ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【チャンピオンリーグ】ステロあくび+エース

こんばんは、ユウキです。
WCS期間はダブルに専念していたので、久し振りにインターネット大会に参加しました。
ガチで魂を削って戦う「競技」としてのポケモンも好きですが非常に疲れるので、今回は「趣味」として純粋に楽しむことを目的に、私が大好きな「やりたいことを通す」系のコンセプトパーティを使いました。
初めて使うポケモンも多く、学びが多かったので記事にします。


【パーティ】



【環境考察】
まず、使用可能ポケモン一覧を見た時に感じたこと。

①ゴースト、ドラゴンの通りが良い
ゴースト無効のノーマルタイプはバッフロンの1種のみ
ドラゴン無効のフェアリータイプはトゲキッス、メレシー、サーナイトの3種のみ
悪、鋼の数も多過ぎず、ゴーストとドラゴン両方を半減する複合タイプもいない
→ドラパルトが通りやすい


②あくびの通りが良い
一致「ダイサンダー」が撃てるのはサンダースとレアコイルのみ
一致「ダイフェアリー」が撃てるのはトゲキッスとメレシー、サーナイトのみ(キッスは浮いてるので寝る)
→「あくび」が通りやすい


③飛行タイプ(=「ダイジェット」)が強い
トゲキッスギャラドス、エースバーン等は一度隙を見せると止まりにくい
全体的に上を取る手段に乏しい環境なので単純に「ダイジェット」エースが強い
→ダイジェットエースへの切り返し手段が欲しい

このあたりを念頭に置きつつ使ってみたいポケモンをぼんやりイメージしたら並びやコンセプトが見えて来た。



【コンセプト】
①ステロあくび+積み
環境に「あくび」の通りが非常に良いことから、構築の軸とした。
「あくび」自体を強い行動にする為、事前に「ステルスロック」を撒くこともすぐに確定。多くのダイジェットエースに抜群で入るため、ダイマックス前にHPを削って処理を狙いやすくなる。
初手「ステロ」→2匹目で「あくび」連打から最後のエースに繋げ、隙を見て積み技からの全抜きを狙う。


②あくびサンダース
ステルスロック役は飛行半減+「がんせきふうじ」or「でんじは」でダイジェットの起点にされにくくしたものの、上手く立ち回られると1加速まで許す可能性は十分にある。
その場合でも切り返せるように、はやあしサンダースを採用。
アタッカーとストッパーの役割を兼ねつつ、自らは相手の「あくび」の一貫を切りつつこちらだけ一方的に上からの「あくび」を押し付けられる。


③「あくび」からの安定行動
サンダースが上から相手に「あくび」を入れたターンに倒された場合、裏のエースポケモンが次のターン取る行動が難しい。

(A)目の前の相手が「でんじは」等の起点回避手段を持たず、非ダイマックス状態のこちらのエースをワンパン出来ない
→基本的には積み技を狙える場面だが、HPを削られ過ぎるとダイマックス性能が下がるリスクも

(B)起点回避手段があるorダイマックス技で無理やりワンパンされる可能性がある
→相手が退くなら積みたいが、居座りを考えるとダイマせず積むリスクが大き過ぎる。ただし相手の居座りを考慮して次のターンに寝るポケモンダイマ技を撃つのも強い行動ではない。「ダイウォール」して相手が交代していると超アド損だし・・・

上から死に際「あくび」を入れただけではこちらのエースの安定行動がないため、強い展開が出来ない。
この不毛な択を回避するため、「みがわり」ドラパルトを採用。
これにより相手の居座りor交代の両方に対して安定してアドが取れる。


(1)相手が居座りを選んだ場合
「みがわり」は壊れるが次ターンに寝ている相手の前でフリーで動ける。
相手が居座り続けるなら眠りターンによっては2ターン以上のリターンが得られるのが強い。

(2)相手が交代した場合
「みがわり」が残るため交代先に連続技や「すりぬけ」等の「みがわり」貫通手段がなければ「みがわり」を盾に1ターンフリーで動ける。



【構築経緯】
①ステロ要員1
最初に採用したのはアマルルガ

・霰で相手のがんじょう、タスキをオートで削れる
オーロラベールで壁も貼れる
・火力が高い
・飛行タイプ全般に強い
・ドラパルトに対面勝てる
・「ウェザーボール」サンダースを強く使える


②ステロ要員2
次に補完のステロ要員としてエアームドアマルルガが出しにくい時に代わりに先発を務める。

・タスキを使わず行動保証がある
アマルルガの苦手なメタグロスバンギラス、「ねこだまし」ゴリランダーに強い
・ちょうはつを覚える(相手の展開を阻止出来る)


③あくび要員1
主にアマルルガの相方を想定してサンダースを採用。

・火力と素早さがあるため単なる起点作り要員で終わらず残数を減らせる
・かえんだま+はやあしでダイジェットエースを切り返せる
・霰が降っていれば地面に打点を持てる
・上からの「あくび」でドラパルトに繋げられる


④あくび要員2
エアームドの相方を想定してトリトドンを採用。

・ダイサンダー無効の「あくび」要員
・起点作りに特化した性能でエースへ繋げる能力が高い
エアームドとの縦の相性が抜群
アマルルガが誘う鋼タイプに強い
・よびみずで「ダイストリーム」牽制(「オーロラベール」対策の対策)


⑤エース1
「あくび」から繋ぐエースとしてドラパルトを採用。

・死に際「あくび」→上からの「みがわり」が安定
・「りゅうのまい」で全抜きを狙える
ダイマックス枯らし性能も高い
トゲキッスの苦手な電気に強め
トリトドンが誘う草に強い
アマルルガが誘う「ダイナックル」無効
・相手のエースバーンの「ダイジェット」を強要出来る


⑥エース2
同じく全抜きエースとしてトゲキッスを採用。

・わるだくみ+ダイジェットの全抜き性能の高さ
・攻撃範囲が広くほぼ止まらない
・最悪積めなくてもそのままダイマックスがある程度強い
・ドラパルトの苦手なすりぬけドラパ、ミカルゲ等に弱くない
トリトドンが誘う草に強い


以上により、ステロ要員2+あくび展開役2+エース2のかなり極端なパーティとなった。
以下に個別解説を行う。



【個別解説】
アマルルガきあいのタスキ ゆきふらし
ステルスロック ふぶき でんじは オーロラベール
臆病199-**-95-150-113-118
4-0-20-244-4-236

●配分
・A189(+1)ドラパルトの「ドラゴンアロー」253/256耐え
・S準速65族抜き

CSベースだが最低限の防御調整。これにより以下のメリットが生まれる。
・ハチマキドラパにワンパンされない
・「りゅうのまい」ドラパに2回行動出来る
・「ドラゴンアロー」に対して「オーロラベール」から入っても次動ける

素早さは最速のメリットを感じなかったので少し甘えてなるべくCを上げて削り性能と対面性能を重視した。
臆病か控え目かは割と悩んだが、臆病にする(=S110より高くする)メリットは主に以下。

・準速ラプラスギルガルドに先手を取れる
・準速バンギラスに先手を取れる
・S(-1)最速ガブリアス等を抜ける(エアームドとの連携)

環境的に準速バンギ抜きのS114でも困る場面はなさそうだが、サンドパンやブースターと対面しないとも限らないので一応抜いておくことにした。


●技構成
ステルスロック
採用理由。飛行が多い環境なので刺さる。

・ふぶき
ワンウェポンなら範囲の広い「フリーズドライ」も視野だが、トリトドンはどうせ逃げるしミロカロスは裏のサンダースでも倒しに行けるため威力重視。相手をなるべく削ってサンダース圏内に押し込み、数的有利を狙う。

・でんじは
ドラパルトやエースバーン等の高速アタッカーに対して2回行動を狙える。上振れれば更に行動回数を稼げる可能性がある。
ただし下振れて外したり相手がラムだと終わるので心臓に悪い。
タイプ的に地面タイプを呼ばないので、でんじはが一貫しやすいのは強み。

オーロラベール
1ターンで両壁を貼る壊れ技。後続へターンを残す観点から死に際に上から撃てる方が強いので、でんじは→ベールかステロという動きを狙いたい。

●持ち物
弱点が多過ぎるため先発で出すにはタスキが必須。
二番手以降で出す場合もタイマン性能を引き上げられる。

●特性
霰で相手のタスキやがんじょうを削り、自身の「オーロラベール」を狙い、裏のサンダースの氷打点を確保するゆきふらし。
みがわり貫通の氷打点を持てるフリーズスキンも面白いが、上記の要素が起点作り性能を引き上げるためゆきふらしが強い。



■サンダース@かえんだま はやあし
10まんボルト ウェザーボール あくび まもる
控え目149-**-81-178-116-173
68-0-4-252-4-180

●配分
・A194ゴリランダーのGF「グラススライダー」耐え
・火傷1回でA194ゴリランダーのGF「グラススライダー」75%耐え
・「ステルスロック」+C172トゲキッスの「Dマジカルシャイン」耐え
・ムドの「がんせきふうじ」+「10まんボルト」で無振りキッス確定
・「ステルスロック」+「10まんボルト」で無振りキッス確定
・S準速エスバ+2

なるべく相手を倒して残数有利を取りたいので控え目C特化とした。
事前の仲間大会のデータではエースバーンの意地っ張りが多かったので素早さを少し甘えているが、本番では陽気エースバーンに抜かれる場面もあった。
臆病の配分も一応考えていたが、手元のイーブイが控え目だったのでミントをケチったという面もある(
火力が高いこと自体は正解だった。

●技構成
・10まんボルト
仮想敵となるトゲキッスギャラドスへの遂行技。「あくび」の一貫を切るミロカロスや、壁展開が厄介なラプラスに抜群を取れる他、電気技自体の通りも良いためアタッカーとして強力だった。

・ウェザーボール
霰時限定で氷打点を持てる。電気+氷の攻撃範囲は非常に広く、ガブリアスやゴリランダー、ドサイドン等に打点があるのは偉い。この技があるお陰でアマルルガガブリアスの処理よりステロや壁を優先出来る。
無天候だとノーマル技だが、「ダイアタック」として相手の素早さ上昇を打ち消す動きも狙える(今回実際に撃つ場面はなかったが、対戦数を増やせばそういう場面もありそう)。

・あくび
高い素早さから死に際に撃てるのが強力な起点作り技。

・まもる
ローリスクでかえんだまを発動させる手段。ダイマに対するターン稼ぎにもなる。先に加速したダイマエースへの切り返しとしての運用をメインに想定しているため、優先順位は高い。

●持ち物
特性はやあしの能動的な発動に必要なかえんだま。
どくどくだまではダメージがかさんでしまうのとダメージ量の管理も面倒なため、かえんだまとした。
この持ち物の真髄は定数ダメージによる「自主退場」が可能な点で、相手がサンダースを倒さないように交代や補助技を繰り返したとしても「あくび」で相手の眠気を誘った状態で裏のエースを降臨出来る。

●特性
一度「まもる」でかえんだまを発動するだけで実質かそくとなるはやあし。
初めてはやあしサンダースを使ったが非常に頼りになる素早さだった。
特にダイジェット半減+飛行タイプへの強打点持ちということでダイジェット環境に強烈に刺さっており、もっと評価されていても良いと思える強さだった。



■ドラパルト@たべのこし クリアボディ
ドラゴンアロー ゴーストダイブ みがわり りゅうのまい
意地っ張り177-178-96-**-96-190
108-172-4-0-4-220

●配分
・HP16n+1
・ステロ+A(+1)「ゴーストダイブ」で161-116キッス 12/16
・「ステルスロック」+A(+1)「Dドラゴンアロー」で366-116ガブリアス14/16
ステルスロック」+A(+1)「Dドラゴンアロー」で207-111ゴリランダー14/16
・S最速インテレオン+1

どうせ素早さは「りゅうのまい」で上がるため最速にはせず、攻撃と耐久重視。
素でもほとんどの相手を抜ける圧倒的な初速があるためこれでも困る場面はほぼなかった。

●技構成
・ドラゴンアロー
通りの良いメインウェポン。この技の性能が非常に偉く、何らかの事故で「ステルスロック」を撒けなかった場合もタスキをケア出来るのが安心感がある。物理相手へのダイドラグーンの攻撃ダウンが偉い。
稀にいる「マジックガード」のタスキフーディンも怖くない。

ゴーストダイブ
これも通りの良いメインウェポン。1ターンの無敵時間が相手のダイマ枯らしやたべのこし回復稼ぎに便利。ダイホロウで火力を上乗せする動きも勿論強い。

・みがわり
味方の「でんじは」「あくび」との相性が抜群。上から撃てるため相手のダイマ枯らしに役立ったり、状態異常対策、エースバーンの「ふいうち」対策にもなり超優秀。環境的にサブウェポンを採用せずとも活躍しやすかったのも追風。

りゅうのまい
勝ち筋となる積み技。素早さ上昇によりこだわりスカーフ持ち全般へのケアになるのが偉い。

●持ち物
「みがわり」「ゴーストダイブ」と相性の良いたべのこし。一度「みがわり」を使用した後にもHPを確保出来るためダイマックス性能を落とさない。

●特性
ダイドラグーンを始めとしたダイマ技で能力を下げられないようクリアボディ。壁に対して強いすりぬけも候補だったが、「みがわり」や「ゴーストダイブ」「ダイウォール」を駆使して壁ターンを枯らせば問題ない。



