ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【剣盾シングル】パッチエレキ【S14最終811位/レート1903】

こんばんは、ユウキです。
シーズン14お疲れ様でした。対戦して下さった皆さん、ありがとうございました!
1月中旬にダブルの大会Global Challengeもあったため、シーズン前半はダブルに注力していました。
今回は後半からシングルで使用していたパーティを紹介します。



【パーティ】
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【戦績】
●シングルランクマッチ シーズン14
最高レート1913
最終811位 レート1903



【コンセプト】
・レジエレキをエースとしたビートダウンパーティ
・パッチラゴン+レジエレキによる役割集中
・ラプミミノラゴンによる選出誘導



【構築経緯】
①レジエレキを使いたい
1月前半に取り組んでいたダブルバトルにおいて、自分で使っても相手に使われてもめちゃくちゃ強いと感じていたのがレジエレキだった。
シングルでは解禁当初ほど数を見かけなくなっている印象だったが、スペックは間違いなく高いと感じていたためレジエレキを活躍させるべく構築をスタート。


②基本軸の決定
電気の一貫があるパーティには簡単に勝てるが、実際はそんなパーティはほとんどないためどうやって電気の一貫を生み出すかを考えた。
「かげふみ」を利用したり、ねらいのまと+「トリック」を通したりというアプローチも考えたが、相手や対面に左右されたり狙いが読まれたりと安定しない。
初見殺しっぽい枠で地面を誘って崩すのが一番成功率が高そうだったので、特殊パッチラゴンを採用。
ランドロスカバルドンドサイドン等が自分からやって来るので特殊「ダイドラグーン」で崩して行ける。パッチラゴンで相手の電気ストッパーを突破してしまえば裏のレジエレキが止まらなくなる。


③補完の決定
役割破壊、役割集中で倒せるとは言え実際に地面枠を出されない方が勝率が上がると考えたので、選出誘導を意識して残りを決めて行った。
地面枠の選出抑制に有効そうなラプラス+ウオノラゴンはすんなり入って来た。セットでミミッキュも採用することで有名なラプミミノラゴンの並びを形成し、相手にトリル+ハチマキ「エラがみ」を意識した選出をさせる。
この3匹は水弱点の地面を遠ざけつつ水半減の水(主にレヒレ)を誘うため、電気の一貫を作るのに有効な選出誘導枠でありつつ、地面タイプが選出された場合にカモって行ける。



【個別解説】
■パッチラゴン@いのちのたま すなかき
ライジングボルト りゅうせいぐん だいもんじ メテオビーム
控え目166-**-110-145-90-127
4-0-0-252-0-252

●メインのダイマックスエース
環境に多いサンダーやエースバーン、カプ・レヒレ、ゴリランダー等に強いダイマックスエース。
素早さはそこまで高くないが特性「すなかき」のお陰で行動回数を稼ぎやすく、全抜き性能もある。
「ダイロック」の砂ダメージで相手のきあいのタスキを潰せるのも優秀。

●特殊型
ランドロスカバルドンを始めとした「いかく」や物理受けで簡単に止まらないよう特殊型で採用。特攻種族値は80しかないが、特性「はりきり」の物理型のイメージが強いこと、ダイマックス技が全て威力140と高いことから崩し性能は非常に高い。
「おにび」「リフレクター」「カウンター」等の物理型を想定した行動を完全にアドバンテージに出来るのも優秀。

●地面タイプの処理
繰り出されやすい防御の高い地面タイプに対して特殊ベースの「ダイドラグーン」が刺さる。殴り合いになった場合も追加効果の攻撃ダウンにより返しの物理地面技を耐えられる。
レジエレキを通す上で邪魔な地面を誘って倒し、うまく行けばエレキフィールドの展開というお膳立てをしてレジエレキへと繋げられる。



■レジエレキ@こだわりメガネ トランジスタ
10まんボルト ライジングボルト エレキネット ボルトチェンジ
控え目158-**-96-167-71-224
20-0-204-252-4-28

・A182ウーラオスの「あんこくきょうだ」耐え
・A156ミミッキュの「じゃれつく」+「かげうち」耐え
・A194ゴリランダーのGFいのちのたま「グラススライダー」15/16耐え

・S最速フェローチェ+1
・S準速スカーフウーラオス+1

●高速エース
圧倒的な素早さ種族値の高さから特性「トランジスタ」で強化した電気技を繰り出す高速高火力アタッカー。パッチラゴンのサポートを受けて2番手以降から暴れたり、通りが良ければ初手から荒らして行く。

