ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

【WCS2022】狙撃の王・インテレオン ~RinyaSun絶対倒すマン~

現ダブル環境で猛威を振るい続けている晴れパーティ、通称RinyaSun。

グラードンザシアンガオガエンオーロンゲトリトドン

数々の大会で立て続けに結果を残し、直近のEUICでも優勝者が使っていたことで話題となった。
攻守の相性補完に優れて対応範囲が広く、もはやWCS2022ルールのBIG6との呼び声も高い結論級の並びである。

 

今回はこのRinyaSunを破壊するために編み出した必殺仕事人を紹介する。

元々はシングルで愛用していたポケモンと戦術だが、きちんとサポートすればダブルでも通用するのではないか?と考えて導入してみたところ、上手くハマった。壁パや晴れパの対策に困っている人は是非試してみて欲しい。

 

【個体紹介】

f:id:yuki_rotom:20220430024828j:image
■巨インテレオン@ピントレンズ スナイパー
ねらいうち エアスラッシュ あくのはどう きあいだめ
臆病146-**-85-177-85-189
4-0-0-252-0-252

リザードンを抜くだけなら控え目でも可能だが、化身ボルトロスカミツルギ等を抜けたり、稀に甘えたザシアンの上を取れるメリットが大きいため基本的には最速推奨。

 

【仮想敵】
①壁パーティ全般
②水耐性をトリトドンに一任したサイクルパーティ
→RinyaSunの全ての選出に対応可能

 

【組ませるポケモン
①イエッサン♀イエッサンの画像
このゆびとまれ」+「きあいだめ」で壁パーティの対策が可能。
イエッサンである理由は「サイコメイカー」によるサイコフィールドが残ることでイエッサンが倒された後もオーロンゲの「でんじは」や「トリック」「こわいかお」等で足を奪われずに攻めて行けるため。

カイオーガカイオーガ
天候を「あめふらし」で上書きしながら水技を撃つことで晴れパーティの対策が可能。
インテレオンだけで相手全員を倒せずとも、インテレオンでトリトドンを破壊することに成功すれば「しおふき」の一貫を作れるため、水タイプ2匹での攻めの布陣が強力。

 

【アピールポイント】
①「ねらいうち」の狙撃性能
インテレオンの専用技「ねらいうち」には「よびみず」「このゆびとまれ」を無視する効果があり、ダブルでメジャーなトリトドンの「よびみず」に吸われず水打点を好きな方向に振れるのが利点。
水耐性をトリトドンに大きく依存した晴れパーティ等をカイオーガによる天候上書きとのセットで崩せる。
尚、攻撃を「よびみず」に吸い寄せられないだけで、トリトドンに向かって撃つと普通に無効化された上で特攻が上がるので注意。

ちなみに急所率が高い技であり、素で撃つとピントレンズのお陰で50%で急所に当たる。


②「キョダイソゲキ」で「よびみず」貫通
水技でトリトドンを殴れない弱点も、キョダイマックスすることで完全克服可能。
「キョダイソゲキ」の効果により「よびみず」を含むあらゆる特性を無視して攻撃を与えられる。
これでインテレオン自身でトリトドンを突破することが可能。
特性貫通は他にもミミッキュの「ばけのかわ」を無視して倒しに行けたり、ヌケニンに対して択を考えずに済んだりと便利な場面が多い。


③確定急所コンボ
「きあいだめ」+ピントレンズにより、全ての技を急所に当てられるようになる。
更に特性「スナイパー」により急所時の威力が1.5倍となるため、実質2.25倍の火力をたった一手で永続で出せるようになる。
確定急所戦術の強い所はオーロンゲの「ひかりのかべ」やトリトドングラードン等の「ダイアース」、ガオガエンの「すてゼリフ」「バークアウト」等の耐久バフ、火力デバフを全て無視出来る点。
晴れパーティ以外にも広く役割を持てるようになる。


④「ダイジェット」が可能
汎用性が高いダイマックス技をそれなりに高い威力で撃てるのも魅力。
自身が相手のザシアンの上を取りに行ける他、味方のカイオーガ等を加速出来ると非常に強い。フシギバナモロバレル等の草タイプへの打点にもなる。


⑤「ダイアーク」が可能
自身の決定力増強になるだけでなく、味方カイオーガの「しおふき」「こんげんのはどう」でスイープを狙いやすくなる。
最近増えている黒バドレックスやルナアーラにも4倍弱点を突ける。

 

以下はvsRinyaSunで活躍するカードであるランドロスとの違いについて触れる。
イエッサン+ランドロスは晴れパーティに強い組み合わせだが、いくつかの不安要素を抱えている。
インテレオンはそれらを解消する要素を持つのが利点。

 

リザードンより速い
リザードンに初速で勝っており、天候上書きからの「キョダイソゲキ」で初手のリザードンをワンパン可能なので大きな行動制限を掛けられる。
ランドロスだとリザードンに1,2手は動かれてしまうため最低限の仕事をされてしまう上、常に下から動く場合はこちら側が不利な読み合いとなる。
インテレオンであれば主導権を握れるのはこちら側となるため、この差は大きい。


②地面に足がついている
ランドロスと異なりサイコフィールドの恩恵を受けられるため、初手イエッサンとの並びで相手のガオガエンの「ねこだまし」を気にせず積める。
初手イエッサン+ランドロスを見た相手ガオガエンが決死の「ねこだまし」をして来るパターンも稀にあり、それに対してはランドロスダイマックスを合わせないと損をするためダイマしたいが、一方で相手が「ねこだまし」をしていない場合はダイマし損なので正直択。この択を拒否出来るのは大きなメリット。


③特殊アタッカーである
ランドロスと異なり、特殊アタッカーである点が大きな利点。
最近はイエッサン+ランドロスの「つるぎのまい」や「ダイアース」「ダイジェット」対策でオーロンゲやガオガエンが「しっとのほのお」を持つことが増えたからである。
(キヌガワさんが下記の動画の2戦目で紹介していた動き)
特殊アタッカーのインテレオンであれば積んだターンにやけどを貰っても機能停止せず、「いかく」を回す動きにも強くなれる。


参考:【レート2030~】通常では絶対に勝てないレベルの不利構築⁉️圧勝する完璧なプランがあります!!【ポケモン剣盾/ダブルバトル】 - YouTube


④「きょじゅうざん」半減
イエッサンの行動補佐がなくなった後も最悪1回はザシアンの攻撃を受けられるのもランドロスにはない強み。

 

 

【実績】
・S29ダブルランクマ最終日(4/30)にレート1904、暫定26位達成。

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カイオーガザシアンイエッサンの画像霊獣ランドロス

・初手ロンゲガエンスタートのRinyaSun相手に指きあいだめから4タテ
・雨「キョダイソゲキ」で壁下のチョッキグラードンをワンパン
・雨「キョダイソゲキ」急所で壁ダイマトリトドンをワンパン
・1900チャレでミミガエン白バドレシラムトドンバレルをボコボコに

グラードンのW「だんがいのつるぎ」でワンパンされる(乱数37.5%)
カイオーガのW雨珠「しおふき」でワンパンされる(半減とは)


(おまけ)
・実はS15シングルランクマにて瞬間1位を達成した時の個体
・当時コスモパワームゲンダイナ、ダイマミミッキュメタモンを3タテ
・INC March予選突破時に使っていた剣舞ランドもこのパーティ出身という謎の縁

【剣盾シングル】壁+まきびしゼルネアス【S15瞬間1位/レート2014達成】 - ユウキのめざめるパワー(氷) (hatenablog.com)



 

* * *

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました!
6月の全国大会に向けて、これからも様々な可能性を模索して行きます。
皆さん良いGWを!