エアームド@カムラの実 がんじょう
ステルスロック ボディプレス がんせきふうじ ちょうはつ
陽気151-101-187-**-91-127
84-4-212-0-4-204

●配分
・「がんせきふうじ」でトゲキッスに25%以上
・「ボディプレス」で176-131バンギラス確定
・A161(+2)パルシェンの「つららばり」5発耐え
メタグロスの「かみなりパンチ」2発255/256耐え
・C166アマルルガの「ふぶき」+霰1回耐え
・A161C211ギルガルドの「シャドーボール」+「かげうち」耐え
・A106C150ラプラスの「10まんボルト」+「こおりのつぶて」耐え

・S(-1)最速120族抜き
・S最速バンギラス+3

「ボディプレス」で火力を出せるようにしたかったのでBSベース。
最速にするメリットがパルシェンエアームドに同速「ちょうはつ」を挑む時ぐらいしか見当たらず、同速負けした時のリスクを考えるとその動き自体強くないためミラーは捨てて少し耐久に回した。
最低限先制技持ち等に対しても2回以上の行動を狙えるレベルを確保。
HPに振り過ぎないことにより「かえんほうしゃ」等の特殊弱点でいい感じにカムラの実が発動する。

●技構成
ステルスロック
採用理由。特性により安定して撒ける。

・ボディプレス
エースのドラパルトやトゲキッスが少し重いと感じるバンギラスや鋼タイプの削りを重視した技。特にバンギラスを機能停止に追い込むことでサンダースの通りも良くなる。パルシェンに対しても下からボディプレス2発で倒せるため対面で勝てる。ラプラスに対しても良いダメージが入り、非ダイマなら2発で倒せることも。ただしじゃくてんほけんには注意。

・がんせきふうじ
トゲキッスギャラドス、エースバーン等のダイジェットエースに対する抵抗策。ないと好き放題されてしまうため必須。この技があれば突破を許す段階で1加速までで抑えられ、裏のサンダースで切り返せる。
単純に自身の対面性能を上げられ、行動回数増加にも繋がる。
ダイマウルガモスリザードンに対面で勝てるようになるのも偉い。

・ちょうはつ
自分より遅い補助技を止める。相手のステロやトリル、壁展開を止めてこちらだけ一方的に展開して行ける。

●持ち物
選出した場合に行動回数増加に貢献しそうなアイテムとしてがんじょうとの相性も良いカムラの実。
エースバーンの「キョダイカキュウ」対策のオッカの実と迷ったが、欲張ってこちらにした。「キョダイカキュウ」で貫かれる試合もあったが大抵は「かえんボール」から入って来た。



トリトドン@オボンの実 よびみず
あくび うずしお みがわり おきみやげ
穏やか217-**-94-112-143-59
244-0-44-0-220-0

●配分
・A184エースバーンの珠「Dとびはねる」15/16耐え
・「ステルスロック」+A168エースバーンの珠「Dとびはねる」耐え
・C162バイバニラの「フリーズドライ」耐え
・C166アマルルガの「フリーズドライ」15/16耐え
・「ステルスロック」+C172(+2)トゲキッスの「Dエアスラッシュ」13/16耐え

エアームドが物理に強めなので、特殊に厚めの配分に。
特にフリドラ持ちに対しても選出を可能にするのと「わるだくみ」トゲキッスの全抜き阻止の目的が大きい。

●技構成
・あくび
最強の起点作り技。後続の起点を作りつつ「ステルスロック」のダメージを稼ぐ。
このポケモンが使うと「ダイサンダー」でかき消される心配がないのが強い。

うずしお
相手が隙を見せた時に使うと強い技。交代を防ぎつつ「あくび」→「おきみやげ」を決めればほぼ勝ちが決まる。
最低限の「ちょうはつ」対策にもなり相手を削れる。

・みがわり
ラムの実+積み技対策。
通常の型ではトゲキッス@ラムの実を始めとしたポケモンにカモられるが、この技とオボンの実があれば起点にされなくなる。
具体的には

○従来の流れ
1.キッスへ交代 あくび
2.わるだくみ あくび連打失敗 ラムの実で回復
3.ダイジェット 倒れる

○みがわり採用
1.キッスへ交代 あくび
2.わるだくみ みがわり ラムの実で回復
3.攻撃 みがわり割れて再度あくび

というように、ラムカゴ持ちを交代から出された場合も全抜きを許さない。
「あくび」連打は裏目があるが、様子見の安定感を高める意味では他にも用途は多い。

特にレアコイル+ゴリランダーのようなトリトドンの「みがわり」を壊せないポケモンを含むサイクルに対しては、ゴリランダーへの「あくび」からレアコイルに退かれたターンに「みがわり」を貼ることで更に行動回数を増やして行ける。

他にもトリルターン稼ぎや状態異常対策等、幅広い用途があり強かった。
また、相手がステロで倒れるポケモンを切って「あくび」ループを抜ける動きにもそのターン「みがわり」を残せると非常に強い。

・おきみやげ
起点作りに特化した技。「あくび」→「おきみやげ」は最悪でも火力の下がった相手に対してエースをぶつけて積み技を狙える他、相手が居座っていれば眠りターンを消費していない状態でエースと対面させて無償で1ターン動ける。
ドラパルトやメタグロス等、クリアボディ持ちが割と存在する環境なのは向かい風だった。能力は下げられないが自主退場は出来るため、状況によっては問題なく機能する。

●持ち物
どんな状況でも耐えれば「みがわり」分のHPを確保出来るオボンの実。
このアイテムが非常に強く、様々なメリットを生み出す。

①「あくび」→「みがわり」という動きに裏目がなくなる。
・オボンがない場合の裏目パターン
「あくび」の次の「みがわり」のターンに相手が居座って攻撃を押して来た際、HPを削られ過ぎると「みがわり」が不発となり、相手が寝る。
次のターンに相手に1ターン眠りターンを消費されてから遅れて「おきみやげ」となると勿体ない。

・オボンの場合
上記の動きで相手の交代、居座り両方に対して「みがわり」が残る為次ターン以降に有利に展開出来る。

②対面で2回動ける範囲が増える
対面した相手の攻撃を2発耐える場合は「うずしお」から入ることで、「うずしお」→「あくび」(→「おきみやげ」)で確実に相手を寝かせつつ裏のエースを降臨させられる。
この動きがめちゃくちゃ強く、眠りターンを消費していない相手とエースを対面させることで無償で1ターン積める。
こうなれば目の前の相手は寝ているためほぼ倒せるし、裏にダイマターンを残して能力上昇&HPフルのダイマエースで全抜きを狙える。



トゲキッス@するどいツメ きょううん
マジカルシャイン エアスラッシュ だいもんじ わるだくみ
臆病161-**-115-172-135-145
4-0-0-252-0-252

●配分
・S(+1)で最速ドラパルト抜き
・臆病最速

ドラパが強いルールなので臆病。ミラーも多いため最速。

●技構成
マジカルシャイン
バンギラスで止まらないために必須。ヌメルゴンカイリューガチゴラス等のドラゴンタイプも多いため刺さる場面は多い。

エアスラッシュ
最強技ダイジェットの媒体。素で撃っても怯みが強い。

だいもんじ
メタグロスレアコイルギルガルド等の鋼対策。「かえんほうしゃ」ではないのは威力重視のため。ダイマしたメタグロス等を倒し切る可能性が上がる。

・わるだくみ
勝ち筋となる積み技。「あくび」や壁を利用して積むだけで一気に制圧力が上がる。

●持ち物
壁対策としての側面も期待出来るするどいツメ。
ピントレンズでないのはおみとおしされた時に相手の思考時間を少しでも奪うため。

●特性
基本的にダイマックス前提の運用なので、ダイマ時に恩恵のあるきょううん。
持ち物と併せて50%でダイマ技を急所に当てるのは強過ぎる。
最悪「わるだくみ」を積む隙がなくてもステロからダイジェット連打しているだけで勝てる試合もあるくらい凶悪な性能。



【選出】
アマルルガ+サンダース+ドラパルト
エアームドトリトドントゲキッス

基本的にこのどちらか。
ステロ撒いてあくびして積んで全抜きを狙うだけ。
ステロ役はゴリランダー(「ねこだまし」+草技でタスキアマルルガを行動させず倒してくる)、バンギラスメタグロス等がいたらエアームドを出していた。
ドラパルト入りはアマルルガ優先、ラプラス入りはエアームド優先。

あくび役は先発に関係なくサンダースとトリトドンを使い分けていたが、電気の通りが良いパーティ、ミロカロス入りにはサンダース優先。ガブリアスがいた場合はアマルルガとセット。

エース役はサンダースの裏はドラパルトほぼ固定。
上からの「あくび」でサンダースが倒れた後にトゲキッスだと安定行動がないため、ドラパルトの「みがわり」から有利展開を狙う。


エアームドアマルルガトゲキッス
アマルルガが刺さっているがステロ役で終わるには勿体ない場合。
ドラパルト、トゲキッスガブリアスカイリューを始めとして氷弱点が環境に非常に多い。
相手のステロを阻止しつつこちらだけステロやがんせきふうじでサポートしてアマルルガの攻撃を通す。
ステロ壁からのダイマキッスワンマンで勝てそうな場合もこの出し方。



【良かった点】
アマルルガの性能
今回初めて使ったポケモン
登場時からガチ対戦してたのに、対戦で使うのはおろかゲットすら初めてな気がしたレベルで今までスルーしていたw
ステロ壁電磁波+タスキ削りと起点作成要員に欲しい要素を多く持っており、私が好きなパーティとマッチするポケモンだった。弱点が多過ぎるのでこれまでも候補に挙がりかけても採用は敬遠していたが、無事和解した。
アイアンヘッド持ちが環境から消えるか、でんじはが必中になったらもう少し評価を上げたい。


②はやあしサンダースの性能
これも今回初めて使ったポケモン
「殴れる&早い起点作り要員」の強さを存分に味わうことが出来た。
残数有利を取ってから裏に繋げられるのは頼もしく、今後の展開構築にもこの考え方を繋げて行きたい。
ストッパーとしても強く、普通なら絶望的なトゲキッスの「わるだくみ」+「ダイジェット」やギャラドスボーマンダの「ダイジェット」+じしんかじょうに対して裏から全抜きを止めてくれた。


トゲキッス最強
トゲキッスで「わるだくみ」して「ダイジェット」を急所に当てている時の爽快感が凄かった。
このポケモン、サンダーが登場してからは鳴りを潜めていたものの剣盾初期はマジで暴れていたし環境を支配していたなぁと嫌でも思い出した。

進撃の巨人の有名なシーンが脳裏によぎった。


④試合展開が速い
展開系の構築は試合のテンポが良く、サクサク楽しめた。
環境的にドヒドイデやラッキーのような優秀な耐久系ポケモンが少なく、サイクルパが少なかったのもあるだろうか。
あとは選出パターンもある程度固定化されているため、考えるのが楽なのもこういう構築の良いところ。




【反省点】
①準備不足
・事前の仲間大会に1回しか出ていない
・パーティ育成が大会当日にまで及んだ

今回はあまりガッツリ準備時間を取れなかった。
競技のポケモンをやっていた時は深夜3時4時まで睡眠を削ってでも取り組む「覚悟」があったが、趣味でやる範囲だと仕事や家族、自身の健康を優先してしまうというジレンマを抱えている。

去年のネット大会はもう少し頑張れていた気がするが、今回は1月から半年間WCSへ向けて魂を削りまくった後なので、久し振りに気楽にポケモンをやりたいという気持ちが強かった。
実際ストレスを溜めずに純粋にバトルを楽しめたのは良かったし、やっぱりインターネット大会特有の特殊ルールを考察するのは趣味としてすごく好きだな、と再認識した。


②構築の穴が多い
上記の準備不足により構築に穴が多く、やりながら「途中で構築変えたい・・・w」となっていた。
本番中に修正したくなっても時間的にほぼ無理(家族が寝た後に潜る時間を確保するのが精一杯で、大会開催期間中にパーティを育成し直すのはキツい)なので、きっちりやるなら事前に仲間大会で調整を重ねるべき。
ただし厳密に言えば仲間大会と本番では参加者層も環境も異なるため、理想は
「先に1ROMで参加→本番環境を元に改良したパーティでもう1ROMで参加し最終日に45戦消化」
みたいなムーブだろうなぁとは思う。本気で取り組む時はこれを目指したい。


羅列すると非常に多いが、使っていて不便を感じたor詰みパターンがあると認識した箇所は以下。

・ラスイチトドンが弱い
・ミロ入りへの選出択
(ダースの裏のキッスが弱いが、ドラパだとミロを突破出来ない)
・ラムケアが限界あり。ラムドラパとか
クリアボディが多い
・ちょすい呼び水が思ったよりいて渦潮撃ちにくい
・初手舞バトンドラパがムドだと無理
・初手身代わりドラパ無理(ムドトドン時)
・ラスイチで3タテプランはダイマターンの無駄が命取り、身代わりやゴダイ、麻痺痺れ
・ラムエスバがキツい
・カキュウでムド貫通
・初手アマルルガがアイヘ怯みでステロ撒けない
・電磁波外しでも終了
・ムドがエアスラ怯みから火炎でも終了

