ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【WCS2020】晴れスイッチ【S4~5,INC Apr.使用構築】S5最終11位

ご無沙汰です、ユウキです。
今回はシーズン4~5にかけて及びINC Aprilで使用したパーティを紹介します。
二ヶ月程取り組んでひとまずの結果が出せたため、区切りの意味で公開。


【目次】

【パーティ】

ヤミラミVer. シーズン4~INC Apr.で使用
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②イエッサン♀Ver. シーズン5後半(INC Apr.終了後)で使用
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【戦績】

●INC Apr.2020
勝敗:34勝11敗
勝率:75.6%
レート:最高1804/最終1761
順位:最高1位/最終128位

※参考
DAY1:14-1
DAY2:13-2 レート1796 土曜深夜~日曜朝の間暫定1位
DAY3:7-8(+勝利後被切断無効2)


●ランクマッチシーズン4
勝敗:82勝44敗
勝率:65.1%
最高:9位(2020/3/29)
最終:190位 レート1886


●ランクマッチシーズン5
勝敗:126勝62敗
勝率:67.0%
最高:10位(2020/4/7,4/21,5/1)
最終:11位 レート2024




【コンセプト】

・晴れによる高火力の押し付け
・「キョダイゴクエン」を軸にしたゴリ押し
・高速「ねむりごな」の誤魔化し性能
・「ねむりごな」の圧力を逆手に取ったDMバナ展開
・リザコータスで選出誘導したバンギに刺さるドサイ軸
・従来のバンギスタンを崩し得る「じゅうりょく」ドサイ
・高速展開とトリル展開の二択


【構築選択理由】

他にもキョダイラプラス軸の検討もしていたが、INCに晴れを持ち込んだ理由は以下。
・高火力、高速展開で取りこぼしや運負けが少ない
・全体技を主軸に添えられるため択負けや「サイドチェンジ」ケアが出来ており、プレイヤー負担も少ない
・不利マッチングや格上相手にも最悪「ねむりごな」での上振れが狙える
・ある程度の命中不安は「じゅうりょく」で補える


【構築経緯】

フシギバナが強いのでは?
シーズン4から解禁されたキャラの中にフシギバナがいる。
特性〔ようりょくそ〕により晴れ時に素早さ2倍になり、上からの「ねむりごな」で相手を荒らせる。
催眠キャラとして非常に噛み合ったタイプをしており、催眠対策を考える上でこれまでメジャーだった「ダイサンダー」「ダイフェアリー」が自身に半減で、タイプ一致で撃てる電気やフェアリーの多くに対面有利を取れるのが偉い。サブウェポンで持たれていた場合も、一般枠のフシギバナで有効打ではない不一致DM技を撃たせている次点でアドをかなり取っているので問題ないという構図になる。

また攻撃範囲も優秀で、草+毒の2つに加えて「だいちのちから」「ウェザーボール」を習得し隙がない。
特にタイプ一致「ダイアシッド」使いで、自身と隣の火力を上げながら殴れるのでDM適正も高い。
「ねむりごな」の圧力により「ねこだまし」や「このゆびとまれ」「しんぴのまもり」等の保守的行動を誘うため、そこに対してDMが刺さるというのがフシギバナの性能を引き上げている。

理論上は強いだろうということから、これら新要素の強みと弱みを実戦で把握するため、まずは自分でフシギバナを使ってみることにした。


②組むなら晴れ
フシギバナの特性〔ようりょくそ〕を最大限活かすために晴れパーティでの運用を考えたい。
特性〔ひでり〕はキュウコンコータスの二択。

キュウコン
種族値:73-76-75-81-100-100
・そこそこ速い
・特殊耐久が高め
・さいみんじゅつ、わるだくみ等の補助技も

コータス
種族値:70-85-140-85-70-20
・非常に遅い
・物理耐久が高め
・ふんかの火力が高い

単純に横に並べるだけならキュウコンの方が足並みを揃えやすく強そうであるが、一旦保留にして取り巻きを決定してから考えることにする。


③晴れの真のエース
ここで気を付けたいのは、〔ようりょくそ〕は素早さが2倍になるだけで晴れによる火力増強の恩恵はほぼない点。ここが雨パとの突破力の違いになるので、晴れパにはそこそこ速い炎タイプのエースアタッカーが欲しくなる。
キュウコンでもある程度の素早さと火力があり条件を満たせそうだが、火力が低めなのと、シーズン4から解禁されたガオガエンへの打点が乏しいのが痛い。
コータスは火力は充分だが素早さ操作なしでは遅過ぎるので「おさきにどうぞ」や「トリックルーム」が欲しい。

ここで高速・高火力エースとなる〔サンパワー〕リザードンをエースとなるDM枠として採用することでパーティパワーを上げる。非常に火力が高い上に「ダイジェット」で素早さ操作も可能なのが偉い。

リザードンの採用を受けて、晴れ要員に関してはリザードンフシギバナが高速アタッカーのためトリパ耐性をつけたいのと、圧倒的な火力の高さを買ってコータスを選択することに。


④手動晴れ要員
特性〔ひでり〕だけでなく手動での「にほんばれ」サポートも加わると天候の取り合いにおいて非常に有利になるため、是非入れたい。
特に汎用性が高い〔いたずらごころ〕での「にほんばれ」要員の候補をまとめる。

エルフーン
・おいかぜ
・うそなき
・晴れと相性の良いフェアリー打点

ヤミラミ
ねこだまし
・さきおくり
・サイドチェンジ
・一致イカサマ
ねこだまし無効

レパルダス
ねこだまし
・うそなき
・でんじは
・あくび
・まねっこ(トリルとの相性○)
・一致イカサマ
・バークアウト

ニャオニクス
ねこだまし
・うそなき
・でんじは
・あくび
トリックルーム

どれも相性が良さそうだが、今回は自身が「ねこだまし」無効でガオガエン入りに対しても展開しやすく、「さきおくり」で対「おいかぜ」「トリックルーム」両方に対応した器用な素早さ操作が出来るヤミラミとした。


⑤ここまでの課題点
フシギバナコータスリザードンヤミラミを確定として、残り2枠には以下の課題点に強い要素を持たせたい。

・バンドリ
・ドラパルト(りゅうのまい)+トゲキッス
ガオガエン
・ピッピ+リザードン、パッチラゴン等DMエース
・〔いたずらごころ〕「でんじは」

ドラパキッスや砂ドリュ等の高速アタッカーとの対戦を考えると、リザの「ダイジェット」で張り合うのは難しそうなのでトリルを軸にした方が良さそうである。
トリル軸を用意することのメリットは案外多く、ヤミラミとの親和性も非常に高いのでぜひ取り入れたい。

