッサを決めやすくするための囮であるため、パーティの並びにも気を遣った。
「カバルドン/ドリュウズ/ラティオス/ハッサム/サクラビス/キノガッサ」という順番で書くことで、カバドリのテンプレであるカバドリラティハッサムの4匹にサクラガッサが付け加えられたパーティという印象になる。
あくまでメインはカバドリかのように見せることで、サクラバトンの成功率が少しでも上がることを期待しての行動だ。
ちなみに、ブログで最近カバドリ考察記事を書いていたのも実を言うとこの布石である(
勿論考察をする上でカバドリメタについての理解を深め、カバドリ対策する側が使ってくる手段の多くに対して、こちらも回答を用意したつもりだ。
4月頃に構築を開始して2ヶ月、最終的には自分でも満足の行く完成度となった。
キツネの社mfにて準優勝という結果を残せたこの形を、BW環境の結論パーティとして残しておく。
それでは以下に個別解説を行う。
【個別解説】
■カバルドン(コバルドン)@ラムの実 <砂起こし>
生意気 208-133-139-108-121-60
ステルスロック あくび 岩雪崩 めざめるパワー飛行
○A
A133岩雪崩
・177-91ボルトロス 残飯込み(砂で相殺)確定2発
・191-86ウルガモス 砂ダメ1回込み確定1発
○C
C108めざめるパワー飛行
・153-81キノガッサ 砂ダメ1回込みで確定1発
・153-92キノガッサ 砂ダメ1回込みで6/16で1発
・153-92キノガッサ 砂ダメ2回込みで11/16で1発
○B
・A147パルシェンのつららばり5発耐え
・A189マニューラの鉢巻冷凍P 確定耐え
・A186カイリューの竜舞珠逆鱗 最高乱数以外耐え
・A182ガブリアスの剣舞逆鱗 最高乱数以外耐え
○D
・C156ニョロトノのハイドロポンプ 最高乱数以外耐え
・C158ユキノオーの吹雪 最高乱数以外耐え
・C178サンダーの眼鏡めざ飛行 2発耐え
・C182ラティオスの眼鏡流星群 最高乱数以外耐え
・C182ラティオスの珠草結び 最高乱数以外耐え
パーティのサポーター。主な仕事は「ステルスロック」による決定力補佐と砂を撒くこと。ドリュウズの良きパートナー。
この構築はカバドリメインではなく、こいつは穴埋めとして採用されたポケモンであるため型がかなり歪んでいる。
最初は腕白で「地震/氷のキバ/ステルスロック/あくび@オボンの実」というごく一般的なカバルドンだったが、ある理由から変更を施した。
そもそもカバドリを選出せざるを得ない相手というのが、サクラガッサという基本選出が苦手とするウルガモス、パルシェン入りの構築である。
受け能力が皆無なサクラガッサでは、先に決定力を発揮された際にそれを止める術がないため、ウルガモスやパルシェン入りに対して安易に初手ラティが出せない。
そこでこれらのポケモンがいた場合は誰が先発で出てきても止め切れるようにカバドリを出さなくてはならないのだが、1つ大きな穴があった。
それが「ウルガモス/パルシェン+キノガッサ入り構築」である。これらが相手のパーティに同時にいた場合、通常のカバドリではキノガッサを処理しきれないため無理が生じる。
実際に第22回シングル厨オフにてこの構築を使用した際に、予選でウルガパルガッサ入りの構築に2回当たりどちらも惨敗してしまった。
キノガッサ単体であれば初手ラティオスから展開することで隙を見せずに破っていくことが可能だったが、ウルガモスやパルシェンと同時にいた瞬間初手ラティの安定感が一気に下がり、読みゲーを強いられる。
この致命的な穴にシングル厨で気付けたことは今思うと非常に大きな収穫だった。
そこで、このシングル厨の際にSORIAが「ラムめざ飛カバルドン」の話をしていたのをヒントに、実際に組み込むことを考えた。
最初にこの型の話を聞いたときは悪い冗談にしか聞こえなかったが、いざ興味が出て配分を練ってみると、ギリギリではあるが自分がやらせたいことを両立可能だったため可能性を感じた。
試しに回したところ予想以上にいい動きをしてくれた為、本採用に至った。