【WCS2022】すいすいヌケザシオーガMar.【INC Mar.最終15位&32位】

こんばんは、ユウキです。
3/11~14に開催されたINC Marchにて、私とアカバさん(@akiakaba)が上位の成績をおさめてPJCS2022出場権を獲得した構築を紹介します。
レンタルチームも公開中なので、本記事を参考に是非使ってみて下さい!



★目次

【パーティ】

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【戦績】

●INC Mar.(ユウキ)
勝敗:31勝3敗
勝率:91.2%
レート:最高/最終1885
順位:最終15位/304858名


●INC Mar.(アカバ)
勝敗:33勝5敗
勝率:86.8%
レート:最高/最終1877
順位:最終32位/304858名
(海外勢、権利持ちの繰り上げで全国権利獲得)


2人で同じ構築を使用し、同時に予選抜けを達成。
ランクマでも瞬間1位や2人同時1桁を取る等、安定していた。
パーティの完成度には自信があったが、それを証明する最高の結果が得られた。


【コンセプト】

①ザシオーガに強いザシオーガ
②上からの高火力押し付け
ヌケニンを最大限に活かす


①ザシオーガに強いザシオーガ
INCで勝ち切るためには、現環境のトップメタであるザシアン・カイオーガに強い構築を組むことが必須であると考えた。
事前にランクマやINC Feb.で得たデータから試算した結果、最低でもどちらかが採用されたパーティとマッチングする確率は8~9割近くなると予想された。

この2匹に強い構築を組めれば有利マッチが増え勝率を稼げるようになるため、「ザシオーガガンメタ構築」を第1コンセプトとした。
パワーの高いザシオーガを自身が使いつつも、相手のザシオーガに滅法強いヌケニンを採用することでミラーで差をつけることを狙う。


②上からの高火力押し付け
前回のINC Feb.で予選を抜けた人の勝率を調査した結果、最低でも82%以上の勝率が求められることが分かった。
不特定多数相手に高い勝率を維持するためには事故率の低さがマストとなるため、以下のような要素が欲しい。

・攻撃の被弾回数をなるべく抑える
・命中不安技を多用しない
→上から命中安定の範囲技を含めた高火力を押し付ける

これを実現するのがスカーフカイオーガキングドラの組み合わせ。
S300からのダイマックス技とS234からの命中安定・高火力範囲技「しおふき」を初手から撃てるため、遅い相手に行動させる余地を与えず安定して勝ちを重ねられる。


ヌケニンを最大限に活かす
ヌケニンを構築の軸として、大きく3通りの勝ちパターンを用意した。

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
(B)ヌケニン囮ビートダウン
(C)選出誘導


(A)ヌケニン仁王立ちエンド
ヌケニンに打点がありそうなポケモンから優先的に倒してしまえば相手がヌケニンを倒せなくなるため勝ち、という最もスタンダードなプラン。
ザシアンやカイオーガを始めとしてヌケニンに一切打点がないポケモンは案外多く、それらを簡単に詰ませられるのが強み。

ただし気を付けたいのが相手がヌケニンを倒せないがこちらも相手を崩し切るのに時間が掛かる場合。残数不利を取った場合・同数の場合はTODで負けになるため、ヌケニンで倒すのに手間取るポケモンも優先して倒し切って残数有利を取れるようにする。


(B)ヌケニン囮ビートダウン
ヌケニンへの打点がなくなることを恐れた相手の立ち回りを逆手にとってアドバンテージを重ねて勝ちを狙うプラン。
(A)を狙いながらも途中で(B)に切り替えて行く等、同じ選出でも柔軟に立ち回って行けるのが本構築の強みの1つ。
最終的にヌケニンが倒れようともこちらがそれ以上のリターンを得られていれば問題ないという考えで、ヌケニンをある程度雑に扱って行く。
相手がヌケニンを倒すために「ダイジェット」や「ダイアイス」を撃つ(大体がタイプ不一致だったり隣が氷半減だったりで大ダメージにはならない)のを気にせず、タスキを盾に「ポルターガイスト」や「かげうち」で攻撃に専念することで、ダメージレースで有利を取ることが出来る。


(C)選出誘導
ヌケニンをパーティに入れている強みとして、相手の選出が読みやすくなる点が挙げられる。
基本的にヌケニンに打点があるかどうかは見せ合いの段階である程度分かるが、極端に打点持ちが少ないパーティの場合(2匹ぐらいしかいない場合)はすぐにそれらは出されることが予想出来る。
こちらはそのポケモン達を処理するルートが想像出来れば(A)の勝ち筋を狙った出し方をすれば良いし、逆に打点持ちを出させた上でヌケニンを出さない選出の方が強そうであれば出さない場合もある。
いずれにしても選出段階から有利なゲームとなる。


【構築経緯】

①INC Feb.までの取り組み
環境トップのザシオーガに強いヌケニンを軸に構築を組み始め、ランクマ等での試運転を経て最終的に下記6匹でINC Feb.に挑んだ。
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●参考
yuki-rotom.hatenablog.com
本構築の原型である上記構築の詳しい構築経緯、課題点について記した記事。可能なら先にこちらに目を通して頂くとより分かりやすい。


②INC Feb.以降の取り組み タッグ復活
INC Feb.では結果としてあと1勝で予選抜けというチャンスを2回逃してしまい敗退したが、構築には確かな手応えを感じていた。
大会終了後、アカバさんに「今回は惜しくも予選抜け逃したけど、絶対強いので3月一緒にこの構築使いましょう!」と持ち掛けた(2月はアカバさんは不参加)。
彼とはこれまでも何度か一緒に構築を作って来たが、彼自身がヌケニン愛好家というのもあってすぐ気に入ってくれるだろうと思った。
実際、詳しい選出や立ち回りの説明は抜きで構築を渡した数日後にはランクマ瞬間1位を取るくらいすんなり使いこなしてくれたので、驚きつつも構築の強さに疑いの余地がないことが分かり安心した。
以降は3月での予選抜けを目指して、2人で構築の改良に取り組んで行った。


③課題点
INC Feb.の負け試合を分析した結果、浮き彫りとなったのが以下の課題。

(1)「いたずらごころ」対策が甘い
(2)晴れパが重い
(3)ディアルガ、Wキュレムが重い

基本選出「カイオーガ/キングドラ/ヌケニン/ザシアン」を崩さずにこれらの改善を図るべく、残り2枠の補完枠を最初から検討し直した。


④イエッサン♀の採用
まず第一に採用を決めたのはイエッサン♀。
特性「サイコメイカー」により相手の「いたずらごころ」の補助技全般を無効化出来る。
この特性だけならカプ・テテフも候補になるが、「このゆびとまれ」や「てだすけ」により汎用性のあるサポート能力を発揮出来る点を買ってイエッサンとした。

持ち物にサイコシードを選択することでディアルガやWキュレムに対しても行動回数を稼ぐことが出来る上、「このゆびとまれ」も併せることで「おいかぜ」等で上を取られたとしても味方アタッカーの攻撃を通せるようになるため、オーロンゲやエルフーンがセットでいても安心して戦える。