・高速展開とトリル展開の2パターンで攻められるので選出段階で的を絞られにくい
ヤミラミの「ねこだまし」「サイドチェンジ」「さきおくり」でのトリル始動サポート性能が高い
・「さきおくり」でのトリルサポートは「ふういん」「ドラゴンテール」に強い
・『だっしゅつボタン』ヤミラミがトリパと相性抜群
・初手で発動した場合→2ターン目にエースをスムーズに着地して攻められる
・放置された場合→相手に「トリック」で『だっしゅつボタン』を押し付けながら全体攻撃で有利に展開
・トリル切れ後にも「さきおくり」で腐らずに鈍足アタッカーのサポートが可能

さて、残り2枠トリル軸を組む場合に欲しい要素としては以下の2匹となる。

■トリル要員
バンギラスドリュウズから致命傷を受けない
・耐久がある程度高く「さきおくり」だけで充分にトリルが狙える
・味方エースの火力補助が出来るor自身が高火力
バンギラスやドラパルトへの打点があると尚良い

■鈍足エース
・バンドリに強い打点が欲しい
・取り巻きにいるキッス、ロトム、ドラパにも打点が欲しい
ガオガエンに強い
・〔いかく〕に弱くないと尚良い

この2枠について様々な検討を重ねたので経緯を記していく。


【残り2枠の検討】

ドータクンドサイドン

ドータクン 呑気 ジャイロボール ボディプレス サイドチェンジ トリックルーム ナモのみ ふゆう
ドサイドン 勇敢 じしん いわなだれ ほのおのパンチ まもる じゃくてんほけん ハードロック


ドータクン
・バンドリから打点を持たれない(悪技はナモでケア)
・高耐久、弱点の少なさからある程度サポート手薄でもトリル狙える
・「ボディプレス」でバンギへの打点あり、「ジャイロボール」でドラパキッスへの打点あり
ドサイドンの『じゃくてんほけん』発動サポート
×「ねこだまし」で止まる
×炎抜群で晴れミラーで出せない


ドサイドン
・バンドリに一貫する一致抜群打点あり
・キッスロトムドラパにも一致打点あり
ガオガエンに一致抜群打点あり
・水4倍を晴れで軽減可能でコータスとの相性良い
・ダイバーンも撃てるので後続にリザバナを控えさせても相性良い
・「でんじは」無効
×〔いかく〕「すてゼリフ」で腐る
×地面技が一貫しない相手への技選択が難しい(バンドリの後ろや隣にキッスロトム等)

安定感が高く良い並びだったが、ガオガエンにターンを稼がれて攻めあぐねるのが不快だった。
エースに〔いかく〕が有効だと、『じゃくてんほけん』を持っていてもサイクルを回されてすぐに火力を抑え込まれてしまう。
また、「ねこだまし」でドータクンが止まるので攻めのテンポが狂うのも嫌だった。



ドータクンナゲツケサル

ドータクン 呑気 ジャイロボール ボディプレス サイコキネシス トリックルーム ナモのみ ふゆう
ナゲツケサル 勇敢 インファイト アイアンヘッド はたきおとす タネばくだん じゃくてんほけん まけんき


ナゲツケサル
・〔いかく〕「すてゼリフ」を餌に出来る
・キッスやWロトムへの抜群打点あり
・当初『とつげきチョッキ』を持たせていたが瞬間火力を上げたいので『じゃくてんほけん』に
×格闘技は火力が上がるのが良いが、DM技の威力が低い


〔いかく〕「すてゼリフ」が鬱陶しかったので、それら対する強力なカウンターとなる〔まけんき〕ナゲツケサルを採用した。
当初は安定感重視で『とつげきチョッキ』としたが、「Dインファイト」の威力が低いため瞬間火力が出ないのが気になり、『じゃくてんほけん』を持たせてドータクンエスパー技を入れた。
面白い試みだったが「サイコキネシス」のダメージの大きさも含めてナゲツケサルの耐久が若干不安なので、あまり暴れられなかった。
ナゲツケサルはDMやトリルが切れた後に「ねこだまし」で怯んだり耐久も素早さも半端なことから止められやすい点が気になった。
また、両者「でんじは」耐性がないためオーロンゲ等には結構ストレスを溜めさせられた。



③デスバーン+バンバドロ

デスバーン 呑気 エナジーボール ボディプレス シャドークロー トリックルーム ナモのみ さまようたましい
バンバドロ 勇敢 10まんばりき いわなだれ ヘビーボンバー ボディプレス じゃくてんほけん せいしんりょく


■デスバーン
・高防御+岩半減でバンドリに強め(悪技はナモでケア)
・高耐久からある程度サポート手薄でもトリル狙える
・水弱点は晴れで消せる。草や氷もパーティ単位で牽制している
・「ボディプレス」でバンギへの打点あり、「シャドークロー」でドラパへの打点あり
バンバドロの『じゃくてんほけん』発動サポート(D106バンバドロに34-40ダメ)
・「ねこだまし」で止まらない
・炎抜群でない
・「でんじは」無効
・「うそなき」も習得可能
×「エナジーボール」の枠がピンポイント過ぎて微妙
×『じゃくてんほけん』起動技がこの指で吸われる

デスカーンでも類似の構成が可能
デスカーンの場合ゴースト技の威力が〔いかく〕に寄らず安定する
×「エナジーボール」の火力が出過ぎるのがデメリットともメリットとも(D106バンバドロに74-88ダメ)
×デスカーンは「でんじは」を食らう
×デスカーンは「いわなだれ」等倍


バンバドロ
・バンドリに一貫する一致抜群打点あり
ガオガエンに一致抜群打点あり
・水2倍を晴れで軽減可能でコータスとの相性良い
・〔せいしんりょく〕で〔いかく〕「ねこだまし」無効でガオガエンに強い
・「でんじは」無効
×非DM時の性能の微妙さ
×Wロトムへの打点不足


ドータクンの炎弱点と「ねこだまし」を通すのが気になったので、それらを克服し同様に高防御で「ボディプレス」を覚えるデスバーンを採用。
エース枠には〔まけんき〕よりは劣るものの〔いかく〕に強い〔せいしんりょく〕を持つバンバドロを採用。ナゲツケサルよりも耐久が高いためトリル切れ後の運用にもある程度信頼が置ける上、「ねこだまし」を受け付けない点やメインウェポンのDM技の威力が高い点が良い。
地面タイプ2匹の並びで「でんじは」を完全にシャットアウト出来るようになった。
バンドリやガオガエンに隙を見せにくい並びが出来たものの、2匹の弱点が被っているため初手の水や草がきつく、トリル展開の安定性が少し落ちる。
また、バンバドロは地面技が通る相手には非常に強いが、通らない相手への性能が低かった。特にWロトムトゲキッスはバンドリと組むことが多い上に地面技が通らないと「ダイアース」で特防を上げられず殴り負ける可能性が高く、こちらからの打点も乏しい上に「このゆびとまれ」で『じゃくてんほけん』の発動を防がれるのが残念だった。
特性〔せいしんりょく〕はガオガエンから受けるストレスをかなり軽減出来たため非常に使用感は良かった。地味に「いわなだれ」で怯まないのも偉い。



