ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【WCS2023】Bo1特化砂イエアルマ【セカポケ三次予選ブロック優勝】

こんにちは、ユウキです。
先日行われたセカッピーコロシアムポケモンSV(以下セカポケ)という大型大会にてTOP8となり、代表選手として都内の会場で開催された決勝大会に出場して来ました。配信をご視聴頂いた皆さん、応援して下さった皆さんありがとうございました。

今回はオンラインの二次予選から使用を開始し、三次予選でブロック優勝したパーティを紹介します。
火力系のコンボで初心者にも使いやすく、爽快感のあるパーティとなっているので、良ければ本記事を読んで使ってみてください。



【パーティ】

【コンセプト】

①新環境に適応した鎧アルマ軸
②初見殺しでイージーウィンのBo1特化構築
③全体技メインでプレイヤー負担軽め
④試合時間が短い
⑤2+2+2の強力な複数の並び


①新環境に適応した鎧アルマ軸
最初のシリーズ1(シーズン1)にて私が使っていたのが「くだけるよろい」+じゃくてんほけんコンボのグレンアルマ軸だったので、その構築を新環境にも適応させることとした。

元となった構築は前回の記事を参照。

シリーズ2になり他の構築タイプを試したがあまり勝率が伸びず、イエアルマを使い始めた途端に面白いように勝てたので、やはり使い慣れた軸を煮詰めるのが最も効率的と考えた。


②初見殺しでイージーウィンのBo1特化構築
ランクマッチ及びインターネット予選のようなBo1形式では初見殺しが有効なので、今回の構築もそれを意識して組んだ。
セカポケの予選もBo1なので初見殺しが決まってイージーウィンする場面も多く、ルールにマッチしていた。
メインギミックの「くだけるよろい」グレンアルマへの警戒をされにくくする為にバンギラスルガルガンの並びを一番上にしている他、バンギルガン自体にも初見殺しギミックを仕込んでいるのが特徴。


③全体技メインでプレイヤー負担軽め
「ワイドフォース」をメインとして「ねっぷう」「マジカルシャイン」「いわなだれ」等の全体攻撃技を多く盛り込んだ。
少ない選択時間で最適解を出す必要のあるダブルバトルにおいて、これら全体技は単純に制圧力が高くゲームメイクがしやすい点、思考時間を短縮出来る(攻撃以外の選択肢を検討すること等に時間を回せる)点からも有用。
プレイヤー負担を軽くし、連戦でもプレイ精度が落ちにくい構築となった。


④試合時間が短い
家庭の都合上時間の確保にも苦労するので、1試合あたりの対戦時間の短さも重視した。

シリーズ2でもヘイラッシャ+シャリタツの寿司構築は依然強力なものの、ちゃんと勝ちに行く場合は毎ターンのたべのこし回復を無駄にしない為に合体ヘイラッシャの「まもる」を頻繁に使うことになる他、ミラーを始めとしてTODを狙う試合も多発する。
他にも壁+ウインバレルのような交代を駆使したサイクルパーティは安定感があって魅力的だし、個人的には「ほろびのうた」パーティ等も好きなのだが、同様に1試合に掛かる時間が長い。

これらは効率良くレートを稼ぎたい・限られた時間で結果を出したい私にとっては致命的なので選択肢から除外し、上手くコンボが決まれば爆速で試合を終えられる(最速で初手で相手2匹を上から倒して2ターン目に降参される)パーティを選択した。

セカポケの予選の形式は19:00-24:00の間に2敗する前に規定数勝利(一次予選は3勝、二次予選は4勝)したら予選抜けという条件だったが、私の場合は子供の寝かしつけを含む家事を全て終えてから潜る為開始時刻が早くても23:00頃(子供次第で前後するし場合によって中断にもなる)だったので、1試合に時間を掛け過ぎると終了時刻までに規定数勝利が間に合わないという背景があった。
短期決戦を狙えるパーティを使うことで小一時間で予選抜けをギリギリ達成出来たので、目的に合ったパーティ選択が出来ていたと思う。


⑤2+2+2の強力な複数の並び
本ルールで構築を組む上で、強い2匹の並びを複数取り入れることを意識した。
イエッサン+グレンアルマの並びの強さは言わずもがなだが、テツノドクガ+ハバタクカミも「アシッドボム」から高い素早さと火力で制圧する動きが強く、相性の良い並びだ。
そこにバンギルガンを追加することで強い2匹の並びが3通りからなるパーティ構成となり、相手目線で警戒しなければならない戦術が増える。
選出段階で多くの選択肢を突き付けることで何を出すか、何から出すかを絞りにくくしたり、メインギミックへの警戒を薄くすることが出来る。


【実績】

●セカポケ二次予選
4-0で三次予選権利獲得

●セカポケ三次予選
スイスドロー7-1で予選抜け(10位/764名)

プレーオフトーナメント3連勝でFブロック優勝
決勝大会出場権獲得

●ランクマッチ ダブル
2/12(日)時点で18位(レート1922)達成


【環境考察】

まずはシリーズ2になってパラドックスポケモン達が追加となり環境がどのように変わったか整理した上で軸を選択した。


パラドックス追加による素早さ競争激化
パラドックスポケモン達の持つ特性+ブーストエナジーにより、登場した瞬間から素早さが1.5倍になるキャラクターが増えた。
この持ち物は従来のこだわりスカーフとは異なり技固定がない為柔軟な立ち回りが可能で、汎用性が高い。

特に素早さの高い下記2匹の加入によって、環境の素早さラインは上昇する。
・テツノツツミ:S206→(+1)でS309
・ハバタクカミ:S205→(+1)でS307

S(+2)のくだけるよろいグレンアルマを軸としたパーティは素早さ競争の激化について行くのが難しく、通用しなくなるのでは?というのが初期の予想だった。


②意外にも刺さりが良いイエアルマ
実際にテツノツツミやハバタクカミを使用してみた感想として、イエッサン+グレンアルマが重かった。
理由としては下記。

・特殊技をサイコシードイエッサンの「このゆびとまれ」で吸われると辛い
・全体技もあるが威力は高くない上に、グレンアルマに半減される
・ワイドフォースが普通に痛い(ツツミはタスキないとワンパン、カミもツーパン)
・トリルでの切り返しが辛い

ツツミカミが流行ったとしてもイエアルマはまだまだやって行ける見込みがあると分かったので、引き続き軸とした。


【構築経緯】

①イエッサン+グレンアルマ続投
上記の通り、イエアルマの並びはパラドックス達が流行しても問題なく使えると判断した。
それどころか特殊主体のツツミやカミには非常に強く、テツノカイナやイダイナキバ、テツノドクガの弱点を突けるエスパー技は前以上に環境に刺さっている。


②新たな起動役考察
グレンアルマのじゃくてんほけん+くだけるよろい起動役もせっかくなら一新することに。
コノヨザルで気になっていた点は一度控えに戻った後の仕事が「いのちがけ」か火力の低い「インファイト」ぐらいしかなく、アタッカー性能が低いこと。
またA無振りでもそれなりにAが高いので「とんぼがえり」のダメージも割と大きいことも気になる。

特殊アタッカーでAが低い「とんぼがえり」持ちとしてテツノドクガ、「クイックターン」持ちとしてテツノツツミが新たな候補として浮上した。

それぞれのメリット、デメリットは下記。

■テツノツツミ
○こごえるかぜで素早さサポート+タスキ削りが可能
○グレンアルマをテラスタルさせずに「クイックターン」で弱点を突ける
○持ち物による素早さ上昇なしでも先手を取れる範囲が広い
○ヘイラッシャに強め(水半減+高防御、フリーズドライが飛行や草、ドラゴンテラスにまで一貫)
×技スペースがカツカツで交代技を入れると汎用性が著しく下がる
×アイテムが難しい(ブーストエナジーが一番強いが交代技との相性が悪く、スカーフを持たせた場合固定して強い技に欠ける)
×ハイドロポンプが命中不安
×コンボが有名で読まれやすい

■テツノドクガ
○とんぼがえりのダメージが非常に低い(テツノツツミよりAが低い)
○アシッドボムが超優秀で特殊主体のパーティと相性が良い
○テツノツツミより強い全体技を覚え、一度引っ込んだ後もスイーパーとして活躍出来る
○ブーストエナジーがメジャーな為、初手でブーストエナジーが発動しないことで相手が先制「とんぼがえり」の択を警戒しにくい
(=初見殺しギミックが読まれにくい)
◯炎打点でドドゲザンに強く、テラスタルを誘える(テラス後にワイドフォースが通る場合がある)
×グレンアルマとタイプ、攻撃範囲が少し被っている

今回は初見殺し性能と一度引っ込んだ後の性能を重視してテツノドクガ@こだわりスカーフを採用。


③ハバタクカミ
これも個人的に注目の新ポケモンで、悪に弱いグレンアルマを使う上で重宝するフェアリー打点となる。
ニンフィアとは選択だが、素で速いことや「シャドーボール」でサーフゴーやウインディ等も殴れる点は優秀。
でんこうせっか」での起動が狙えなくなるが、グレンアルマの悪テラス以外の可能性を模索出来るとも言える。

スカーフドクガの「アシッドボム」+ハバタクカミの攻撃で一掃を狙う動きが先発からでも後発からでも非常に強い組み合わせだと感じたので、これも軸の1つとしたい。


④基本選出の課題
ここまでの4匹(イエッサン/グレンアルマ/テツノドクガ/ハバタクカミ)を基本選出とし、残り2匹を色々模索した。

現状の課題点は

(1)Sブーストのトドロクツキ、テツノツツミ入り
(2)ヤミカラスファイアロー入り
(3)イエアルマミラー(+コータスのトリパが特に重い)
(4)悪タイプ全般への打点
(5)壁パーティ
(6)保険起動手段

あたりだったので、これらを解決出来るポケモンの組み合わせを探した。


⑤補完枠の選定と調整
(1)Sブーストのトドロクツキ、テツノツツミ入り
ブーストエナジーを持たせて素早さが上がったトドロクツキやテツノツツミに対しては、スカーフドクガの「とんぼがえり」によるコンボ始動がほぼ不可能になる(上からドクガやアルマを倒されたり「おいかぜ」「こごえるかぜ」を通される為)。
これらのポケモンを上からワンパン出来るポケモンを探したとろ、「インファイト」持ちのすなかきルガルガンが目に留まった。
特にバンギラスルガルガンを並べることで