努力値配分に関しては、まず最低限の仕事である「ステルスロック」を確実に決められるようどんな攻撃も1回は耐えるように特殊耐久寄りに配分した。
眼鏡ラティオスの前で動けることも大事だが、この構築では主にユキノオー入りに対して「カバルドン/ラティオス/ハッサム」という選出を行うことがあるため、ユキノオーと先発で対峙してもステロが撒けるようにした。
雨パーティに対しても同様の選出パターンをしたい場合があるので、アイテム補正なしのニョロトノのハイドロポンプも耐えるこの特殊耐久のラインが一番しっくりと来た。
特攻はキノガッサに対して「めざめるパワー飛行」のダメージが変動するC108に。C111まで上げると更に倒せる確率が上がるが、耐久が犠牲になる上に、キノガッサ側はどうせ身代わりから入るのが安定なので本体を一撃で倒せるようにする必要性は薄いと判断。
とは言ってもこのCでも初手の対面であれば153-81ガッサが砂1回込みで確定、ステロターン等に交代で出てきた場合は砂が2回入るため153-92ガッサまで高確率で見られる。
たとえ低乱数を引いて耐えられてしまった場合も本体にめざ飛が入れば身代わりを張るHPは残らないため、起きるか死ぬまでめざ飛連打していれば身代わりを残させたまま突破を許すことはまずない。
身代わりさえ残させなければ後続の攻撃で処理出来るため、Cが多少低くても何も問題はないと考えた。
このカバルドンは本来であればステロからのあくび展開の最大の障壁となるキノガッサを見ても安心して初手で出すことが出来るため、物理耐久と汎用性を大きく犠牲にした以上に現環境における強みがある型だと思う。
技構成はまずメインの仕事であるステロが確定。ステロを撒いた後に相手の起点になるのを防ぎつつ倒してもらえるようになるあくびも必須。
正直この2つがあれば大抵の仕事はしてくれるが、先述のウルガパルガッサ入りに対して役割を遂行してもらうためにめざ飛行を仕込んだ。
最後の1枠は当初は飛行技との相性補完に優れ、タイプ一致のメインウェポンにもなる地面技が候補だった。
地震であればウルガモスを2発で処理出来る上に大抵のポケモンの身代わりを壊すのには不足しない威力が出る。
大地の力を採用した場合は初手パルシェンに対して、殻を破る使用後に当てることで一撃で倒せるという利点を得られる。
しかし、地面技+飛行技の構成になった場合にボルトロス・トルネロス等の挑発に著しく弱くなってしまうというデメリットがあった。
元々がボルトルネに弱い構築であったため、なるべく隙を見せたくはない。しかし氷の牙にすると今度はウルガモスがきつくなる。
というわけで、ボルトルネ・ウルガモス両方に対面で打点を持てる岩雪崩の採用に至った。
これにより挑発持ちのボルトルネに殴り勝つことが出来る他、ウルガモスを1ターンで仕留めることが出来るようになった。
蝶の舞を2回許してしまうと後ろのラティオス・ドリュウズごと3タテされてしまうので、ウルガモスに隙を見せずに済むのは大きい。
リフレクターや置き土産、オボンの実があった場合でも蝶の舞を2回以上許さず、1舞であれば死に出しドリュウズで切り返せるためウルガモスに相当強くなる。
(アンコ持ちニョロトノ+すいすいキングドラの組み合わせのように、いかなるタイミングであってもノータイムでカバルドンを投げることでウルガの全抜きが阻止可能)
カイリュー等にも大きく隙を見せずに済むため、氷の牙と地震のいいとこどりのような性能を発揮出来る。
ただし身代わり持ちガブリアス、ドリュウズに圧倒的に弱くなるため、従来の技構成であれば相手に出来るこれらのポケモンには絶対に出せないので注意。
そもそもガブリアス、ドリュウズには砂を逆利用されてしまうため、これらを見たらカバドリではなくサクラガッサを中心に攻めていくのが基本のスタイルとなる。
よって本構築においてはこの問題は無視出来る範囲であると判断した。
ちなみに2刀にする都合でS下降補正の性格にしたことで、あくびループを抜けてくる最遅ハッサムのとんぼがえり対策が自然と出来ている。
