ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

第51回DEXオフ 使用パーティ

少し遅くなりましたが、第51回DEXオフ(全国ダブル)で準優勝したパーティ晒し。
後ほど各対戦のレポートも更新します。



【使用パーティ】
バンギラス@ヨプの実
意地っ張り 207-198-131-**-121-87
岩雪崩 噛み砕く 炎のパンチ 守る


ドリュウズ@命の珠
意地っ張り 185-205-81-**-85-140
地震 岩雪崩 シザークロス 守る


トリトドン@リンドの実
控え目 218-**-92-154-103-60
大地の力 冷凍ビーム 守る 自己再生


トゲキッス@拘りスカーフ
臆病 191-**-116-141-138-143
エアスラッシュ 熱風 トリック この指とまれ


ロトム火@オボンの実
控え目 157-**-128-160-136-108
オーバーヒート ボルトチェンジ 目覚めるパワー草 守る


ローブシン@残飯
慎重 212-167-116-**-121-66
ドレインパンチ マッハパンチ ビルドアップ 見切り




【パーティ解説】
まめおふでも使ったバンギドリュウズの改良版。
バンギラスドリュウズトリトドントゲキッスは前回も使った個体。


まめおふの時は夢特性ニョロトノキュウコンはルール上まだ解禁されていなかったので、今回はそれらも想定して構築し直した。
バンギドリュウズとしての基本コンセプトは保ちつつ、対天候パでも柔軟に立ち回れるよう意識して残りの面子を決めて行った。


個人的にバンギドリュウズと最も相性がいいポケモントリトドンだと思うので、3匹目はすぐにこいつで確定。
バンギ、ドリュウズの水弱点を特性「呼び水」によりカバー出来るというのは非常に優秀。
「波乗り」「潮吹き」「濁流」などの全体攻撃は隣のポケモンにも当たってしまうため完全ではないが、多くの単体攻撃の水技からバンギとドリュウズを守れるのは大きい。
雨パに対する保険にもなり、見せ合いの時点でいるだけで相手の水技に圧力がかけられるのは魅力。
勿論実際に水技に出して行って呼び水を発動してもかなり有利に戦える。
役割が多く場持ちさせたいポケモンなので、地味に砂ダメージを食らわない点も高評価。


バンギドリュトドンまでは鉄板の組み合わせだが、問題はここからである。
ここまでで気になるのは「格闘」「草」「地面」技の一貫性。
この3タイプは3匹中2匹に抜群で通る上に半減出来るポケモンがおらず、非常に通りが良くなってしまっている。
水技も一貫性があるように見えるが、トリトドンの呼び水によりある程度は誤魔化せる。


この3タイプに対して防御面・攻撃面でどちらも有利を取れる存在を考えると、4匹目には「飛行」タイプが欲しくなる。
候補としてはボルトロスボーマンダトゲキッス、ファイヤー、トルネロスなど。
めざめるパワー飛行、エアスラッシュ、アクロバットなどをタイプ一致で使えるポケモンの中でもハイスペックな5匹である。
防御タイプとしてだけでなく、格闘や草を早めに処理したいことを考えると攻撃技としての飛行技の優先度は高い。
それぞれの特徴を軽く挙げてみる。


ボルトロス
素でビリジオンより早く、めざ飛行で処理が可能。
雨パやトリパ相手にも特性「悪戯心」のお陰である程度行動が出来る。


ボーマンダ
威嚇も含め格闘への圧力が非常に強い。砂ミラーでも役立つ。
4倍弱点が少しきついので、雨や霰などには厳しめ。


トゲキッス
天の恵みエアスラッシュは飛行技としてかなり優秀。
純粋な耐久がこの中では一番高く、トリックやこのゆび等でサポート可能。


・ファイヤー
炎技が一致で撃て、鋼や氷への削りにも期待出来る。
氷技が等倍なので対霰性能が飛行タイプの中でも高め。


トルネロス
ジュエルアクロバットラティオスを上から縛れる。飛行技の火力だけ見るとトップか。
悪戯心追風で相手の天候上書きにも対応可能なところがメリット。


この他にも飛行タイプではないがラティオスなども格闘、草、地面に対する切り返しとして使える。
採用する場合相手のビリジオンへの遂行技としてサイコショックは入れたい。


また、ギャラドスも防御面ではかなり優秀。
まともな飛行技が使えない上に草タイプへの耐性が少し下がるが、格闘・地面耐性に加え水耐性も少し上がる。


前回に引き続き今回のパーティでもこの枠にはトゲキッスを採用した。
単純な耐久の高さに加え、エアスラッシュの追加効果にかなり魅力を感じたからだ。
オボン電磁波等のサポートもいいが、スカーフのメリットも多いのでスカーフ。
スカーフトリックによるトリパやコンボパ潰し、ビリジオン等を抜ける素早さからのエアスラッシュでの縛り兼削りが可能となる。
バンギドリュウズは基本的にトリパ耐性があまりないので、そこをこいつに多少補ってもらう。
また、スカーフトゲキッスドリュウズが砂嵐状態で並んだ場合ほとんどの相手に思考停止で殴り勝てるのが魅力。