これにより課題点(1)(3)のある程度の解決が可能となった。


⑤霊獣ランドロスの採用
晴れパが重く、特にグラードンの地面技が一貫している点を改善したい。
流行し始めたリンヤさん、カ・エールさんの並びに勝てるようにすることを想定して検討を重ねた。

●仮想敵
ザシアン/グラードン/リザードン/ガオガエン/トリトドン/オーロンゲ
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ザシアン/グラードン/リザードン/ガオガエン/レジエレキ/ポリゴン2
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●欲しい要素
・地面の一貫切り(グラードンに強い)
リザードンに打点がある
・ザシアン、ガオガエンに打点がある
トリトドンに打点がある
・レジエレキの「エレキネット」に屈しない

イエッサンは文句なしですんなり決まった一方で、この枠は色々と迷走した。
沢山の没案を経て、最終的にはこれらの条件を満たしつつ汎用性の高い霊獣ランドロスに落ち着いた。
ディアルガ入りに対しても取り巻き次第ではあるが勝ち筋になれる可能性があるのも嬉しいポイント。

これで課題点(2)と(3)の対ディアルガが緩和出来た。


キングドラの型変更
「リフレクター」「ひかりのかべ」まで考えると、オーロンゲの対策がイエッサン♀だけでは不十分と感じていた。
そこでキングドラを特殊型から物理型へ変更した。
通常カイオーガキングドラの並びは両方特殊なので、初手でオーロンゲが対面した場合は「ひかりのかべ」から入ることがほとんどである。
そこに物理「ダイストリーム」を打ち込むことで片方しか壁を貼らせずに展開出来るのが非常に強い。

これで課題点(1)の対策が更に万全となり、構築が完成した。
完成後はランクマで調整を重ねた後、特に大会直前の1週間は流行している並びのレンタルチームを使って2人でスパーリングを沢山した。
増えそうな並びや苦手意識のある伝説との選出・立ち回りを固めて行き、細部を調整して完成度を高めた上で本番に臨んだ。

それでは以下に詳しい個別解説を行う。


【個別解説】

カイオーガこだわりスカーフ あめふらし
しおふき こんげんのはどう かみなり れいとうビーム
臆病175-**-111-202-160-156
0-0-4-252-0-252

努力値配分
・スカーフで最速ザシアン、黒バド等を抜くため臆病

●技構成
・しおふき
最強の全体技。この技をいかに上から通すかが、カイオーガを使えるルールにおける共通テーマ。本構築ではキングドラランドロスの「ダイジェット」に乗せて上から放つ場面が多い。

こんげんのはどう
HPが削れた際の水技として。命中不安なのでなるべく撃たないで済む立ち回りを心掛けた。

・かみなり
カイオーガミラーやカメックスへの打点。「ダイサンダー」が撃てるとモロバレル入りが楽になる。
ヌケニンを採用しているとは言え相手のオーガに一方的に不利を取る型は弱いため、電気技は切れない。

れいとうビーム
草タイプ、ドラゴンタイプへの打点。トリトドンに対して削りが出来たり、グラードントリトドンに一貫する点も偉い。

●持ち物
以前はしんぴのしずくだったが、こだわりスカーフへ変更。
最大の理由は初手のタスキエレキ。初手オーガグドラがタスキエレキと対面した場合、グドラは上を取れるがタスキで耐えられると何かしらの仕事をされてしまう。「ダイジェット」や「こごえるかぜ」をしてもカイオーガが1加速ではレジエレキを抜けないため、「エレキネット」や「10まんボルト」を通されて厄介だった。
そこでスカーフを持たせることで「ダイジェット」or「こごえるかぜ」でエレキの上から「しおふき」を選択出来、何もさせずに落とせるようになった。
他にも対追風パで相手の「おいかぜ」(素早さ2倍)よりも「ダイジェット」+スカーフの補正(実質2.25倍)が上回るため相手の上を取れるメリットがあったり、キングドラがいなくとも単体性能が高まるのが強かった。
特にイエッサン+スカーフオーガの組み合わせも強力で、「てだすけ」を絡めて上から高威力の全体技を押し付ける動きでダメージレースを優位に進められた。
技固定のデメリットに関しても、裏に最強のクッションであるヌケニンがいることでローリスクで技を選び直すための交代を行いやすく、通常のパーティよりかなり使い勝手が良く感じた。



キングドラ@いのちのたま すいすい
たきのぼり げきりん とびはねる こごえるかぜ
陽気151-147-115-103-115-150
4-252-0-0-0-252

努力値配分
・S(+1)で最速ザシアン、黒バド等を抜くため陽気

主に壁対策のため物理型とした。「ひかりのかべ」無効の他にも多々メリットがある。

カイオーガに大ダメージを出せる
とつげきチョッキ持ちを強襲出来る
・「バークアウト」が一貫しない
・「ダイアース」の影響を受けない(オーガグドラは「ダイスチル」半減で撃たれにくいのも強い)
・メインウェポンの命中安定(非ダイマダイマ終了後に安定した打点がある)

●技構成
たきのぼり
物理水技の候補としては威力が5高い「アクアブレイク」があるものの、非ダイマで水技を撃つ場合のリターンを考えると「たきのぼり」の怯み効果の方が「アクアブレイク」のBダウンより嬉しい場面が多いだろうと考えてこちらを選択。主に「このゆびとまれ」のない「トリックルーム」を止めることが出来れば一気に勝ちが近付く点を評価した。

げきりん
ドラゴンタイプへの打点。ダイマせずに気軽に放てた「りゅうせいぐん」とは異なり対象がランダムな上に行動固定のデメリットが痛いので素で撃つことはほぼない。
ダイマ時にカイオーガ等に撃つことが多く、チョッキの有無に関係なく特殊ベースよりも大ダメージを与えられるため、物理ベースの旨味を存分に感じられた。地味に「ダイドラグーン」の攻撃ダウンの追加効果も便利だった。

・とびはねる
「ダイジェット」の媒体。S300から味方のカイオーガやザシアンを加速させる動きがとにかく強い。純粋に草タイプへの打点としても優秀で、技範囲の拡大に貢献している。
ダイマ時は特殊型の「ぼうふう」と比べると非常に使いにくい技となってしまうが、対トリパの時間稼ぎが出来るメリットがある。
対トリパで隣に「このゆびとまれ」や「いかりのこな」要員がいて「たきのぼり」で怯みが狙えない場合に先制で「とびはねる」を使うと、「トリックルーム」が決まった2ターン目は一番最後に落下して来るため実質2ターンの間相手の攻撃対象にならない。2ターン目にヌケニンを交代で出して「サイドチェンジ」を絡めて再度「とびはねる」を使うことで、ヌケニンキングドラの2匹だけでトリルを凌ぎ切ることもあったため、案外便利だった。
また、ヌケニンを「ダイアイス」の霰ダメージや「キョダイベンタツ」の定数ダメージで処理する動きに対しても「サイドチェンジ」の択ゲーを回避して先制「とびはねる」でダイマックス技を失敗させることで定数ダメージを発生させない立ち回りが狙えるのも強み。

・こごえるかぜ
主に「ダイジェット」の代替技として非ダイマ時に撃つ。
特殊型の頃からこの技が非常に強くて使用感が良かったため、物理型にした後も続投した。
キングドラが初手で狙われなさそうな場合にダイマターンを節約しつつ素早さ操作をしたり、ダイマ終了後も腐らずに上からの素早さ操作が出来る点が優秀。
特に試合序盤に「ダイジェット」を積んでおけば雨が切れた終盤にも上から「こごえるかぜ」→味方ザシアンで相手の上を取るという展開が狙えるため、終始素早さ優位を取ることが出来た。