持ち物はキノガッサにキノコの胞子をされても一度は行動出来るようにラムの実とした。
ラム+めざ飛があって初めてキノガッサに対する保険がかかるため必須であろう。
カゴの実でもよかったが、冷凍Bや吹雪による凍結でステルスロックをせずに倒される事故が怖いのでそれに対する保険にもなるラムとした。
地面タイプにより電磁波が無効なので他のポケモンよりも暴発の可能性は低いと言える。毒や火傷での暴発が凍結事故よりも怖ければカゴがいいだろう。
オボンがないと2回行動出来ずに落とされてしまうことが多くなるが、そもそもあくびループは今の環境では対策され切っているため最低限ステロさえ撒ければ何でも良かったりする。
■ドリュウズ(ビリュウズ)@地面のジュエル <砂かき>
意地っ張り 185-198-93-**-85-135
地震 恩返し 燕返し 剣の舞
○A
A198(+2)恩返し
・155-101ラティオス 81.3%で1発
・167-92ボルトロス 93.8%で1発
・167-116カイリュー ステロ込み確定1発
A198ジュエル地震
・126-201(-1)パルシェン確定1発
・191-87ウルガモス 確定1発
・177-121ハッサム ステロ2回込み確定1発
A198(+2)地震
・191-116ガブリアス 確定1発
・205-116ガブリアス ステロ込み確定1発
・183-147ローブシン 1/16ダメージ3回込み確定1発
A198(+2)ジュエル地震
・207-183スイクン ステロ込み確定1発
・215-166カバルドン ステロ込み確定1発
○B
・A160(+2)アバゴーラのアクアジェット 最高乱数以外耐え
・A200ハッサムの鉢巻バレット+A200キノガッサのマッパ 確定耐え
・A211ローブシンの根性マッパ 確定耐え
・A186カイリューの炎P+神速 確定耐え
・A204カイリューの炎P+神速 高確率耐え(急所込みで84.8%耐え)
・A186カイリューの地震 確定耐え
○S
・最速キノガッサ抜き
・砂状態で殻を破った最速パルシェン抜き
砂下でのエースアタッカー。砂かきを利用し、S上昇系の積み技を使って全抜きを仕掛けに来るアタッカーに対するストッパーの役割を担う。
砂状態においてはボルトロスより素早い上に、地面タイプにより悪戯電磁波が無効なので、相手のボルトロスを安全に処理出来る。
神速とバレットパンチに抵抗があるため、キノガッサを止めるべく出てくる鉢巻カイリューやハッサムにも強い。
カバルドンとセットでの選出が基本だが、場合によってはサクラビスの殻を破るバトンを受けて暴れてもらう場合もある。
努力値配分に関しては、無振りドリュウズを確定1発とするほとんどの物理技を確定で耐えるような物理耐久にした。
火力と素早さが多少犠牲になったが最低限は確保出来ており、むしろ相手のドリュウズ対策に対しても1回動けるような耐久を手に入れることで得られるメリットの方が大きかった。
これにより相手にローブシンやガッサハッサム、アバゴーラ等がいても強気に繰り出していくことが可能となる。
ラティオスのリフレクターや光の壁と併せれば多くの相手に対し無理やり剣の舞を積んだあと、先制技を耐えて返り討ちにすることが出来る。
技構成に関してはメインウェポンの地震とサブウェポンの恩返し、自らの決定力を上げにかかる剣の舞までは確定。
サブウェポンが恩返しなのは、単純に対ラティオスや水ロトム、ランドロス等に一番安定した威力が出る上に岩雪崩と違って外れないため。
当初は最後の枠はカバルドンのあくびと相性のいい身代わりを採用していた。
しかし、カバドリで相手のキノガッサ入り構築を相手するにあたり、どうしても燕返しが必要な場面が出てくる。
例えば初手パルシェンに破られた後、カバを犠牲にしてドリュウズでパルシェンを処理した後、死に出しでキノガッサが出てくる等。
同様にウルガモス等を処理した後にガッサが出てきても一撃で倒せないと、後ろのラティオスを含め催眠耐性がないので困ってしまう。