・トドロクツキの飛行テラスタルへの牽制
・飛行テラスされたとしても追撃の岩技で迅速処理出来る
・悪技/飛行技しかないトドロクツキにそもそもバンギラスが強い
きあいのタスキも自然とケア出来る

というメリットがあり、これらが出て来なかったとしても強い展開を作って行ける。


(2)ヤミカラスファイアロー入り
上記同様先制で「おいかぜ」して来るヤミカラスファイアロー入りについてもコンボ選出・始動が難しい。
しかしながらバンギルガンであればこれらに「いわなだれ」で弱点を突ける為「おいかぜ」を貼られるのと引き換えに数的有利を取って裏で逃げ切るプランを立てやすく、また「おいかぜ」があっても砂ルガンより遅いポケモンも多いので常に「いわなだれ」怯みによる行動不能の可能性を押し付けられる。これはターン数に限りのある素早さ操作に対しては非常に有効だ。


(3)イエアルマミラー(+コータスのトリパが特に重い)
グレンアルマ以外に「ワイドフォース」が一貫しており、自身のグレンアルマもテラスを切るとエスパーを等倍で通してしまう為、イエアルマのミラーが厳しい。特にコータス等の入ったトリル型には一度素早さ優位を取られた場合に耐え凌ぐのが難しかったので対策が欲しかった。
バンギラスは相手のイエアルマの「ワイドフォース」の一貫を切りつつ悪技で一貫してイエアルマの弱点を突いたり「いわなだれ」で「このゆびとまれ」を無視して隣を殴りに行ける(追加効果でトリルを止めに行くことも可能)。
コータスに対しても天候を取れて味方全体の耐久を確保出来、ルガルガンの相方としてだけでなく単体でこれらの役割対象に出して行けるポケモンであることが採用の大きな決め手だった。


(4)悪タイプ全般への打点
バンギラスの「けたぐり」、ルガルガンの「インファイト」で悪タイプへの打点を確保出来るようになり、相手のトドロクツキやバンギラス、ドドゲザン等の処理を狙える。
相手がテラスタルを切って格闘技を受けに来た場合は「ワイドフォース」が一貫するようになる。


(5)壁パーティ
基本選出が全員特殊なので「ひかりのかべ」「ソウルクラッシュ」のオーロンゲ等は結構辛い相手だった。
「アシッドボム」でも一応対策となる側面もあるが、もう少し対策要素を入れないと取り巻きや立ち回り次第では厳しい。
また物理アタッカーを採用しないと「リフレクター」を貼る必要がなくオーロンゲの自由な行動や物理無視の選出・立ち回りを許してしまう。その為補完枠は物理アタッカーを採用したかった。
今回はバンギラスに「りゅうのまい」を採用することでイエッサンの「このゆびとまれ」と併せてある程度の壁対策とすることとした。
イエッサンのぼうじんゴーグルバンギラスのクリアチャームのお陰でオーロンゲ+ウインディモロバレルと言ったサイクルパーティに対して無償で「りゅうのまい」を積み続けて崩しに行けたり、壁ターンを稼げる。


(6)保険起動手段
もう1つぐらいグレンアルマのじゃくてんほけんを自発的に発動する手段が欲しかったので、ルガルガンに「じならし」を採用した。
「アクセルロック」等も選択肢だったが、今回はバンギラスとの並びでより強い動きを狙えたり、素早さ操作サポートが可能な「じならし」に軍配。


これにより補完枠の採用と大体の構成が決まり、現在の6匹の形となった。
以下に個別解説を行う。


【個別解説】

■テツノドクガ@こだわりスカーフ クォークチャージ 草
ねっぷう アシッドボム エナジーボール とんぼがえり

●配分
控え目155-67-81-211-130-162
0-0-4-252-0-252

特にひねらずCSぶっぱ。
最速スカーフコノヨザル入りにコンボを阻止されたくないので、個人的にS157以上はマスト。
スカーフ込みでS(+3)ヘイラッシャより速いことも非常に大事なので、低くてもS146は欲しい。
味方殴りのダメージを抑える為にA0は必須。

●技構成
・ねっぷう
優秀な全体攻撃のメインウェポン。高い特攻からのスイープも強い為、単なるコンボ始動要員以上の活躍を見込める。

・アシッドボム
攻撃しつつ特防を2段階下げられる最強のサポート技。パーティ全体との相性が非常に良く、加速したグレンアルマ、ハバタクカミとの並びで広い縛り範囲を実現出来る。サポート役のイエッサンですら決定力になり得るのは強み。
威力は低めだが攻撃技である為、最悪隣を倒されてもアシボ連打で自身が相手を倒しに行ける点が「うそなき」等との大きな差。

エナジーボール
比較的この枠は自由度が高く色々なサブウェポンを試した。炎単体打点の「オーバーヒート」や「ほのおのまい」、悪を強く意識した「マジカルシャイン」や「むしのさざめき」、イエアルマ対策の「むしのていこう」等を検討し、最終的にヘイラッシャやテツノツツミ、キョジオーン、バンギラス等に通る草技とした。

・とんぼがえり
グレンアルマのじゃくてんほけんコンボ始動に欠かせない技。低い攻撃力でグレンアルマへのダメージを抑えられるのが強い。

●テラスタイプ:草
地面4倍が痛いので地面半減以下のテラスタイプから選び、「エナジーボール」のリーチを伸ばせる草とした。
水も半減に出来るので雨やテツノツツミ等に無理やり抗う選択肢が生まれたり、「キノコのほうし」無効でモロバレルに更に強くなれる。
ヘイラッシャに対して切ると「ウェーブタックル」「じしん」半減となる点も評価。

●持ち物
ブーストエナジーで素早さを上げるにはCをかなり下げる必要がある点、発動後控えに戻ると素早さ上昇がリセットされる為「とんぼがえり」との相性が悪い点からブーストエナジーは不採用。
こだわりスカーフにすることで控え目C特化の火力を維持したままコンボ始動要員になれるのが強み。
技固定のデメリットに関しては元々技範囲が狭いのでゴリ押しに頼ることが多くそこまで気にならない。
むしろブーストエナジーと異なり発動しないことかから初速が読まれず、コンボがバレにくいメリットもある。



■グレンアルマ@じゃくてんほけん くだけるよろい 草
ねっぷう ワイドフォース はどうだん まもる

●配分
控え目169-58-121-194-101-118
68-0-4-252-4-180

・A152(+2)ヘイラッシャのW「じしん」耐え
・A201イダイナキバのW「じしん」耐え
・A191トドロクツキの「じごくづき」15/16耐え
・C189シャリタツのW「だくりゅう」15/16耐え
・C194サザンドラの「りゅうせいぐん」耐え
・C(+2)「はどうだん」で176-121チョッキ砂バンギラス確定
・S(+2)でスカーフ最速コノヨザル(S234)抜き
・S準速ペリッパー抜き

火力を最大にしつつ、「このゆびとまれ」で吸えない全体技を指標として最低限の耐久調整を施した。
素早さは相手のスカーフコノヨザルに怯えずに済む点、素でペリッパーの上を取れる利便性からS118としたが、スカーフシャリタツ抜き程度に留めるのも選択肢の一つ。
S+2で味方のスカーフドクガより遅いことで「アシッドボム」→グレンアルマ攻撃と出来るので、素早さは上げ過ぎないのがコツ。

●技構成
・ねっぷう
タイプ一致全体技。エスパー半減の鋼タイプに抜群を取れるのが強力。

・ワイドフォース
イエッサン♀と組むことでタイプ一致威力120にフィールド補正も乗る壊れ性能の全体技。
「ねっぷう」と異なり命中安定なので、基本はこの技をいかに一貫させるかを意識して立ち回る。本パーティで最も押す回数が多くなる主砲。

はどうだん
エスパー無効の悪タイプへの有効打。特に炎も半減するトドロクツキやバンギラスを意識して採用。ドドゲザンの4倍弱点も突ける。

・まもる
エースとなる為必須。並びを調整して「このゆびとまれ」のサポートや味方殴りからのコンボ起動を待つ。

●テラスタイプ:草
主な役割対象は
モロバレル入り
②寿司
③追風地震(ファイアロー+イダイナキバ)

モロバレル入り
最近増えたモロバレル入りに対して、悪テラス「キノコのほうし」を通されると一気にエースが機能停止になる為、「キノコのほうし」無効の草タイプになりながらじゃくてんほけんを起動することにして対策とした。

②寿司
ヘイラッシャに対して非常に強くなれるのが草テラス。
「ウェーブタックル」「いっちょうあがり」を対面で耐えてくだけるよろいを発動して攻撃回数を稼げる他「このゆびとまれ」無視の「じしん」のダメージを抑えられるため合体前に多少消耗しても問題なく殴り合えるようになる。

地震
イダイナキバやガブリアス等の「じしん」に対しても強くなる。

元の弱点である水・地面を半減にする為相性補完としても悪くない選択で、同様に悪・ゴースト半減になれる悪と遜色ない優秀な耐性テラスだと感じた。



■イエッサン♀@ぼうじんゴーグル サイコメイカー フェアリー
サイコキネシス このゆびとまれ てだすけ トリックルーム

●配分
図太い177-**-128-115-126-91
252-0-252-0-4-0

・HB特化

●技構成
サイコキネシス
半端なサブウェポンで悪タイプを殴るよりも単純な火力を求めてタイプ一致エスパー技。主に合体後ヘイラッシャを削る場合に重宝する。キョジオーンの「ワイドガード」に触れずにキョジオーンを削り切れるのも採用理由の1つ。「アシッドボム」を受ければサポート役とは思えない火力を出せるようになる。

このゆびとまれ
味方のエースアタッカー達の行動回数を稼ぐサポート技。どのアタッカーと並んでも仕事が出来る。
攻撃を自分に引き寄せて倒して貰うことで任意の並びを作れる点も強力。

・てだすけ
味方の全体技の制圧力を引き上げる最強技。

トリックルーム
素早さブーストエナジーや「おいかぜ」へのカウンターだけでなく、ガチトリパに対するトリル返しにも使えて便利な素早さ操作技。

●テラスタイプ:フェアリー
弱点である悪と虫を半減にして無理やり行動回数を稼ぐのが強い場面で使う。使用機会は非常に稀だが、「トリックルーム」をどうしても決めたい場合や、1ターン生存しつつ「このゆびとまれ」を複数回決めれば優位に立てる場合等が当てはまる。