ちなみにこの枠は「ダイウォール」媒体となる補助技もいくつか検討した。
りゅうのまい」はリターンは大きい反面狙える場面が多くない(イエッサンと並べれば狙えなくはないが、あまりに露骨な上にその出し方が相手にカイオーガがいないと微妙)ため没となった。
次に「にらみつける」も試したが、机上論ではかなり強そうだった(自身だけでなく基本選出のザシアン、ヌケニンの火力補助にもなる)一方で試運転しても有効に使える場面があまりなく、こちらも残念ながら没となった。
特に「せいなるつるぎ」が防御ダウンも無視してしまう仕様なのが痛く、もしこの仕様でなければHBナットレイ等のワンパンを狙えたのでもっと強かったと思う。

●持ち物
火力が心許ないので満遍なく強化できるいのちのたま。
これでも伝説に対しては水技以外は火力不足を感じるが、一般枠を圧倒するには充分。



ヌケニンきあいのタスキ ふしぎなまもり
ポルターガイスト かげうち サイドチェンジ こらえる
寂しがり1-156-45-**-35-92
0-252-0-0-0-252

努力値配分
・B個体値0+下降補正
・A156「かげうち」でH155-B45メタモン確定

このルールではメタモンの使用率が比較的高く、ヌケニンをコピーされる展開もたまにあるため対策として防御最低値。
相手がスカーフでこちらのタスキが残っていれば一方的に勝てる。

●技構成
ポルターガイスト
威力110のメインウェポン。ゴースト技は一貫しやすく、打点として純粋に非常に強力。この技の習得のお陰でヌケニン自身がかなりの攻撃性能を手に入れたため、ビートダウン展開に組み込みやすくなった。
命中後に相手のアイテムが判明する追加効果により、手に入れた情報アドバンテージを活かして最適な立ち回りを選択出来るのが強かった(とつげきチョッキが判明した方に次ターン集中のリスクがなくなったり、「しおふき」で固定したスカーフカイオーガのHPを削った後に放置する選択肢を取れたり)。
ただしアイテム消費後の相手には攻撃が失敗する仕様には注意。時折この仕様に困る場面もあったが、忘れて撃ってしまう等のプレミがなければ問題ない範囲。

・かげうち
便利な先制技。素早さに関係なく上を取れるため対追風パ、トリパで役に立った。
ビートダウン展開でも非常に強力で、この技で相手を縛ることで味方の行動保証が得られる場面があるので「サイドチェンジ」よりも安定した試合運びが出来る。

・サイドチェンジ
味方と自分の位置を瞬時に入れ替える超凶悪技。大半の技をスカせるヌケニンがこの技を使うことで上手く行けば絶大なアドバンテージを得られる。
相手の攻撃から味方を守るために撃つ場合、自身に飛んで来る飛行技や炎技を味方に受けてもらって自身の延命を狙う場合、そしてその両方を兼ねる場合が存在するため、用途は多岐に渡る。
ヌケニンの「サイドチェンジ」の真に強い所は一度見せるだけで相手に「安定択」が存在しなくなること。
読み合いの域を超えたじゃんけんになりがちで嫌われることも多いが、「サイドチェンジ」を使うか使わないかの単純な二択だけではなくこちらの選択肢は非常に多いため、50%より有利な勝負が仕掛けられるのが強み。

ヌケニンが場に出ている状況だけで考えても
(1)ヌケニンを退いて裏で有効打を受ける
(2)「こらえる」でダイマターンを枯らして最小限の被害で食い止める
(3)タスキを盾にして「ポルターガイスト」+「かげうち」で対面処理を狙う
等、「サイドチェンジ」を選ばずに展開するパターンも多々存在するため相手側からしてみれば相当厄介だろう。

ヌケニンが場に出ていない場面ではヌケニン交代もケアしなければならないため、試合序盤~ヌケニンが倒れる瞬間までの全てのターンで相手の取れる選択肢の幅を狭めつつ試合の主導権を握り続けられる。
また相手が勝手に「サイドチェンジ」読みで自爆する可能性すらあり、トータルで見てもこちらに分の良い勝負に持ち込める。

・こらえる
ヌケニンを延命したい場合に使う技。「まもる」との大きな差は

(1)「ダイジェット」や「ダイバーン」等のダイマ技に対して「まもる」だと貫通ダメージで倒れるorタスキが潰れてしまうが、「こらえる」だと無償で済む(タスキも残る)
(2)悪ウーラオスの「あんこくきょうだ」に対して延命出来る

という点。特にダイマックス技を実質無力化出来る点が強力で、ダイマックス技が飛び交う中でも3ターン生存出来る確率がグンと上がる。

一方で「まもる」で防げる補助技を食らってしまう点には注意が必要。「ちょうはつ」や「あくび」はまだしも「おにび」や「やどりぎのタネ」は当たると即死するため、これらを持つ相手の前では慎重に行動することが求められる。

●持ち物
あらゆる弱点技持ちの前で1回は行動保証が得られるきあいのタスキ
天候ダメージで倒されるパターンも多いためそれらを無力化出来るぼうじんゴーグルとは選択だが、基本的にはタスキの方が発動機会が多い。
実際に発動するかどうかは別として、安心して動かせる=強気なプレイングが可能になる点も非常に大きい。ヌケニンへの打点を持っているのか微妙な相手(レジエレキやゴリランダー等)の前でもタスキが残っていれば堂々と動けるのは安心感がある。黒バドレックスにもタイマンで勝てるようになるのは嬉しい。



■ザシアン@くちたけん ふとうのけん
きょじゅうざん じゃれつく せいなるつるぎ まもる
陽気189-216-137-**-136-201
172-204-12-0-4-116

・「せいなるつるぎ」で145-152(84-4)カミツルギ確定

・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え
・A222「きょじゅうざん」+A222(-1)「きょじゅうざん」耐え
・A161(-1)ガマゲロゲの珠「Dじだんだ」耐え
・A222グラードンのW「だんがいのつるぎ」14/16耐え

・C222パルキアの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」耐え
・C217黒バドレックスのW「アストラルビット」2発97.3%耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え

・S意地準速ザシアン抜き
・S(+1)で最速雨キングドラ抜き

以前はボルトロスとセットにしていたので「ダイナックル」+「きょじゅうざん」を初手で狙えるように素早さを敢えて下げていたが、その調整の最たる理由のギガスドガスと全然当たらず、むしろ相手のダイマボルトロスの上を取れずに不利になる試合の方が多かったため配分を変更した。
耐久ラインは前回使ったものが気に入っていたのでそれをベースにした。ザシアンは一発で倒されずになるべく場に残ることが大事。
素早さを思い切って陽気にしたのはミラー意識。当初はヌケニンがいるのでザシアンミラーは捨てていいや、という考え方だったが、実際は何度もザシアン同士の素早さ関係で不利を取っているせいで仕掛けたくない「サイドチェンジ」に頼る羽目になる場面があった。
ヌケニンザシアンvsガエンザシアンのように相手のザシアンの隣がヌケニンに打点がある場合、そのポケモンを処理しに行く必要があるが、そこで相手のザシアンにこちらのザシアンが縛られていると「サイドチェンジ」を成功させるしかなくなり読まれると負けとなる。こちらが抜いていればそういう場面を減らせるため、環境に多い(64%程)意地っ張りザシアンの上を取れる陽気とした。
勿論陽気最速も一定数いるが、火力を削り過ぎても弱いため今回は素早さはある程度で妥協した。