よって、いかなる場面でもキノガッサに対して隙を見せないよう、カバルドンをラムめざ飛にすると同時にドリュウズに燕返しを採用した。
これによりカバドリラティのどれがガッサと対面しても胞子の起点にされることを防げる。
身代わりを切る羽目になったが、「相手にあくびをかけたままカバルドンを倒してもらって死に出しドリュウズで身代わりを張る」という従来の理想的な流れは、そもそもあくび対策がされ切っている現環境ではあまり期待出来ないため問題なく感じた。
特に有用だと思えるのは砂ダメを稼ぐ場合、ハイドロポンプや気合玉のような低命中技持ちに対し粘る場合、バシャーモの守るを読む場合であるが、キノガッサに対面で勝てるようになる燕返しを抜いてまで採用したいほどではないため諦めた。
持ち物は鉄板は命の珠だが、ハッサムに持たせたいため余っていないのと、耐久調整を自ら崩したくないため地面のジュエル。
ジュエルを持たせることで破った後のパルシェンやウルガモスを一撃で処理出来る瞬間火力が手に入るため、カバルドンがこれらを前にしてもステルスロックをする選択肢が生まれる。
■ラティオス(MUGEN)@光の粘土 <浮遊>
187-**-100-150-131-178
サイコキネシス リフレクター 光の壁 置き土産
○C
C150サイコキネシス
・156-91バシャーモ 確定1発
・153-102キノガッサ 87.5%で1発
・183-86ローブシン 81.3%で1発
・155-100ボルトロス 98.8%で2発
○B
・A121ボルトロスの帯とんぼがえり 確定2発耐え
・A167トルネロスのジュエルアクロバット 確定耐え
・A173バンギラスの噛み砕く 確定耐え
・A177ランドロスの逆鱗 87.5%耐え
・A189捨て身ムクホークの捨て身タックル(ブレイブバード) 確定耐え
・A189マニューラの冷凍P 最高乱数以外耐え
○D
・C131ラティアスの流星群 最高乱数以外耐え
・C144ユキノオーの吹雪 確定耐え
・C147キングドラの珠竜の波動 確定耐え
・C177ボルトロスのめざ氷 2発耐え
・C178サンダーの眼鏡めざ飛行 超高乱数(94.5%)2発耐え
・C200ラティオスの竜の波動 確定耐え
・C205ウルガモスの虫のさざめき 最高乱数以外耐え
・C216シャンデラのシャドーボール 確定耐え
○S
・最速
パーティの中核となるサポーター。どのポケモンとも組み合わせが考えられ、選出率はほぼ100%。
基本的に壁を張って味方の耐久を上げる役目。腐ることが本当に少なく、下手したら眼鏡ラティよりも強いんじゃないかと個人的には思っている。
先発で起用することがほとんどで、壁+土産からサクラビス、ドリュウズ、ハッサムが舞うための起点を作り出す。
場合によってはサクラビスからバトンを受けてアタッカーをしてもらうことも。
努力値配分は素直にHSとした。高い素早さから先手で壁を使用した方が実質的な耐久は上がる。
また、相手の先発眼鏡ラティオスに先手を許してしまうと苦戦を強いられるため、最低限同速勝負に持ち込めるようにしたかった。
Hに全振りすることで、上記のような無振りラティを確定1発とする攻撃のほとんどを耐えることが出来るようになる。
スカーフ等の奇襲にも強くなり、ミリ耐えしてから壁を張ることで相手がそのまま倒して来れば後続の起点に出来、引いてきたらもう片方の壁が張れる。
ボルトロスの攻撃を2発耐えることが出来、こちらの攻撃2発でボルトロスを倒せるため、襷ボルトロスに強い枠となれるのも素晴らしい。
S110族からの壁+置き土産はなかなか防ぐ術がないため、コンボの成功率の高さに貢献してくれている。
技構成はパーティコンセプトを達成するために後続の耐久をサポート出来るリフレクター及び光の壁、そして壁のターンを維持しつつ無償で後続を出せる置き土産は確定。
最後の1つは挑発・身代わり対策に攻撃技としたいが、以前(雨偽装の頃)はこの枠には流星群を入れていた。