●持ち物:ぼうじんゴーグル
モロバレル入りに対するガンメタとして採用。草グレンアルマとの並びで「キノコのほうし」が両方に通らなくなり、安定して仕事させずに処理出来る。特にドクガアルマの味方「とんぼがえり」からイエッサンを出す動きで、左右どちらにモロバレルの悪テラスタル「キノコのほうし」を撃たれても大丈夫なのが偉い。
また、地味ながらバンギラスと並べた時に耐久が削れずに居座れるメリットもある。



■ハバタクカミ@いのちのたま こだいかっせい フェアリー
シャドーボール マジカルシャイン ムーンフォース まもる

●配分
臆病130-**-76-187-155-205
0-0-4-252-0-252

控え目の火力も魅力だが、環境に数が多い為ミラーで上を取れる可能性を捨てたくないこと、控えめを使っていた頃に陽気の合体ヘイラッシャに上から殴られて負けたことから臆病最速を選択。
ちなみにHP130だと珠ダメ効率が悪いので、決勝大会ではHP個体値の低い129調整の個体にした。
(三次予選を抜けてから急遽友人に厳選依頼した)

●技構成
シャドーボール
通りの良いメインウェポン。炎や毒、鋼と言ったフェアリー耐性持ちに通るのが偉い。

マジカルシャイン
便利な範囲技。この技を高い素早さから放てるのが非常に魅力的。速いニンフィアのような使用感。

ムーンフォース
ワイドガード」を意識して単体技も採用。単純に威力が高いので倒し切りたい時はこちらを使う。

・まもる
大事に扱うため採用。トリパや追風パへの時間稼ぎを考えると優先度は高い。

●テラスタイプ:フェアリー
基本上から殴るタイプのポケモンなので、耐性テラスではなく一致テラスで縛り範囲を拡大出来るようにした。
特に全体技である「マジカルシャイン」を火力強化して制圧する為フェアリーテラス。

●持ち物:いのちのたま
突破力を上げて相手を倒し切りたいのでいのちのたま。
反動が痛いのでフェアリープレートがあれば採用したかった。
ブーストエナジーで火力を上げるのは臆病最速では不可能なのが歯がゆい。



バンギラス@クリアチャーム すなおこし 悪
いわなだれ ダメおし けたぐり りゅうのまい

●配分
意地っ張り175-204-131-**-120-113
0-252-4-0-0-252

・S(-1)最速ガブリアス抜き

ルガルガンの「じならし」や「りゅうのまい」とのシナジーを考えて素早さ振り切り。

●技構成
いわなだれ
全体技でダメージ効率が良い上に追加効果が強過ぎるメインウェポン。

・ダメおし
味方の攻撃後に追撃すると威力が60から120に倍化する点を買ってこの技を採用。「かみくだく」では実現出来ない縛り範囲を獲得し、不意に相手を倒す動きが強い。パーティのアタッカー全員がバンギラスより速くて全体技持ちなので、あらゆる並びから狙いやすい。

・けたぐり
グレンアルマが苦手な悪対策。バンギラスミラー、ドドゲザン、トドロクツキ等に撃つ。

りゅうのまい
壁対策の1つ。無理矢理仕込んでるので通常なら「まもる」が無難。イエッサンとの並びで安定して積みに行ける。
味方が相手を両縛りしている盤面やバンギラスが絶対やられない盤面で使えると非常に強力。

●テラスタイプ:悪
「ダメおし」のリーチを伸ばせる為採用。地面弱点がなくなることで味方「じならし」のダメージも抑えられる。

●持ち物:クリアチャーム
特性「いかく」や「ワイドブレイカー」で火力が落ちない他、ルガルガンとの並びで「じならし」に巻き込んでも素早さが下がらない点が最重要。
この持ち物を持たせることで「じならし」で相手のみ素早さを下げつつ行動出来る為、S169以下のポケモンを一手で上から縛る動きが実現可能となる。
一応飛行テラスでも同様の動きは可能だが、この持ち物ならテラスを切らずに出来るのが利点。



ルガルガンきあいのタスキ すなかき 格闘
いわなだれ インファイト じならし まもる

●配分
意地っ張り151-183-85-**-85-164
4-252-0-0-0-252

・「インファイト」で181-91トドロクツキ確定
・「インファイト」で131-134テツノツツミ11/16で1発(砂ダメ込み確定)
・「すなかき」で最速S(+1)テツノツツミ抜き

意地っ張りでも素早さは足りているので火力重視。

●技構成
いわなだれ
最強の全体技。高い素早さにより上から放てるのでダメージよりも怯みが期待出来る。

インファイト
主に悪タイプを意識した打点。トドロクツキとテツノツツミの弱点を突けるのが優秀。

・じならし
後続へ向けた素早さ操作サポート、バンギラスとの並びでの「ダメおし」コンボ、グレンアルマとの並びでのコンボと用途が多い。

・まもる
狙われやすい為採用。「ねこだまし」等でタスキを削られないことが大事。

●テラスタイプ:格闘
インファイト」の瞬間火力を上げて縛り範囲を拡大する。
「いかく」が入ってもトドロクツキやテツノツツミを縛れる。
地味に「ふいうち」を半減可能になる点も優秀。

●持ち物:きあいのタスキ
特性すなかきは砂ダメージを食らわないという仕様の為何タイプにテラスタルしても自分のタスキが潰れないのは偉い。


【選出/立ち回り】

①鎧アルマ高速ビート
先発:テツノドクガ+グレンアルマ
後発:イエッサン+ハバタクカミ

最大パワーが出る本パーティの基本選出。
何かの拍子でレンタルが表に出ても良いように敢えてチーム名を「すなぐみ」としてバンギルガンを一番上に配置して砂パに偽装していたが、砂はあくまで補完としての採用で基本はこの選出。

味方「とんぼがえり」からイエッサン出し+草テラス「ワイドフォース」で相手を一掃する。
テツノドクガ、ハバタクカミ自体のスイープ性能も高い為ある程度グレンアルマを雑に扱っても息切れしにくい。
「とんぼがえり」で一度控えに戻ったテツノドクガが再度降臨後に「アシッドボム」で更に火力を伸ばすサポートになれたり、「ねっぷう」で自身がスイープを狙える。

ちなみに寿司構築に対しても草グレンアルマがある程度攻撃回数を稼げる為、問題なく基本選出で戦えるのが本構築の強み。
加速したグレンアルマとドクガカミの特殊技ゴリ押しで合体寿司は倒し切れるし、取り巻きに対しても上から制圧を狙える。適宜イエッサンのサポートを挟んで攻撃回数を稼ぐ。
鋼テラスタルやおんみつマントヘイラッシャには注意して立ち回る必要があるが、前者は炎技を通せば良く、後者はたべのこし回復がないので「アシッドボム」に頼らずとも手数で押し切れる。

バンギルガンの選出誘導によりこれら基本選出に弱い格闘タイプや「いかく」持ちが選出されていたり、逆に苦手な素早さブーストのテツノツツミ等が初手に出て来にくい等のシナジーもあり、コンボ成功率は想像よりかなり高かった。


②砂選出
先発:バンギラスルガルガン
後発:イエッサン+グレンアルマ

裏選出。相手にトドロクツキや素早さブーストと思わしきテツノツツミがいた場合(基本選出でコンボが狙えない場合)、バンギルガンの刺さりが良い場合はこの選出。
テツノツツミ程度ならイエアルマでも対処可能なので、バンギルガンの刺さり具合を見て選択したい。

このバンギルガンは「いわなだれ」連打による運ゲーの押し付けよりも「じならし」+クリアチャーム「ダメおし」による数的有利を狙うコンボが強い。
これによりS169以下のポケモンはいきなりバンギラスに先制されて威力120「ダメおし」を食らうことになる。
悪テラスタルで「じならし」の弱点を消して被ダメージを抑えつつ「ダメおし」のリーチを伸ばせる。
具体的には無振りガブリアス(183-115)程度なら確定で倒せる。
Wじならし:28-33
悪テラスダメおし:160-190
合計:188-223

例えばガブリアスを「れいとうパンチ」で狙ってもテラスタルで2倍に抑えられたり半減にされる場合があるが、「ダメおし」は一貫性があり受けられにくい。ウインディ等に交代されても通る。

また、ルガルガンが残った場合は「じならし」からグレンアルマのじゃくてんほけんと「くだけるよろい」の発動へと繋げることが出来るのも面白いポイント。
バンギルガンで雑に削ったり数的有利を取る動きが裏の「ねっぷう」「ワイドフォース」を一貫させる動きに繋がりやすい点、バンギルガンの苦手な格闘を裏でカモれて、イエアルマの苦手な悪をバンギルガンで処理出来る点からもこれらの戦術は互いに相性が良い。


③vs壁パ
先発:イエッサン+バンギラス
後発:テツノドクガ+ハバタクカミ

オーロンゲで壁を貼りつつサイクルを回して来るor積み技を狙って来る並びに対する選出。
ウインディの「いかく」をクリアチャームで無効化出来る点、モロバレルの「キノコのほうし」をぼうじんゴーグルイエッサンで完封している点、サイコメイカーのお陰でオーロンゲの「でんじは」やテツノカイナの「ねこだまし」も無効化している点から相手から妨害をほとんど受けずに「りゅうのまい」を複数積みに行ける。
じっくりとした試合展開になり裏が出る頃には砂は切れているので、後発はルガルガンではなく特殊エース2匹。
バンギの圧力で「ひかりのかべ」を貼る暇を与えずにオーロンゲを処理出来ていればそのまま一掃出来るし、壁があったとしても「アシッドボム」で突破口を開ける。



④vsトリパ(イエアルマコータス系)
先発:ハバタクカミ+グレンアルマ
後発:イエッサン+バンギラス

上記はセカポケ三次予選、ブロック決勝の試合。

ガチガチのトリパ、特にイエアルマコータス入りに対してはバンギラスを出したい。
「ワイドフォース」や「ふんか」が一貫しないように気をつけつつ並びを作って行く。
バンギは裏から投げるのも強いが、初手に出すことで「いわなだれ」怯みでトリルを止めに行く動き、「マジカルシャイン」+「ダメおし」で残数有利を取りに行く動きも強い。
グレンアルマの特性がバレないように立ち回ることでコータスの「ふんか」を躊躇わせる動きも重要。
イエッサンは隙があれば「トリックルーム」返しを狙って行く。
トリルを決められたとしても何とか5ターン凌いでしまえばほぼ勝ちなので立ち回りで頑張る。