●技構成
・きょじゅうざん
ダイマックスに対して威力200となる壊れ技。インチキ過ぎる性能のお陰で最悪こちらがダイマックスを上手く使えなくても勝てる。

・じゃれつく
カイオーガと組む上で重くなるパルキアゼクロムを始めとするドラゴン勢に対する貴重な有効打。命中不安なのでなるべく撃たないよう心掛ける。

せいなるつるぎ
カイオーガの苦手なディアルガカミツルギナットレイへの打点。仮想敵の「ダイスチル」を考えると「インファイト」よりも防御無視の「せいなるつるぎ」の方が優先度が高い。
格闘技がないとポリゴン2に「ふしぎなまもり」をトレースされた瞬間負けになるのでこの構築に格闘技は必須。

・まもる
ザシアンを大事にする立ち回りが重要なため採用。トリパや追風に対しても時間を稼げるよう「みがわり」より「まもる」。



■イエッサン♀@サイコシード サイコメイカ
このゆびとまれ てだすけ エナジーボール まもる
のんき177-**-128-115-126-81
252-0-252-0-4-0

努力値配分
・A222(+1)ザシアンの「きょじゅうざん」耐え
・S最遅

ザシアンにワンパンされないよう防御特化。
ゴリランダー入りにも初手で出せるように最遅。
基本的に攻撃技は押さず、それ以外の技は全て優先度が+1以上なので素早さの値は遅くても気にならない。
唯一の仮想敵であるトリトドンに対しては最遅でも上を取れるため問題ない。
また、対トリパでは最遅のお陰で先制して相手を殴れると得する場面もあるかもしれないと考えた。

●技構成
このゆびとまれ
味方のエースの行動回数を確保する最高のサポート技。特にカイオーガの「しおふき」やランドロスの「つるぎのまい」との相性が抜群。素早さマウントを取られる可能性がある追風パやトリパに対しても有効で、味方の行動保証に大きく貢献した。
また、サイコフィールド下でも浮いているランドロスは相手のオーロンゲの「トリック」等を被弾してしまうため、特性に加えてこの技があることで完璧にエースを守る役割を遂行出来る。

・てだすけ
エースの攻撃を強化するサポート技。カイオーガのスカーフ「しおふき」に重ねて縛り範囲を拡大したり、ザシアンの「きょじゅうざん」や味方のダイマックス技に重ねることで絶大なアドバンテージを得られる。

エナジーボール
パーティ単位で苦しめなトリトドンへのピンポイント対策。カイオーガランドロスの隣に置くことが多く、初見であれば誘い殺しが出来る。
前述の通り攻撃技はほとんど押さないポケモンなので、汎用性を多少落としても運用に支障がない。
エスパー技でないお陰で稀にタスキオーロンゲ等を触れるのが偉い場面もある。

・まもる
イエッサンを大事にしたい場面で撃つ技。対トリパでの時間稼ぎにも有用。

●持ち物
特防を強化してサポート技を押せる回数を増やすサイコシード。
これにより特に対ディアルガ、Wキュレムが劇的に楽になったので採用して正解だった。

●特性
採用理由でもある「サイコメイカー」。これのお陰でオーロンゲ等に運負けすることが減り、前回のINCより高い勝率を出せたことが予選抜けに繋がった。間違いなく勝利の女神
いたずらごころ」対策としてだけでなく先制技や「ねこだまし」無効でビートダウン展開が更に補強されるのも嬉しい。
ただし自身のヌケニンの「かげうち」が通らなくなる点にだけは注意が必要。



■霊獣ランドロス@しろいハーブ いかく
じしん そらをとぶ いわなだれ つるぎのまい
陽気165-197-110-**-100-157
4-252-0-0-0-252

努力値配分
・S(+1)で最速ザシアン、黒バド等を抜くため陽気
・S最速90族抜き

伝説戦において最速90族を抜けるというメリットは大きいため最速。
晴れパを崩す際に攻撃力も重要と考えてAS振り切り。
耐久がもっと欲しい場面もなくはないが、イエッサンのサポートと「いかく」でどうにかしていた。

●技構成
・じしん
メインウェポン。特に対晴れパではザシアン、ガオガエン、レジエレキの弱点を突ける上に通りが良いのが偉い。
素では若干撃ちづらいが、ヌケニンは巻き込んでも問題ない。
「ダイアース」で特殊耐久を上げるのがシンプルに強力。ディアルガに対しても有効なため、取り巻きによってはこのポケモンを通しに行く。

そらをとぶ
メインウェポン。キングドラ同様「ダイジェット」をカイオーガやザシアンに乗せる動きが強力。
キングドラと異なりタイプ一致で火力が高い上、攻撃範囲としても地面半減の草タイプに抜群を取れるため相性が良い。
キングドラの「とびはねる」同様、素で撃った際に1ターン無敵になれるのも便利。

いわなだれ
地面無効の飛行タイプに抜群を取れるサブウェポン。イベルタルやホウオウ等に撃つ。
「ダイロック」で砂嵐状態になると味方ヌケニンが天候ダメージで倒れるため、同時選出した際は立ち回りに注意が必要。
相手にヌケニンがいた場合は「サイドチェンジ」に屈さずに相手を削れるこの技が有効となる。
積極的には狙わないが、ガチトリパに対して「このゆびとまれ」や「いかりのこな」持ちがいても怯み狙いが出来る側面もある。

つるぎのまい
決定力を向上させるために採用。基本的にイエッサンの「このゆびとまれ」サポートを受けて積む。
特にオーロンゲの壁や「いかく」を回してくる相手に刺さる。
晴れパと戦う際はトリトドンと殴り合うことも想定しているため、ゴリ押せるように火力を上げる手段は持っておきたい。

●持ち物
ガオガエンランドロスの「いかく」で腐らないようにしろいハーブ。
これにより一般的な晴れパに対して初手出しから裏目なくペースを握って行ける。
INC Mar.でザシアン/グラードン/リザードン/ガオガエン/トリトドン/オーロンゲを使っていたアルカナさんのブログに「キツいポケモン:しろいハーブランドロス」と書いてあり、晴れパ対策の選択としては限りなく正解に近いことを確認出来て安心した。
また、当初の狙い以外にも「いやなおと」「こわいかお」「がんせきふうじ」「こごえるかぜ」「ダイアタック」「ダイアーク」等の能力ダウンで発動する場面があり、何かと役立ってくれた。


【選出】

①基本選出
先発:カイオーガキングドラ
後発:ヌケニン+ザシアン

パワーが高い最強の基本選出。この選出を5秒で出来た時点で負ける気がしない。
相手にザシアン、カイオーガの最低片方がいてグラードンがいない場合はほとんどこの選出で有利を取れる。
特に今回のINCにおけるvsザシオーガの勝率は驚異の100%で、ミラーでは無類の強さを発揮してくれた。
ヌケニンだけでなく物理キングドラも相手のカイオーガに強いコマになれるのがポイント。

上からダイマックス技と「しおふき」を押し付けてダメージレースで有利を取り、ヌケニンへの打点持ちを優先処理して詰ませるか、相手がヌケニンに構っている隙にタスキを盾に「ポルターガイスト」+「かげうち」のリーチの長さを活かしてビートダウン展開を狙う。
後発ヌケニン自体があらゆる不利対面の退き先となれる他、「サイドチェンジ」でエースを守る盾の役目を担ったり、単体で詰ませを狙えたりと非常に便利。総じて対応範囲が広い基本選出となっている。