流星群はドラゴン対決で強くなれるほか、単純に威力が高く、Cがダウンしても置き土産により相手の起点になるのを防げるためデメリットも無視出来ると考えていた。
しかし、キノガッサに対して隙を見せる要因となってしまうという決定的な穴があった。
Cの下がったラティオスや置き土産にキノガッサを合わせられてしまうと、後続が胞子の餌食になってしまうためコンボが成立しない。
神秘の守りの採用も考えたが技スペースが厳しく、壁をどちらかに絞るしかない。この構築には壁はどちらも必須だったため、神秘採用は難しい。
そこで、キノガッサにいかなる場合も隙を見せずに済むサイコキネシスを採用することにした。
Cの下がらない竜の波動も候補だったが、カバドリとセットにすることでローブシン等を相手にすることも増えるため、対格闘をより重視した。
特にバシャーモには隙を与えると全抜きされ兼ねないため、一撃で倒せるのは大きいだろう。パーティが苦手とするフシギバナに抜群な点も見逃せない。
またDダウンの追加効果もあるため、交代で出てきたポケモンをそのまま突破することもあり、連打が効くためバトン先にラティオスを添えるパターンも視野に入る。
ドラゴン技を切ったことでドラゴン同士のタイマンで勝てる望みはなくなったが、基本的に壁を張った状態で後続に繋げればいいので、身代わりさえ壊せれば問題ないと考えた。
持ち物は壁のターンを5ターンから8ターンに延長する光の粘土。
これがあるとないとでパーティ全体の耐久回数に差が出てくるため、必須となる。
殻を破るターンだけでなく、バトンタッチのターンまで壁が残っていることで事故率が下がり、コンボの成功率が上昇する。
バトン後であっても、壁があればキノコの胞子を一度ラムカゴで回復されても返しの攻撃を耐えて再度眠らせることが可能。
種族値の低いサクラビス+キノガッサの脆さを見事にカバーしてくれていると言える。
■ハッサム(あかねいろ)@命の珠
意地っ張り 168-200-120-**-100-95 <テクニシャン>
バレットパンチ 虫食い 電光石火 剣の舞
○A
A200(+2)珠バレットパンチ
・156-101ラティオス 確定1発
・175-111ラティアス ステロ込み確定1発
・198-116カイリュー ステロ込み確定1発
・191-91ウルガモス ステロ込み確定1発
A200(+2)珠電光石火
・167-92ボルトロス ステロ込み確定1発
A200(+2)珠電光石火
・167-92ボルトロス ステロ込み確定1発
・156-91バシャーモ ステロ込み11/16で1発
A200(+2)珠虫食い
・187-151メタグロス ステロ込み最低乱数以外1発
A200(+4)珠電光石火
・151-116キングドラ 確定1発
○S
・最速ソーナンス抜き抜き(無振り零度スイクン抜き)
・殻を破るバトン時に最速120族抜き
先制技による全抜きを狙うエースアタッカー。パーティの弱点であるスカーフドラゴン・ユキノオーへの抑止力兼それを起点にする決定力。
先制技の性質上フィールドの状況に依存しない活躍が見込めるため、対霰や雨、晴れ、トリックルームパーティに対する生命線となる。
バシャーモ入りに対しても、ドリュウズやサクラガッサでは2連守るや3連守るによる逆転の負け筋が存在するが、それらに対する不安を消すことが出来る。
他にもコンボパの弱点であるソーナンスや、ラティオスが苦手とする挑発アグノム、厄介なランクルス等に圧力をかけて行く。
努力値配分はAを最大まで上げ、残りを耐久と素早さに。
以前はASで使っていたが、雨パに出したり光の壁込みでめざ炎等を被弾することを想定し、素早さを最低限にして耐久を上げた。
技構成はメインとなるバレットパンチ、虫食い、決定力を自分で上げる剣の舞、そしてバレットパンチが入りにくい炎や水、電気タイプ等に撃つ電光石火。
珠ハッサムお馴染みの4つとなったが、ローブシンやブルンゲル、同族を意識して燕返しや辻斬りあたりも視野にあった。
しかし電光石火がないとバシャーモやキングドラに勝てないため、これらが入るスペースはなかった。