本番で気付いたものも多いが、構築段階で気付いていたが立ち回りや気合で何とかしよう、と途中で考えるのをやめていたものもある。
(そしてやっぱりどうにもならなかったり、案外どうにかなったり)
この辺は誤魔化さずに突き詰め続ければ全対応する答えがあったのか?と気になっているが、選出段階での択をなくすのが難しい環境であったと個人的には思う。
他の人の構築記事を読んで答え合わせをして行きたい。


③展開戦術の弱さ、脆さ
今回ここに気付けた気がするのはかなり大きいと思っている。
ステロ+あくび+エースの戦術は実はとても脆く、ネット大会向けではない気がした。

特にエアームドトリトドントゲキッスのような出し方を例にすると

(1)トリトドンの単体性能が皆無
・最後にトドンが残ると弱い(タイマンで勝てる相手がいない)ので、出す順番がムド→トドン→キッスに半固定される
・そのせいでムドで削ったり「がんせきふうじ」を当てた相手をキッスで倒して数的有利を取るという動きが取りにくい
・その動きを狙う場合、キッスはダイマを温存して相手を倒し、裏から死に出しされたキッスに強いやつに対してトドンを後投げして展開することになる
・その時トドンが後投げから行動出来ないとほぼ負け(バンギのダイロック→ダイアークで倒されて結局起点を作れない、等)

→「おきみやげ」トドンは起点作成能力こそ高いもののラス1に残っても良いよう、「カウンター」や「ミラーコート」、「じこさいせい」を入れた型の方が選出や立ち回りの柔軟性は上がる
起点作成役が相手を削った状態で倒されたことを想定し、能動的かつ上から削れた相手を倒す手段もあると理想(サンダースは理想にある程度近い性能を持っている)


(2)エースにかかる負担が大きい
・ステロ役、起点作り役がで2枠食うと最後のエース1枠で相手3匹を倒す必要がある
・どんなにお膳立てしても1vs3から逆転3タテを狙うには負担が大きい
・特にダイマックスターンの不足が深刻な問題
・相手3匹が残っていると、綺麗に「ステロ」+無償「わるだくみ」まで決まったとして3ターンで3匹倒し切れるかはダイマックスターンを無駄なく使いきれるかにかかってくる
・相手にダイマを強要されると、ダイマ1ターン目で相手1匹目を倒し、ダイマ2ターン目で相手2匹目を倒し、最終ターンは相手の「ダイウォール」で防がれてから相手に打開されてしまう。ゴーストダイブやキングシールド等の露骨な時間稼ぎも辛い
ダイマがなくても相手のダイマ枠を上からワンパン出来るだけの高火力が必要となるが、ハードルは高い
・耐久にいくら自信があっても上記動きで相手のダイマ技2連打を耐えきるのはほぼ無理
ダイマックスと言う仕様がなければこの限りではないかもしれないが、少なくともダイマ環境では1匹のダイマエースで相手のダイマを含む3匹倒そうとするとかなりの火力が求められる
・エースが急所や追加効果で事故ったら終わるので運負けしやすい

→起点作り役1匹+エース2匹or殴れる展開役+真エースの形が理想

今後展開系を組む際は今回の収穫や反省点を活かして行きたいと思う。



* * *



今回の記事は以上です。最後までお読み下さりありがとうございました。
来月は新作前最後の月ですが、インターネット大会はあるんですかね?
剣盾環境もあとわずかですが、精一杯楽しんで行きたいと思います!

【WCS2022】ヌケザシオーガFinal【WCS DAY1 5-3】

こんにちは、ユウキです。
先日2022/8/18〜21にイギリス・ロンドンにて開催されたポケモンの世界大会、WCS2022に参加して来ました!
本記事ではその時使用した構築を紹介します。


★目次



【パーティ】




【戦績】

WCS2022 DAY1 5勝3敗で35位/261名
(DAY1突破は6勝2敗の32位まで)
DAY2出場者は114名なのでトータル117位ぐらい?

R1 勝ち ○●○ ディアルガ+黒バド
R2 負け ○●● Wキュレム+ザシアン
R3 勝ち ●○○ ディアルガカイオーガ
R4 勝ち ○○ ザシアン+カイオーガ
R5 勝ち ●○○ ディアルガ+ザシアン
R6 負け ●● 白バド+パルキア
R7 勝ち ○●○ グラードンルナアーラ
R8 負け ●○● ディアルガギラティナ(O)

DAY2に行くにはあと1勝が足りなかった。R2、R8は正解択を選べていれば3本目を取れる内容だったので、単純に自身の実力を磨くしかないなと思った。
ただマッチングに恵まれず、有利なザシオーガは1回しか引かない一方で苦手なディアルガ4回とWキュレム1回はちょっと想定外だった。
白パルは不利ではないイメージだったが相手が上手かったり有効急所もあり唯一のスト負け。
それ以外は不利マッチでも善戦しており、Bo3での対応範囲が広い構築が組めたので完成度にはある程度満足している。

【コンセプト】

ダイマックスの本質を突く構築
②Bo3を意識した構築
ヌケニンを最大限活用

ダイマックスの本質を突く構築
WCS2022ルールで勝つために、改めて「このルール本質とは何だろうか?」と考えたところ、やはり「ダイマックス」という要素が非常に大きなウェイトを占める対戦ルールであることは明白だった。
ダイマを制する者はこのルールを制する」ということで、個人的に以下の要素が必要だと考えた。

(1)相手のダイマは最小限の被害にする
(2)こちらのダイマは最大限通す

構築段階からこれらを意識した形を目指し、ダイマ有環境で勝ち抜けるような要素を選び抜いた。

(1)相手のダイマは最小限の被害にする
・「きょじゅうざん」による相手ダイマアタッカーの迅速処理
・雨「ダイストリーム」による相手ダイマアタッカーの迅速処理
・「あまえる」「ひかりのかべ」による耐久強化
・「まもる」を多めに採用
・相性補完を重視し全ての攻撃技を半減以下にする手段を用意
ヌケニンの「ふしぎなまもり」や「こらえる」「サイドチェンジ」で無償でダイマターンを稼ぐ
上からダイマアタッカーを倒す手段に加え、ダイマを凌ぐ手段も多めに用意することで被害を最小限に抑える。

(2)こちらのダイマは最大限通す
エルフーンの「おいかぜ」で上から展開
ボルトロスの「ダイジェット」で上から展開
エルフーンの「あまえる」「ひかりのかべ」で行動補佐
ガオガエンの「ねこだまし」で行動補佐
ヌケニンの「サイドチェンジ」で行動補佐

これらの要素で上から攻撃を通せる盤面や無理やり行動を通す選択肢を増やし、ダイマエースの行動回数を稼ぐことを意識した。
特に「ダイジェット」は本ルールを象徴する最強ダイマックス技であり、この「ダイジェット」を最も強く使えるポケモンの1匹であるボルトロスは握り得だと感じた。

②Bo3を意識した構築
Bo3においては全く同じ手は二度通用しないため選出・立ち回りの幅の広さが求められると考えており、Bo1と比べて下記要素を意識的に取り入れた。
・「まもる」を多めに採用し、不利対面からの巻き返しを狙いやすく
・サイクルを回して選択肢を格段に増やすガオガエン
・存在するだけで選出段階から択を作れるヌケニン
・いかなる盤面でも無理やり択を作れる「サイドチェンジ」採用

ヌケニンを最大限活用
ヌケニンを採用することで大きく3通りの勝ちパターンが狙える構築となっている。

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
(B)ヌケニン囮ビートダウン
(C)選出誘導

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
ヌケニンに打点がありそうなポケモンから優先的に倒してしまえば相手がヌケニンを倒せなくなるため勝ち、という最もスタンダードなプラン。
ザシアンやカイオーガを始めとしてヌケニンに一切打点がないポケモンは案外多く、それらを簡単に詰ませられるのが強み。
最近のボルトロスは「そらをとぶ」しかヌケニンへの打点がないことが増えたため、更に詰ませを狙いやすくなったと感じる。
実際はヌケニンだけで勝ち切るというよりは、このプラン(A)を意識させることで(B)や(C)が活きて来るという使い方が主となる。

(B)ヌケニン囮ビートダウン
ヌケニンへの打点がなくなることを恐れた相手の選出・立ち回りを逆手にとってアドバンテージを重ねて勝ちを狙うプラン。
(A)を狙いながらも途中で(B)に切り替えて行く等、同じ選出でも柔軟に立ち回って行けるのが本構築の強みの1つ。
最終的にヌケニンが倒れようともこちらがそれ以上のリターンを得られていれば問題ないという考えで、ヌケニンをある程度雑に扱って行く。
相手がヌケニンを倒すために「ダイジェット」や「ダイアイス」を撃つ(大体がタイプ不一致だったり隣が氷半減だったりで大ダメージにはならない)のを気にせず、「ポルターガイスト」や「かげうち」で攻撃に専念することで、ダメージレースで有利を取ることが出来る。

(C)選出誘導
ヌケニンをパーティに入れる最大の強みが、相手の選出・立ち回りが読みやすくなる点。
基本的にヌケニンに打点があるかどうかは見せ合いの段階である程度分かるが、極端に打点持ちが少ないパーティの場合はすぐにそれらが出て来ることが予想出来る。
こちらはそのポケモン達を処理するルートが想像出来れば(A)の勝ち筋を狙った出し方をすれば良いし、逆に打点持ちを出させた上でヌケニンを出さない選出の方が強そうであれば出さなくても良いため、いずれにしても選出段階から有利なゲームとなる。
今回は基本選出のパワーが高いためヌケニンはあまり出さず、この(C)を用いることが多かった。
Bo3の初戦はヌケニンに打点のあるポケモンが出されやすかったり、ヌケニンバックをケアした動きをされることが多かった。ヌケニンを出す場合は初戦で相手の出方を伺いながら、2戦目以降にヌケニンへのマークが薄くなる所に刺して行くと通りやすかった印象。
相手はヌケニンのケアをしなければならない為選出の自由度が低いが、こちらは出しても出さなくても良いというアドバンテージを感じられる場面は多く、Bo3でのヌケニンはパーティにいるだけで仕事をしてくれていた。

【構築変遷】

過去の使用構築を掲載。4月INC以降の構築記事は今後更新予定(公開次第リンク予定)。

パーティ 記事
2月INC
3月INC
4月ランク
4月INC
PJCS予選
全国
世界

【構築経緯】

①構築の軸の決定
2018年に最初の予選からずっとジャラランガを使い続けて全国・世界でも良い結果が出せた経験から、私は同じ軸を使い続けた方が勝てるプレイヤーだという自己評価だったため、今回も早い段階から予選・全国を共に戦ったヌケザシオーガと心中する覚悟でいた。
仕事家事育児で練習時間の確保が難しい背景からも、慣れた軸を煮詰めてこれまでの経験値を活かす方針が最も効率的なのは明らかだった。
そんな訳でヌケニン+ザシオーガの軸は変えずに世界大会に向けて構築を練り直すことに。
幸いにも最近はザシオーガが増加傾向にあり、きちんと構築を組めればザシオーガミラーで有利を取れるヌケニンの採用自体には追風な環境であると感じていた。
また、Bo3においてもヌケニンの存在が有利に働く要素は多い。特にヌケニンをパーティに入れているだけで相手の選出・立ち回りを歪ませたり、無理やり択を作って行ける点はかなり魅力的。

ボルトロスの採用
これまでヌケニンの天敵であるガオガエンに対してはカイオーガの水技での対処を狙っていたが、そんなことは相手も分かっているため
自分:いかにカイオーガを延命させて先にガオガエンを引きずり出すか
相手:いかにカイオーガを早急に処理して後発ガオガエンヌケニンを倒すか
というゲームになっていた。
特に相手が上手いと後発ガエンを温存された状態でこちらのカイオーガを先に処理されてしまい、こちらの後発ヌケニン+ザシアンが「いかく」を貰うだけでガオガエンだけでなく相手の隣のポケモンにも勝ちにくくなってしまう点が困っていた。
そこで2月のINCで使っていたものの、その後解雇してしまった「まけんき」ボルトロスの採用を検討した。
間違いなく強い要素は持っているが、当時採用していたチョッキ型では火力不足な点とダイマ終了後にガオガエンに「ねこだまし」で止められる点が気になっていた。
当時キングドラが持っていたいのちのたまをボルトロスに回すことで火力の増強と「まもる」採用が可能になったため試したところ、使用感が良かったので採用することにした。
特にザシアンとヌケニンに「いかく」を入れられることが減り、相手のガオガエンがどのタイミングで出て来ても困らないようになった。

ガオガエンの採用
ボルトロス同様、2月以降解雇していたガオガエンを再度起用することにした。
このポケモンがいるだけでBo3における立ち回りの幅が格段に増えるからだ。
交代出しからの「いかく」に加え、「ねこだまし」や後攻「すてゼリフ」によるゲームメイクはどんな構築とも相性が良い。
特にカイオーガの苦手とするゴリランダーや、相手のザシアンに対して後出しからテンポを取れることを評価した。
ヌケニンが出しにくい晴れパーティに対して仕事出来る点、トリパに対しても抗える点からも補完枠として噛み合っている。