⑤vs追風パ
先発:バンギラスルガルガン
後発:イエッサン+グレンアルマ

先制で「おいかぜ」をされるとドクガアルマのコンボは狙えないので別選出。
大体の場合イダイナキバ等が入っているのでバンギルガンは刺さりが悪いが、「おいかぜ」ヤミカラスファイアローを迅速処理して2回目以降の「おいかぜ」を貼らせない点、上からの「いわなだれ」で相手のアタッカーが怯めば一気に有利になる点からこの先発。
裏から出すイエッサンの「トリックルーム」で上手く切り返すか、相手の攻撃でグレンアルマのくだけるよろい発動から「おいかぜ」の切れた相手の上を取りに行ければ勝てる。



* * *



今回の記事は以上となります。最後までお読み下さりありがとうございました。
ご意見、ご質問がありましたらコメントやTwitterに気軽にどうぞ!
ではまた次回の記事でお会いしましょうノシ

【WCS2023】砕ける鎧イエアルマ【S1最終24位】

こんばんは、ユウキです。
ポケモンSV最初の構築記事になります。
今回はダブルランクマッチのシーズン1にて最終24位を記録したパーティを紹介します。

【パーティ】

【コンセプト】

①くだけるよろいグレンアルマ軸
②純正トリパとしての動きも可能
③このゆび+トリルを押さない
④全体技メイン


①くだけるよろいグレンアルマ軸
特性「くだけるよろい」のグレンアルマをエースとしたパーティ。
イエッサン♀+グレンアルマの組み合わせは「このゆびとまれ」+「トリックルーム」の表択を持ちつつ、裏択としてこの「くだけるよろい」グレンアルマによる高速展開を狙えるのが強力。この低速展開・高速展開の両方に初見で対応しきるのは難しく、相反する二択を突き付けられるのは今までにない性能のポケモン
特にランクマッチのようなBo1形式では初見殺しである程度高い勝率を稼げると考え、見た目を純正トリパになるべく寄せた上で「くだけるよろい」グレンアルマを通せる形を目指した。


②純正トリパとしての動きも可能
グレンアルマが「くだけるよろい」を発動させても上を取れない「おいかぜ」系統に対しては素直に「トリックルーム」を通しに行った方が勝率が高い。
その為、サブプランで「トリックルーム」から攻め切る選出もしっかり狙えるように構成することを意識した。
コータスの採用はその最たる例で、見た目のトリパ感を増すだけでなく実際にトリルから攻め切るカードとして非常に有効。


③このゆび+トリルを押さないトリパ
長年トリパを使って来た経験上、初手「このゆびとまれ」+「トリックルーム」から入る動きの弱さを痛感しているため、なるべくこれ以外の動きから入る構築を目指した。
今作から「おんみつマント」の登場で特性「せいしんりょく」以外のトリル要員も「いわなだれ」等の怯みをケア出来るようになり、前作までよりは裏目は減ったとは言え、1匹を犠牲にして素早さ優位を取った所で上手く「まもる」や交代、テラスタルでトリルを凌がれてしまうと釣り合いが取れない場合は多々ある。
今回は下記大きく2通りの動きで強い「トリックルーム」の使い方を目指した。

(A)いのちがけ+トリル
今作から新登場のコノヨザルは「いのちがけ」習得ポケモンの中で過去最高のHP種族値をしており、実数217以下のポケモンを問答無用で1-1交換出来る。
ゴーストタイプなので「ねこだまし」無効で、こだわりスカーフを持てば環境にいるほとんどの相手を上から縛れることになる。
イエッサン♀が隣にいればゴーストタイプは大きな意味を持たないように見えるが、それ以外の出し方(例えば初手コノヨザル+グレンアルマ)でも「ねこだまし」で展開を阻害されないのは非常に優秀。
初手「いのちがけ」+「トリックルーム」の動きは「このゆびとまれ」+「トリックルーム」と異なり下記多くのメリットがある。

・数的不利を取らない(相手の交代先の選択肢を減らして攻め切る可能性を上げられる)
・スムーズに裏のエースを出せる(相手が壁やデバフによる遅延プランを選択してもペースが乱れない)

(B)攻撃+トリル
隣のアタッカーで攻撃技を押しながらトリルを選択する。
ここでは簡略化の為相手の攻撃一発ではこちらのポケモンは倒されず、集中攻撃でのみ倒れるとする。
すると大きく下記3パターンに分かれる。

・トリル役を集中された場合→トリル失敗するがアタッカー生存→グレンアルマ加速コンボへ移行
・アタッカー役を集中された場合→トリルが無償で決まり裏からコータス死に出し→「てだすけ「ふんか」連打へ移行
・攻撃を散らされた場合→両者生存で殴りつつトリル成功して一番お得な展開

特にミソとなるのがトリルが失敗しても第二プランがある所。
トリル成功の為に1匹犠牲にせずとも良いというのが気が楽で、柔軟な試合運びが可能。


④全体技メイン
強い単体攻撃を軸にすると「まもる」の択が面倒で勝率が読みや噛み合いに左右されるので、なるべく全体技を主軸に攻められるようにした。
「ワイドフォース」「ふんか」「ねっぷう」「ハイパーボイス」と言った全体技で効率良く相手を倒して行ける為、上を取る盤面さえ用意出来れば「まもる」やテラスタルの読み合いをある程度放棄して展開出来る。



【戦績】

●ダブルランクマッチ シーズン1
最終24位


【構築経緯】

①グレンアルマ軸
まず軸となるグレンアルマを「くだけるよろい」で採用。
トリルでも運用出来るキャラが加速手段を持つことで、二段構えの素早さ操作で相手の上を取って行ける戦術が強力。
攻撃性能に関してもC125族とかなり高く、じゃくてんほけんを持たせることで更に制圧力が増す。

②相棒にはイエッサン♀
グレンアルマのメインウェポンを「ワイドフォース」にしたかったのでサイコフィールドを貼れるイエッサン♀も採用。
エースを「このゆびとまれ」で守る役割も持てる為単純にじゃくてんほけんコンボとの相性が良い上、今作から「トリックルーム」を習得したので、トリル展開の始動役にもなれる万能サポーター。
イエッサン♀+グレンアルマの組み合わせはこのような相性の良さから鉄板の並びとして高い使用率となっている。

③保険起動役にコノヨザル
グレンアルマのじゃくてんほけんを起動しつつ「ワイドフォース」を全体技で撃とうとした場合、先発で味方に攻撃しつつ裏のイエッサン♀を出したい。
すなわち攻撃と交代を同時に行う技「とんぼがえり」「ボルトチェンジ」「クイックターン」の採用が必要。
これらを使えるポケモンの中でも

・ゴーストタイプで「ねこだまし」無効(初動を邪魔されない)
・スカーフを持つことで環境のほとんどの相手の上を取れる
・環境にスカーフ型以外も存在する(型を一点読みされにくい)
・トリル始動のサポート役にもなれる
・ヘイラッシャ対策にもなれる

という要素から、コノヨザルを採用した。

④トリルエースのコータス
トリルから攻める場合にエースとなれるポケモンを探した際に真っ先に候補になったのがコータス

・トリル下でほぼ最速の遅さ(特にモロバレルより遅い点は重要)
・高威力命中安定全体技の「ふんか」による圧倒的な制圧力
・グレンアルマの炎技強化も可能

という点で噛み合いが良い。

⑤第二エース兼起動役のニンフィア
グレンアルマのくだけるよろい+じゃくてんほけんを発動させる手段は「とんぼがえり」以外にも複数仕込みたかったので探した結果、悪タイプにテラスタルして「フェアリースキン」「でんこうせっか」を撃ち込むコンボに辿り着いた。
ニンフィア自体が下記の通りパーティと噛み合う要素が多々あり、非常に頼れる存在。

・悪タイプに強く、グレンアルマの「ワイドフォース」との相性補完に優れる
・ドラゴンタイプに強く、コータスの「ふんか」との相性補完に優れる
・全体技「ハイパーボイス」で効率良く攻められる
・素早さが遅くトリル下での運用が強い
・「でんこうせっか」コンボが読まれにくい

でんこうせっか」+悪テラスグレンアルマのコンボはシーズン1でカ・エールさんやshulivgcさんも結果を残してレンタルを公開しており今でこそメジャーになりつつあるが、使い始めた当初はあまり広まっておらず相手の考慮外から決められることが多かった。
また、全体技の「ハイパーボイス」を主体とする為相手の「このゆびとまれ」を選ばせにくいのもコンボ成功率向上に貢献している。


⑥第三起動役兼壁対策のエルレイド
最後はここまでアタッカーが全員特殊に寄っており「ひかりのかべ」「バークアウト」「むしのていこう」等に弱くなり過ぎた為、物理アタッカーを探した。
特に壁+ウインディや壁+ウルガモス等の耐久戦術が非常に辛く、じゃくてんほけんを発動させても耐えられてデバフを入れられてしまい押し切れない展開が多かった。
そこで壁対策となる急所戦術を無理なく組み込める物理アタッカーであるエルレイドを採用。

・特性「きれあじ」により素の火力が高い
・ピントレンズ+急所技で50%で壁や「いかく」「てっぺき」等を貫通可能
・相手の悪に強く、グレンアルマの「ワイドフォース」の障害を取り除ける
・「サイコカッター」を味方のイエッサンで強化出来る
・「せいなるつるぎ」でヘイラッシャ等の防御上昇も無視
・味方「かげうち」でグレンアルマのコンボ始動も可能
・「トリックルーム」習得可能な中速アタッカーなのでトリパ感も損なわれず、実際にトリル下運用も強い

これにて綺麗に最後のピースがハマった。
以下に個別に解説する。 


【個別解説】

■グレンアルマ@じゃくてんほけん くだけるよろい 悪
ねっぷう ワイドフォース はどうだん まもる

●配分
控え目169-58-121-194-101-118
68-0-4-252-4-180

・A152(+2)ヘイラッシャのW「じしん」耐え
・A200ガブリアスのW「じしん」耐え
・A200ガブリアスの地面テラスハチマキW「じしん」耐え ※等倍時
・A186バンギラスの「かみくだく」耐え
・C189シャリタツのW「だくりゅう」15/16耐え
・C194サザンドラの「りゅうせいぐん」耐え
・C(+2)「はどうだん」で176-121チョッキ砂バンギラス確定
・S(+2)でスカーフ最速コノヨザル(S234)抜き
・S準速ペリッパー抜き
・S4振りウインディ+2