持ち物は命の珠。このアイテムの補正とステルスロックがあって初めてハッサムの抜き性能が格段に上がるため、ドリュウズには渡せなかった。
■サクラビス(マーメイド)@白いハーブ
控え目 152-**-126-157-106-95 <うるおいボディ>
波乗り 冷凍B 殻を破る バトンタッチ
○C
C157(+2)波乗り
・175-100ハッサム 81.3%で1発
・191-120バンギラス@砂 87.5%で1発
・191-88ローブシン 確定1発
C157(+2)冷凍B
・186-121カイリュー マルスケ込み確定1発
・175-128サンダー 確定1発
・175-130ラティオス 87.5%で1発
・197-106ユキノオー 確定2発
○B
・A172バシャーモの珠飛び膝 81.2%耐え
・A186カイリューの珠逆鱗 87.5%耐え
・A200ハッサムの鉢巻虫食い 確定耐え
・A218オノノクスの逆鱗 確定耐え
・A211ローブシンの通常ドレパン+根性マッパ 急所込み86.52%耐え
○D
・C182ラティオスの眼鏡竜の波動 最高乱数以外耐え
・C200(-2)ラティオスの流星群+C200(-4)流星群 確定耐え
○S
・最速ソーナンス抜き抜き
・殻を破る使用時に最速120族抜き
コンボの始点となるポケモン。エースアタッカー兼バトン要員。
ラティオスのお膳立てから安全に殻を破るを使用していき、全抜きを狙う。
CSが2段階上昇したサクラビスは異常な縛り範囲を手に入れることが出来るため、こいつだけで相手を半壊させることも多々ある。
もし止められても有利な後続にバトンタッチすることで能力上昇を引き継いだまま交代が出来るため、攻めの姿勢を絶やさない試合運びが出来る。
努力値配分は、以前は決定力をとことん追求してほぼCSで使っていたが、今回は耐久に多めに割いて安定感を重視した。
特に特殊耐久を意識し、先発のラティオスが同速で負けて眼鏡竜の波動をされてしまった場合もリカバリーが効くようにした。
眼鏡竜の波動に焦点を当てた耐久調整を施すと、同時にCの下がったラティオスのスカーフ流星連打にも耐性がつき、安定感が増した。
素早さは最低限で抑え、残りを火力に回すことでカイリューやサンダーをなるべく倒し切れるようにした。
また、素早さを抑えるメリットは努力値の節約だけでなく、電磁波持ちに対し後攻バトンを決めやすく出来るというものもある。
素早さに振り過ぎると、1回破った状態で4振りヤドランを抜いてしまったり、2回破った状態でS77調整ラッキー(蝶舞2回+麻痺のS152ウルガ抜き)に先手を取ってしまう。
S95で留めておくことで、後続がバトン際に電磁波を被弾してしまう可能性を下げることが出来る。
技構成はメインコンセプトとなる殻を破る+バトンタッチを確定とし、攻撃技を2つ採用。
メインウェポンを以前の雨偽装構築で使用していたハイドロポンプではなく、波乗りとした。
C極降りのポンプであればDに振った吠えるバンギを貫けたり、冷凍Bでフシギバナを貫ける可能性が高くなるという利点があった。
しかし、それ以上に勝ち試合をポンプ外れで逃すデメリットの方が気になったため、命中安定の波乗りを採用し、同時にCが高いうまみも減ったため低めに配分した。
サブウェポンは安定の冷凍B。マルスケカイリューを一撃で倒したり、ラティオスやキノガッサ等にも隙を見せないので必須だろう。
特性を「うるおいボディ」としたのは主に雨パ意識。
雨に対してサクラガッサ選出をする場合、「すいすい」だと破った状態ではキングドラに対して先制バトンをしてしまい、ガッサがバトン際とバトン後に2発攻撃をもらってしまう。
これを防ぐためにグドラに対し後攻バトンを決めるべく「うるおいボディ」を試験的に採用してみた。
ニョロトノの催眠術やキノガッサのキノコの胞子、ナットレイ、ボルトロスの電磁波にも強くなれるためこちらの特性もありだと思う。
対雨パ以外ではどちらの特性も発動することは基本的にないため、正直どちらでもあまり変わらないとも言えるが(
持ち物は殻を破る使用後に下がったBとDを元に戻すための「白いハーブ」一択。