さて、バンギドリュトドンキッスまでが確定し、残りの2匹で穴を埋めて行くことになる。
まずこのメンツだと霰耐性が低すぎるのが気になる。
氷技の一貫性がかなりあり、一度天候を取られるとそのまま吹雪連打で押し切られそうである。
そこでユキノオー等に後出しが出来るヒートロトムに着目した。


バンギドリュウズ構築を組む場合、浮いているポケモンは多いに越したことはない。
味方のドリュウズ地震を撃ちやすくなるだけでなく、バンギもドリュウズも相手の地震に弱いので無効化出来る交代先がいるとありがたい。
浮いていてさらに氷にも草にも強いポケモンはあまり多くないが、ヒートロトムは地面・氷・草耐性を同時に持つ貴重な存在である。
ヒートロトムは霰パの取り巻きに多いギャラやヒードラン、猿にも弱くないので霰パに全体的に選出しやすい駒となれる。
さらにボルトチェンジを採用すれば技を撃ちながらの交代が可能となり、天候の取り合いに非常に強くなる。
バンギを先発にした場合でもし相手に天候を取られてしまっても、バンギを引っ込めながらロトムボルチェン→バンギ再降臨でターン内に砂嵐状態を取り戻せる。
この立ち回りは実際に相手の天候パに対して使えかなり便利なので、天候合戦の今の環境では是非頭に入れておきたい。


ロトムの採用によって少し霰耐性は上がったが、十分という程ではない。
さらに格闘耐性もまだ足りない上に、バンギドリュウズを使う上でかなり気をつけなければならない相手のガブリアスに対する不安も残る。
ズルズキントゲキッスのエアスラだけではまだ少し重い。
ここで注目したのがローブシンである。
ローブシンは吹雪に耐性があるわけではないがドレインパンチマッハパンチの一貫性を霰パに対して保ちやすく、ドレインパンチにより削れたHPも回復可能。
さらに相手のバンギドリュウズガブリアスにも強く、ズルズキンにも勝てる。


このように現状のパーティの穴の多くを埋めてくれるローブシンだが、実はこいつは穴埋めには留まらずエースになり得る存在なのだ。
それが「ビルドアップ」を採用したビルドレインローブシンである。
ドリュウズで両縛りをかけたりマッパで死に掛けのポケモンを縛ったりしていると、相手の交代や守る・見切りを誘発することになる。
そこで隙を見てビルドアップを積むことで対物理性能が格段に上がり、縛り範囲をさらに広げられる。
削れたHPもドレインパンチで回復出来るので粘り強く、相手にしてみれば非常に厄介な存在となる。


一度ビルドアップを積めば、格闘技が等倍で通る限りはエース級の活躍をしてくれる。
格闘の通らないポケモンを他で倒してから残りを全てローブシンで処理する、というのも勝ち筋の1つとして考えられるので戦い方の幅は広がる。
具体的にはラティやクレセなどのエスパータイプ、ヨノワやシャンデラなどのゴーストタイプ、サンダーやギャラなどの飛行タイプにはバンギが軒並み強い。
ドリュウズローブシンの苦手なポケモンに対して打点があることが多いので、この3匹は相性がいいと言えよう。
バンギやドリュウズローブシンの倒せないポケモンを優先的に削っておき、最終的にローブシンでタテるという流れが組みやすい。
シングルのバンギローブシンにヒントをもらってこの戦法を使ってみたが思いの外強力で、これを目標に立ち回ることも実際の試合では結構あった。


こうしてパーティのメンバー6匹が決定した。
以下、個別に各個体について解説していく。



【個別解説】
バンギラス@ヨプの実
意地っ張り 207-198-131-**-121-87
岩雪崩 噛み砕く 炎のパンチ 守る


・A156ゴウカザルインファイト耐え(ヨプ込み)
・A142ビリジオンの達人の帯インファイト上から2つの乱数以外耐え(ヨプ込み)
・A205メタグロスのコメットパンチ最高乱数以外耐え
・A205ドリュウズの珠地震耐え(ダブルダメージ)


・噛み砕くで156-101ラティオス確定1発
・炎Pでインファ後の180-93ビリジオン確定1発
・炎Pで177-121ハッサム確定1発


・S補正なし4振り65族抜き


砂起動要員。
ドリュウズと一緒に選出しなくとも単体で活躍が見込める。
配分は火力を重視してあるが、Hに252振るだけでもかなりの攻撃を1発は耐える種族値の高さが売り。
基本殴りまくって後ろに繋げる立ち回りだが、相手に天候変化ポケモンがいた場合はこいつをいかに慎重に扱うかがカギとなる。