②vsいたずらごころ
先発:カイオーガ+イエッサン♀
後発:ヌケニンorキングドラ+ザシアン

いたずらごころ」+「でんじは」「こわいかお」「トリック」等が厄介なオーロンゲを始め、面倒な化身ボルトロスレパルダスヤミラミニャオニクス♂等の妨害を全てシャットアウト出来るイエッサン♀を絡めた選出。
イエッサン採用によりこれらの運要素や素早さ操作に頭を悩ませる必要がなくなり、ストレスフリーな状態で試合が出来た。

・スカーフオーガが「ねこだまし」を受けない
・「このゆびとまれ」で攻撃を吸い寄せて「しおふき」を複数回通せる
・「てだすけ」で縛り範囲拡大

というメリットもあるため、いたずらごころ対策抜きにしても単純に強い並びとなる。
役割対象を選出されていなくても腐りにくく、またイエッサンが倒れた後でもフィールドが残っていれば「でんじは」等を気にせず立ち回れるのも良かった。

裏からヌケニンザシアンを出す場合はカイオーガダイマを切ることになるが、スカーフ「しおふき」とどちらが強いかの判断が難しく、ダイマするタイミング等に気を遣う。ヌケニンのせいで「ダイアイス」を撃ちにくい点も注意が必要。
キングドラを出しているパターンでは雑に「しおふき」で削った後にキングドラで掃除しながらカイオーガ、ザシアンで立て続けに攻めて行く展開が強かった。

ヌケニンが不要な場合、カイオーガキングドラを初手に置いて相手の初手がオーロンゲ等の場合のみ裏からイエッサンを投げて「でんじは」「トリック」をケアする立ち回りも有効。


③vs晴れ(トドン入り)
先発:ランドロス+イエッサン♀
後発:カイオーガ+ザシアン

晴れパ相手にはランドロスが刺さるので、「このゆびとまれ」+「つるぎのまい」から崩して行く。
トリトドンに対しては先に「つるぎのまい」や「ダイアース」を積めれば充分戦える。初手で出て来ても「エナジーボール」を不意に決めることが出来れば裏のカイオーガを通しやすくなる。
ガオガエンが来てもしろいハーブで火力を維持出来るため、ランドロスダイマックスで数的有利を取りに行きやすい。先に数的有利を取って天候を雨に固定出来ると楽。


④vs晴れ(トドンなし)
先発:ランドロスキングドラ
後発:カイオーガ+ザシアン

トリトドン不在の晴れパーティは、先発キングドラ+後発カイオーガから交代雨「ダイストリーム」でテンポを取れる場合があるため、積極的にキングドラを出して行く。
ランドロスキングドラのどちらをダイマックスするべきかは臨機応変に判断して立ち回る必要があるが、非ダイマキングドラの「こごえるかぜ」連打もサポートとして優秀なのがポイント。


⑤vs白バドパルキア(他トリパ系統全般)
先発:カイオーガキングドラ
後発:ヌケニン+ザシアン

前回のINC後に急増した並び。質問が多かったので選出・立ち回りの一例を載せておく。
基本的にガチトリパ相手は鉄則として

(1)初手はトリルを貼らせる代わりに数的有利を取る(指要員を倒す)
(2)トリルターンはダイマヌケニンを絡めて凌ぐ
(3)2回目のトリルをザシアンで止めに行く

という形で勝ちを狙う。

パルキアトリル系は初手キングドラかザシアンを出すことで「このゆびとまれ」や「いかりのこな」を強要して数的有利を取りつつトリルを貼らせ、2ターン目以降は「まもる」やヌケニン交代で凌いで行く。
ヌケニンの存在が非常に偉大で、下記のように「サイドチェンジ」を一切使わずともトリックルームは枯らせる。

1.トリックルームされる
2.ヌケニン交代出し(攻撃無効化)
3.こらえる
4.タスキを盾に行動
5.こらえる

そこに「サイドチェンジ」を絡めれば味方のHPや自身のタスキを守りつつ余計にターンを稼げるため、対トリパでは非常に頼れる存在。
白バドはヌケニンに一切打点がないため、パルキアの「かえんほうしゃ」をいかに被弾させないか勝負となる。カイオーガキングドラが炎技でほぼダメージを受けないため、横にこれらがいると有利な択ゲーとなる。
基本的には白バドの「ダイアイス」ケアでカイオーガダイマさせ、後攻で「ダイストリーム」を撃つことで天候雨を維持する立ち回りが安定する。ダイマオーガは耐久無振りでも白バド側が倒し切るのに時間が掛かるため、こちらもターン稼ぎにはうってつけ。

このゆびとまれ」要員を先に処理した上でトリルターンを凌ぐことで、ザシアンの攻撃で2回目の「トリックルーム」を貼らせずに制圧を狙う。

尚、キングドラは「まもる」がないためvsトリパに向かないように見えるが、「とびはねる」で空中に逃げることでターンを稼げる立ち回りは意識しておく。相手にレジエレキやウーラオス等がいて高速展開も考えられる場合は、初手で出し負けて上から制圧されないようにキングドラを出しておくのが無難と考えている。
逆に相手が低速ばかりでその必要がなさそうな場合は、キングドラではなくイエッサン♀を出した方が「このゆびとまれ」や「まもる」でより安全に相手の攻撃を凌げるようになるため、相手の取り巻きによって出し方を変えていた。


⑥vsWキュレム
先発:カイオーガキングドラ
後発:イエッサン♀+ザシアン

相手はイエッサン♀+Wキュレム、裏エレキザシアンの形を想定。
初手キングドラの圧力で「このゆびとまれ」を押させてオーガの「しおふき」で相手イエッサンを削りつつ、こちらはグドラをザシアンに下げる。大体の場合は「ダイアイス」、良くて「ダイドラグーン」がグドラ方向に飛んで来るのでオーガザシアンが残る。相手イエッサンが次の「しおふき」圏内になっているため、次ターン「しおふき」+「きょじゅうざん」で「このゆびとまれ」を考えても両縛りとなる。スカーフオーガが味方ザシアンより先に動けるのがポイント。
「ダイウォール」+イエッサン捨てからエレキ死に出しで打開される可能性があるが、そうなった場合はオーガをイエッサン♀に下げつつザシアン「まもる」で安全にやり過ごし、「このゆびとまれ」+「きょじゅうざん」で切り返して行く。
最終的に相手のダイマを枯らしてからこちらの雨キングドラで打開ダイマを狙い、制圧する。
グドラの物理が偉く、「ダイアース」を連打されていた場合も問題なく倒せる。

元々ヌケニンが出せない上に「ダイアイス」が辛くて苦手意識があったWキュレムだったが、イエッサン♀採用により安定感が出て全部勝てた。


【動画】

配信者の方が本構築を使用した対戦動画を上げてくれたので、ここにリンクを貼っておきます。
実際の動きを文章で伝えるのは難しいしイメージしにくいと思うので、私のパーティに興味を持ってくれた方の参考になれば幸いです。


ビエラさん(@SHADEviera)
www.youtube.com
言わずと知れたWCS2015の日本・世界チャンピオン。
マタドガスカメックスとマッチしていたため残念ながらヌケニンは出ていないが、物理グドラにフォーカスを当てた動画構成。
物理グドラの強みと、世界王者の立ち回り(&面白さ)が光る動画なので是非観てみて欲しい。


■Cybertronさん(@CybertronVGC)
www.youtube.com
www.youtube.com

言わずと知れた海外の古豪Aaron Zhengさん。
動画を2つ出してくれているため参考資料が多く、特にヌケニンが活躍している様子はこちらでチェック出来る。
色々なパーティとの試合が収録されており、立ち回りも勿論上手い為とても参考になる。


【最後に】

スペシャルサンクス
・前回、今回とINC期間の試合消化に全面的に協力してくれた家族
・構築相談、練習に付き合ってくれたアカバさん
Twitterで応援や激励の言葉を下さった皆様
・Discordで励まし合った子育てポケモン勢の皆様

皆さんのお陰で素晴らしい結果を出せました。本当にありがとうございました!
6月に開催予定のPJCS2022も頑張ります!!