ただでさえあまり堅い方ではないので耐久が下がってしまうと一気に全抜き出来る確率が下がってしまう。
バトン先に能力下降を引き継いでしまうのも痛いので、この持ち物以外ありえないだろう。
威嚇やローキック、サイキネの追加効果等で暴発してしまうのはご愛嬌。
■キノガッサ(ぬるガッサ)@毒毒玉
陽気 155-151-101-**-92-134 <ポイズンヒール>
ローキック タネマシンガン 身代わり キノコの胞子
○H
・16n+8+3(身代わり消費HP、ポイヒ回復、砂霰の定数ダメージ最大効率)
○B
・A200ガブリアスの逆鱗 87.5%耐え
○D
・C161キングドラの眼鏡竜の波動 最高乱数以外耐え
○S
・最速
・ローキックを当てた最速130族抜き
・殻を破るバトン時に最速スカーフ110族抜き
このパーティの真のエース。サクラバトンから相手の全てのポケモンを制圧する。
ASが2段階上昇したキノガッサは通常の催眠対策ポケモンのほとんどを倒せるようになるので、そのまま相手を全員眠らせてハメ殺すことが可能。
サクラビスの苦手とするポケモン(水ロトム、ナットレイ、スイクン等)を起点に出来るため相性抜群。
「キノコの胞子」により一度眠らせてから攻撃していくタイプなので、頑丈や襷持ちに強く、ステルスロックに頼らなくていい全抜き要員である。
また、全抜き構築全般の天敵である特性「天然」のヌオーに相性上有利なことも非常に重要。
努力値配分は耐久にガッツリ割いている。
攻撃も上げたいところだったが、スカーフラティを意識すると最速必須となり、行動回数を最低限確保するために耐久に振った結果努力値が余らなかった。
ラティサクラガッサはスカーフガブリアスに弱いので、逆鱗だけで3タテされないように物理耐久を確保。
また、雨パに出す場合にキングドラの攻撃を一度は耐えて欲しいため眼鏡竜の波動まで耐えるように。
耐久を上げることでバトン時に被弾するダメージを抑え、急所や高火力技で即死する可能性を下げている。
また、先制技のごり押しで処理されるパターンにもある程度耐性を持てるため、耐久振りの恩恵は大きいだろう。
胞子身代わりループにさえ入ってしまえば攻撃が多少低くても回数を稼げばいずれ相手は死ぬため、さほど火力不足で困ることは少ない。
技構成は鉄板のキノコの胞子+身代わりに加えてタイプ一致の2ウェポン。
格闘技は素早さを下げるローキック。威力が低いが、素早さダウンの追加効果により
・相手の竜の舞や蝶の舞持ちにSを逆転されることを防げる
・破りバトンしても抜けない相手(雨グドラ、砂ドリュウズ、晴れドレディア等)に対して当てることで1ターンでSを逆転出来る
・コンボが不発になった場合にも単体で3タテが狙える
というメリットがある。
特に3つ目が重要で、急所事故や相性の悪さ等によるコンボ失敗時にも1匹で勝ち筋を手繰り寄せることが出来る存在がいることで、コンボパの脆さを補える。
草技は主にサクラビスを止めてくる水タイプを迅速に処理するためにも必須で、今回はタネマシンガンを採用した。
威力が安定しないが、連続技であるため相手の襷や身代わりに強いという利点がある。主に襷マンムー、パルシェンやみがまもグライオンに対して刺さる。
襷+氷柱針を持つマンムーとパルシェンに対しては胞子から入っても1ターンで起きられてしまった場合に身代わり毎貫かれて負けてしまう。
タネマシンガンで襷を貫通出来れば相手に襷を盾に行動回数を稼がれることもないため、これらの相手への隙を減らすことが出来る。
尚、キノガッサへの弱点連続技を持たない襷持ちであればタネマシンガンがなくとも胞子身代わりから余裕で処理出来る。
無限グライオンに対しては特に有効で、以前採用していた種爆弾では耐えられて後攻身代わりからのPP戦になったりして面倒だった(PP戦は基本こちらが有利)が、タネマシンガンにすることでみがまもを単体で崩せるようになった。
また、タネマシンガンのPP自体も非常に多く、仮にPP戦になった場合も勝率がぐーんと上がった。