④草枠の検討1
最後の1匹の検討にはかなり時間を要した。
トリトドンが重いことを考えると草打点が欲しい他、レジエレキや地面技への耐性面でも草タイプが適任であると考えた。
まず試したのはゴリランダー。
ガオガエンとゴリランダーの「ねこだまし」サイクルとザシオーガを組み合わせた構築は既に結果を残しており、動かし方もイメージしやすかった。
先制技「グラススライダー」により相手の黒バドやレジエレキ、追風+カイオーガ等に上から打点を持てるのは偉い。
しかしながら自身が「ダイジェット」の的にされやすい上にそれを咎められる要素もあまり持たず、相手の高速展開への回答が「グラススライダー」のみでは火力不足であるため「おいかぜ」や「ダイジェット」で上から殴る系統の構築に対して苦戦を強いられた。
トリパに対しても出せなくはないが思うような仕事が出来ず、白馬トリパが若干重かった。

⑤草枠の検討2
次に試したのはモロバレル
元々「このゆびとまれ」要員のイエッサンを採用していたので、モロバレルにその役割をスライドすることで以下のメリットが生まれることを評価した。
・フィールドを展開しないので味方ガエンの「ねこだまし」やヌケニンの「かげうち」を阻害しない
・水半減なので相手カイオーガから早急に処理されにくい
・「サイコシード」に依存した性能のイエッサンと違って受け出しや一度出した後引っ込める選択肢が強い
・「さいせいりょく」のお陰でサイクルを回すことでアドを取れる
・「キノコのほうし」による圧力があり「まもる」との択が強い
 (イエッサンよりも放置された時アドを取れるため単体で圧力がある)
・対トリパでも役に立てる低い素早さ+「かふんだんご」
このようにBo3における動きの幅を持たせてくれるポケモンであり、使用感は良かった。
ゴリランダーと比べても「いかりのこな」で攻撃を吸い寄せることである程度高速展開に抗える他、トリパ耐性は上がった。
しかしながら不満点がいくつかあり、特に気になったのは以下。
・ゴリランダーやカミツルギ等への干渉能力の低さ
・上からの全体技に弱い(特にトルネオーガや黒バド系統が重い)
・トドンの処理が狙いにくい(「かふんだんご」が強いので草打点を採用しにくく、トドンより遅い点も気になる)
味方カイオーガと並べる際に相手の草タイプの攻撃を吸えず、更に「キノコのほうし」が無効化されてしまうためゴリラやツルギ入りに出しても仕事をさせて貰えないのが痛い。
そしてこのゆび系統の戦術の脆さである上からの全体技に対するアドの取れなさを改善したかった。

⑥草枠の検討3
最後に辿り着いたのはエルフーン
・「おいかぜ」で相手の黒バドエレキ等、上から全体技を押し付ける並びに強くなる
・相手の草タイプ(ゴリランダーやカミツルギ)に「あまえる」で干渉出来る
・「あまえる」「ひかりのかべ」でトリパに対しても出せなくはない
・「ひかりのかべ」で黒バドやオーガの全体技のダメージを抑えられる
トリトドンにも無理なく打点を持てる
という性能で、求めていた要素を綺麗に埋めてくれる。
試したところ使用感も非常に良く、受け身になるモロバレルと違って、前のめりな「おいかぜ」展開がパーティパワーを格段に引き上げてくれた。
これによりパーティ6匹が決定した。以下に個別に詳細を解説して行く。


【個別解説】

■ザシアン@くちたけん
きょじゅうざん じゃれつく せいなるつるぎ まもる
意地っ張り189-225-136-**-136-195
172-116-4-0-4-212

●配分
○A
・A225(+1)「きょじゅうざん」+A167珠「Dそらをとぶ」で199-136ザシアン確定
・A225(0)「きょじゅうざん」@GF回復1回込で207-117ゴリランダー(A244+1巨獣15/16耐え)98.5%で2発
・A225(+1)「きょじゅうざん」+C146珠「くさむすび」で207-161-128グラードン@オボン98.1%で突破
・A225(0)「じゃれつく」+「せいなるつるぎ」で202-137ガオガエン86.0%で突破
・A225(0)「じゃれつく」で197-121パルキア13/16で1発
・A225(+1)「じゃれつく」+C222「れいとうビーム」で209-125-118トリトドン79.0%で突破
・A225(0)「きょじゅうざん」2発+珠ダメ2回で308-91ボルトロス確定
・A225(0)「きょじゅうざん」2発+珠ダメ1回で308-91ボルトロス80.9%で突破
・A225(0)「きょじゅうざん」+C146珠「Dくさむすび」で418-125-118トリトドン確定
○B
・A152レジエレキの珠「Dワイルドボルト」耐え
・A222グラードンのW「だんがいのつるぎ」76.1%耐え
・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え
・A222「きょじゅうざん」+A222(-1)「きょじゅうざん」耐え
・A161(-1)ガマゲロゲの珠「Dじだんだ」耐え
○D
・C222ディアルガ/パルキア/レシラムの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」耐え
・C217黒バドレックスのW「アストラルビット」2発97.3%耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え
・「ひかりのかべ」でC244Wキュレムの珠「Dだいちのちから」耐え
・「ひかりのかべ」でC222カイオーガの雨雫「Dしおふき」12/16耐え
・「ひかりのかべ」でC161リザードンの「キョダイゴクエン(威力150)」+定数ダメ1回15/16耐え
○S
・最速125族+1
・S(+1)で最速レジエレキ抜き
・S(+1)で最速「ようりょくそ」フシギバナ抜き
・「おいかぜ」でS259(+1)レジエレキ抜き
・S(-1)「おいかぜ」で最速S173(+1)抜き
これまで長らく使い慣れたH189の耐久をベースに、火力を最低限確保しつつ素早さ高めの配分。
火力に関しては単体での対応範囲、味方との集中攻撃で必要となる値を確保。入念にダメージ計算を行い、ある程度納得感のあるラインを見つけた。
素早さは最低限欲しいのがパーティで重めなレジエレキをS(+1)で抜ける186と考えており、そこからスタートして地味に面倒なエースバーンを抜くライン、そして晴れパへの立ち回りの幅を増やせるようにS(+1)で「ようりょくそ」フシギバナを抜く194を確保。194で止めても良かったが、ミラーを意識して(この調整にしているザシアンと遭遇する可能性があると考慮して)更に+1しておいた。
ヌケニンガオガエン、「あまえる」エルフーンで対ザシアンはかなり厚めに組んだが、それでもミラーで上を取れると有利になる場面は多いので早ければ早いほど良い。

●技構成
・きょじゅうざん
ダイマックスに対して威力200となる壊れ技。インチキ過ぎる性能のお陰で最悪こちらがダイマックスを上手く使えなくても勝てる。

・じゃれつく
オーロンゲの「リリバの実」や「きょじゅうざん」をガオガエンで受けて来る動き、対パルキアゼクロムダイマしていないサンダーやボルトロスを殴る場面等を考えると必須。レジエレキを始めとする高速展開に刺さる「でんこうせっか」も候補ではあったが、パルキア入りが一気に重くなるため慣れている「じゃれつく」型とした。

せいなるつるぎ
タイプ相性の良いサブウェポン。「てっぺき」ナットレイ、「ダイスチル」ディアルガカミツルギに刺したい&耐久が下がるのは痛いので「インファイト」は不採用。「トレース」ポリゴン2入りにヌケニンを投げても詰まないように格闘技は必須。

・まもる
ザシアンを大事にする立ち回りが重要なため採用。トリパや追風に対しても時間を稼げるよう「みがわり」より「まもる」。


カイオーガ@しんぴのしずく
しおふき こんげんのはどう れいとうビーム まもる
控え目176-**-112-222-161-140
4-0-12-252-4-236

●配分
○HP
・HP16n(GF回復量意識)
○C
・雨W「しおふき」で189-136ザシアン15/16で1発
・雨W「しおふき」で199-136ザシアン10/16で1発
・雨W「しおふき」+「れいとうビーム」で221-125モロバレル(C222「Dれいとうビーム」+霰1回耐え)確定
・C146ボルトロスの珠「Dくさむすび」+C222「れいとうビーム」で207-118グラードン@チョッキ67.8%で突破
・C146ボルトロスの珠「Dくさむすび」+C222晴れW「しおふき」で207-118グラードン@チョッキ96.6%で突破
・A167ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」+C222晴れW「しおふき」で207-118グラードン@チョッキ77.9%で突破
○B
・A222(+1)ザシアンの「じゃれつく」15/16耐え
・A231(+1)ザシアンの「じゃれつく」11/16耐え
・A244(+1)ザシアンの「じゃれつく」6/16耐え
・A244(-1)ザシアンの「じゃれつく」+C177トルネロスの「ぼうふう」耐え
・DM時A233カミツルギの「Dリーフブレード」14/16耐え
・DM時A152レジエレキの「Dワイルドボルト」15/16耐え
○D
・C222カイオーガの「かみなり」@光の壁で88.7%2発耐え
・C152レジエレキの「10まんボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの珠「D10まんボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの磁石「Dライジングボルト」確定耐え
・DM時C167レジエレキの珠「Dライジングボルト」9/16耐え
○S
・S追風時最速レジエレキ抜き
・S(+1)でS210 S209ザシアン(S追風時S+1エレキ抜き)抜き

「おいかぜ」や「ダイジェット」と併せて上から相手を倒しに行きたいポケモンなのでCSベース。
最悪ザシアンに対して対面から行動保証が得られるようにSを少し削って防御を振った。
基本は「あまえる」を入れつつ殴り合いたいが、隣の「ちょうはつ」や「ねこだまし」等でエルフが動けないパターンも考えると素で耐えるかどうかで動かし方に差が出ると判断した。
昔は準速で使っていたが、「かみなり」を抜いたことでミラーで上を取るメリットが薄れたこと、味方エルフーンとの行動順の兼ね合いで上げ過ぎない方が良いことから、このラインで留めた。
HPは霰や宿木を喰らう場面よりゴリラと対峙したり味方ボルトで「ダイソウゲン」をする場面の方が多かったので、迷った末176とした。

●技構成
・しおふき
最強の範囲攻撃技。「おいかぜ」や「ダイジェット」で上から放てる盤面を意識する。隣のエルフ集中が読めた場合に強気で選ぶ胆力も必要。

こんげんのはどう
HPが削れた場合の水技。命中不安なのでなるべく撃ちたくはないが、「おいかぜ」を駆使しても上を取れない場合もある為水技は2種採用。

れいとうビーム
水技との相性補完に優れるサブウェポン。「かみなり」と選択だが、晴れグラードントリトドン、ゴリランダーへの打点を重視した。
カイオーガミラーでは電気技がないと一方的に不利を取るが、ボルトロスで殴り倒すかヌケニンで詰ませる方向性で対処可能なので目を瞑った。
逆にゴリラやトドンを自身で倒せる手段があるとないとでは選出時の対応範囲に差が出るため、氷技の優先度が高かった。

・まもる
エースであり狙われやすいので採用。延命手段があることで狙った相手(特にヌケニンに打点を持つガオガエン等)の処理まで生存させやすくなる。
相手ガオガエンの処理を任せたいのに「まもる」がないと試合終盤に「ねこだまし」+敵の攻撃で縛られてしまうのが弱いと感じていたので、「まもる」の優先度は高い。
味方ガオガエンとの相性も良く、「まもる」+隣をガエンに交代→「ねこだまし」+行動の流れが試合終盤のダイマックスなし盤面やザシアン絡みにおいて安定して強い。

●持ち物
「まもる」を使えた方が良いと考えていたのでとつげきチョッキを候補から外し、ダイマ時・非ダイマ時両方で強いアイテムを検討した結果しんぴのしずくに落ち着いた。アイテム補正のお陰でザシアンを倒したり雑にダメージを稼げるようになり、エースとして申し分ない活躍をしてくれた。


ヌケニンきあいのタスキ ふしぎなまもり
ポルターガイスト かげうち サイドチェンジ こらえる
寂しがり1-156-45-**-51-92
0-252-0-0-4-252

努力値配分
・B個体値0+下降補正
・A156「かげうち」でH155-B45メタモン確定
・「ダウンロード」対策

このルールではメタモンの使用率が比較的高く、ヌケニンをコピーされる展開もたまにあるため対策として防御最低値。
相手がスカーフでこちらのタスキが残っていれば一方的に勝てる。

●技構成
ポルターガイスト
威力110のメインウェポン。ゴースト技は一貫しやすく、打点として純粋に非常に強力。この技の習得のお陰でヌケニン自身がかなりの攻撃性能を手に入れたため、ビートダウン展開に組み込みやすくなった。
命中後に相手のアイテムが判明する追加効果により、手に入れた情報アドバンテージを活かして最適な立ち回りを選択出来るのもBo3では特に強い要素。
ただしアイテム消費後の相手には攻撃が失敗する仕様には注意。時折この仕様に困る場面もあったが、忘れて撃ってしまう等のプレミがなければ問題ない範囲。