それでは最後までお読み下さり、ありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

【WCS2022】すいすいヌケザシオーガFeb.【S27最終15位,33位/INC Feb.最高1871】

こんにちは、ユウキです。
今更ですが、先月のINC Feb.及びランクマシーズン27の使用構築を紹介します。
INC Mar.で予選を抜けたパーティの原型となるため、まずはこちらの構築記事を読んで頂きたいと考え、分けて書くことにしました。


★目次

【パーティ】

f:id:yuki_rotom:20220320095922j:plain


【戦績】

●INC Feb.(メイン)
勝敗:33勝10敗
勝率:76.7%
レート:最高1871/最終1816
順位:最終140位/327327名

●INC Feb.(サブ)
勝敗:36勝9敗
勝率:80%
レート:最高1849/最終1830
順位:最終106位/327327名

INCでは1868から及び1871から、勝てば予選抜けという試合を落としてしまい残念ながら圏外で終了。
詳しいレポートは下記記事参照。
yuki-rotom.hatenablog.com


●ランクマシーズン27(メイン)
勝敗:69勝31敗
勝率:69%
レート:最高/最終1929
順位:最終15位

●ランクマシーズン27(サブ)
勝敗:85勝36敗
勝率:70.2%
レート:最高1964/最終1910
順位:最終33位

ランクマで試運転段階から高順位をキープし、2ROM1900以上でシーズンを終えた。


【コンセプト】

①ミラーに強いザシオーガ
ザシアン+カイオーガの王道となる組み合わせを自身が使いつつも、相手のザシオーガに強い要素を採用することでミラーで差をつける構築。

・ザシアン、カイオーガから打点を持たれないヌケニン
・「すいすい」でザシアンの上を取れ、水技1/4のキングドラ
・「きょじゅうざん」半減でカイオーガにも強いチョッキボルトロス


ヌケニンを最大限に活かす構築
ヌケニンを構築の軸として、大きく3通りの勝ちパターンを用意した。

(A)ヌケニン仁王立ちエンド
(B)ヌケニン囮ビートダウン
(C)選出誘導


(A)ヌケニン仁王立ちエンド
ヌケニンに打点がありそうなポケモンから優先的に倒してしまえば相手がヌケニンを倒せなくなるため勝ち、という最もスタンダードなプラン。
ザシアンやカイオーガを始めとしてヌケニンに一切打点がないポケモンは案外多く、それらを簡単に詰ませられるのが強み。

ただし気を付けたいのが相手がヌケニンを倒せないがこちらも相手を崩し切るのに時間がかかる場合。残数不利を取った場合・同数の場合はTODで負けになるため、ヌケニンで倒すのに手間取るポケモンや回復ソース持ちは優先して倒し切って、逃げ切れるようにする。


(B)ヌケニン囮ビートダウン
ヌケニンへの打点がなくなることを恐れた相手の選出・立ち回りを逆手にとってアドバンテージを重ねて勝ちを狙うプラン。
(A)を狙いながらも途中で(B)に切り替えて行く等、同じ選出でも柔軟に立ち回って行けるのが本構築の強みの1つ。
最終的にヌケニンが倒れようともこちらがそれ以上のリターンを得られていれば問題ないという考えで、ヌケニンをある程度雑に扱って行く。
相手がヌケニンを倒すために「ダイジェット」や「ダイアイス」を撃つ(大体がタイプ不一致だったり隣が氷半減だったりで大ダメージにはならない)のを気にせず、「ポルターガイスト」や「かげうち」で攻撃に専念することで、ダメージレースで有利を取ることが出来る。


(C)選出誘導
ヌケニンをパーティに入れている強みとして、相手の選出が読みやすくなる点が挙げられる。
基本的にヌケニンに打点があるかどうかは見せ合いの段階である程度分かるが、極端に打点持ちが少ないパーティの場合(2匹ぐらいしかいない場合)はすぐにそれらは出されることが予想出来る。
こちらはそのポケモン達を処理するルートが想像出来れば(A)の勝ち筋を狙った出し方をすれば良いし、逆に打点持ちを出させた上でヌケニンを出さない選出の方が強そうであれば出さない場合もある。
いずれにしても選出段階から有利なゲームとなる。


【構築経緯】

①環境予想と構築の方向性
INCで勝ち切るためには、現環境のトップメタであるザシアン・カイオーガに強い構築を組むことが必須であると考えた。
事前にランクマで得たデータから試算した結果、最低でもどちらかが採用されたパーティとマッチングする確率は8~9割近くなると予想された。
(実際にINC Feb.で戦った90戦近くのデータから算出しても予想通りの結果だった)
この2匹に強い構築を組めれば有利マッチが増え勝率を稼げるようになるため、「ザシオーガガンメタ構築」を目指すこととした。


②軸の選定
まずザシアン・カイオーガ両方に強い伝説枠を採用するアプローチを考えた。
グラードンは両方に有利な要素を持つが扱いが難しく、天候を取られるとオーガが非常に苦しい。ディアルガも一見両方に強そうだが、ザシアンにはダイスチルを積んでもダイマ終了後に「せいなるつるぎ」で処理される上、特防の高いカイオーガの処理にも手こずるため実はさほど有利ではなかった。

そもそもザシアンもカイオーガも様々な並びで使われており、千差万別の取り巻きがいる。それらのサポートや妨害を潜り抜けてザシアン・カイオーガを倒せるポケモンがいるのかと考えた時、そんな便利なポケモンがいれば既に使われているし、禁止伝説1匹で簡単に対策出来るならそもそもこの2匹がトップメタにはなっていないという当たり前の結論に至った。

そこで一般枠に目を向けたところ、ザシアンとカイオーガにタイマンで勝てるヌケニンに大きな可能性を感じた。
従来の「あらゆる取り巻きを想定してザシアン・カイオーガを倒しに行く」アプローチと比べて、ヌケニンであれば「ザシアンとカイオーガの取り巻きの一般枠さえ倒せば勝ち」という特殊なアプローチが可能であり、実現のハードルは前者より低いように感じた。
以上からヌケニンを軸として、ヌケニンを全力で活かす方向性で構築をスタートした。


③組ませる伝説その1
ヌケニンを最大限に強く使うため、ヌケニンに打点を持つポケモンを優先して倒せるような取り巻きを選定する。
現在使用率が高いポケモンヌケニンに確実に打点があるキャラは上から順に