この技により、破りバトンさえ決まれば燕返しを持たないグライオンにはほぼ勝てるようになった。
持ち物は特性「ポイズンヒール」を能動的に発動させるための「毒毒玉」一択。
バトンタッチしたターンに発動するので、以降の状態異常を全て防げるのは非常に優秀。
身代わりの消費HPはポイズンヒール2ターン分で回復が追いつくので、胞子→身代わりでの無限ループが成立する。
【選出パターン】
■ラティオス/サクラビス/キノガッサ
メインコンセプトとなる破りバトンをする選出。
両壁+土産からサクラビスの全抜き、もしくはバトンからのキノガッサの全抜きを狙う。
サクラビスを受けられるポケモンは相手の6匹中せいぜい1、2匹であることが多いため、サクラビスだけで倒し切ることも少なくない。
KP上位でサクラビス耐性があるのはブルンゲル、水ロトム、スイクン、ナットレイ、ニョロトノ、ユキノオー、ラッキー等。
これら全てをバトンタッチからのキノガッサで狩れる。受けループ系も破りガッサで大半が崩壊する。
壁がなくなると種族値の低さが露呈してしまうので、スピーディな試合展開を求められる。
場合によって3匹目にドリュウズ、ハッサムを選出するパターンもある。
■カバルドン/ドリュウズ/ラティオス
裏コンセプトであるカバドリ選出。
サクラガッサでは処理出来ない・しにくいポケモンが複数いた場合にこの選出になる。
ラムめざ飛カバ+燕返しドリュ+サイキネラティオスの組み合わせによりキノガッサがどのタイミングで来ても処理可能。
よってキノガッサ入りの構築に対しても悠長にステロあくび展開が出来るのが一番の強み。
岩雪崩、恩返し、サイキネでボルトロス(トルネロス)を半分削ることが出来るため、組み合わせ攻撃2発で無理せずに処理出来る。
メイン戦術ではないが最低限の勝ち筋と汎用性を確保してあり、ステロ+壁+土産からのドリュウズの剣舞で全抜きを図れる。
壁の恩恵により、通常ではきついバンギローブシン、ハッサムローブシン等に対しても無理やり舞っていくことが可能。
■カバルドン/ラティオス/ハッサム
上記のどちらでも辛いユキノオー入り・トリル入り構築に対する選出。
カバドリラティと基本的には同じで、ステロ+壁+土産からの剣舞で全抜きを狙う。
ハッサムがドリュウズとは違って天候に依存せず、素早さにも依存しない抜き要員であるため他天候やトリルに強い。
雨パに対してもハッサムが一貫していればこの選出をしたいが、ニョロトノのアンコールには注意。
めざ炎ユキノオーで簡単に崩壊してしまうのを防ぐため、ノオーの前で舞う場合はあらかじめ光の壁をきちんと張りたい。
ノオー入りの構築にも色々あり、ヒードランやブルンゲルが見えた場合はハッサムでの全抜きが厳しくなるため別の選出を行う場合が多い。
ざっと分けると基本的な選出パターンはこのような感じである。これら以外にもパターンはあるが、割愛。
複数の全抜き要員を使い分けるが、基本的に受けるという概念はなく、どこかで起点を作ってそこから全抜きを仕掛けるというだけ。
どのポケモンで抜くかをあらかじめ考えればいいだけなので、スタンダードな構築よりは選出が遥かに楽である。
ただし相手の選出を読んだり、どういうダメージの蓄積のさせ方で相手全員を攻撃の圏内に入れていくかを事前に想定したりする必要がある。
全抜きの失敗=ほぼ負けとなるため、一度パターンに持って行ったら立ち止まらず突っ走るしかない。そういった意味ではミスは許されないため、シビアな立ち回りが要求されるかもしれない。
試合のほとんどが1匹で3匹を倒すという展開であるため、非常に使っていて爽快感がある。
「殻を破る」を始めとする壊れ性能の積み技が多々登場し、一気にパワーゲームの色が強くなったBW環境を象徴するようなパーティと言える。
* * *
以上でパーティ解説は終わりにします。
気付いたら勢いで2万字近く書いてたのでかなり読みにくいかもしれないですが、ここまで読んでくださった方々はありがとうございます!
次は対戦レポートの方を執筆したいと思います。更新をお楽しみにb