・かげうち
便利な先制技。素早さに関係なく上を取れるため対追風パ、トリパで役に立った。
ビートダウン展開でも非常に強力で、この技で相手を縛ることで味方の行動保証が得られる場面があるので「サイドチェンジ」よりも安定した試合運びが出来る。

・サイドチェンジ
味方と自分の位置を瞬時に入れ替える超凶悪技。大半の技をスカせるヌケニンがこの技を使うことで上手く行けば絶大なアドバンテージを得られる。
相手の攻撃から味方を守るために撃つ場合、自身に飛んで来る飛行技や炎技を味方に受けてもらって自身の延命を狙う場合、そしてその両方を兼ねる場合が存在するため、用途は多岐に渡る。
ヌケニンの「サイドチェンジ」の真に強い所は一度見せるだけで相手に「安定択」が存在しなくなること。
読み合いの域を超えたじゃんけんになりがちで嫌われることも多いが、「サイドチェンジ」を使うか使わないかの単純な二択だけではなくこちらの選択肢は非常に多いため、50%より有利な勝負が仕掛けられるのが強み。

ヌケニンが場に出ている状況だけで考えても
(1)ヌケニンを退いて裏で有効打を受ける
(2)「こらえる」でダイマターンを枯らして最小限の被害で食い止める
(3)タスキを盾にして「ポルターガイスト」+「かげうち」で対面処理を狙う
等、「サイドチェンジ」を選ばずに展開するパターンも多々存在するため相手側からしてみれば相当厄介だろう。

ヌケニンが場に出ていない場面ではヌケニン交代もケアしなければならないため、試合序盤~ヌケニンが倒れる瞬間までの全てのターンで相手の取れる選択肢の幅を狭めつつ試合の主導権を握り続けられる。
また相手が勝手に「サイドチェンジ」読みで自爆する可能性すらあり、トータルで見てもこちらに分の良い勝負に持ち込める。

・こらえる
ヌケニンを延命したい場合に使う技。「まもる」との大きな差は

(1)「ダイジェット」や「ダイバーン」等のダイマ技に対して「まもる」だと貫通ダメージで倒れるorタスキが潰れてしまうが、「こらえる」だと無償で済む(タスキも残る)
(2)悪ウーラオスの「あんこくきょうだ」に対して延命出来る

という点。特にダイマックス技を実質無力化出来る点が強力で、ダイマックス技が飛び交う中でも3ターン生存出来る確率がグンと上がる。

一方で「まもる」で防げる補助技を食らってしまう点には注意が必要。「ちょうはつ」や「あくび」はまだしも「おにび」や「やどりぎのタネ」は当たると即死するため、これらを持つ相手の前では慎重に行動することが求められる。

●持ち物
あらゆる弱点技持ちの前で1回は行動保証が得られるきあいのタスキ
天候ダメージで倒されるパターンも多いためそれらを無力化出来るぼうじんゴーグルとは選択だが、基本的にはタスキの方が発動機会が多い。
実際に発動するかどうかは別として、安心して動かせる=強気なプレイングが可能になる点も非常に大きい。ヌケニンへの打点を持っているのか微妙な相手(レジエレキやゴリランダー等)の前でもタスキが残っていれば堂々と動けるのは安心感がある。黒バドレックスにもタイマンで勝てるようになるのは嬉しい。


■化身ボルトロス@いのちのたま まけんき
ワイルドボルト そらをとぶ くさむすび まもる
無邪気154-167-90-146-90-179
0-252-0-4-0-252

●配分
ミラーで上を取りたい場面を想定して最速とし、攻撃も妥協したくないためASとなった。
Cは「くさむすび」の使用機会がそこまで多くはないことや、無振りでも必要なラインを満たしていると判断して4振りに留めた。

●技構成
ワイルドボルト
カイオーガ等へのメインウェポン。反動はあるが威力が高いので「かみなりパンチ」よりこちらを優先させた。

そらをとぶ
「ダイジェット」の媒体となるメインウェポン。カイオーガやザシアンを加速させる。
素で撃つと2ターン掛かるため使いにくい技のイメージがあるが、実はヌケニンと組む上では素でも強い技となる。1ターンの無敵時間を利用して「キョダイベンタツ」や「ダイアイス」を「サイドチェンジ」の択ゲーを挟まず確実に避けることで技を失敗させ、定数ダメージの発生を抑えられればヌケニンが延命出来るようになる。

くさむすび
ちょっとした初見殺し要素。
主にザシオーガが対処に手こずるトリトドンに対する奇襲。Bo3とは言え初見殺しは有効と考えており、この技で1試合拾えれば儲けもの。特に構築にエルフーンを採用しているため、相手側としてはエルフの草技こそ警戒すれど、それ以外に関してはマークが薄くなりがちで、初見であれば決めるチャンスは充分にある。
トドンを警戒の外から倒して裏のオーガを通す動きの他、グラードンに対する最高打点にもなる。
また、ダイマ終了後に地面タイプを即殴れるのも見逃せない。互いにダイマを使い切った終盤に「まもる」ランドロスグラードンに対して「そらをとぶ」だけでは絶対に勝てないが、この技があれば触れるようになる。

・まもる
カイオーガ同様、自身を大事にするため採用。
特性「まけんき」の都合上長く盤面に維持したいことや、ダイマ読みでザシアンから狙われやすいので使用頻度は高い。ダイマ終了後にガオガエンやゴリランダーの「ねこだまし」でテンポを崩されない為にも採用優先度は高いと考えていた。

●持ち物
二刀流なので満遍なく火力を上げるいのちのたま。
昔チョッキ持ちを使った際は火力が低くて弱かったが、火力を上げることで使いやすさが格段に上がった。

●特性
ガエン対策での採用なので「まけんき」。
ガオガエンの「いかく」やエルフーンの「あまえる」で火力を削がれない物理打点というのが唯一無二の強みとなる。
自身の火力担保だけでなく、隣のザシアンやヌケニンにも「いかく」が飛んで来にくくなるのが重要。


ガオガエン@シュカの実 いかく
フレアドライブ じごくづき すてゼリフ ねこだまし
腕白201-136-137-**-125-84
244-4-116-0-116-28

●配分
○B
・A238白バドの「D10まんばりき」15/16耐え
・A222(-1)グラードンのW「だんがいのつるぎ」シュカ込で2発耐え
・A233(+1)カミツルギの「せいなるつるぎ」15/16耐え
・A202(-1)カミツルギの「Dせいなるつるぎ」+A202(+0)「Dせいなるつるぎ」耐え
・A222(+1)ザシアンの「せいなるつるぎ」耐え
・A244(+0)ザシアンの「インファイト」耐え
・A244(+0)ザシアンの「きょじゅうざん」+「せいなるつるぎ」252/256耐え
・A167(+1)ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」14/16耐え
○D
・C177リザードンの晴れサンパワー「Dぼうふう」耐え
・C152フシギバナの雨「Dウェザーボール」11/16耐え
・C167フシギバナの珠「Dだいちのちから」15/16耐え
・C222パルキアの珠「Dあくうせつだん」耐え
○S
・S(+1)でS126 最速テッカグヤ+2
・S(+2)で最速リザ抜き
・ミラー意識
・S最遅グラカイ-1
ザシアンやグラードン、白馬入りへの選出機会が多いため防御寄りの配分。
ミラーで「ねこだまし」や「じごくづき」を上から狙いに行く展開や、「おいかぜ」「ダイジェット」で上から行動する展開を見据えて少し素早さ振り。

●技構成
フレアドライブ
ザシアンを始め、ナットレイカミツルギ、白バドレックス等にしっかり打点を持てるよう炎技を採用。
味方カイオーガとの兼ね合いは難しいものの、晴れに出した時にタダ乗りして高威力になるのも強い。

・じごくづき
ルナアーラ、黒バドレックスへの打点として悪技も欲しかったので採用。「DDラリアット」も選択肢だが、相手のガオガエンの「すてゼリフ」を止めることでアドを取れる場面が稀にあるためこの技を選択。
グラルナに対してトリル下「ダイアーク」からトリル切れ後にカイオーガや「くさむすびボルトロスへ繋げる動きも強い。

すてゼリフ
デバフを掛けつつ交代出来る最強サポート技。この技1つで相手の猛攻を凌ぎやすくなる。一度控えに戻ることで「いかく」「ねこだまし」の使用機会を増やせるのも強い。

ねこだまし
採用理由の1つとなる優秀な技。オーロンゲ等のサポーターの動きを止めて飛んで来る妨害から味方を守ったり、ザシアンに対してテンポを取れる。
稀に素早さ操作目的で「ダイアタック」が強い場面もある。

●持ち物
地面技がボルトロスヌケニン以外に一貫している上、ヌケニングラードンランドロスには不利なのでその穴を埋めるシュカの実。無理やり行動回数を増やしてサイクルを回せるようにするだけで地面ポケモンに制圧されにくくなるため、ほぼ必須。
ふうせんは地面の一貫を切れるのは偉いものの、地面技以外への後出しも多いこのポケモンでは有効に働く場面はシュカの実の方が多いと判断した。


エルフーン@バコウの実 いたずらごころ
エナジーボール あまえる ひかりのかべ おいかぜ
図太い167-**-132-98-108-141
252-0-116-4-100-36

●配分
○B
・A244(-1)ザシアンの「きょじゅうざん」15/16耐え
・A222(-1)ザシアンの「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」83.1%耐え
・A197ランドロスの珠「Dそらをとぶ」@バコウ14/16耐え
・A183イベルタルの珠「Dゴッドバード」14/16耐え
・A167ボルトロスの珠「Dそらをとぶ」@バコウ+A183「ねこだまし」89.8%耐え
・A136ガオガエンの「フレアドライブ」15/16耐え
・A238(-1)白バドレックスのW「ブリザードランス」耐え
・A136「ねこだまし」+A238(-1)白バドレックスのW「ブリザードランス」71.9%耐え
・A238(-2)白バドレックスの「Dブリザードランス」14/16耐え
○D
・C222カイオーガの「Dれいとうビーム」+霰1回@光の壁15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「こんげんのはどう」2発89.1%耐え
・C222カイオーガの「れいとうビーム」耐え
・A183「ねこだまし」+C167レジエレキの珠「Dライジングボルト」耐え
・C177トルネロスのW「こごえるかぜ」+C222カイオーガのW「しおふき」69.9%耐え
・C217黒バドのW「アストラルビット」@ひかりのかべ2発耐え
○S
・追風時最速レジエレキ抜き(味方オーガ+1)

基本的に耐久重視として、ザシアン絡みへの行動回数増加のため防御に多めに配分。
D方面が薄いが「ひかりのかべ」を駆使すればある程度補える。
重めなレジエレキに対して先制出来る手段は多い方が良いためS調整。
味方カイオーガより先に動けるようにしたのは、以下のメリットがある為。
ルナアーラの「ファントムガード」
ミミッキュの「ばけのかわ」
③先にトドンを倒せた場合、「しおふき」「こんげんのはどう」がシングルダメージになる
④「エナジーボール」でDダウンを引けた場合にオーガの縛り範囲が拡大する
WCSでも実際にミミッキュ入りに対して「エナジーボール」+「しおふき」で「トリックルーム」の阻止に成功した試合があったので、この調整にしておいたのは正解だった。

●技構成
エナジーボール
主にトリトドンへの打点として採用。カイオーガカメックスへの気持ち程度の打点にもなり、電気技なしカイオーガの隣に置く上での対応範囲が拡がるのは嬉しいポイント。
地味に特防ダウンの追加効果がある。
構築にゴリランダーやカミツルギ等他の草タイプを採用出来ている場合はこの枠を「ムーンフォース」とすることで対パルキアが補強出来るが、今回はこのポケモンしか草タイプがいないためトリトドンの処理を優先した。

・あまえる
物理全般を黙らせられる、強過ぎるデバフ技。特にザシアンへの火力妨害で味方のダイマエースの行動回数を稼げるのが強い。
優先度+1のお陰で相手の追風やトリルエースに対し仕事が出来る他、ゴリラのグラスラに対しても上からデバフを掛けることでカイオーガが行動出来るようになるケースもあるのが面白い。
味方の物理ポケモンの突破力を増せる「くすぐる」も候補だったが、対トリパや追風ミラーでは「あまえる」の方が耐久サポートに優れる点から「あまえる」とした。グラードン+トリル要員の構築に対する仕事量にも期待出来るようになるのが偉い。
ちなみに「くすぐる」のBダウンを最大限活かすならボルトロスをA補正にしたい(B-1ザシアンに対しA183珠「ダイサンダー」が192-228ダメージ)が、ミラーの素早さを譲って良い程ボルトロスが軽い構築ではない点からも採用は断念した。

ひかりのかべ
特殊エースに対して貼ることで殴り合いがかなり楽になる。特に黒バドレックスやディアルガ、トリパや追風パに対する対抗策にもなる。
特にカイオーガがチョッキではないため、実質「まもる」を使えるチョッキオーガを使えるようになるこの技は重宝した。また、特防下降補正にしてしまったボルトロスの撃たれ弱さが気にならなくなったのもこの技があったからこそ。
「あまえる」と比べると撃つ機会が若干少ないので他の技も候補に挙がったが、追風黒バド絡みや壁カイオーガに対してかなり安定する上に重めなディアルガ系統にも刺さるので続投した。実際WCSでも多用したので採用自体は正解だったと思う。