火力を最大にしつつ、「このゆびとまれ」で吸えない全体技を指標として最低限の耐久調整を施した。
素早さラインはスカーフコノヨザルを抜くかどうかが難しい問題で、味方のスカーフコノヨザルより遅くすることでvs寿司戦で削れたヘイラッシャを「いのちがけ」で倒した後にシャリタツへ「ワイドフォース」を撃ち込む「着地狩り」の動きが可能になる一方で、相手のスカーフコノヨザルに全抜きを止められるストレスが付き纏うことになる。
今回は相手のスカーフコノヨザルに怯えずに済む点、素でペリッパーや耐久ウインディ等の上を取れる利便性からS118としたが、スカーフシャリタツ抜き程度に留めるのも選択肢の一つ。

●技構成
・ねっぷう
タイプ一致全体技。環境に多いエスパー無効ポケモンであるマスカーニャ、ドドゲザン相手に抜群なのが偉い。
専用技の「アーマーキャノン」も非常に強力だが、特攻を2倍にするか「このゆびとまれ」でサポートしつつ行動することを想定している為相手の「まもる」を読まずに効率よくダメージを稼げる全体技の方が良いと判断。
耐久が下がらないのも偉いが、たまに当てたい方に外れるのが難点。

・ワイドフォース
イエッサン♀と組むことでタイプ一致威力120にフィールド補正も乗る壊れ性能の全体技。
前作で登場以来猛威を振るった技だが、今作ではグレンアルマしか覚えない。
「ねっぷう」と異なり命中安定なので、基本はこの技をいかに一貫させるかを意識して立ち回る。本パーティで最も押す回数が多くなる主砲。

はどうだん
エスパー無効の悪タイプへの有効打。特に炎も半減するサザンドラバンギラスを意識して採用。
不採用としていた時期もあったが悪打点があるかないかで選出・立ち回りの幅が格段に異なる為、余裕があれば是非採用したい。
他には「アシストパワー」や「ワイドガード」等も非常に強力。

・まもる
エースとなる為必須。並びを調整して「このゆびとまれ」のサポートや味方殴りからのコンボ起動を待つ。

●テラスタイプ:悪
「とんぼがえり」とフェアリースキンでんこうせっか」が弱点の悪タイプ。
虫弱点だけならエスパーテラスで「ワイドフォース」の火力を増す選択肢もあるが、過剰気味な火力よりニンフィアとの並びでも起動出来るメリットを優先して悪とした。
元の弱点を消せるのが本当に便利で、マスカーニャの「はたきおとす」「ふいうち」、ドドゲザンの「ドゲザン」「ふいうち」、サーフゴーの「シャドーボール」あたりを半減で受けられるのが強かった。
地味に「むしのていこう」でじゃくてんほけんを発動出来るようになる為、サポートウルガモスに対しても一方的に弱体化されないメリットもある。
テラス前は「バークアウト」でじゃくてんほけんが発動する為、「このゆびとまれ」持ちの隣に置く特殊アタッカーの弱点をかなり克服した存在となれる。
イエッサンのサイコフィールドが切れても特性「いたずらごころ」による妨害を受けない点も高速エースとして優秀。

●持ち物:じゃくてんほけん
弱点技で火力が二倍になる。色々な味方殴りギミックを入れており能動的な発動を狙える。
高い素早さからの高火力全体技で相手を一掃する。

●特性:くだけるよろい
物理技を受けた際に防御が1段階下がり、素早さが2段階上昇する。
トリックルーム」も習得する為素早さ操作の二択を迫れるのは革命的。
環境初期は「もらいび」がメジャーだったが、最近はこの強力さに気付いた人が多く「くだけるよろい」使用率が上がっている。
尚、複数回発動も可能な為HPに余裕があれば4段階加速して相手の「おいかぜ」展開に真っ向から無理やり抗うことも可能。



■イエッサン@サイコシード サイコメイカー ゴースト
シャドーボール このゆびとまれ てだすけ トリックルーム

●配分
呑気177-**-128-115-126-81
252-0-252-0-4-0

・HB特化
・S最遅

●技構成
シャドーボール
唯一の攻撃技。マスカーニャヤミカラス等の悪タイプに触れる(タスキをケア出来る)ことを条件としていたのでエスパー技は候補から除外し、悪タイプに強い「マジカルシャイン」も候補に挙がりつつもこのポケモンの火力では微々たるダメージしか出ない為見送り。
自身のエースとなるグレンアルマ、コータスニンフィアが相手のグレンアルマへの打点に乏しい上「ワイドガード」を押されると厄介なので、グレンアルマの弱点を突ける単体技として「シャドーボール」を採用。
ゴーストテラスタルでタイプ一致に出来る為、不意に相手のグレンアルマやラウドボーン等を大きく削ることで崩しに加われるパターンも存在する。
更に味方グレンアルマに撃ち込むことでじゃくてんほけんの起動も出来るため、イエッサン+グレンアルマの並びでのトリル展開時にもスムーズに超火力を押し付けられる。
(ただし被ダメージが大きい為、グレンアルマのHPよりも目先の制圧力の方が重要と判断した場合のみ狙う)
コノヨザルの「いのちがけ」や「インファイト」、エルレイドの「せいなるつるぎ」をスカして来るゴーストタイプへの打点にもなり、これらとの並びで格闘技と重ねることで相手のゴースト交代にある程度保険を掛けることも可能。

このゆびとまれ
味方のエースアタッカー達の行動回数を稼ぐサポート技。どのアタッカーと並んでも仕事が出来る。
攻撃を自分に引き寄せて倒して貰うことで任意の並びを作れる点も強力。
「いかりのこな」と異なり草タイプの攻撃もしっかり据える点はマスカーニャが多いこの環境では重要なポイント。

・てだすけ
味方の全体技の制圧力を引き上げる最強技。トリル下のコータスが無敵になる。

トリックルーム
今作から習得。ただでさえ豊富なサポート性能を持つこのポケモンが素早さ操作まで出来てしまうのだから強過ぎる。
採用理由である「おいかぜ」系統へのカウンターだけでなく、ガチトリパに対するトリル返しにも使えて便利。

●テラスタイプ:ゴースト
イッカネズミ+コノヨザルの対策としてゴースト。「いのちがけ」「ネズミざん」をスカせるので相手の型に依らず安全に展開出来る。
ドレインパンチ」「ふんどのこぶし」コノヨザルに対してもイエッサンが生存している限り攻撃技は「ドレインパンチ」を選択される為、1ターンを安全に買うことで試合を決めきれそうな場面ではテラスタルを切ることも。

●持ち物:サイコシード
登場時に自身の特性発動と同時に特防が1.5倍になる。特殊耐久を増すことで「このゆびとまれ」のサポート回数増加や「トリックルーム」成功率向上が見込める。

●特性:サイコメイカ
サイコフィールドを展開し、地に足の着いたポケモンは先制技が無効となる(味方攻撃時を除く)。
グレンアルマとの相性が非常に良く、「ワイドフォース」の威力増強だけでなく「くだけるよろい」の弱点となる防御ダウンを先制技で突かれる心配がなくなる。
特性「いたずらごころ」による妨害への耐性も得られる。ヤミカラスヤミラミの「さきおくり」等に邪魔されずにトリルエースや高速エースを通せるようになる。



■コノヨザル@こだわりスカーフ やるき 格闘
いのちがけ インファイト ふんどのこぶし とんぼがえり

●配分
陽気217-136-100-**-110-156
252-4-0-0-0-252

先制「いのちがけ」の縛り範囲を最大にする配分。攻撃は抑えて味方グレンアルマの負担を軽減。(A4振りしてもB121悪グレンアルマへの「とんぼがえり」のダメージは変わらない)

●技構成
・いのちがけ
トリル展開時の最強技。面倒な相手を無理やり持っていくことで技の一貫を作れる。
特にテラスタルによる耐性変化の影響を受けない点が最高で、サザンドラバンギラス、ドドゲザン等が格闘耐性を持つテラスタルで凌ごうとしても問答無用で倒せる為、彼らを倒してグレンアルマの「ワイドフォース」を通しやすくなる。
ヘイラッシャ対策にもなれる点が非常に優秀。これまた相手のテラスタイプに左右されない対策である点も重要。

インファイト
タイプ一致で悪タイプの弱点を突けるメインウェポン。純粋にグレンアルマとの相性が良い。技威力のお陰で無振りでも火力が意外と出る。

・ふんどのこぶし
「いのちがけ」無効のゴーストタイプを殴れる。攻撃を食らう毎に威力が50増す壊れ技で、スカーフ型以外ではこの技がメインとなるがスカーフ型ではあまり撃つ場面はない。試合終盤に数的不利を取っていて「いのちがけ」も選べず、味方が2匹以下で「とんぼがえり」も意味がない場合に選択する候補。初撃はタイプ一致で威力75で「とんぼがえり」の70と大差ない為、状況によっては最悪味方グレンアルマを殴る選択肢にもなれる(残り2匹でグレンアルマと並んだ場合等)。

・とんぼがえり
味方殴りによるギミック起動用。隣のグレンアルマを悪テラスしつつじゃくてんほけんを起動し、くだけるよろいを発動する。
そしてそのまま裏のイエッサンに交代することでCS+2のフィールド「ワイドフォース」を一手で放てるのが強い。
実際に綺麗に決まる場面は多くはないが、この動きを警戒させることで相手の選出や立ち回りに制限を掛けられる点も採用価値が高い。
マスカーニャの4倍弱点を突くことが出来、たまにいるタスキ以外のマスカーニャを出オチさせられるのは強い。

●テラスタイプ:格闘
基本は「いのちがけ」で退場するか味方にテラスタルを切りつつ「とんぼがえり」なのでこのポケモンでテラスタルを切る場面は下記を除いてほとんどない。
それが「いのちがけ」を選択せずに生存してテラスタルを温存したまま試合終盤を迎えた場合だが、その場合は何かしらの技で上から相手を倒し切りたいと想定される。
インファイト」か「ふんどのこぶし」のどちらでビートして行く方が多いか考えた際、「ふんどのこぶし」は初撃の威力が50であり全抜きにはかなり手数が掛かることから「インファイト」の方が適していると判断し、「インファイト」選択時の縛り範囲を拡大出来る格闘を選択した。
「ふんどのこぶし」による全抜きを狙う場合は耐性変化で被弾数を稼いで威力UPを狙える鋼や炎が候補だろうか。