④デスバーン+ルカリオ

デスバーン 呑気 じならし ボディプレス シャドークロー トリックルーム カシブのみ さまようたましい
ルカリオ 勇敢 インファイト コメットパンチ バレットパンチ かみなりパンチ じゃくてんほけん せいしんりょく


■デスバーン
・「じならし」で『じゃくてんほけん』発動(ピンポイント採用ではなくタイプ一致でそこそこ汎用性があるのが良い)
ルカリオのSを下げることでトリル下で色々抜ける
・全体技なのでこの指に強い
ドリュウズの『きあいのタスキ』やミミッキュの〔ばけのかわ〕にも強い
・リザと組み合わせて「こごえるかぜ」のような使い方も可能
・ナモの対象となる悪タイプはルカリオで牽制しているのでドラパ意識でカシブに


ルカリオ
・トリルアタッカーぽくないので意表を突ける
・素でガエンやバンギを抜きつつ、じならし1回でトリル下で最遅60族まで抜ける
・「Dコメットパンチ」のB上昇がデスバの「ボディプレス」と相性抜群
・バンドリだけでなく取り巻きのキッスも強打出来るのが偉い
・リザギャラブルンミロあたり意識の「かみなりパンチ」。催眠対策も兼ねられる
・トリル切れ後も「バレットパンチ」がある
・〔せいぎのこころ〕の選択肢がある(リザードンが「ふくろだたき」を覚えるため、ある程度知識がある人には選出段階でコンボを警戒させられる)

バンバドロの反省点を活かして、ロトムやキッスへの打点を確保出来る〔せいしんりょく〕ルカリオを採用した形。
じゃくてんほけん』トリガーも「じならし」になったためコンボ成功率や汎用性が上がった。
バンドリの取り巻きに多いドラパルト、トゲキッス、Wロトム等の全てにルカリオがしっかりと打点を持てるため、対バンギ入りの勝率はかなり良かった。
ただ、ランクマッチでリザードン+ピッピとマッチングした際にこの構築では絶対に勝てないことに気付いてしまった。デスバーンが「てだすけ」リザードンの攻撃を耐えられずトリルが失敗するためトリル展開は出来ない上、晴れ選出をしたとしても「げんしのちから」を持ったリザードン+ピッピの並びには勝てない。
バルドルさんがINC Feb.で予選抜けしたリザードン+ピッピをカ・エールさんが使用してランクマ1位を達成したことを受けてこのパーティを使う人が急増し、これは絶対勝てるようにしておかないとマズい、ということで一度この形は解散した。



ミミッキュローブシン

ミミッキュ 勇敢 じゃれつく ドレインパンチ かげうち トリックルーム くろいてっきゅう ばけのかわ
ローブシン 勇敢 ドレインパンチ マッハパンチ れいとうパンチ かみなりパンチ かえんだま こんじょう

デスバーンの枠を〔ばけのかわ〕で「トリックルーム」成功率が高いミミッキュにしてリザードン耐性をある程度確保し、『じゃくてんほけん』に頼らずに高い火力を出せる〔こんじょう〕ローブシンをエースとして採用した形。
この2匹の最大の強みはトリル依存度が高過ぎないこと。「キョダイゴクエン」の定数ダメージと先制技の相性が良いことは以下参考文献でも述べられている通りで、ミミッキュローブシンの並びは非トリル時にも高火力な先制技で押して行ける。


参考


ミミッキュに『くろいてっきゅう』を持たせたのはトリル時に相手バンギラス等を抜けるようにするのと、初手でヤミラミと並べた際にヤミラミより遅くすることで「トリック」→「かげうち」という行動順にし、初見殺しで相手のDMポケモンを飛ばす動きを狙うため。これは全く読まれず、たまに決まって面白かった。
「ダイナックル」で攻撃を上げたミミッキュローブシンの性能はそれなりに良かった。ローブシンが「でんじは」耐性があるのも嬉しい。また〔こんじょう〕発動+「ダイナックル」で火力UPの重ね掛けが出来るローブシンの火力は凄まじく、トゲキッスニンフィアがいても余裕で返り討ちにしていた。
しかしながら依然〔いかく〕がきつく、上手なガオガエン使いにはサイクルを回されて2匹とも制圧力を発揮出来ないままトリルが切れたり、ミミッキュドリュウズの〔かたやぶり〕にやられてトリルに失敗するシーンが気になったため解散。



サマヨールドサイドン

サマヨール 呑気 じならし てだすけ じゅうりょく トリックルーム しんかのきせき おみとおし
ドサイドン 勇敢 じしん いわなだれ かみなりパンチ つるぎのまい じゃくてんほけん ハードロック


リザードンや〔かたやぶり〕ドリュウズがいても安定してトリルを貼れるトリル要員として、耐久が高いサマヨールを採用。「ねこだまし」が無効でガオガエンにテンポを崩されないのも偉い。
エースにはバンドリとリザードンにしっかりと強いドサイドンを再起用。一度ガオガエンの〔いかく〕「すてゼリフ」に屈して没になったドサイドンだが、「つるぎのまい」を採用することでその対策となるのではないか?と考えてリベンジすることにした。


実際に回してみるとガオガエンウインディを回すパーティは交代が読みやすく「つるぎのまい」が役立つ場面が多々あり、〔いかく〕に屈することなくドサイドンを暴れさせることが出来た。
また、バンドリの後ろにロトムやキッスがいると地面技を無効化されてしまうため、立ち回りが窮屈だった。そこでサマヨールに「じゅうりょく」を採用。
後ろを含めて地面技を一貫させることで、ドサイドンの行動に裏目がなくなり、相手の交代を読む必要がなくなった。
トゲキッスの「このゆびとまれ」やロトムキッスの「サイドチェンジ」、バンドリのどちらが「まもる」かを読むのが面倒だったので、味方が浮いていないがドサイドンの攻撃技には「じしん」を選択。
じゅうりょく」と「じしん」のお陰でロトムキッス入りに対して読み放棄しながら立ち回れるのが非常に強く、相手のほとんどの行動に裏目なくアドバンテージを取れた。特に「このゆびとまれ」で安全に動かせると思ったポケモンに全体技で打点を稼ぐ動きはピッピ+リザードンやピッピ+パッチラゴン、トゲキッスロトムドリュウズバンギラス等の多くの並びに有効。
巻き込みを気にせず「じしん」を連打したドサイドンが味方サマヨール含め5匹倒す試合も頻発して笑っていた。
これで既存の問題点に対してある程度満足の行く6匹を用意することが出来たため、ランクマッチで細部を調整。INC直前の時点でランクマ10位台をキープ出来たため、自信を持ってINCへ臨んだ。