技構成は岩雪崩、噛み砕く、守るまではバンギを使う上で必須レベル。残りの1つはけたぐり、地震なども候補。
炎のパンチを採用したのは主にドータクンハッサムビリジオンなどのため。
バンギミラーや相手のテラキオンに撃てる技がなくなるが、後ろのドリュウズローブシンに任せて隣を削るのに徹してもらう。
メタグロスなどを隣を動かしながら殴れるので地震よりも使い勝手はいい。
また、相手のドリュウズに対してはけたぐりの威力が60しか出ないので、ドリュウズに撃つ技としてもけたぐりより炎のパンチの方が上である。


持たせるアイテムは格闘に対して1回の行動保険が欲しかったのでヨプの実。
最低限1回以上動いて欲しいという意味では気合いの襷でも構わないが、猫騙しや天候の取り合いによる交替出しで少し削れても機能してくれる半減実にした。



ドリュウズ@命の珠
意地っ張り 185-205-81-**-85-140
地震 岩雪崩 シザークロス 守る


・珠シザークロスで156-101ラティオス確定1発


エース。
思考停止のASぶっぱだが、意地っ張りで珠を持たせることでラティを上から縛ることが出来る貴重な存在になれる。
ラティの行動を制限することで味方のトリトドンローブシンロトムなどが非常に動きやすくなる。
相手のポケモンをこいつの攻撃圏内に入れてから降臨させ、常に両縛りの状況を作るのが最終目標となる。


技構成で語るべきはメインウェポンの選択くらいだろう。
岩雪崩、守るは必須でシザークロスはラティを縛ったりクレセルンパあたりを削るためにも有用。
メインはドリルライナーも候補になるが、地震にしたのはやはり思考停止で撃てるから。
相手の守るや交代を読む必要が薄れるのはプレイヤー負担が少なくなり高評価。


アイテムはラティオスを1発で倒すと言う目的により命の珠一択となる。
気合いの襷にすると1発の重みがだいぶ変わってきてしまい、エースとしてはやはり火力を重視したい。



トリトドン@リンドの実
控え目 218-**-92-154-103-60
大地の力 冷凍ビーム 守る 自己再生


・C182ラティオスの珠流星群耐え


・大地の力で186-85ドリュウズ確定1発
・大地の力で187-156メタグロス確定2発
・冷凍ビームで209-106ガブリアス最低乱数以外1発
・冷凍ビームで156-131ラティオス確定2発



対雨パ要員。
こいつがいるだけで単体攻撃しかない水タイプの大半は黙る。
相手のバンギドリュウズや雨パに強くしたいのでCにかなり努力値を割いてある。


技構成は攻撃技は大地+冷凍だけでほぼ殴れるので水技は抜いた。
耐久にあまり振っておらず不安が残るのと、こいつに早く死なれると困ることが多いので自己再生持ち。
回復手段を入れることで雨パなどに対する安定感が増し、負担が大きくてもある程度場持ちさせることが出来る。
対水ロトムやトドンミラーで使えるめざ草も面白いが技スペースが厳しい。


アイテムは1発で即死するのを防ぎたいのでリンドの実。
最近ではどのポケモンから草技が飛んでくるか分からないので奇襲への保険として有用。
草タイプのポケモンの前でも動かしたい場面は多いので、オボンや残飯などの回復アイテムも魅力だが使う際の安心感を重視した。



トゲキッス@拘りスカーフ
臆病 191-**-116-141-138-143
エアスラッシュ 熱風 トリック この指とまれ


・HP実数16n-1
・C182ラティオスの眼鏡流星群耐え


エアスラッシュで167-150ビリジオン確定1発


・S補正なし90族抜き


飛行枠。
草や格闘タイプ、クレセリアなどの耐久系を処理してもらう。
基本的にエアスラで怯ませたり削ったりして相手を味方の攻撃圏内に入れるよう動く。
うまく怯みが作用すればこいつだけで1匹持って行けたりもする。


技構成はメインのエアスラ、補助のトリックはスカーフならば必須。
熱風は全体攻撃でもありエアスラや味方の地震との攻撃範囲の相性補完もそこそこなので入れてある。
この指はスカーフを持ったままでも使うことはあり、だいたいの相手の猫騙しより先にこの指が使えるのがスカーフこの指の利点。
どうしても味方を動かしたいが死なれては困るというときに役立つ。