●持ち物:こだわりスカーフ
上から「いのちがけ」「とんぼがえり」を撃てる範囲を増やす為のこだわりスカーフ
最速ドラパルトを大きく上回る素早さとなり、こだわりスカーフや素早さ上昇特性のない相手には上から動ける安心感が素晴らしい。

●特性:やるき
元々の役割と配分的にアタッカーとしての性能は期待しておらず、「いかく」を貰っても問題ないため「まけんき」は除外。
むしろグレンアルマに「とんぼがえり」を撃ちたい展開で「いかく」で攻撃が上がると被ダメージが増えるのはデメリットである。
残るは「やるき」と「せいしんりょく」の二択だが、パーティ全体でモロバレルを始めとする催眠技への耐性が不足している点から「やるき」とした。
最近増えている「あくび」ヘイラッシャに対しても仕事を完遂しやすくなる点は大きなメリットだと感じた。
一方で対バンギラスルガルガンで「いわなだれ」怯みに対して運負けをケア出来る「せいしんりょく」も悪くない。
現環境では圧倒的にヘイラッシャの方が多いため「やるき」で良いが、構築の弱点や環境によりカスタマイズ性があるのはこのポケモンの魅力の1つ。



コータス@こだわりメガネ ひでり 炎
ふんか ねっぷう ソーラービーム だいちのちから

●配分
冷静177-**-160-150-91-22
252-0-0-252-4-0

・S最遅

●技構成
・ふんか
HP満タンで威力150の全体技となるメインウェポン。トリル下で先制で撃てれば高い制圧力となる。

・ねっぷう
HPが削れた場合の全体技。非トリル時でも行動させられる。

ソーラービーム
vs水タイプ用。「ワイドガード」の厄介なキョジオーンに対する最高打点でもある。

・だいちのちから
vs炎タイプ用。「もらいび」を持つグレンアルマやウインディコータスミラー等で役立つ。

●テラスタイプ:炎
このポケモンは整地してから殴るポケモンなので純粋に火力を追求した炎。
晴れ+炎テラス+「てだすけ」+こだわりメガネ「ふんか」のダブルダメージでHP振りガブリアスサザンドラすらほぼ一撃。
半減でも関係なく沈める超火力が手に入り、テラスタルによる耐性変化でも凌ぎ切れない。

●持ち物:こだわりメガネ
基本炎技しか撃たない上に一撃で倒し切ることを狙う為、最大限火力を伸ばせるこだわりメガネ。

●特性:ひでり
晴れ状態にして自身やグレンアルマの炎技の威力を増す。
砂や雨パに対して天候を取り返す目的でも使える。



ニンフィア@のどスプレー フェアリースキン 炎
ハイパーボイス テラバースト でんこうせっか みきり

●配分
控え目191-76-90-178-151-87
164-0-36-252-4-52

・HP16n-1
・A162マスカーニャのハチマキ「トリックフラワー」耐え
・A167(+2)ヘイラッシャの地面テラスW「じしん」耐え
・C178ニンフィアのメガネW「ハイパーボイス」255/256で2発耐え
・S4振り65族(ブラッキー等)抜き

火力を最大にしつつ、耐久も非トリル下で動かしても殴り合える程度に。

●技構成
ハイパーボイス
ノーリスクの全体攻撃であるメインウェポン。

・テラバースト
ワイドガード」対策の単体技。それだけなら追加効果が強い「ムーンフォース」も悪くないが、テラスタル時に炎タイプのサブウェポンとなれる点を評価。

でんこうせっか
味方のグレンアルマへのコンボ起動用。単純にタイマン性能が向上し、タスキマスカーニャ等の処理を狙えるのは優秀。ただしサイコフィールドが切れてからでないと地面に足が着いた相手には通らないことに注意。(味方にはフィールド下でも通る)

・みきり
グレンアルマとの並びを作るのに使ったり、単純に狙われやすい為採用。「まもる」でないのは「ふういん」対策。

●テラスタイプ:炎
主にサーフゴーの「ゴールドラッシュ」やミラーの「ハイパーボイス」への耐性獲得を意識。
ついでにマスカーニャの「トリックフラワー」、ドドゲザンの「アイアンヘッド」耐性も。
鋼半減となるタイプの中では水や鋼も視野だが、攻撃面で「テラバースト」でサーフゴーやモロバレルの弱点を突ける点を評価。コータスの晴れとの相性も良い。

●持ち物:のどスプレー
一度「ハイパーボイス」を使うことで火力が上がり、相手を制圧しやすくなる。
特攻を上げることで自身にヘイトを向けさせてからの「でんこうせっか」グレンアルマが強く、うまく行けば火力が上がったグレンアルマ+ニンフィアの並びで一気に試合を持って行ける。



エルレイド@ピントレンズ きれあじ
サイコカッター せいなるつるぎ つじぎり かげうち

●配分
意地っ張り159-194-86-**-136-116
124-252-4-0-4-124

・HP16n-1
・A200ガブリアスの地面テラスW「じしん」耐え
・A182ガブリアスのハチマキW「じしん」15/16耐え
・C147ペリッパーの「ぼうふう」15/16耐え
・C194サザンドラの珠「りゅうせいぐん」14/16耐え
・C203サーフゴーの鋼テラス珠W「ゴールドラッシュ」耐え
・C203サーフゴーの「シャドーボール」15/16耐え
・S無振りウインディ抜き116
・S準速バンギラス+3

壁パや砂パとのマッチングを意識した素早さ調整。

●技構成
・サイコカッター
急所に当たりやすいメインウェポン。特性で威力70→105に強化される上にサイコフィールドで更に強化される為非常に高威力。
自身の持つ格闘技を半減するモロバレル等の弱点を突けるのが優秀。

せいなるつるぎ
特性込みで威力135と「インファイト」以上の威力になるのに反動もない壊れ技。
急所率は普通だが、相手の能力上昇を無視する追加効果のお陰で「てっぺき」やヘイラッシャの合体に強い。

・つじぎり
メインウェポン2つを半減以下にするサーフゴー、ヤミラミエスパータイプ全般への打点となるサブウェポン。
特にパーティ単位で打点不足気味なグレンアルマに対する貴重な有効打。
こちらも急所率が高い上に特性で威力105になり、強力。

・かげうち
タスキのケアに便利な先制技。
味方グレンアルマのじゃくてんほけん+くだけるよろいコンボを先制で起動出来るのが便利。

●テラスタイプ:鋼
アタッカー性能は充分ある為、行動回数を確保したい場合に使えるテラスタイプを選択。
主に「このゆびとまれ」で防げない「ゴールドラッシュ」「ハイパーボイス」「ワイドフォース」への耐性、バンギラスの「テラバースト(飛行)」への耐性を意識して鋼とした。
「まもる」不採用の為盤面に維持するのが難しいが、耐性変化を駆使して生存出来る場面が増える。

●持ち物:ピントレンズ
「サイコカッター」「つじぎり」の急所率が1/8→1/2まで上昇。
瞬間火力が低いサポーターや積みアタッカーが多めの壁パーティに対しては「このゆびとまれ」サポートを受けて充分に試行回数を稼いで突破が狙える。

●特性:きれあじ
今作からの新特性。切る技の威力が無条件で1.5倍となる壊れ特性で、元々の高い攻撃種族値と相まって想像を遙かに上回る火力を手にした。
他にも「アクアカッター」「リーフブレード」等、対象となるサブウェポンが充実しており選択肢が多い。


【選出/立ち回り】

●高速始動選出
先発:コノヨザル+グレンアルマ
後発:イエッサン+コータスorニンフィア

初手で悪テラスした味方グレンアルマに「とんぼがえり」を選択し、イエッサンを出すことで初動で実質S234からのC194(+2)サイコフィールド「ワイドフォース」を相手全体に撃ち込める。
この動きが分かっている相手は大きなプレッシャーを受けてこれをケアした行動することになる為、そこを突いて有利な展開を作れる。
相手が隙を見せた場合はそのまま上から相手2匹を倒してイエッサン、グレンアルマが生存し、次ターン「このゆびとまれ」で援護しつつ再度攻撃すればあっという間に4タテが決まる程の爆発力があるコンボ。
実際は相手が何とかしてグレンアルマを倒しに来るが、その場合は相手を大幅に削った上でイエッサンが安全に着地しておりコノヨザルも無傷の為、「いのちかげ」+「トリックルーム」によるスイッチトリル展開へ移行出来る。
全体技を持つコータスニンフィアはトリルエースとしても優秀だが、トリルしない場合においても役に立つ。
コータスは晴れでグレンアルマの「ねっぷう」の威力を増せる為初手で「ワイドフォース」ではなく「ねっぷう」を選んだ場合の交代先候補になれる。
ニンフィアは「でんこうせっか」でグレンアルマのじゃくてんほけんを起動出来るため、コノヨザルで「いのちがけ」を選ぶことも可能になる。
上から、下からの柔軟な展開を場合によって選んで行けるのがこのパーティの強み。

(参考動画)
youtu.be


●ガチトリル選出
先発:コノヨザル+イエッサン
後発:コータス+グレンアルマorニンフィア

トリル下のコータスで制圧出来そうな場合の選出。
主に「おいかぜ」系統はアタッカーが多く全体的に耐久が低い為、炎テラス「ふんか」が受からない場合が多い。
とつげきチョッキ持ちでなければ半減程度ではガブリアスサザンドラウインディ等がいても貫けるため、天候を奪う手段や壁がなければこの選出が可能。
初手で「ちょうはつ」等を持っていそうな方や「ふんか」を耐えそうな方に「いのちがけ」をしながら「トリックルーム」をし、コータスを死に出し。
後は適宜「てだすけ」や「このゆびとまれ」をしつつ炎テラス「ふんか」で相手を一掃する。
グレンアルマがトリル終盤~終了後に相手と殴り合える性能をしており、相手の最後が物理アタッカーならトリルが切れた後もくだけるよろいで上を取って倒し切れるのが偉い。
ニンフィアコータスが倒しにくいドラゴン勢に強めで、耐久も高く「でんこうせっか」もある為最後の詰めの駒として優秀。