【INC後の考察】

INCでは開幕14連勝やDAY2終了時点で27-3の1796で暫定1位など、かなり好調な滑り出しだった。
最終日に勝ち切れずにレートを落としてしまったのは重なる切断や運負けによりメンタルを保てなかったことが原因だが、全体を通して負け試合から見えてくる課題点が以下だった。

リザードン軸が全然出せない(ドラパバンギが多過ぎるのと一発勝負でヤミラミを頼るのが怖い場面が多かった)
・トリルドサイドン軸の方が選出率、勝率ともに高く、補完のつもりがこちらが主軸になっていた
・ドラパ+ミミッキュのダイホロウ連打(ファントムビート)が重め
・トリル始動を狙う際にヤミラミサマヨールとするとあまりに圧力がない
・トリル成功後にヤミラミサマヨールが生存した場合に攻めのテンポが遅い(脱出しないと能動的にエースを出せない)
フシギバナサマヨールだと圧力はある代わりにトリル始動の安定感が下がる
サマヨールへの集中攻撃を回避する手段が「サイドチェンジ」しかなく不安定
・「さきおくり」でトリル始動だけ成功してサマヨールが倒れてもドサイドンの『じゃくてんほけん』が起動出来ない
・そもそもバンギラスガオガエンに「さきおくり」が無効

晴れが主軸であればヤミラミはかなり適任なのだが、晴れパよりもトリパとして見た場合はサポート性能に不安が残る。
これらの課題とトリル軸の選出が多い背景を踏まえて、安定性を高めるため「このゆびとまれ」要員の採用を検討した。


■ピッピの検討
まず、リザードン+ピッピが有名なことから晴れ軸でもヤミラミと遜色ないサポート性能を期待出来るピッピに目を付けた。
ピッピは「うたう」及び「じゅうりょく」を覚えるため、ドサイドンや「じゅうりょくサマヨールとの相性が非常に良い。
しかしサマヨールを既に採用していることから『しんかのきせき』の取り合いになってしまうため、下記の検討をした。


①ピッピ@きあいのタスキ
サマヨールの性能はそのままにピッピをタスキにする案。フシギバナのアイテムがなくなるが、耐久がある程度あるのでその他のアイテムでもそこまで運用に支障はない。
ただリザードン+ピッピとした場合のピッピの場持ちの悪さがネックで微妙だった。


サマヨール@メンタルハーブ
ピッピの性能を重視してサマヨールから『しんかのきせき』を没収。ある程度ピン選出した際に発動しそうな『メンタルハーブ』とした。
フシギバナサマヨールで出した時に「ちょうはつ」で止まらないのは偉いが、それ以上に脆いことでサマヨールの性能が著しく失われていることから没。
素でもサマヨールはある程度高い耐久をしていると思っていたが、いかに『しんかのきせき』が偉大だったかを思い知る結果に。


サマヨール→ヨノワール
やれることをそこまで変えずに耐久を上げる手段として考えたが、素早さが上がってしまうのが痛く、トリル下で「じゅうりょく」→ピッピやドサイドンの行動とするのに無理が生じる。
ノワールに素早さ下降アイテムを持たせるかピッピ、ドサイドンの素早さを上げるかしかなく、どちらも微妙な上ヨノワールでも柔らかいと感じたため没。


④ピッピ→ピクシー
ピクシーの〔てんねん〕は能力変化を無視するのでDM技のバフや積み技に強いのは偉いが、〔フレンドガード〕がないとあまり強みが感じられなかった。
相手のバフは無視出来るがこちらのデバフは無視出来ない点が惜しい。



■イエッサン♀の採用
ここまででうまくピッピ案がまとまらなかったため、次にイエッサン♀を検討。

・ゴースト技を無効に出来るためファントムビートに強い
・サイコメイカーがトリパとの相性が良い(ねこだましコータス他を止められない)
・初手の「ねこだまし」+「ちょうはつ」にも対応可能(ピッピだと両方に「まもる」を入れないと止まる上に「ちょうはつ」を吸ったピッピが弱い)
・ピッピより場持ちは悪いが、ある程度の攻撃性能があり「ちょうはつ」に強い
・相手の「いたずらごころ」による妨害も全てシャットアウト出来る

などのメリットがあり、噛み合いが良かった。
実際に回してみるとストレスなく多くの相手に展開出来て期待以上の性能だったため、シーズン5後半はこれで潜り、上位をキープして最終11位を達成出来た。


さて、長くなったが以下に個別解説を行う。
ヤミラミ、イエッサン♀を含む7匹を同時に紹介する。
イエッサン♀採用時に細かな変更点があるが、それについても個別に触れる。


【個別解説】

ヤミラミ@だっしゅつボタン 〔いたずらごころ
穏やか 157-**-103-**-121-70
さきおくり トリック にほんばれ サイドチェンジ

●技構成
・さきおくり
最高のサポート技。おいかぜ、トリル両方にこれ1つで対応可能。ヤミラミを採用するなら絶対に入れたい。
サマヨールと組んでトリル展開を狙う場合も有効な技で、初手のトリル始動が課題となるジュラルドンの「ドラゴンテール」や「ふういん」等の対策になる。

・トリック
『だっしゅつボタン』を押し付けてから味方の攻撃を当てて面倒な相手を流す。特に相手のDMキャラを先手で飛ばせるとアドが非常に大きい。他にも『きあいのタスキ』や『こだわりスカーフ』を奪ってエースの攻撃を安全に通したり、用途は多い。有効なアイテムを味方に渡したり、コータスのこだわりを解除するムーブも稀に行う。

・サイドチェンジ
味方エースを守る動きを行える。サマヨールと並んだ「トリックルーム」始動時にも疑似「このゆびとまれ」となりサポート出来る。〔いたずらごころ〕で優先度が+3まで上がるので自身より遅い「ねこだまし」をスカせるのもおしゃれ。悪タイプなので相手の〔いたずらごころ〕による技を無効化する点と噛み合っており、隣に来る「ちょうはつ」や「うそなき」「でんじは」を吸い寄せつつ無効化出来る。

・にほんばれ
コータス以外に晴れにする手段があるだけで他天候との殴り合いが格段にしやすくなる。素早さが遅いのも偉く、「あまごい」ニャオニクス等に下から「にほんばれ」で上書き出来る。

努力値配分
・A136ガオガエンの晴れ「フレアドライブ」15/16耐え
・A189ドラパルトの「Dゴーストダイブ」15/16耐え
・C178ニンフィアのW「ハイパーボイス」15/16耐え
・C189トゲキッスの『いのちのたま』W「マジカルシャイン」13/16耐え
・C141エルフーンの「ムーンフォース」確定耐え
・C161リザードンの『いのちのたま』「Dぼうふう」13/16耐え