アイテムは拘りスカーフ。
6割怯みの天の恵みエアスラッシュがいかなる場合でも強力で、半減ポケが並んでも行動不能にすればいいだけなのでスカーフを持つことによるデメリットがかなり少ないポケモンのうちの1匹だろう。
また、トリックで相手にスカーフを押しつけることも可能で補助技主体のポケモンに滅法強いのが嬉しい。



ロトム火@オボンの実
控え目 157-**-128-160-136-108
オーバーヒート ボルトチェンジ 目覚めるパワー草 守る


・C182ラティオスの珠流星75%耐え


・オーバーヒートで184-138(C161雨珠ポンプ耐え)メタグロス確定1発
・めざめるパワー草で218-117(C182眼鏡流星耐え)トリトドンをリンド込み2発


対霰枠。
選出回数はそこまで多くないが、天候変化ポケモンが相手にいる場合は積極的に出したい。
特にユキノオーにはかなり安全に後出しが出来、こいつがいるだけで霰パに強く立ち回れる。


技構成はオーバーヒートはノオーやグロスへの役割遂行として欲しい。
ボルトチェンジもほぼ必須レベル。これがあるとパーティ解説でも書いたが1ターンで天候を上書きすることも可能になり、対天候パで重宝する。
めざめるパワー草を採用したのは、ヒートフォルムという見た目ではかなり分が悪いと判断されるトリトドンラグラージに対しての奇襲性能が高いため。
この枠は安定感のあるメインウェポンとして10万ボルトでもいいかもしれない。


アイテムはオボンの実。
役割を考えると後出しにより削れる場面が多そうなので、その負担を少しでも和らげるため。
不一致の岩雪崩などに対しても行動回数を増やせる。




ローブシン@残飯
慎重 212-167-116-**-121-66
ドレインパンチ マッハパンチ ビルドアップ 見切り


・C182ラティオスの眼鏡流星群耐え
・C177ボーマンダのジュエルめざ飛行耐え
・C176ボルトロスのジュエルめざ飛行耐え
・C161キングドラの雨珠ハイドロポンプ耐え


ドレインパンチで207-133バンギラス確定1発
ドレインパンチマッハパンチで207-133バンギヨプ込みで確定
マッハパンチで186-81ドリュウズ確定2発(ビルド2回で確定1発)
ドレインパンチで186-81ドリュウズを珠ダメ1回込みで1発


裏エース。
バンギドリュウズ選出をしない場合はこいつが攻めの要となる。
また、バンギドリュウズと同時に出しても序盤から積んでペースを握ったり終盤の掃除役としても活躍出来る。


技構成は少し歪んでいて、格闘技4つになっている。
ゴーストタイプに何も出来ない構成だが、見せ合いありのルールなので相手にゴーストがいたら選出しない選択肢も十分ある。
先にゴーストを残り3匹で処理出来る自信があれば選出すればいい。
対飛行の岩技や対エスパーゴーストの悪技などを本来なら3枠目に入れたいが、そこをパーティの他のポケモンに任せることでビルドアップを採用し、タイマン性能と抜き性能を上げている。


アイテムは砂ダメージで消耗してしまうのを防ぐため食べ残し。
また、天候が砂や霰でない場合にはビルド残飯+見切りでかなりの耐久性能を誇る。




【使用回数】
予選11試合+決勝トナメ4試合での個別選出回数。
▲:先発
■:後発

種族名 選出回数
バンギラス  ▲▲▲▲▲▲▲▲■■■■  12
ドリュウズ  ▲▲■■■■■■■■■   11
トリトドン  ▲■■■■■■■■■■■  12
トゲキッス  ▲▲▲▲▲▲▲▲■■■  11
ロトム火   ▲▲▲■■  5
ローブシン  ▲▲▲▲▲▲▲■■   9


ロトム以外は満遍なく選出されている。
バンギ、キッス、ブシンは先発が多くドリュ、トドンは後発が多い。
それぞれの役割を考えると自然な結果だろう。



【改善点】
やはり雨パがきつい。
予選、決勝と雨とは当たったがどれも余裕を持って試合出来たかといえばそうではない。
毎回選出段階から厳しく、試合中もかなりシビアな立ち回りを要求された。
水技の処理をトリトドンに依存しているので、草技が撃てる水、特にルンパッパなどは処理に手こずった。


今回の決勝も雨パ相手に後手後手の展開を強いられ、天候合戦の途中でバンギが凍ってしまったのが敗因となった。
逆に言えば砂パでも雨パに対して五分に戦えるという証明は出来たが、一度でもミスをしたり事故が起きると相性の悪さを覆すのは難しい。
今後の課題として、雨耐性をさらに高めた砂パーティを組んでみたいというのは残った。


しかし雨パの強さを何度も体感することでかなり興味が出たので、全国ダブルの次のパーティは雨を組みたいと思っている。