●「エレキネット」の採用
りゅうのまいカイリューや「ダイジェット」組への対策となる「エレキネット」を採用。基本は後続に繋ぐ技だが、火力が高いため自身がそのまま相手を突破することも。

●こだわりメガネ型
ダイマックスさせても強いポケモンだが、どちらにせよ電気が一貫した場面でしか活躍が見込めないため技4つを電気技で固めたこだわりメガネで採用。瞬間火力を出せる点、こちらのダイマックスを使った後でも高いパワーで攻め続けられる点が優秀。



■ゴリランダー@こだわりハチマキ グラスメイカ
グラススライダー ウッドハンマー ばかぢから とんぼがえり
意地っ張り207-194-110-**-91-105
252-252-0-0-4-0

●高速スイーパー
主に試合終盤に出してこだわりハチマキ「グラススライダー」で相手を一掃するスイーパーの役目を担う。先制技の中でも飛び抜けた威力を誇り、相手の素早さに関係なく殴り合いで有利に立てる。

●対水、地面要員
「エラがみ」意識で出て来る水タイプ、パッチラゴンやレジエレキ意識で出て来る地面タイプの双方に強い草タイプ。また、「エラがみ」と電気技の一貫を同時に切れる「ちょすい」ガマゲロゲや「よびみず」トリトドンに対して4倍弱点を突けるため、パーティの攻撃面の穴を埋めてくれる。

●物理エース
パッチラゴン、レジエレキが特殊アタッカーなのでラッキーやハピナスに強い物理アタッカーを入れることで受けを崩せるようになる。「とんぼがえり」の採用により、レジエレキの「ボルトチェンジ」と併せて相手の受け回しに対して有利に展開出来る。



■ウオノラゴン@こだわりスカーフ がんじょうあご
エラがみ げきりん サイコファング ねごと
意地っ張り167-149-137-**-101-115
12-204-132-0-4-156

・先制「エラがみ」で176-121ウーラオス悪確定
・「サイコファング」で176-121(-1)ウーラオス水確定
・「ばけのかわ」+先制「エラがみ」で143-116(+1)ミミッキュ15/16

・A182ウーラオスの「あんこくきょうだ」+「ふいうち」96.5%耐え
・A182ウーラオスのこだわりハチマキ「インファイト」耐え
・A156ミミッキュの「じゃれつく」+「かげうち」88%耐え
・A184エースバーンのいのちのたま「ふいうち」2発耐え
・A168エースバーンの「とびひざげり」+「ふいうち」耐え

・S最速ウツロイド+2
・S準速エースバーン+1

ここで紹介している個体を使った。
個別記事にするくらいお気に入りの調整。お勧めしたい。
yuki-rotom.hatenablog.com

●対地面要員
ほとんどの地面タイプに強く、選出段階で強烈に牽制することが出来る。実際に地面タイプの処理を任せる上でも非常に高い「エラがみ」の火力により相手の控えに大きな負担を掛けられるのが強力。

●高速エース
こだわりスカーフを持たせることで素早さサポート抜きで多くの相手に先制出来、状況を選ばず出せる。刺さりが良い場合は初手から出して荒らして行く。

●タイマン性能重視の耐久調整型
交代による対面の仕切り直しをしにくい構築なので、なるべく多くの対面で退かずに殴り合えるよう耐久調整をした。特に受けるのが困難なウーラオスにタイマンで勝てるようになるのが偉く、数的有利を維持したまま展開出来る。
相手の想定外の物理耐久のお陰で勝てた試合は多く、MVP級の活躍だった。

(例)
①ゴツメ2回を食らったHPからHP満タンで化けの皮の残ったアッキミミッキュに勝利
1.ダイウォール ダイフェアリーを守る
2.ダイフェアリー耐え ダイサイコ ばけのかわ、アッキ発動
3.ダイウォール ダイフェアリーを守る
4.サイコフィールドで「かげうち」をさせずに上からの「エラがみ」でワンパン

②A(+4)ミミッキュの「かげうち」を2発耐えて「エラがみ」2発で勝ち

③S(+1)エースバーンのいのちのたま「ギガインパクト」を耐えて勝ち

④水ウーラオスのハチマキ「インファイト」を食らった後でも先制技圏内に入らず勝ち

本当に便利で強かったのでこのポケモンだけでも真似して使ってみて欲しい。



ラプラスとつげきチョッキ シェルアーマー
うたかたのアリア フリーズドライ ぜったいれいど こおりのつぶて
冷静237-105-101-150-115-72
252-0-4-252-0-0