特殊耐久を多めに配分。エルフーン等のフェアリーに一撃で処理されないことで行動回数を稼ぐ。
物理耐久は対面する場面が多いガオガエンを意識して少し振った。

●持ち物
「トリック」で相手に押し付けることで相手DMキャラの処理ルートを増やせる『だっしゅつボタン』。
自身が発動しても強いのが偉く、「にほんばれ」後に脱出してリザードンフシギバナを並べたり、トリル発動ターンにドサイドンコータスを繰り出せたりと攻めの展開をスムーズにする。



■イエッサン♀@きあいのタスキ 〔サイコメイカー〕
臆病 146-**-85-147-125-150
このゆびとまれ サイコキネシス しんぴのまもり いやしのねがい

●技構成
このゆびとまれ
採用理由。サマヨールのトリルを安全に始動したり、リザードンフシギバナドサイドンコータスを守って殴らせたりと用途は多い。

サイコキネシス
タイプ一致でフィールド補正もありかなり火力が出る。「ちょうはつ」を吸っても置物にならないよう攻撃技は必須。

・しんぴのまもり
催眠対策として採用。地味なところでドサイドンが「おにび」で止まらなくなる等のメリットもある。

・いやしのねがい
トリルターンを無駄にしないよう自主退場技として採用。ごくまれに本来の用途で味方を回復する動きも取れるが、積極的には狙わずあくまでダメージのない「じばく」のような感覚。

努力値配分
「しんぴのまもり」での催眠対策をするにあたり最速バタフリーフシギバナミロカロスの上を取れないと意味がないので最速。
後述の理由で持ち物は『きあいのタスキ』になったため、「ちょうはつ」された際のリターンや殴る際の性能を考えてC全振り。
耐久に振ることのメリットも勿論あるが、耐久はアイテムに任せて火力に振ることのメリットが想定以上に大きく、予想外の削りで相手を崩した試合が多かった。

●持ち物
色々迷ったが「トリックルーム」始動の安定性を最優先に考えた結果『きあいのタスキ』に落ち着いた。
耐久に全振りしてもイエッサンがワンパンされる技がDM込みだとチラホラ存在するため、上からイエッサンをワンパン+サマヨールに「ちょうはつ」とされた場合に展開が失敗して負けになってしまう。
その対策として最も有効なのが『きあいのタスキ』イエッサンであり、これによりほぼ初手のトリル失敗パターンを心配せず展開が可能になった。
イエッサン+サマヨールの初手は催眠技を通されると攻めのテンポが崩れるため「しんぴのまもり」は欲しく、イエッサンの型は耐久振り+『ラムのみ』『ぼうじんゴーグル』か素早さ振り『きあいのタスキ』のどちらかが良いと思っている。



■巨リザードン@いのちのたま 〔サンパワー〕
臆病 154-**-98-161-94-167
ブラストバーン ねっぷう ぼうふう ソーラービーム

●技構成
ブラストバーン
キョダイゴクエンの威力を最大にするため採用。晴れゴクエンで大体のサマヨールも一撃で飛ばせる超火力が出る。
また死に際の最後っ屁としても威力150技が撃てるのは強い。

・ねっぷう
非DM時のメインウェポン。このゆび系統に有効。イエッサン+ブリムオン等の並びをコータスと併せて粉砕したり、効率よく相手を削って行く。

・ぼうふう
DM技の威力を買って採用。晴れで撃ちづらいのが難点だがDM時の抜き性能を重視した。

ソーラービーム
水や岩への高打点として採用。晴れ時ならDMドサイドンをワンパンする火力が出せる。

努力値配分
・臆病CS
当初は火力重視の控え目だったが、ドリュウズウインディに対する立ち回りが窮屈になったため臆病に変更。
臆病の火力でも充分であると感じた。

●持ち物
全ての技の火力を上げる『いのちのたま』。持ち前の火力を更に高めて非常に高い制圧力を手にする。〔サンパワー〕と『いのちのたま』反動でゴリゴリHPが減って行くため耐久が心許ないが、ヤミラミやイエッサンのサポートや先手で相手を倒してしまうことで行動回数を稼ぐ。



コータス@こだわりメガネ
控え目 177-**-160-150-91-35(ヤミラミVer.)
冷静 177-**-160-150-91-22(イエッサン♀Ver.)
ふんか ねっぷう ソーラービーム だいちのちから

●技構成
・ふんか
火力の高い全体技。トリル時にHP満タンから先手で撃てる盤面を作るのを目標にする。

・ねっぷう
非トリルで出した場合のメインウェポン。HPが削れても威力を保てるため終盤まで息切れしにくい。

ソーラービーム
水、岩対策。サブウェポンとしてはかなり高威力。「てだすけ」を絡めれば非DMのバンギラスミロカロスもワンパン可能。

・だいちのちから
ガオガエンシャンデラ等の炎対策。ガオガエンが多い環境なので必須。

努力値配分
・HC全振り
・S通常時最遅ブリムオン+5
・Sトリル時最遅ピッピ、バンバドロ抜き
配分自体は捻りのないHC振りだが、素早さを調整している。
理由は対ブリムオンで、イエッサン+ブリムオンの並びに対して上から炎技を撃ち込めるとブリムオンが初手からDMして殴って来る場合にも対応出来るため。
非トリルで選出する機会は多く、リザードンの「ダイジェット」で素早さが上がる場合もあるので最遅ではなくある程度の高さがあると得な場面がある。
トリル選出時にも困らないように最低限の遅さは確保し、トリトドンドサイドンに先手を取るのは勿論、「おさきにどうぞ」を採用していると面倒なピッピにも先手を取れるラインにした。


イエッサン♀Ver.ではトリル選出に寄せたのでトリル時に抜かれる相手を減らす意味でも最遅にした。特にブリムオン、サマヨールにトリル下で先制出来るのは大きい。
また、ナットレイを見てドサイドンを出し渋る回数を減らす意味でも最悪同速を仕掛けられるようにした。
環境に最遅草技持ちナットレイがあまりいないのと、リザコータスを見て出てこないことが多いのでナットレイ入りにも基本選出は崩さないように出来たが、1回だけ同速負け「パワーウィップ」でドサイドンを倒されて負けた。

●持ち物
トリル選出時の制圧力を意識した『こだわりメガネ』。他のアイテムも試したが、一番コータスの性能を引き上げてくれる上に攻めのパーティなので相性が良かった。キョダイゴクエンの削りがあれば半減相手にもゴリ押しで押し切れる。



フシギバナきあいのタスキorこうかくレンズ
控え目 156-**103-167-120-132
ギガドレイン ヘドロばくだん だいちのちから ねむりごな

●技構成
ギガドレイン
メインウェポン。DM前提なら威力重視の「ソーラービーム」や「ハードプラント」「リーフストーム」も選択肢だが、非DMで動かすことが多いのと他天候と殴り合うことが多いため安定感重視の選択。「エナジーボール」より威力が下がるが、回復により延命するのが強いと考えてこちらを採用。フシギバナが刺さっている時に倒されずにしっかり盤面に維持できたので正解だった。