・おいかぜ
味方全体の素早さを上げられる。全体的に重い黒バドレックスやレジエレキに対する貴重な対抗手段。
相手が「おいかぜ」抜きの高速展開(初手黒バド+エレキ等)を狙って来る場合は「おいかぜ」+「しおふき」等でアドが取れる上、相手もトルネロスエルフーンを選出して来た場合は素早さ操作要員は一度無視して「あまえる」「ひかりのかべ」を駆使して隣のアタッカー枠と殴り合うプランへシフト出来るのが強み。

●持ち物
「ダイジェット」の的にされやすいので生存して行動回数を稼げるバコウの実。
ただし生存することがアドになるとは限らない(追風後は即退場して裏のアタッカーを並べた方が強い場合もある)ため、展開阻止の「ちょうはつ」対策になるメンタルハーブも選択肢。
今回はBo3なら「ちょうはつ」持ちと分かった後で選出を変えればどうにかなると考え、それ以外に実質手ぶらになるメンタルハーブよりも半減実の方が汎用性が高いと判断した。
ディアルガと当たる度に吐きそうになっていたのでリリバの実でも良かったかもしれない(あくまで結果論だが)。

【選出・立ち回り】

①基本選出
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロス+ザシアン

最もパワーが高くなる選出。
「おいかぜ」+「しおふき」をメインのプランとしつつ、相手の出方に応じて柔軟に動いて行ける。
エルオーガの並びは高圧的ながらも対応範囲が広いのが特長。
特にオーガの天敵になるレジエレキに対しては「おいかぜ」から殴る、ゴリラに対しては上からの「あまえる」で火力を削いで殴り合う、トリトドンに対してはエルフーンの「エナジーボール」で処理を狙う等、カイオーガの攻撃を通す選択肢が多い。
「あまえる」「ひかりのかべ」で相手の火力を削いで殴り合う選択肢が加わることで相手との素早さ操作合戦を放棄することが出来、エルフーンを延命してターンをズラしてから「おいかぜ」を狙える。
「おいかぜ」が切れる前にボルトロスの「ダイジェット」を使って、試合終盤まで上を取り続けられると理想。

エルフーンだけでなくボルトロスにも草技があるお陰で、トリトドンに隙を見せない並びを維持しやすいのが強み。
エルフを処理された後にボルトオーガやボルトザシアンの並びに対してトドンを動かして来る相手が多いが、そこに「ダイソウゲン」を刺せると一気に崩せる。

基本はボルトにダイマを回したいが、カイオーガの通りが良ければそちらにダイマを切っても一応成立する。


②vsザシオーガ
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロスヌケニン

ザシオーガにはヌケニンが刺さるため、ヌケニンを通しに行く。
特にガオガエン、ダイジェット枠の2匹しかヌケニンを倒せない構築にはカイオーガボルトロスヌケニンの敵を破壊出来るため、積極的にヌケニン仁王立ちを狙う。
ただし相手カイオーガの「ダイアイス」には注意。


③vs壁ザシオーガ(+カグヤ)
先発:エルフーン+ザシアン
後発:ボルトロスカイオーガ

相手がオーロンゲ+カイオーガ等の先発で来ることを想定した選出。
初手ロンゲに対してリリバの実を持っていたとしても「じゃれつく」で「リフレクター」込でワンパンし、数的有利を取りつつ「ひかりのかべ」を貼らせずに展開する。
相手にテッカグヤ等がいるとヌケニンで詰ませられないため、裏はボルトオーガで打点をしっかり確保する。


④vs晴れ(RinyaSun)
先発:ボルトロス+ザシアン
後発:カイオーガガオガエン

晴れにはカイオーガを裏に控えさせつつ、ボルトロスを軸に攻めて行く。
昔はリザードンがCSばかりだったので、初手ボルトガエンから「ねこだまし」でオーロンゲの動きを止めつつリザを珠「ダイサンダー」で縛る動きでアドを取れたが、リザの耐久振りが増えたことでこの動きは安定しなくなった。そもそも「ダイサンダー」1発で縛れているとしても相手側が「ダイウォール」で凌いでから壁を貼る動きが可能だったり、「ダイサンダー」読みでグラやトドン等の地面に退いてきたりと択は多々発生するので、結局は読み合いになる。
そこで、先発ボルトザシアンから圧力を掛けて相手の行動をある程度絞り、裏ガエンで状況に応じてサイクルする動きを狙う。
「リフレクター」込で耐久振りキョダイリザが「きょじゅうざん」+「ダイサンダー」を耐えて来ることが増えたが、相手は基本「キョダイゴクエン」しか押せないため、相手の行動に対して有効な手を合わせやすくなる。
基本はザシアンでオーロンゲを処理しつつボルトでリザを削って行けば(弱点保険を踏んでも問題ないか細心の注意を払いながら)ほぼこちらが上を取り続けられる展開を作れる。ボルトザシアンの初手は「リフレクター」を強要することでオーロンゲに必要以上の仕事をさせずに頭数を減らせる点が偉い。
(WCS2022決勝でも見受けられたが、オーロンゲで「でんじは」や「こわいかお」+「キョダイゴクエン」をザシアンに集中する動きはリザのCが足りていないと結局ザシアンを倒し切れずに「きょじゅうざん」を食らうため、基本的にはあまり強い動きではない)
ボルトを大事にする上でガオガエンの存在は大きく、ボルトを大きく削れるザシアンの火力を削いだり「ねこだまし」で止めたり、「すてゼリフ」で火力を削ぎつつ天候を取ったり、「いかく」でグラードンに対抗したりとサイクル戦を仕掛ける上で潤滑油として役立つ。
ボルトを場に留めることで相手のガオガエンを出し入れしにくく出来るのを利用し、サイクルを有利に回したい。
レジエレキ入りに対してはエレキダイマが割と重いので、様子を見ながらエルフやヌケニンを出すのもあり。
特にBo3であれば案外晴れに対してヌケニンを通せるパターンもある。


⑤vs黒バドザシアン(エレキorボルト+ゴリラトドンガエン)
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ボルトロス+ザシアン

ヌケニンを出すかどうかは相手にカメックスリザードンがいるか次第だが、いる場合は基本選出が無難。
ガオガエントリトドンの並びに対してもガオガエンの処理が遅れてオーガヌケニンでは戦いにくいためヌケニンは留守番が無難。
エルフーンカイオーガで「おいかぜ」展開しつつ相手を削り、裏のボルトザシアンでスイープする。
先発2匹がヌケニン対策で出て来るキョダイカメックスの攻撃に耐性があるため、序盤は数的不利を取らずに相手のダイマを枯らしてしまいやすい。
カイオーガ対策で出て来るトリトドンやゴリランダーを上手くボルトザシアンの餌にして打開ダイマを通したい。

たまにタスキ黒バドにトリルをされるが、エルフの「ひかりのかべ」「あまえる」と残り3匹の「まもる」があればギリギリ「おいかぜ」に「トリックルーム」を合わせられても4ターン凌ぎ切ってから打開出来る。
これにより初手の「おいかぜ」にほぼ裏目がなくなるため初動が安定しやすいのが耐久サポート入りエルフーンの強みだと感じた。


⑥vs白バドパルキアトリパ1
先発:ザシアン+カイオーガ
後発:ガオガエンヌケニン

初手は圧力を掛けつつ数的有利を取って、トリルを決めさせる。
その後「まもる」や裏の2匹のクッションへの交代でターンを凌いで、2回目のトリルを貼らせない動きを意識して行く。
ヌケニンが詰め筋となれる場合も多いので、相手の並びによってどう勝ちに行くか選択する。
ポリ2入りの場合はヌケニンで詰められないのでそもそも出さないか、出しても囮にしてターンを稼ぐ捨て駒として扱う。
カイオーガだけでなくガオガエンダイマが刺さる場合もあるため、柔軟に立ち回って行く。

相手が初手ガエンパルキアで来た場合は「ねこだまし」がどちらに飛んで来るかを読みつつヌケニンバックで相手の行動をスカしに掛かる。最悪スカせなくてもザシアンのHPを温存しつつ「いかく」を解除するクッションになれば良いぐらいの気持ちで雑に扱っても良い。


⑦vs白バドパルキアトリパ2
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ガオガエン+ザシアン

ヌケニンが出しにくい場合や、レジエレキ等の高速アタッカー+トリルの混合パーティへの選出例。
相手が高速展開で来た場合に「おいかぜ」で対応出来る他、ガチトリル選出に対しても「あまえる」「ひかりのかべ」で最低限の仕事が出来るため、トリパにもエルフを出して行けるのが強い。
特に雨エルフーンパルキアに打点を持たれない点、モロバレルの「いかりのこな」を無視出来る点が美味しい。
「あまえる」で白バドの火力を削ぐことでカイオーガやザシアンの行動回数を稼いで行く際は、稀にいるしろいハーブに注意。
しろいハーブがあったとしてもガオガエンを投げて「いかく」でアイテムを消費させながら「あまえる」で攻撃を下げる立ち回りで対処可能。余裕があればこのような動きでケアして行く。


⑧vsディアルガ、Wキュレム入り
先発:エルフーンカイオーガ
後発:ザシアン+ヌケニンorガオガエン

ひかりのかべ」が生命線となるマッチアップ。
相手のダイマを最小限の被害で枯らし、隣のサポーター等を排除してからザシアンの攻撃を通しに行く。
ボルトロスに格闘技がない+D下降補正なせいで構築上ディアルガが非常に重くなっていて、強いプレイヤーはディアルガに「ダイロック」や「ダイバーン」を入れていることが多いのもありヌケニンもあまり信用ならない。最終的にヌケニンで詰めるプランも視野に入れつつ、困ったらダイマ枯らし要員として雑に投げても良い。
WCS DAY1では8R中Wキュレム1回、トルネロスディアルガを4回も引いてしまい毎試合泣きそうになっていた。環境予想を外したというよりはマッチングに偏りがあったのだと思うが、当たってもせいぜい1,2回だろうと重いのは分かっていながら対策を甘めにしたことを後悔した。
エルフーンが「ひかりのかべ」しかせずワンパンされると相手の「おいかぜ」ディアルガに対抗する手段もないため、リリバの実を持たせていれば「ひかりのかべ」をしつつ「おいかぜ」まで狙えたか、というのが反省点。
キュレムディアルガに負けた試合はどちらも3本目までは行けたので、一応立ち回りで頑張れば勝てなくはない範囲ではある。


⑨エルフミラー
相手に「ちょうはつ」がなければ立ち回りでどうとでもなるが、ある場合は上からの「ちょうはつ」でこちらのエルフが腐る。
「ちょうはつ」持ちと分かった場合は以下のプランで対応して行く。

ボルトロスガオガエンの「ねこだまし」+「ダイジェット」で相手エルフに行動させずに上を取りに行く
 (「ちょうはつ」+「まもる」持ちは少ないと思われるので「ちょうはつ」採用が確認出来た後はバコウかどうかを見極めれば良い)
・ザシアン+ガオガエンの「ねこだまし」+「きょじゅうざん」での処理
・「おいかぜ」ターン稼ぎにヌケニンを活用して殴り合う

特にヌケニンは一度「ちょうはつ」を貰ったエルフを引っ込めたい場合のクッションとして優秀。


⑩追風エレキアグロ(黒バドオーガ)
先発:ザシアン+エルフーン
後発:カイオーガヌケニン

「あまえる」「ひかりのかべエルフーンが光るマッチング。
上からエレキの攻撃を通されるだけでカイオーガが辛いので、壁+ザシアンで殴り合う構え。
エルフーンを隣に置いておくことで相手が「おいかぜ」要員を出していない場合は一方的に上を取れて有利だし、相手が「おいかぜ」要員を出していた場合は「おいかぜ」を強要しつつアタッカー枠へデバフを撒くことで殴り合いで数的不利を取りにくく出来る。
エレキが物理か特殊か、両刀か、珠を持っているか初見では分からないものの、基本は「ひかりのかべ」ザシアンで1発は耐えられる。
エレキを削って「かげうち」圏内にしてからカイオーガの攻撃を通しに行き、最終的にヌケニンで詰ませるプランへ繋げる。


【おわりに】

2月から半年以上ヌケニン+ザシオーガの並びを使い続け、納得感のある並びを完成させられたのは良かった。
最後まで相棒達を信じて戦い抜けたことは自信になったし、これまでの取り組み方が間違ってはいないと思えた。
Bo3の練習機会を格段に増やしてくれた「ぼさんないと」主催のおみさん、フレ戦に付き合ってくれた皆さん、コロナ禍での海外渡航や有給申請を許諾して下さった会社の皆さん、そして何より予選から世界大会参加まで全面的に協力してくれた家族に心より感謝。



* * *



今回の記事は以上です。長文を最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
ブログに書きたいネタが沢山溜まっているので、今後の更新予定を書いておきます。

・WCSに向けて情報を伏せていた過去の構築記事(4月INC,5月PJCS予選,6月全国大会)
・WCS対戦レポート
・WCS旅行レポート(2018は忙しくて先送りにしたまま書けなかったのを後悔しているので、絶対書きます)。
・旅行準備と振り返り(今後の海外大会参加の際の参考に)

来月からの新ルールも面白そうなので、そちらの考察も始めて行きます!新作発売までも大忙しだ!w
ではでは今回はこの辺でノシ

剣盾ダブルとWCSの魅力

こんばんは、ユウキです。
間も無くWCS2022が開催されますね。
本記事では、ダブルバトルやWCSの魅力についてご紹介します。
内容は私が7/31の「リモートポケモン学会」にて発表したものがベースとなっています。

・配信や動画を視聴出来なかった方にも届けたい
・発表時間の都合で泣く泣くカットした内容も全部伝えたい
という思いから、ブログにも改めて記事を作成しました。

ダブルやWCSに興味を持って頂くきっかけになれば幸いです。
この記事を読んで、一緒にWCSを楽しむ準備をしましょう!