●中速選出
先発:イエッサン+ニンフィア
後発:グレンアルマ+エルレイド

このゆびとまれ」+「ハイパーボイス」でダメージを効率良く稼ぎつつタスキ削り。
通りが良ければニンフィアだけで数的有利を狙える。
イエッサンが倒れたらグレンアルマを死に出しし、悪テラス+味方「でんこうせっか」で「くだけるよろい」+じゃくてんほけん発動。一気に上からの「ねっぷう」or「ワイドフォース」で一掃を狙う。

相手にサーフゴーやウインディウルガモス等がいて「ハイパーボイス」の通りが悪いまたはニンフィアの行動に不安が残る場合はエルレイドを先発させ、後発にニンフィア
グレンアルマの刺さりが良く、全体技でグレンアルマを倒されそうにない場合は先発からイエッサン+グレンアルマとしても良い。
いずれにしても「このゆびとまれ」によるサポートでアタッカーの攻撃回数を稼ぎつつ先制技+グレンアルマの並びに繋げて行くプランは同じ。

いかにして最終的に「ワイドフォース」を一貫させるかを考えて試合運びをする。
事前に悪タイプを処理したり悪タイプにテラスタルを切らせること、きあいのタスキ等を削ることが重要。
ニンフィアエルレイドも対面した悪タイプを処理するかテラスを切らせやすいポケモンなので、相性が良い。
逆にグレンアルマやエルレイドのエスパー技を警戒して悪テラスを切った相手を後から「せいなるつるぎ」や「ハイパーボイス」で回収する動きも可能で、これらのアタッカー達の攻撃範囲の相性が非常に良い。

また、相手に「おいかぜ」要員がおり上からの制圧が厳しい場合やトリルの刺さりが良い場合はトリルから攻めて行くプランもある。
この時、攻撃技とトリルを同時に押すことでトリルが通ればトリル下の低速アタッカーで制圧、イエッサンが集中されてトリルが通らなかった場合はグレンアルマによる高速展開へとプランを柔軟に切り替えて行けるのが本選出の強み。


●vs寿司
先発:コノヨザル+グレンアルマ
後発:イエッサン+ニンフィア

味方「とんぼがえり」+悪テラス「ワイドフォース」を択の1つとして押し付けつつ展開。相手はそれをケアした行動(ウルガモスの「いかりのこな」やグレンアルマ方向集中等)をする為、こちらはグレンアルマとコノヨザルを大事にしつつ数的有利を狙う。
特にコノヨザルは相手のヘイラッシャ合体まではHPを温存したいので、安全に「とんぼがえり」を決められそうにない場合はグレンアルマ「まもる」+イエッサン退き。
相手の選出は寿司以外の2匹を先発にしていることが多いので、「このゆびとまれ」と全体技を駆使して相手の2匹を先に倒してから寿司を引きずり出し、「ワイドフォース」+「いのちがけ」で処理する。事前にグレンアルマが加速出来ていると展開が楽。
最後はニンフィアでシャリタツを倒して勝ち。

(参考動画)
www.youtube.com


●vs壁パ
先発:コノヨザル+エルレイド
後発:イエッサン+グレンアルマ

コノヨザルの「いのちがけ」でオーロンゲを即処理して「リフレクター」しか貼らせず、裏のグレンアルマを通しに行く。
エルレイドが50%で「リフレクター」や「いかく」を貫通してくれる為、イエッサン+エルレイドで「このゆびとまれ」をしながら殴っているだけでも勝ってしまう場合すらある。
グレンアルマは「かげうち」によるじゃくてんほけん起動を狙いたいので、序盤から行動回数確保の為エルレイドにテラスタルを切っても良い。


●vs雨/砂パ
先発:コノヨザル+ニンフィアorエルレイド
後発:グレンアルマ+コータス

天候要員が初手で出て来ない場合はコノヨザルの「いのちがけ」でさっさと相手の頭数を減らして天候合戦の交代先を減らす。
出て来た場合はコータスに下げつつ相手の「すいすい」要員等の高速エースを「いのちがけ」で倒す。
高速エースを潰して天候を奪取してしまえばグレンアルマで制圧を狙える。
相手の高速枠がルガルガン、カジリガメのような全体技持ちの場合はこれが良いが、フローゼル等の単体技持ちの場合はイエッサンの「このゆびとまれ」を駆使して処理を狙ったり、「トリックルーム」を狙うプランもあり。
ただしペリッパーの「ワイドガード」には注意が必要。「ワイドガード」読みの単体技を駆使して崩したい。



* * *



今回の記事は以上となります。最後までお読み下さりありがとうございました。
ご意見、ご質問がありましたらコメントやTwitterに気軽にどうぞ!
ではまた次回の記事でお会いしましょうノシ

【WCS2023】寿司から考察する最新ダブル環境

こんにちは、ユウキです。
シーズン1お疲れ様でした。私はダブルで最終24位を取れました!目標としていたリバティノート掲載圏内で嬉しいです。
今シーズンのダブルランクマはシャリタツ+ヘイラッシャの寿司祭りでしたね。
リバティノートさんが纏めて下さった上位30人のパーティを見ても非常に多かったので、上位で使われていたシャリタツ+ヘイラッシャの型を見ることでシーズン終盤の環境を分析・考察してみました。


トップメタのトレンドを知ること、それすなわち環境を知ること。

それでは下記目次よりDondozo!


★目次

【S1上位30名の型まとめ】

①ペンギン 1位 黄シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 龍 てんねん
ウェーブタックル いっちょうあがり(黄) みがわり まもる
意地227-165-136-73-86-87

②ぶん 5位 黄シャリタツ ※よびみず
■ヘイラッシャ@たべのこし 草 てんねん
ウェーブタックル こおりのキバ あくび まもる
意地225-167-135-76-86-87

③バヤシ 6位 橙シャリタツ ※よびみず
■ヘイラッシャ@たべのこし 草 てんねん
ウェーブタックル じわれ あくび まもる
呑気243-120-165-85-117-49

④さしす 7位 赤シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 飛 てんねん
ウェーブタックル テラバースト あくび まもる
意地241-160-136-76-86-77

Suica 8位 黄シャリタツ ※よびみず
■ヘイラッシャ@たべのこし 飛 てんねん
ウェーブタックル いっちょうあがり あくび まもる
陽気240-143-135-76-85-90

⑥ね 9位 黄シャリタツ ※よびみず
■ヘイラッシャ@たべのこし 妖 てんねん
ウェーブタックル じわれ あくび まもる

⑦たっぴー 14位 黄シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 飛 てんねん
ウェーブタックル テラバースト ねむる まもる

⑧アルタ 18位 赤シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 飛 てんねん
いっちょうあがり(赤) ボディプレス ねむる ねごと
腕白241-120-183-68-102-55

cobalt 19位 赤シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 鋼 てんねん
ウェーブタックル じわれ あくび まもる
慎重257-120-136-65-128-55

⑩たくまる 22位 黄シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 鋼 てんねん
ウェーブタックル ボディプレス ねむる まもる

⑪じーん 30位 赤シャリタツ
■ヘイラッシャ@たべのこし 鋼 てんねん
ウェーブタックル あくび ねむる まもる


【分析結果】

①特性「てんねん」は固定

判明している中では100%のヘイラッシャの特性が「てんねん」だった。
今更説明不要かもしれないが、一応解説する。

「てんねん」は相手の能力変化を無視出来る特性。
今回の結果を見れば分かるようにヘイラッシャがここまで多い環境だとミラーを意識せざるを得ない為、一方的にミラーで不利を取らないように自ずと「てんねん」選択となる。
自身が能力上昇による数値の暴力を押し付けるポケモンなので、相手の積み技による突破を許さないのは非常に嚙み合っている。
注意点としては相手の能力下降も無視してしまう為、通常はデメリットとなる「りゅうせいぐん」の特攻ダウンが実質なくなり連打を許す点、「インファイト」等の耐久ダウンに対しても与ダメージが増えない点あたり。
ミラーがあまりない環境であれば「いかく」へのカウンターとなる「どんかん」も強いが、ここまで多いと流石に選択肢には入らないだろう。
そうなると逆に「いかく」を回すことでヘイラッシャの火力を削ぐ対策法も可能、ということは覚えておきたい。
(ただし火力を削いでも耐久は高いままなので結局「じわれ」等が怖い)

②持ち物「たべのこし」も固定

毎ターン1/16のHPを永続で回復するアイテム。
BD+2と併せて場持ちが良くなり、メインウェポンの「ウェーブタックル」の反動で減ったHPも取り戻せる為相性が良い。
特に「まもる」の採用率も今回技構成が判明している中では10/11と多く、チマチマと回復を挟む動きが可能。
次いで採用の多い「あくび」との相性も抜群で、今回判明しているTOP30の100%は「たべのこし」持ちだった。
「ねむる」採用の場合でも「カゴのみ」で1回即起きするよりも素眠りや「ねごと」のターンにも回復して確定数をズラして行く方が強力と考える人が多い。

③「あくび」採用が多い

直近のトレンドと感じたのは「あくび」入りの増加。確認したところ実に7/11が「あくび」採用だった。
集計結果にも表れているが、特に最終日付近、上位で多く見かけた。
特に合体の有無に関係なく強く使える汎用性が最大の採用理由で、後述するヘイラッシャ単体選出のパターンで活躍する技。
「よびみず」シャリタツ入りの中では4/4と100%が「あくび」採用型。
ヘイラッシャを単体で動かす際(合体前に素で動かす場合、そもそも合体しない「よびみず」シャリタツ入りの場合の双方)において相手の任意のエースアタッカーの動きを止められる為、味方のアタッカー達の行動補佐となる。

④「じしん」採用個体0

これは割と面白い結果だった。
「じしん」は相手2匹に命中する為、一度に2匹を相手しなければならない合体ヘイラッシャとは相性の良い技という認識だ。ついでに味方を巻き込むという唯一のデメリットもシャリタツが隣の場合踏み倒せる上、良くパーティに同居しているニンフィアの「ハイパーボイス」やサーフゴーの「ゴールドラッシュ」による全体技ビートとも相性が抜群だ。
しかし上位では採用個体が存在しなかったのは何故だろうか。少し理由を考えてみる。

そもそもヘイラッシャの技構成は下記がテンプレ化しており、実質4枠目以外はほぼ決まっている。

1.ウェーブタックル:メインウェポン。ほぼ固定
2.まもる:たべのこし回復を挟んだり、シャリタツ以外と並べた際の動きの幅を増やす為にほぼ固定
3.あくび:最近のトレンド。単体性能が光る。