ヘドロばくだん
メインウェポンその2。環境に多いフェアリーに刺さる。DM技で特攻を上げる動きが強力。

・だいちのちから
ガオガエンシャンデラ等の炎タイプやジュラルドンに刺さるサブウェポン。特防を上げるDM技も強い。晴れで重いシャンデラに刺さるためほぼ必須に思えた。

・ねむりごな
最強の誤魔化し技。序盤から積極的に撃つことはしないが、多少不利でも試合をひっくり返すだけの可能性があるので厳しい相手への対抗手段としては非常に強い。特にDMに対して有効で、上から眠らせてDMターンを稼いだり、「ねむりごな」の圧力で相手のDMを渋らせることで味方の行動を通しやすくなる点が強力。サマヨールと並ぶことも多く「じゅうりょく」下であれば安心して合法的に連打出来るようになる。

努力値配分
耐久は『きあいのタスキ』に任せてCS振り。ミラーを強く意識するなら臆病も視野だが、火力が足りなくなるのとミラー以外では過剰なので控え目。

●持ち物
「ねむりごな」の命中を上げる『こうかくレンズ』も試したが結局外す時は外すので、余っているなら『きあいのタスキ』が最も強いと考えられる。単純に2回「ねむりごな」を撃った方が命中が高いのと、殴り合いで勝てるようになる相手が格段に増える。ガオガエンに対して発動させると相手が「フレアドライブ」の反動でガッツリ削れて強弱関係が逆転するのが良い。
イエッサン♀Ver.ではイエッサンに『きあいのタスキ』を渡してしまったので渋々『こうかくレンズ』。



ドサイドンじゃくてんほけん 〔ハードロック〕
意地っ張り 191-211-150-**-107-56(ヤミラミVer.)
勇敢 191-211-150-**-107-42(イエッサン♀Ver.)
じしん いわなだれ かみなりパンチ つるぎのまい

●技構成
・じしん
メインウェポンその1。単体技の「10まんばりき」と選択だが、全体技である点を買って採用。相手2匹に地面が一貫するバンギラスドリュウズ等に対し、裏から飛行や〔ふゆう〕が出てくる可能性、どちらかが「まもる」をする可能性まで含めてどちらに地面技を撃つかの択を回避しつつ打点を持てるのが優秀。味方を巻き込むデメリットは単体技を撃ちたければDMすれば良いためそこまで感じないどころかメリットとなる場面も存在し、味方サマヨールを敢えて巻き込んで倒してしまうことで、トリル下でドサイドンコータスの並びを早い段階で能動的に作れるのが強い。

いわなだれ
メインウェポンその2。地面技の通りが悪いタイプへの刺さりが良く補完が取れている上に、全体技かつ怯みの追加効果があり制圧に向く。勿論「じしん」同様に「まもる」や交代、「サイドチェンジ」絡みに対する択の拒否になるのも偉い。DM技で砂嵐にする効果は自身の特防アップに加えて微妙ではあるが相手を削れるので『きあいのタスキ』に強くなれるのが嬉しい。晴れとの噛み合いの悪さが気になる場面は案外少なく、ドサイドンをエースにした選出ではリザードンフシギバナに期待することが少なく、コータスは出せば晴れるので問題にはなりにくい。

・かみなりパンチ
ドサイドンコータスが苦手とする水対策。ミロカロスアシレーヌにDMされてもA(+2)からならワンパンが狙える火力が出るのが強い。また催眠対策にもなるため「あくび」等に対して余裕のある立ち回りが可能になる。

つるぎのまい
本来は「まもる」が妥当なところだが、環境に多いガオガエンの〔いかく〕サイクルへの対抗策として採用。上手い人ほどガオガエンの〔いかく〕「すてゼリフ」と隣の「まもる」「ダイウォール」交代等でドサイドンの攻撃をいなしながら火力を下げて無力化を狙ってくるため、そこに刺すことで有利を維持する。「じならし」『じゃくてんほけん』は1回限りなので2回の〔いかく〕で帳消し位なってしまうが、「つるぎのまい」があれば〔いかく〕で止まりにくくなる。
使用タイミングとしては相手が交代等で後手に回る隙を突いて積むイメージだが、フシギバナの「ねむりごな」やヤミラミの「サイドチェンジ」イエッサン♀の「このゆびとまれ」等で積極的に狙って行くことも可能。
DMすると「ダイウォール」になるため、「まもる」がないことの弊害をある程度はカバー可能。

努力値調整
・AD全振り
・S56(ヤミラミVer.)
・Sトリル時最遅60族-2
・S(-1)で37 トリル時最遅トリトドン-2、S(-1)の最遅60族-1(互いに「じならし」被弾や『ルームサービス』想定)、味方コータス+2
・S(-2)で28 トリル時味方サマヨール+1
・S(+1)で84 通常時S20振りまでのガオガエンバンギラス抜き

・S42(イエッサン♀Ver.)
・S(-1)で28 トリル時味方サマヨール+1

ドサイドンの基本的なAD振りだが、コータス同様最遅ではなく素早さ調整をしている。
トリル下での運用にストレスがないよう最低限S(-1)で最遅トリトドン等は抜けるようにした上で、通常時になるべく先手を取れるように高めた。
当初は57にすることを考えていた。57でもS(-1)で38となり最遅トリトドンより遅く、S(+1)で85となりメジャーな84バンギラスを抜ける上に、S(+2)で114となり準速バンギラスを丁度抜けるので綺麗なラインが見つかったと思ったのだが1つまずい点があったので没となった。
S57だとトリル時に最遅60族の58より速いのだが、互いに「じならし」が当たると同速になってしまうのだ。60族にはラプラスブルンゲルアシレーヌ等の抜かれたら困るキャラが多いためこの同速は避けないとまずい。バンギラス絡みにドサイのDMを切らずにリザのDMを切る場合の方がレアケースなのでそちらは妥協して、トリル運用時の安定感を重視するべく56に設定した。


イエッサン♀Ver.ではトリルがメインプランなので、なるべく多くの敵に先手を取れるよう遅くした。
「じならし」後のサマヨールの「じゅうりょく」との連携を考えた最低値の42とした。



サマヨールしんかのきせき 〔おみとおし〕
のんき 147-90-188-**-163-28
じならし てだすけorナイトヘッド じゅうりょく トリックルーム

●技構成
・じならし
ドサイドンの『じゃくてんほけん』発動のため採用。遅くすることでドサイドンの対応範囲が拡がる。

・てだすけ(ヤミラミVer.)
味方エースの制圧力を上げるため採用。物理特殊問わず誰と並んでも仕事が出来る。特に全体技との相性が良く制圧を狙いやすい。

ナイトヘッド(イエッサン♀Ver.)
イエッサンと並んでトリルした後、イエッサンが生存しており「いやしのねがい」を選ぶターンにやることがないのが弱いので削り技として採用。無難に強かった。