●対地面+水タイプ要員
パッチラゴンやウオノラゴンで崩すのに苦労する地面+水の並びに一貫する「フリーズドライ」をタイプ一致で使えるポケモンの中で最も汎用性が高いため採用。
ゴリランダーも地面+水の並びに強いが、そこに飛行タイプや炎タイプ、ドラゴンタイプ等が組み込まれていると単体では崩しにくいためラプラスの出番となる。
ランドロスカプ・レヒレにサンダー、カイリュー、ポリゴン2等がセットでいても全てに対面有利を取れるのは貴重な存在。

●非ダイマックスでも強いチョッキ型
このラプラスは軸ではなく補完枠であり、選出した試合全てでダイマックスさせる訳ではない。そこでとつげきチョッキ+「こおりのつぶて」を持たせて、非ダイマックス時にも殴り合いや崩し性能を高く保てるようにした。特殊耐久を上げることでカプ・レヒレへの繰り出し回数が増えたり、サンダーとの殴り合いに余裕が出来る。
実際にサンダーの「ダイジェット」に後出し→「ダイサンダー」を耐えて「キョダイセンリツ」で保険発動→C(+2)「ダイサンダー」を耐えて返り討ちにして、更に後続と殴り合うHPが残っていた時は笑った。
また「こおりのつぶて」が対面性能を飛躍的に上げており、読まれることも少なかったのが強力だった。

●特性「シェルアーマー」
高耐久+「キョダイセンリツ」で被弾回数が多くなりやすいため、壁を貫通する急所をカバー出来る「シェルアーマー」が役立つ場面は多い。ウーラオスミミッキュ交代読みで「あんこくきょうだ」を撃たれた際にもアドバンテージを取れる。
「ちょすい」だとポリゴン2に「トレース」された際にウオノラゴンで崩せなくなるため「ちょすい」は不採用。



ミミッキュ@アッキの実 ばけのかわ
かげうち じゃれつく ドレインパンチ つるぎのまい
意地っ張り 143-143-120-**-126-128
100-156-156-0-4-92

・「ばけのかわ」+A182「あんこくきょうだ」耐え
・B(+1)でA168エースバーンの『いのちのたま』「アイアンヘッド」を13/16耐え
・B(+1)でA186(+1)カイリューの「ダブルウィング」を「ばけのかわ」込で2発耐え
・S準速75族+1

●対ドラゴン要員
レジエレキ、ウオノラゴン、ゴリランダー等が隙を見せるドラゴンタイプの対策。特にこれらがこだわり系アイテムで固定した技をカイリューやドラパルトの「りゅうのまい」の起点にされても「ばけのかわ」で切り返せるのが非常に大きい。技固定のデメリットを気にせずガンガン攻められるようになる。

●ポリゴン2に強い「ドレインパンチ」型
ラプラスが隙を見せる「みがわり」ポリゴン2に対して「つるぎのまい」+「ドレインパンチ」で逆に起点にして崩して行ける。単純にラプラスが貼った壁との相性も良い。

●汎用タイマン枠
特性「ばけのかわ」で幅広い相手にタイマンで有利に殴り合えるため、パッチラゴン+レジエレキやラプラス+ウオノラゴンで崩した後の最後の詰めとして非常に優秀。



【選出】
●基本選出
パッチラゴン/レジエレキ/ゴリランダーorウオノラゴンorミミッキュ

①パッチラゴンで初手ダイマックス
構築内にラプラスやウオノラゴンを採用しているため、初手でカバルドンランドロスは投げられにくい。逆に先発ラプラス対策の電気や草を誘いがちなところにパッチラゴンが刺さり、有利対面からスタート出来る。
パッチラゴンは「ダイロック」で特性「すなかき」素早さを2倍にして攻めて行くことで高い抜き性能を誇る。特殊型で採用することでランドロスを交代で出されても「ダイロック」+「ダイドラグーン」で返り討ちに出来るのが強み。


②レジエレキで削り
相手の地面枠を倒せたらレジエレキの電気技が一貫するのでガンガン攻めて行く。パッチラゴンで事前に「ダイサンダー」を撃てば電気技の威力を上げることが出来、更に「ライジングボルト」が威力140と相当な破壊力になる。ウオノラゴンの雨下の先制「エラがみ」よりも高い威力の技を素早さ種族値200から連打出来るため非ダイマックス枠としては破格の性能。


③ラス1で締め
最後の枠には高い先制火力を持つポケモンを選出し、レジエレキの倒し損ねた相手を一掃して行く。
ゴリランダーやウオノラゴンは仮にパッチラゴンが地面枠を処理し損ねた場合も有利を取って崩して行けるため3匹目として有効。