 

 

【リンク】
●リモートポケモン学会HP

リモートポケモン学会ex #01 タイムスケジュール | リモートポケモン学会 (remopoke.com)


●リモートポケモン学会Youtubeチャンネル

リモートポケモン学会 - YouTube
リモポケ学会全体のアーカイブは下記にて公開中です。

リモートポケモン学会ex【1日目】 - YouTube

後程発表者毎に切り抜き動画もアップロードされる予定で、公開され次第リンクを貼っておきます。ご視聴頂けると嬉しいです。

 

 

【1】ダブルバトルの魅力
ダブルバトルって?
最大6匹のパーティから4匹を選んで戦うバトル形式。
バトル場に出せるポケモンは同時に2匹。基本的に2vs2で戦って行きます。


ダブルバトルの特長
(1)選択肢の多さ
シングルバトルと比較し、ダブルバトルはとにかく「選択肢の多さ」が段違いになります。

以下に具体例を交えて説明します。

 

○シングルバトルの場合
目の前の相手を攻撃するか、控えのポケモン(最大2匹)に交代するかの選択となります。
簡略化の為ダイマックスを抜きにして考えると、技4つ+控え2匹で最大6つの選択肢から行動を選ぶことになります。

 

ダブルバトルの場合
扱うポケモン数が単純に増え、攻撃する場合でも相手の左右どちらを狙うか、という択が増えるため、ダイマックス抜きでもざっくり100通りの選択肢が生まれます。

厳密に言えば全体攻撃技や「まもる」等の補助技は対象を選ぶ必要がなかったり、味方を攻撃するパターンも存在するので場合によって増減しますが、シンプルにモデル化すると選択肢の数にこんなに差が出るんだ、というのはイメージ頂けたかと思います。

ちなみに将棋における1手あたりの平均的な指し手は約80通りとのことなので、ターン毎の複雑さだけで言えば将棋に近いかもしれません。

この選択肢の多さが戦術や立ち回りに幅をもたらし、ダブルバトルをより奥深いゲームにしてくれます。



(2)試合時間(ターン)の短さ
シングルと比べると1試合のターン数自体は短くなる傾向にあります。
2匹で攻撃を重ねれば基本的に受けは成立しなくなるため、複数の受けポケモンでサイクルを回すパーティや、「みがわり」「まもる」や再生回復技を繰り返してアドバンテージを稼ぐ戦術がそもそも通用しにくく、殴り合い・削り合いになりやすいです。
この辺りはダブルバトルが登場以来公式大会のルールに採用されている背景と繋がる部分があると思いますが、「よりテンポが良く、画面映えのする試合展開になりやすいゲーム性」を目指してデザインされたルールなのだと思います。


※ここで気を付けて頂きたいのですが、私自身はシングルよりダブルが優れたルールだとか、シングルは退屈だという主張をするつもりは全くありません。
元々はシングルメインのプレイヤーでしたし、現在もシングルは大好きです。
シングルとダブル、どちらも違った面白さ、魅力があると考えています。
ただ今回はダブルの特長をお伝えするにあたってプレイ人口の多いシングルと比較した違いを例に挙げた次第ですので、ご理解頂けると幸いです。


ダブルバトルの魅力
①コンボギミック
ダブルバトルならではの味方のサポートを駆使し、超火力のポケモンを完成させて暴れさせるコンボ。
決まると非常に楽しいですし、特に実用的なコンボは一手で成立するため汎用性も高いです。


②全体攻撃技

ダブルバトルでは相手全体に当たる「全体攻撃技」というものがあります。
例えばシングルにおける「じしん」は威力100ですが、ダブルだと相手2匹にそれぞれ威力75の攻撃を飛ばすため、両方に当たれば実質威力150となり、ダメージ効率が非常に良い強力な技です。
特に伝説ポケモンは強力な全体技持ちが多く、伝説ありルールではこれらの技が飛び交います。
相手2匹を同時に倒せる盤面を作れると一気に試合の主導権を握れますし、相手を一掃する爽快感はダブルの醍醐味の1つです。

★味方を巻き込む全体技
・じしん
・じならし
なみのり
・ほうでん
・だいばくはつ
etc

 

★味方を巻き込まない全体技
・ねっぷう
・ふぶき
いわなだれ
マジカルシャイン
・ワイドフォース(サイコフィールド下)
カイオーガの「しおふき」「こんげんのはどう
グラードンの「だんがいのつるぎ
・黒バドレックスの「アストラルビット」
・白バドレックスの「ブリザードランス」
etc

 

③出せるポケモンが多い
4匹も出せるので、色んなポケモンを使ってバトルを楽しめます。
サポートでしか輝けないポケモンも活躍の余地があるため、好きなポケモンをパーティに組み込みやすいのも魅力の1つと言えます。


④駆け引き
ポケモンバトルが楽しいと感じる瞬間は人それぞれですが、特に個人的に魅力を感じるのは駆け引きの要素です。
先に述べた通りダブルバトルではシングルバトル以上に相手と自分の取り得る選択肢が多いので、いかに相手の行動や先の展開を読んで自分が有利になる行動を選択出来るか、という読み合い・心理戦の要素がより顕著になります。
人と人とが1対1で戦う競技である以上、相手の心理をより理解した方が勝つ。シンプルですがこれが難しく、だからこそ面白いんですね。この辺りは将棋やチェス、麻雀等の対人競技の心理戦をイメージして貰えると分かりやすいかもしれません。

 

また、プレイヤーの性格によってもプレイングに差が出るため、ポケモンバトルは対戦相手との「対話」と喩えられることもあります。
例えば「ここでこんな強気な選択をするなんて、大胆な人なのかな?」
「終始安定択を取っている。相手は慎重派かも?」というように、相手が数多の選択肢からどれを選んで来るかで人間性が垣間見えたりします。

言葉が通じない相手でも、こうして対戦を通じて互いの理解を深めて行くことで、対戦終了後には友情が芽生える、というのも面白い要素ですね。

 

バトルにおける駆け引きが生み出す興奮は計り知れず、相手の行動を完璧に読み切って大きなアドバンテージを取れた場合は脳内物質がドバドバ出るのを感じます。この瞬間が楽しくてポケモン対戦を長くやっていると言っても過言ではないかもしれません。
また、そのような「読み」には必ずリスクが付き物なので、一歩間違えば大きな痛手を負うような場面も当然あります。危険な賭けに出る時は心臓の高鳴りが自分でも聞こえる程にドキドキします。

 

○スーパープレイ
相手に上手くやられた時は非常に悔しい反面、心の中で拍手を送りたくなるようなプレイもあります。
選択肢が多い分、45秒という短い制限時間内で編み出された選択が対戦相手や観る人からすると予想外の場合もあり、「そんな手があったのか!」と驚かされることも珍しくありません。
鮮やかなプレイは観る人も惹きつけ、会場では大きな歓声が上がります。
毎ターンのようにアツい読み合いを繰り広げた結果最終的な勝者が決まる、それがダブルバトルの第一の魅力です。


⑤パーティの個性・構築する楽しさ
ポケモンバトルの魅力を語るのに欠かせない要素が、各プレイヤーが使うパーティに個性が出るところです。
ポケモンは今や900種類を超えていて、その中から6匹を選ぶだけでも組み合わせは多岐に渡ります。
勿論強いポケモンの使用率は高いため同じポケモンを目にする機会も多いですが、見た目が同じでも技構成や持ち物、育て方等で差が出ます。
6匹の並びに加えて細部まで考慮すると本当に千差万別のパーティが存在する上、プレイヤーは勝つために日々新しいパーティを模索し続けているため、いつでも新鮮さを感じられるゲームです。
ポケモンのパーティ構築は自己表現の1つだと思っていて、オリジナルのパーティを構築すること自体も大きな魅力だと感じています。

 

また、大会上位になるとこれまで使用率が低かったポケモンに目を付けたプレイヤーが勝ち上がって来ることもあり、良く驚かされます。
過去にはWCS2014優勝のセジュンのパチリスを始め、PJCS2018優勝のカ・エールさんのニドクインやPJCS2019優勝のトリトドン、直近ではPJCS2022上位のボーマンダグソクムシャ等、珍しいポケモンが結果を残しているのは印象的です。


「今年のWCSではどんなポケモンが勝ち上がるだろうか?」と観る人をワクワクさせてくれますね。
最近では大会優勝者のポケモンが翌年に配布されるのが恒例となっているため、面白いポケモンが勝ち上がるとより一層盛り上がります。

ちなみにこういう珍しいポケモンが結果を出すことが割とある理由についてですが、使用率が高いポケモンは相手からも事前に想定されやすく対策がされてしまう一方で、ノーマークのポケモンを使うことで相手の想定を崩せるからです。
環境上位に刺さっているけどあまり使われていないポケモンを発掘するのも、他プレイヤーと差をつける構築作りの醍醐味ですね。


⑥情報戦
「完全情報ゲーム」将棋、チェス等
「不完全情報ゲーム」麻雀、ポーカー等

ポケモンバトルは相手の手持ち6匹が何か、という情報以外は全て非公開からスタートする「不完全情報ゲーム」で、対戦が進むにつれて徐々に情報が開示されて行きます。
そのため既に分かった情報を元に相手の控えポケモンを予想したり、与えたダメージや食らったダメージから相手の配分を推測したり、という「見えていない情報を推理する力」も必要になります。
持っている情報量がそのまま試合の有利不利に直結することも多々あるため、ポケモンバトルは高度な情報戦であると言えます。


⑦運要素
プレイヤーとしてはこれを魅力に入れるかは迷いましたが、ポケモンバトルが観る人を惹きつけるのは間違いなく運要素があるからです。
麻痺や眠り、凍り、混乱等の状態異常、急所、追加効果、命中率、ダメージの乱数等、ポケモンバトルには良くも悪くも様々な運要素が絡みます。
時にはこれらに泣かされることもありますが、逆に言えばこれらのお陰で最後まで希望を捨てずに戦って行けることもあります。
運要素が完全にないと何度対戦しても似たような結果になってしまい面白みに欠けますが、運次第で逆転する場合もあるというのはやはり面白く、盛り上がるポイントでもあります。
最後までどちらが勝つか分からないからこそ目が離せない、というのはポケモンならではの魅力ですね。

 

 

【2】WCSの魅力・体験談
①最大の大規模大会
世界一を決める大会ということで、やはりその規模の大きさは凄いです。
会場の広さや参加人数も国内の大会とは桁違いで、集う人々の熱気も最高です。「勝っても負けてもお祭り騒ぎ」という言葉がしっくり来るようなイベントで、演出やエンターテインメント性も素晴らしく、とにかく盛り上がるイベントです。
ポケモン好きであれば一度は参加してみたい、まさに夢の舞台。
参加したことのある人に聞くと全員が口を揃えて「また参加したい」と言っています。
世界大会に行きたいから、というのもダブルバトルをやり込む大きな理由となっています。

広さが伝わるかは分かりませんが、WCS2018の会場の様子をいくつかお見せします。

また、上位入賞者は賞金が貰えるというのも一つの魅力ではあります。
WCS2022ではこのようなプライズが与えられる予定です。


②海外勢との国際交流
世界中の沢山の国から参加者が集まります。WCS2018では50ヵ国以上の参加国があったと記憶しています。
日本にいるだけでは出会えない海外の強敵と直接会って対戦し、会話出来るのもWCSの大きな醍醐味です。

ほとんどの人と英語でやり取りすることになりますが、英会話にあまり自信がなくても大丈夫。
ジェスチャーやゲーム画面でいくらでもコミュニケーションが出来ますし、バトルしてしまえば言語の壁なんて関係なく友達になれます。
ポケモン」という共通言語があれば世界中の人と繋がれるんだ、ということを実感出来ます。

●ホテルでの交流会
例年、WCS終了後には近隣のホテルで有志の交流会が開催されています。
私が参加したWCS2018でもそのような場があり、ホテルのラウンジやロビーで沢山の人と対戦をしたり会話を楽しみました。
これを一番の楽しみにしている人達も多いくらいで、とても楽しいひと時でした。



③試合観戦
スポーツ観戦等をイメージして頂ければ分かると思いますが、好きな競技のハイレベルな戦いを観るのは非常に面白いです。
世界一を目指す猛者同士の試合は、それだけでエンターテインメントになり得ます。