じゅうりょく
ドサイドンをエースに添えた場合にトゲキッスロトムが非常に邪魔に感じる場面が多かったので、地面技を一貫させるため採用。後ろから地面技をスカしに出てくる場合や「このゆびとまれ」「サイドチェンジ」で思うように地面技を通せなくなる場合に刺さる。特にこの技の存在によりコータスにも強く厄介なWロトムとの相性関係をひっくり返せる。
また、命中UPの効果もパーティにかなりの恩恵をもたらし、特に必中「ねむりごな」フシギバナは非常に強力。また、詰めの場面で「ねっぷう」「いわなだれ」外しに怯えずに済むのもありがたい。命中不安技を多く採用しているが合法的に撃てる仕掛けを仕込んでいるため、パーティに安定感をもたらしてくれた。

トリックルーム
ドサイドンコータスを立てる裏選出用。「さきおくり」だけでは対処が難しそうな「おいかぜ」パーティにはトリル軸の方が有効なため、攻めのプランが2個以上あることで対応範囲が拡がる。

努力値配分
・A172ドラパルトの「てだすけ」「Dゴーストダイブ」耐え
・C152ドラパルトの「てだすけ」『こだわりメガネ』「シャドーボール」14/16耐え
・C177リザードンの「てだすけ」『いのちのたま』「Dブラストバーン」耐え

バンドリに出すことから物理耐久を重視。特殊耐久はリザピッピに出すことを考えてもこれだけあれば充分。
リザードンの晴れ〔サンパワー〕の攻撃は耐えないが、隣にフシギバナを置けば上から「ねむりごな」を通せるため、晴れが絡んだリザードン入りにも戦える。
防御寄りにしておくことで味方ドサイドンの「じしん」の巻き込みダメージも抑えられる。

●特性
〔おみとおし〕が強過ぎた。相手の先発が強化アイテムを持っているかどうかを見て、サマヨールがワンパンもしくは集中で倒される可能性が高ければサマヨールを交代する等、持ち物に応じて適切な立ち回りが可能になるのが利点。
他にも『きあいのタスキ』や『じゃくてんほけん』に気を付けながら攻めて行けたり、『ラムのみ』『ぼうじんゴーグル』持ちに「ねむりごな」を選ばなくて済んだり、『とつげきチョッキ』持ちにノーリスクで攻撃を重ねたりと、裏目や初見殺しを防いだ上で先の展開まで意識して立ち回れる。この特性のお陰で勝率が5%は伸びていると思う。今後も積極的に採用したい。


【選出】ヤミラミVer.

●基本選出
先発:ヤミラミリザードン
後発:フシギバナコータス

晴れの基本選出。対応範囲が広く、この4匹だけでも多くの相手と戦える。
ヤミラミの「トリック」で相手DMキャラに有効な行動をなるべくさせないようにしつつ、こちらのキョダイリザの攻撃を通して行く。晴れキョダイリザの火力は凄まじく、3回攻撃出来たら相手はほぼ半壊するので後は頭数で押し切れる。


●トリル選出1
先発:フシギバナサマヨール
後発:ドサイドンコータス

リザードンの通りが悪い場合の裏選出。リザードンに強いバンギラスやパッチラゴンに対してはトリルドサイドンが刺さるため、これらがいたらこちらの選出をしていた。ドラパルト入りも晴れ選出よりこちらの方が勝率が高かったため、気づけば7割くらいこちらの選出で戦っていた。裏選出とは・・・w
初手はフシギバナから入ると「ねむりごな」でサマヨールへの「ちょうはつ」「ドラゴンテール」DM技を絡めた集中攻撃等を妨害出来るため、邪道ではあるが「トリックルーム」補佐として優秀だった。「ねむりごな」を当てないとサマヨールが集中で倒れる場合や相手2匹がフシギバナより早く行動する場合はサマヨールコータスと交代しながら〔ようりょくそ〕で上から行動を通す動きが強い。
この動きの強い点はサマヨールが遅いのでほぼ確実に天候を取れる点と、サマヨールを狙った「ちょうはつ」や「トリック」等をコータスが食らっても全く問題がない点。DMしてサマヨールを集中攻撃で倒そうとしたキャラに「ねむりごな」が当たれば一気にアドバンテージを得られるし、外れたとしても相手のDMターンをバナコータスで充分稼いでからサマヨールを再度着地させることで、しっかりと耐えながら「トリックルーム」に繋げて行ける。
また、相手の「ねこだまし」や「しんぴのまもり」「ちょうはつ」のような保守的な行動が読める場合は初手でコータスを投げながらバナでDMを切ると劇的に有利な盤面を生み出せる。特に無償で「ダイアシッド」が決まったバナコータスの並びの制圧力は凄まじく、これらの有効な選択肢へと分岐出来るフシギバナサマヨールの先発はかなり対応範囲が広い。
実際はフシギバナが「ねむりごな」のせいでかなりヘイトを集めるため、初手に集中で処理されて「トリックルーム」が決まることが多かった。このパターンだとトリルターンが4ターンフルに使えるので後ろのトリルエースが暴れやすい。
また、フシギバナドサイドンの縦の相性の良さから、時にはフシギバナドサイドンへの交代も視野に入れて戦う。フシギバナドサイドンの交代は、フシギバナの弱点の飛行技や炎技を半減で受けられる上に、ドサイドンの4倍弱点である水・草技がフシギバナに飛んで来る可能性は低いことから、多くの場面でローリスクで決められる。これが決まりフシギバナを温存したままトリルドサイドンを暴れさせると、トリルが切れた頃に今度は〔ようりょくそ〕フシギバナを立てられるので攻めの隙がない。


●トリル選出2
先発:ヤミラミサマヨール
後発:ドサイドンコータス

フシギバナのサポートだけではトリル始動に不安がある場合の選出。
サポート2枚なのでパーティパワーが落ちやすいのが難点だが、トリルさえ通せれば勝てそうという相手にはこちらを優先する場合も。
今回のヤミラミには「ねこだまし」はないものの「サイドチェンジ」と「さきおくり」で柔軟なサポートが出来、特に「さきおくり」は従来のトリパが苦手とする「ふういん」や「ドラゴンテール」入りにも有効に働く。
「サイドチェンジ」はうまく決めれば『だっしゅつボタン』と噛み合って1ターン目にトリル成功&エース着地まで狙える技。〔いたずらごころ〕の変化技は悪タイプで無効化するため、エルフーンやオーロンゲの「ちょうはつ」や「うそなき」を吸いに行きつつ無視出来るのが偉い。
ゴースト2匹の先発で相手の「ねこだまし」に阻害されずに展開出来るのも良い点。
トリルがうまく決まらなかった場合や切れた後にもヤミラミが生存していれば「サイドチェンジ」「さきおくり」で鈍足エースの行動補佐が出来る。