そして4枠目に求められる技の性質を探っていくと「勝てない相手に勝てるようにする技」が欲しいと考えられる。
実際に上位30位の技構成を分析してみると、4枠目に採用されている技は下記の通り。

いっちょうあがり(S上昇):従来は不利なマスカーニャ等を抜けるようになる。対ドラゴン打点
みがわり:テラスを切らずともモロバレルの「キノコのほうし」「クリアスモッグ」対策になる。「じわれ」にも強い
こおりのキバ:従来は不利なマスカーニャモロバレル、ドラゴン勢等への打点。テラス不要がメリットか
じわれ:ミラーで強くなれる。単体性能も上がる
テラバースト(飛):従来は不利なマスカーニャモロバレル等への打点。「じわれ」を無効化出来る
ねむる:ミラーを始めTODを仕掛ける際に強く、ミラー意識の「どくびし」等で崩されない

ここで差が出てくるのが、「じしん」は「勝てない相手に勝てるようにする技」ではなく、「勝てる相手に楽に勝てるようになる技」であること。
「まもる」択を回避して安定した打点をノーリスクで叩き込めるのは魅力的だが、この技がなくともしっかり合体して盤面を作れれば問題なく勝てるのだ。ランクマッチで最上位を目指す上では従来勝てない相手への対抗策を優先すべきであり、結果として「じしん」は不採用となったと推測される。

最上位を狙う必要のないランクマッチ序盤や、限られた試合数で格下相手に取りこぼさないことの重要性が増すインターネット大会では逆に「じしん」にも強みがあると思われる。状況に応じて技の採用価値が変動するのは興味深く、技構成から環境を窺い知れる。

⑤陽気ヘイラッシャはほぼいない

性格は意地っ張りが多く、その他腕白や慎重で耐久重視の育て方もある。
意地っ張りの場合はASベースのアタッカーがメインとなっている。
陽気個体は今回観測した限りでは1匹のみで、その1匹も最速ではない上に合体ヘイラッシャではなかった。
つまり合体ヘイラッシャは素早さに上昇補正は掛けないことが多い為、高速アタッカーでの切り返しを考える場合はまずはS87*2=174以上を指標とすれば良さそう。
(ただし「いっちょうあがり」による加速も考慮しなければならない。S87*2.5=217が次の目安)

ミラーが多い割に最速が多くない、というのは過去の例から見ても割と珍しい現象だ。
トップメタでミラーが多発するようなポケモンはなるべく先手を取りたい為素早さ競争が激化して行き、最終的に最速ばかりになるのがお約束だが、ヘイラッシャは現状そうはなっていない。
これはミラーでの決着方法を考えた場合に、先に動ける=有利とならない場合も存在する点が大きいだろう。
数的有利を取ってからのTODを狙う場合は「みがわり」「まもる」型なら上を取るメリットは大きいものの、それ以外なら耐久を重視した方が良い場面もある。残り匹数が同数でHP割合勝負に持ち込む場合は相手に「じわれ」がないor飛行テラスでケア出来ているのであれば後攻で「ねむる」を選べた方が有利だ。
そもそもお互いの打点が不足しているミラーなので迅速な処理が難しく、先手を取る旨味はそこまで多くない。
更に従来のダブルバトルではそのポケモン同士の有利不利だけでなく「先に相手の隣を殴れるかどうか」で縛り関係に影響が出る側面があったが、合体ヘイラッシャミラーは純粋なシングルバトルとなってしまう為そこを考慮する必要もない。
また、意地っ張りと陽気で抜ける相手がそこまで差がないと言うのも大きいかもしれない。準速では抜けなくて最速にすると抜けるようになるポケモンは環境にいる中ではイッカネズミ、ゲンガー、ルガルガン(昼)くらいしかいない。どうせルガルガンは「すなかき」なので、陽気が活きる場面は少ないように見える。(ゲンガーの「くろいきり」より先に動けるメリットは大きいが、襷を潰せていないと結局動かれる)

こういった理由から今後もヘイラッシャの素早さ競争の激化は緩やかに加速して行くか、このまま横ばいとなるものと思われる。

⑥シャリタツはほぼスカーフ型

全11匹中10匹がこだわりスカーフ型だった。
これは他のアタッカーと並べた際の「こごえるかぜ」によるサポート性能、上から殴れる範囲が広くなることで上昇するタイマン性能を評価してのことだろう。

■シャリタツこだわりスカーフ
りゅうせいぐん だくりゅう こごえるかぜ @1(りゅうのはどう、ねごとetc)

基本的に上から「こごえるかぜ」を通すことで味方の中速アタッカー達の素早さサポートを行うのが中心。
特に強力なのはサーフゴー@こだわりメガネとの並び。上から鋼テラス「ゴールドラッシュ」を通せると一気に数的有利を取れる。
他にもカイリュー@こだわりハチマキも相性が良く、同居していることが多い。

⑦よびみずシャリタツが案外多い

11中4匹が特性「しれいとう」ではなく「よびみず」シャリタツだったのは非常に驚き。
特性が異なることで、下記のように運用上の差が生まれる。

●「しれいとう」シャリタツ
・ヘイラッシャと並べると合体出来る
・ただしヘイラッシャと同時選出時、合体前に動かした際にうっかり失ってしまうと後ほど単体でヘイラッシャを出す羽目になり、ゲームプランが崩れるおそれがある
=強気な技選択がしにくい
・シャリタツ+何かの並びから何か→ヘイラッシャ交代でシャリタツ方向の攻撃を無効化出来る動きが強い

●「よびみず」シャリタツ
・最初から合体しない想定なので、仮に失ってもゲームプランが崩壊しない
=序盤から強気に動かせる
・ヘイラッシャと同時選出時に横に並べても合体してしまわない為、立ち回りに幅が出る
・上記「合体でシャリタツ方向の攻撃をスカす」択を相手が意識して攻撃されにくい
=結果的に捨て気味に動かしても倒されず、アドを取れる場面が増える
・「こごえるかぜ」だけして即倒されても後続のアタッカーを並べられる為強い盤面を維持出来る
=相手目線は「リスキーな択を通して合体阻止した!有利!」と思うがこちら目線は問題になりにくい
・相手の水技を吸える(vsヘイラッシャ、イルカマン、雨パ等で役立つ可能性あり)

このように従来とは異なる動きでアドバンテージを取れる場面は多々あり、上位帯でも刺さっていたことが結果から伝わって来る。
また、「よびみず」シャリタツの場合はヘイラッシャは合体が出来ずに単体で戦うことになるが、構築段階で単体で出す前提の型選択をしている為全く問題ない。
今回「よびみず」シャリタツを採用していた4人中4人が「あくび」型ヘイラッシャの採用となっており、合体せずとも高い耐久から盤面コントロールをするカビゴンのような使い方をしていた。ヘイラッシャミラーでもこちらだけ2匹を並べつつ相手の能力上昇を無視した「あくび」「じわれ」で戦って行ける。

⑧シャリタツの色は黄>赤>橙

採用されているシャリタツの色の傾向にも注目すると、黄:6、赤:4、橙:1の順に多かった。
色によって異なるのは「いっちょうあがり」の追加効果。それぞれ下記の通りとなっている。

黄:素早さUP
赤:防御UP
橙:攻撃UP

素早さUPが対戦に及ぼす影響が一番大きく、加速することでマスカーニャやドラパルト等の従来は抜けない相手も抜けるようになる。
実際に「いっちょうあがり」を採用しているかいないかにかかわらず、選出段階で相手に択を押し付ける性能では黄色が最も強力と言え、採用数もそれが反映された結果となっていると思われる。

次いで多い赤は防御UPだが、要塞化を狙える上に「ボディプレス」との相性が良い。実際に採用しているアルタさんの型は、対物理性能は他の追随を許さない。
ちなみにB183(+2)の「ボディプレス」はA244「インファイト」と同等の火力指数であり、そんな技をデメリットなく連打したり、「いっちょうあがり」で耐久を上げつつ火力を増して来る動きまであるのだから恐ろしい。

橙に関しては攻撃UPはあまり必要な場面がなく、「じしん」同様に「勝てる相手に楽に勝てるようになる技」という側面がある為、相手に警戒させるメリットも少ないことから採用数は少なかったと考えられる。

⑨ミラーの回答から見るメタゲーム

今回印象的だったのは上位勢が寿司ミラーをどう勝つプランを取っているか、というのがある程度可視化された点。
以下のメタ要素がすくみ関係となっている。
(毒はねむるに弱く、ねむるはじわれに弱く、じわれは飛行テラスに弱く・・・)

●毒
・「どくびし」マスカーニャ
・「どくびし」「どくどく」「キラースピン」「どくげしょう」キラフロル
これらの要素は状態異常対策がないヘイラッシャに対して非常に有効で、うまく刺せばある程度のマッチを取れる。
更にミラー以外でも高耐久+たべのこし「まもる」ヘイラッシャとのシナジーがある為、純粋に構築パワーの底上げになる。
最終1位のペンギンさんが「どくびし」マスカーニャを使用していたので今後増える&認知が広まるだろう。

●ねむる
上記毒を始めとした状態異常での対策を許さない。素眠りになるが高耐久のヘイラッシャなら成立する。
ただしシャリタツが「どくびし」を踏むと合体後にターン経過で勝手に倒れてしまい、数的不利を取る可能性があることに注意。

●ラムシャリタツ
上記「どくびし」を踏んだシャリタツが合体後に勝手に倒れる展開を阻止する型。
ヘイラッシャが倒されたターンにシャリタツが無防備になり「キノコのほうし」をされても次以降行動出来る点、ミラーでヘイラッシャの「あくび」型に強く出られる点が偉い。
じーんさんが使用しており、今後「どくびし」「あくび」が増加するのであれば増えてもおかしくない。

●じわれ
浮いていない&「みがわり」のないヘイラッシャに有効。ミラーは行動回数を稼ぎやすいので採用していればほぼ当たるまで撃てる。

●飛行テラスタル
上記「じわれ」による対策への回答。同時に「トリックフラワー」半減、「テラバースト飛行」で草タイプの処理を狙える為人気。
先にテラスタルしておくと「どくびし」を踏まなくなるのも面白い。


【参考】

liberty-note.com





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今回の記事は以上です。最後までお読み頂きありがとうございました。
思った以上に得られる情報が多く、自身の勉強になりました。
情報を公開して下さったトレーナーの皆さん、纏めて下さったリバティノート様、ありがとうございました。
それではまたノシ