 

ただ観るだけでも面白いのに加え、生で観ることで現場の熱気や盛り上がりを肌で感じることが出来るのもWCS参加の魅力です。
会場内にあるモニターに映し出された試合を眺めながら、参加者同士で「今のは上手い!」「これって○○読みですかね?」とワイワイ話すのも楽しいですし、勉強になります。

また、他の選手の応援も盛り上がります。
WCS2018でも終盤まで勝ち残っている日本人選手を皆で応援したのですが、凄く一体感がありました。
「WCSは個人戦ではあるけれど、私たちは日の丸を背負って戦う仲間なんだ」と実感しました。

試合の様子はYoutube等で生中継されているため、現地に行かずとも観戦を楽しんだり応援したり出来ます。

 


④サブイベント
メイン競技の裏でサブイベントも実施されており、敗退してしまった後も楽しめます。
サブトーナメントで結果を出すことを目標にして頑張れたり、そこで対戦した相手と新たな交流の機会があるのも嬉しいポイントです。
サブイベントには参加費がありますが、勝利や順位に応じてポイントが貰えるシステムとなっており、稼いだポイントを後程景品と交換出来ます。
私が参加した際はこちらのプレイマットを手に入れました。色々ある中から選ぶので、かなり悩んで決めた覚えがあります。カッコいいのでお気に入りです。



⑤物販、グッズ
WCSでは物販コーナーとして、ポケモンセンターが期間限定で会場内に設置されています。
2018の時の販売の様子をお見せします。

ここで買うことが出来るものには世界大会でしか手に入らない限定グッズもある他、大会参加者には「ウェルカムキット」が配布されます。
2018年の内容はこんな感じでした。

上位入賞すると更に限定グッズが手に入りますが、世界に数点しかないものもあるため非常に貴重です。


⑥有名人と会える
世界中の強豪トレーナーや関係者各位が集まる場なので、有名人とも会えるチャンスです。
せっかくなので、話せそうなタイミングで見つけたら積極的に話し掛けていました。一緒に写真を撮って欲しいと言えば皆さん快く応じて下さいました。こうして写真を残しておくと良い思い出になりますね。



 

【3】試合観戦の予備知識
①ルール
パーティの6匹から4匹を選んで2vs2で戦うダブルバトル
公式大会は以前からダブルバトルで行われており、お馴染みのルールです。

今年は伝説のポケモンを2匹のみパーティに採用可能。
使用可能なのは幻のポケモンを除いた下記のポケモン達。

ちなみにWCSのルールは3年で大体ローテーションしています。

(1)地方ダブル その地方の図鑑に登場するポケモンのみ
使用可能ポケモンが少なく、新ポケモンが多いです。
比較的短い期間で新環境で強い並びを開拓する必要があり、考察力がモノをいうルールです。

(2)全国ダブル 他地方から連れて来たポケモンが全部使える
使用可能ポケモンが多いのが特長です。
地方ダブルとは全然環境が違いますが、これまでの経験を活かしやすいルールです。

(3)GSダブル 全国ダブルに加えて、伝説ポケモンを2匹のみ使える
単純に伝説ポケモンのパワーが高く、全体的に火力重視の大味なバトルになります。
絵面的にも伝説ポケモン同士の大迫力バトルは配信映えしますし、個人的に一番盛り上がるルールであると感じています。

2009 全国
2010 GS
2011 地方(イッシュ)
2012 全国
2013 全国
2014 地方(カロス)
2015 全国BW
2016 GS
2017 地方(アローラ)
2018 全国SM
2019  GS
2020 地方(ガラル)
2021 全国
2022 GS

 

②環境解説
大きく分けて5種類の構築タイプが活躍しています。

 

○ザシオーガ

まずトップメタと言えるのがザシアン+カイオーガ
ザシアンの苦手な炎や地面、威嚇ポケモンの多くにカイオーガが強く、カイオーガの苦手な草にザシアンが強い相性の良い並びです。
高い火力と広い対応範囲が魅力で、壁や猫だましを絡めてサイクルを回す動きも可能です。
カイオーガの「しおふき」の制圧力を活かすため、悪戯心追風やこの指、ダイジェットポケモンとの組み合わせも多いです。


○グラザシ


Bo3が盛んな海外で特に人気なのが、グラードン+ザシアンの晴れパーティ。
特にグラードン/ザシアン/リザードン/ガオガエン/トリトドン/オーロンゲの並びは考案者の名前を取って通称RinyaSunと呼ばれており、人気構築の1つです。
カイオーガ対策にグラードントリトドンを採用しているため雨とも充分に殴り合える上、晴れが維持出来る場合はリザードンフシギバナで暴れて行けます。
Bo3における対応力の高さが売りで、晴れvs雨の熱い天候合戦は海外大会の上位帯でも何度も繰り広げられました。
最近ではルナアーラやポリゴン2、ドータクン等を採用した形も人気で、ダイジェットや葉緑素で上から攻めるパターンとトリックルームの2パターンで柔軟に展開出来るのが強いです。


○黒バドザシアン


攻撃的なパーティで高い人気を誇るのは黒バド+ザシアン。
どちらもダイマックスせず強いポケモンなので、一般枠にダイマックスを譲るパターンが多いです。
特にメジャーなのはキョダイカメックスやキョダイリザードン。「キョダイホウゲキ」「キョダイゴクエン」は4ターンの間相手2匹に最大HPの1/6の定数ダメージを与えるという破格の性能で、この定数ダメージを駆使して相手2匹を「アストラルビット」圏内に削ることで、一気に制圧する盤面を作るのが得意な構築です。
また、上からの制圧を狙うレジエレキやボルトロスダイマックスも相性が良く、「ダイジェット」や「ダイアーク」からの「アストラルビット」連打は超高圧的です。


○白バドパルキア


2月のINC以降に急激に数を増やしたのが白バド+パルキアのトリパ。
伝説枠両方がトリックルームを使えるため、幅広い相手に展開して行けます。
こちらも非常に制圧力の高いパーティで、白バドレックスの「ブリザードランス」やダイマックスの猛攻を凌げるポケモンは数が少ないです。
ポリゴン2やサマヨール等の高耐久トリックルーム要員をモロバレルガオガエン、イエッサン等の多彩なサポートで更に固め、2回以上トリックルームを狙って来る動きも可能です。


○イベザシ


最後はイベルタル+ザシアン。
伝説枠の中でも抜きん出たダイマ適正を持つイベルタルをメインのダイマエースとした構築です。
高威力のタイプ一致「ダイジェット」と「ダイアーク」による突破力増強で全ての相手を上から薙ぎ払います。
レジエレキの「エレキネット」やランドロスの「ダイジェット」も駆使してとにかく上から殴る前のめりな構築が多い印象ですが、オーロンゲの壁+チョッキイベルの「バークアウト」等で耐久戦をする系統もあります。


他にも最近は今まで見たことのないような伝説枠の組合せが台頭して来ており、本番でどんなびっくり構築が飛び出すかが楽しみです。


③見どころ
(1)伝説ポケモン達のド派手なバトル

やっぱり今回のルールの主役は伝説ポケモン達。
高い種族値、高いパワーが特長で、伝説同士が殴り合うド迫力の絵面が最大の魅力です。
伝説を主軸に構築を組む人が多いため、互いの伝説枠の相性関係も試合を大きく左右します。

 

(2)サポートポケモン
また、強力な伝説枠の攻撃を通すための工夫もこのゲームの肝です。
伝説枠は攻撃役に徹することが多いので、一般枠のサポートの動きにも注目です。
各種素早さ操作や「このゆびとまれ」、「ねこだまし」等でゲームの流れを作る動きは非常に重要です。

 

(3)ダイマックス
剣盾の目玉であるダイマックス。
実はWCS2022は剣盾環境で開催される唯一の世界大会なので、ダイマックスポケモン達の躍動をしっかり見納めしておきたいですね。
ゲームの主導権を握るにはいかに相手のダイマックスを上手く凌げるか、自分のダイマックスターンを有効に使えるかという点が重要です。お互いのダイマックスの切り方に注目です。


(4)BO3特有の情報戦・心理戦

Bo3とはBest of 3の略で、最大3試合で2本先取のマッチ戦です。
世界大会においては、普段のランクマッチとは異なりBo3が用いられます。
この形式になることで1戦目で入手した情報を2戦目以降で活かす等の試合展開も可能になり、情報の価値が普段以上に高まる他、読み合いもハイレベルになります。

Bo3特有のテクニックも存在します。
勝ち目がなくなった場合は自分の情報を隠すために早めに降参したり、逆に勝ち目が薄くても粘ることで相手の情報を引き出して次に繋げたりと、長い目で勝ちを狙いに行く姿勢が大事になります。
初戦で隠していたポケモンや技を2戦目以降で有効に使って勝つパターンもあったりと、Bo3はとても奥深いです。

今お互いがどんなことを考えているか、どんな択が発生しているかを理解出来ると面白さ倍増です。
配信では解説の方が分かりやすく説明してくれるはずなので、対戦の駆け引きを楽しんで頂けると幸いです。


④プレイヤー紹介


言わずと知れた現世界チャンピオン。
10年以上前から第一線で活躍し続ける古豪トレーナーで、非常に実績が多いです。
クールな立ち振る舞いが印象的。

ディフェンディングチャンピオンは例年DAY1からの参加となりますが、彼は国内ベスト8に入ったためDAY2からの参加となります。

 

WCS2019の準優勝者。
2018,2019の全国大会2連覇という前人未到の偉業を達成した、期待の新星です。
ニドクイントリトドンブラッキー等、珍しいポケモンを活躍させるのが得意で、独自性のある構築を何度も生み出しています。

 


PJCS2021準優勝者。
2年連続で超激戦の世界大会DAY1を勝ち抜いているのは凄いの一言で、非常に安定感のあるトレーナーです。
最近では環境を席巻したRinyaSunの生みの親として特に有名ですね。

 

 

【4】ダブル入門オススメコンテンツ
●リバティノート

https://liberty-note.com

リバティノート - YouTube

国内最大手の情報まとめサイト
運営陣の多くがWCS経験者のトッププレイヤーで、サイト運営だけでなくオンライン・オフライン大会の開催、それらの配信等も幅広く実施しています。
ランクマッチやインターネット・公式大会の上位者をまとめてくれたり、パーティ解説記事を募って掲載しているのが特長です。
ここのサイトを隈なくチェックしていれば国内の流行に関してはかなり把握出来ますし、非常にお世話になっているサイトです。


●VictotyRoad

https://victoryroadvgc.com

Victory Road - YouTube

海外の大手まとめサイト
レンタルチームまとめが充実しているのが特長で、様々なパーティを使うことが出来ます。
大会の開催にも積極的で、度々大規模なBO3の大会を開いていたり、配信等もしています。
海外のトレンドを知りたい際に重宝します。


ポケモン公式YouTubeチャンネル

ポケモン公式YouTubeチャンネル - YouTube
全国大会の配信アーカイブが観られます。世界大会の配信もここで実施されるはずなので要チェックです。

 

●The Official Pokemon YouTube channel

The Official Pokémon YouTube channel - YouTube
世界中で行われている海外の大会の配信はここで観られます。日本と異なり様々な地域で大会があるため、なるべく観て環境の最先端をチェックしていました。

 

●Umbra Channel

Umbra Channel - YouTube

ビエラ・キヌガワ・アルカナの3名によるプロゲーミングチーム「Umbra」のチャンネル。
全員が世界レベルのプレイヤーで、ダブルで勝ちたい人にはとても参考になります。
オフ会等の開催や配信もあります。先日開催された日韓交流戦の模様も配信されていました。
3人がとても仲良さそうだったりネタ動画・コラボ動画もやっていて、対戦要素抜きにしても楽しめます。

 

ビエラ

ビエラ/ポケモン世界優勝 - YouTube

WCS2015チャンピオン。
剣盾のランクマ動画や配信も積極的に行っていて参考になるだけではなく、本人のキャラも面白いのが特長です。
顔芸やシャウト芸(?)込みで動画のエンタメ性が高く、Youtuberとしても凄く人気です。

 

●キヌガワ

UMA【キヌガワ】 - YouTube

PJNO2020チャンピオン。
ランクマで2期連続1位を達成し、最終日付近の上位帯の試合を動画化してくれたりと非常に参考になります。
独自の着眼点で、一般的ではないポケモンや型をいくつも生み出しています。
実績に裏打ちされた強いポケモンの情報を惜しげもなく公開してくれるのもあり、環境に与える影響力も大きいです。

 

●テル

テル/ポケモン - YouTube

WCS2016日本代表。直近でも2019-21に3年連続で全国大会に出ていたりと、安定感抜群の強者です。
YouTubeを開設されて半年ちょっとですが、情報の正確さと見やすさ、説明の分かりやすさでは群を抜いていると思います。
この方の解説動画を観ればWCS2022ルールの環境変遷についてもバッチリ理解出来るので、初心者の方にもオススメです。

 

 

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今回の記事は以上となります。
最後までお読み下さりありがとうございました!
少しでも多くの方にダブルやWCSに興味を持って頂けたら幸いです。

8月のWCS、全力で楽しみましょう!!!