●対トリパ1
先発:ヤミラミリザードン
後発:フシギバナコータス

基本選出である程度対応可能。
「ダイジェット」や〔ようりょくそ〕を軸にした高速展開が基本なので「トリックルーム」が辛めに見えるが、ヤミラミの『だっしゅつボタン』+「トリック」でトリル要員を飛ばす動き、「にほんばれ」+「キョダイゴクエン」でサマヨールすらワンパン出来る動きでトリル阻止が狙える。
相手が「このゆびとまれ」を絡めて「トリックルーム」を無理やり貼ってきた場合は大体初手で「このゆびとまれ」要員を倒して数の有利を取った上で「キョダイゴクエン」の設置が済んでいるため、先制「さきおくり」やコータスフシギバナの『きあいのタスキ』で切り返せば押し切れることが多かった。


●対トリパ2(イエッサン入り)
先発:リザードンコータス
後発:フシギバナドサイドン

イエッサンがいるとヤミラミの「さきおくり」が通らないためヤミラミはお留守番。
このゆびとまれ」+トリル要員の並びには初手リザコータスと並べて「ねっぷう」「ふんか」と選べば、連撃を耐えてトリルを貼れるキャラはほぼいない。この時イエッサン+ブリムオンの並びからキョダイマックスブリムオンを動かされるパターンがあるため、コータスの素早さは最遅ブリムオンを余裕を持って抜ける値に設定し、上から攻撃を通せるようにしている。
トリルの発動を防げば上から殴っているだけで大体勝てる。技外しや択負けでトリルを通された場合でも後続のフシギバナドサイドン、そしてコータスのうち有効なキャラをDMさせて殴り合う。


【選出】イエッサン♀Ver.

●基本選出
先発:イエッサン♀+サマヨール
後発:ドサイドンコータス

このゆびとまれ」による安定感からトリル軸が無理なく基本選出になった。
初手「このゆびとまれ」+「トリックルーム」から、相手にイエッサンが倒されない場合は「いやしのねがい」で退場しながらサマヨールで削りか「じゅうりょく」をし、「じならし」ドサイドンでの制圧を狙う。イエッサンが初手で退場しなかった場合はトリルターンが足りなくなるが、トリル中に決めきれなくてもドサイドンのバフが成立していれば押し切れる。コータスはトリル中に決めきれそうなら「ふんか」で一気に畳みかけるが、ターンが足りないと判断した場合は「ねっぷう」で押しに行く。「じゅうりょく」があれば「ねっぷう」外しに怯えなくて良いのがポイント。


●晴れ選出
先発:イエッサン♀+リザードン
後発:フシギバナコータス

晴れ選出でもリザードンの隣に置くイエッサンは強かった。
ある程度の攻撃性能があるためダイジェット、ダイアシッド等の恩恵を受けながら「サイコキネシス」で殴る展開が強い。
勿論エースに致命傷が飛んで来る場合は「このゆびとまれ」でサポートする。
ヤミラミと違い「にほんばれ」は出来ないが、コータスフシギバナとの交代や「このゆびとまれ」を駆使することで相手の雨や攻撃をうまく凌ぎながら殴り合えばDM水タイプとのマッチングも勝てた。


●ミラー、対トリパ等
先発:イエッサン♀+ドサイドン
後発:フシギバナ(リザードン)+コータス

晴れもトリルも有効になりにくい相手にたまにした選出。イエッサンを採用したお陰で初手ドサイドンを出しやすくなった。
ねこだまし」の妨害を受けずに「このゆびとまれ」+「つるぎのまい」が可能になるのがイエッサンのポイント。
同系統のミラーではドサイドンの扱いがキーになるが、こちらのドサイドンが最遅+2でミラーはほぼ上を取れたのと「つるぎのまい」のお陰で有利だった。トリルを通されたらコータスで切り返す。


【課題】

最新の形で現状辛いのが以下の要素。


①初手バンドリの「いわなだれ」連打で怯んでトリル失敗すると負ける
トップメタに対して50%近い負け筋を持ってるのはかなり欠陥なのでは?と感じているが、初手バンドリで並ばない場合もあるしこちらもフシギバナサマヨールドサイドンサマヨール等の選出で対抗出来なくはないため妥協している。
しかし取り巻きにいる「ちょうはつ」や「ダイホロウ」に怯えてイエッサンを出さざるを得ない状況で初手バンドリを出された場合は祈るしかないのが最大の難点。
いわなだれ」で削られないドータクンや怯まないヤレユータンの採用も検討しているが、サマヨールの圧倒的な数値と〔おみとおし〕による安定感と「じゅうりょく」の存在が大き過ぎるため代わりはいないのでは?とも感じている。


②ダイストリーム持ちドラパルト
最近地味に増えているが晴れでもドサイでもきついのでやめて欲しい。
初見で読めるなら優先して処理したり保護するのだが、ドラパルト自体が数が多い上に隣に無視出来ないキャラや「このゆびとまれ」が並んでいると優先処理が難しいのがネック。


③〔いかく〕+DM水タイプ(トリトドン、「とぐろをまく」ミロカロス)+バンギラス+ドラパルトが辛い
無天候のDM水タイプはうまいこと晴れを維持したり「このゆびとまれ」を使えばリザの「Dソーラービーム」やフシギバナで倒せる。
バンギラス+ドラパルトと組まれると晴れ展開はきついがドサイドンでまとめてぶち抜ける。
〔いかく〕があっても「つるぎのまい」で解決している・・・と思っていたが目の前に水タイプがいるとそんな悠長なことはしていられないため〔いかく〕を投げながらDMされるのが辛い。
アシレーヌ程度なら〔いかく〕があっても倒せるがトリトドンミロカロスレベルになると厳しい。「とぐろをまく」があると更に厄介。
〔いかく〕+DM水タイプは特殊草で処理するのがスマートなのだろうが、バンギラス+ドラパルトがセットだとDMバナで倒し切るのも難しそうなので、大きな課題である。
まとめて見られる神ポケいないかなぁ・・・


課題は明確になっているが、これらを埋めようとすると強い要素を失ってしまうためパーティ構築は難しい。
完璧な構築は存在しないのである程度の穴を許容した上で立ち回りでカバーしたり、他に勝てば良いと割り切るのも大事なんだろう。
とはいえ完成度を上げることは出来るので、強みを失わずに穴を埋められるキャラがいないかの模索は続けて行きたい。



* * *



以上、非常に長くなりましたがここまで読んで頂きありがとうございました。
ご意見やご質問がありましたらツイッター(@yuki_rotom)、ブログのコメント欄に遠慮なくどうぞ!
それでは今回はこの辺でノシ