●裏選出
ラプラス/ウオノラゴン/ミミッキュ

パッチラゴンを通せない場合の選出。
初手にウオノやパッチを置きにくいドラパルト入りには初手ラプラスが多かった。
また特殊パッチで崩せないポリゴン2入り、逆さバトルをしないと崩せなくて面倒なランドロスカプ・レヒレ+草受け(サンダー、カイリューテッカグヤ等)の組合せがいたら「フリーズドライ」「ぜったいれいど」「エラがみ」、ダイマミミッキュで崩しに行く。

刺さり具合によっては先発ウオノラゴンからスタートし、ラプラスを見て初手に置かれやすいウーラオスに対してアドバンテージを取らせずに数的有利を取って展開する。
ウオノラゴンをレヒレに受けられた後の退き先としてチョッキラプラスが優秀で、ローリスクで繰り出した後レヒレを削ることで簡単に「エラがみ」の一貫を作り出せる。
場合によって誰にでもダイマを切れる柔軟性が売りだが、裏を返せばその分初手ダイマ固定の構築と比べて立ち回りに繊細さが必要になる。



【評価点】
①瞬間火力が高いポケモンが多い
レジエレキを始めとしたエースアタッカーがどれも上から高火力を押し付けられるポケモンで、相手にプレッシャーをかけられる。
積み技に頼らずに初手から出せる瞬間火力の高さが売りで、試合の主導権を握りやすい。


②攻めの相性補完が取れている
レジエレキの電気技を無効化する地面タイプにはラプラスやウオノラゴン、ゴリランダーが強く、「エラがみ」を半減にする水タイプにはレジエレキやパッチラゴン、ゴリランダーが強い。更に電気と水を両方半減する草やドラゴンタイプにはパッチラゴンやラプラスが強いという構図により、攻めの相性が良い。
相手目線では対処法が異なる複数のエースに対して選出段階から頭を悩まされる展開となる。


③基本戦術が読まれにくい
特殊パッチラゴンは個体数が多くないため、マークが薄かったり初見で読まれにくいのが強み。物理受けや「いかく」への交代等を誘発出来、アドバンテージを取れる場合が多い。
また、ラプラス+ウオノラゴンの並びが有名なため、選出段階ではこちらのメインプランがパッチラゴン+レジエレキだと悟られにくい。相手の想定と異なる選出により有利に立てる。



【課題点】
①草タイプが重め
メイン戦術の電気も水も半減されるので突破が厳しめ。ナットレイとゴリランダーに明確に強いのがパッチラゴンしかいないため、パッチラゴンを雑に扱えなくなる。
雑に扱えないとはいえ素の耐久もないしダイマックスしないと性能が低い上、取り巻きも多くサイクルを回せる訳ではないのでシビアな立ち回りを要求される。


②パッチラゴンの扱いが難しい
メインウェポンに両方無効があるため、「はりきり」でなくとも扱いが難しいポケモンであると感じた。
特に攻撃範囲だけで言えば刺さっている相手に対してもダイマターンを交代で枯らされる動きに弱く、1手無駄にすることが致命的なためランドロスカプ・レヒレカバルドンミミッキュ等の組合せを見ただけで選出を躊躇してしまった。(終盤はラプラス+ウオノラゴンばかり出していて、軸と選出誘導が逆転していた)
ヒレに「ダイドラグーン」を撃って裏から出て来たランドロスを削ったりランドロスに「ダイサンダー」を撃って裏から出て来たレヒレを粉砕して3-0で勝った時は気分が良かったが、こういう「逆さバトル」は対戦相手の技量に依存するため安定しない上、心臓に悪いのが難点。


③眼鏡レジエレキがピーキー
レジエレキを軸にして活躍させるべく構築を組んだものの、電気技オンリーのポケモンを選出するリスクが高過ぎると感じた。
相手に電気無効がいて自分の控えにレジエレキがいる場合はそいつを倒さないと負け濃厚、というのが大きなプレッシャーとなる。これは選出・立ち回りの幅を狭めており、相手の地面の処理を急ぐあまり焦った立ち回りになったり、多少無理してでも地面を処理するために大きなリスクを許容せざるを得ない立ち回りになりがちだった。
(例:パッチエレキを出した時にマンムーに対してパッチでダイマするしかなく、じしん+つぶてでほぼ機能停止しながらようやく1匹を倒すスタートが既に辛い等)
レジエレキ自体は決して弱い訳ではないが、特定の相手に完全に無力なポケモンよりも幅広く撃ち合えるポケモンの方が使いやすいという当たり前の事実を痛感した。



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以上、最後までお読み頂きありがとうございました。
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