ガオガエン、化身ボルトロス(まけんき)、黒バドレックス、霊獣ランドロスグラードンイベルタル あたりである。

ガオガエンランドロスグラードンの弱点を突ける点、また「あめふらし」で砂や霰の天候ダメージからヌケニンを守れる点から、まずはカイオーガと組ませることにした。


④組ませる伝説その2
特殊アタッカーの伝説を採用したので、相方の伝説はバランス的にも物理が良い。
カイオーガヌケニンが苦手なゴリランダー、フシギバナナットレイカミツルギイベルタル等に強いザシアンがすんなり入った。

結果的に自身がトップメタと言われるザシアン+カイオーガの並びを握ることとなった。
この2匹の相性の良さについては今更言うまでもないが、ここにヌケニンが加わることで最大の課題であるミラーマッチにおいて差をつけられるのは大きなメリットに感じる。
「このルールはザシオーガを一番強く(上手く)使えた人が勝つ」という意見も良く目にするため、構築のアプローチとしては悪くなさそうである。


ダイマ枠その1
カイオーガダイマックスしても強いが、非ダイマックス時の「しおふき」の性能の高さを考えると別にダイマックスエースを用意しても良さそうだ。
候補に挙がったのはカイオーガとの組み合わせで高速展開が狙える「すいすい」ガマゲロゲ

・「すいすい」により超高速から高打点を叩き込める
・「ダイジェット」+「しおふき」の動きが狙える
カイオーガ、ザシアンに一貫するレジエレキに一方的に強い
カイオーガ、ザシアンが苦手寄りなディアルガにも強い
カイオーガ対策としてメジャーな「よびみず」トリトドンに草打点を持てる
・相手のザシアンを上からワンパン可能
・「きょじゅうざん」半減

このように多くのシナジー、強い要素を持っている。
カイオーガに加えてもう1匹水タイプを採用することで「あめふらし」と「ダイストリーム」を絡めた雨の維持が容易になる。これにより雨パとしても強くなる上、ヌケニンが天候ダメージでやられるパターンを減らせそうなのも良い。

カイオーガ/ガマゲロゲ/ヌケニン/ザシアンを基本選出として構築を固めて行く。


ダイマ枠その2
カイオーガガマゲロゲが最も苦手とするのがゴリランダー。
ゴリランダーは使用率上位でかなりマッチングすることが想定される上、ヌケニンにも「はたきおとす」や「キョダイコランダ」でしっかり打点があるため要対策である。
そこで、ガマゲロゲが出せない場合の代わりのエースを検討する。目を付けたのは化身ボルトロス

・特性「まけんき」でザシアンやヌケニンの打点を削ぐ「いかく」に強い
 =ヌケニン対策で出て来るガオガエンランドロスを餌に出来る
・ゴリランダーのメインウェポン半減、サブウェポンでも抜群を取られない
・一致「ダイジェット」がカイオーガやザシアン等との並びでも優秀
・「バークアウト」とつげきチョッキイベルタルに強い
・「きょじゅうざん」半減

このようにゴリランダー入りに対して有効に立ち回れそうな他、エースとしての資質も充分である。


⑦補完枠
最後にもう少し補強したい対ゴリランダーやザシアン、黒バドレックス、対グラードンフシギバナ等の晴れパ、白バドレックス入りのトリパに対する立ち回りの幅を広げるべくガオガエンを採用。
ヌケニンに対するゴースト技、悪技への受け先にもなれる優秀な耐性と、「ねこだまし」による詰め性能が光る。


こうして決まった6体で試運転をしたところ、これまで試したどの構築よりも高い勝率でグングンとレートを伸ばし、瞬間1位を取ったりそのまま上位をキープ出来たため確かな手応えを感じた。
これがINC Feb.本番1週間前。
そこからはこの構築を本命として練習を重ね、構築の課題を探して行った。


⑧すいすい枠の変更
ガマゲロゲに関して、以下のような課題が見つかった。
・レジエレキに単体では強いが、最速エレキを抜けないせいで結局仕事される
フシギバナやゴリランダー等の草タイプが見えただけで出せなくなる
 →見せポケ化。グラードンフシギバナリザードン等が重い
・不意の草技でDM中にワンパンされる(例:黒バドのリフスト、リザのソラビ等)

そこで、これらを解決してくれる可能性があるキングドラを試すことにした。

・最速レジエレキを抜ける
・草等倍なので草を見ても選出できる
 →基本選出率の向上。晴れパへの選出パターン増加。

これまではゴリランダーを見ただけでカイオーガガマゲロゲが出せず基本選出と裏選出が逆転している状態だったが、キングドラの採用により基本選出を幅広く出せるようになり、勝率も安定したため、これを最終形とした。

尚、余談ではあるがガマゲロゲの代役を探す際に他の「すいすい」アタッカー枠としてカマスジョーも候補に挙がったが、高い火力と素早さ、「ダイアーク」はとても魅力的なものの、草弱点と耐久の低さが厳しいと考えて没となった。
後にINC Feb.最終1位を取ったmarcofieroさんのパーティにカマスジョーが採用されていると知った時は「もう少し考察して試してみるべきだったか・・・?」と悔しい気持ちになったが、カマスジョーの選出率は低そうだったので、あくまで基本選出にするならキングドラの方が強いという結論は変わらない。


【個別解説】

カイオーガ@しんぴのしずく あめふらし
しおふき こんげんのはどう かみなり れいとうビーム
臆病175-**-111-202-160-156
0-0-4-252-0-252

努力値配分
・S(+1)で最速ザシアン、黒バド等を抜くため臆病

●技構成
・しおふき
最強の全体技。この技をいかに上から通すかが、カイオーガを使えるルールにおける共通テーマ。本構築ではキングドラボルトロスの「ダイジェット」に乗せて上から放つ場面が多い。

こんげんのはどう
HPが削れた際の水技として。基本は他にダイマを回すことが多いため、水技は2種必要と判断。

・かみなり
カイオーガミラーやカメックスへの打点。「ダイサンダー」が撃てるとモロバレル入りが楽になるため採用。
ヌケニンを採用しているとは言え相手のオーガに一方的に不利を取る型は弱いと考え、電気技は切れなかった。

れいとうビーム
草タイプ、ドラゴンタイプへの打点。大事にするための「まもる」も欲しいが、技範囲を狭めることで殴れない敵が出て来る方が困ると判断して泣く泣くフルアタ。
技スペースが5個欲しいと無限に思った。

●持ち物
ノーリスクで一番撃つ水技の威力を増せるしんぴのしずく。「しおふき」のリーチが伸びる上にダイマックス時も恩恵があるのが嬉しい。
フルアタなのでチョッキも面白そうだったが、後述のボルトロスに持たせているため断念。



キングドラ@いのちのたま すいすい
ハイドロポンプ りゅうせいぐん ぼうふう こごえるかぜ
臆病151-**-115-147-115-150
4-0-0-252-0-252

努力値配分
・S(+1)で最速ザシアン、黒バド等を抜くため臆病

●技構成
ハイドロポンプ
「ダイストリーム」の威力を重視してこの技を採用。素で撃った際に良く外したのであまり信用していないが、「だくりゅう」「ねっとう」よりはダイマックス中のリターンが大きいと判断。

りゅうせいぐん
ドラゴンタイプへの打点。ダイマせずに高威力を放てる点が優秀で、パルキアゼクロム等に一方的にダイマを強要しつつ「りゅうせいぐん」で削りを入れて他にダイマを回す動きも強かった。

・ぼうふう
「ダイジェット」の媒体。S300から味方のカイオーガやザシアンを加速させる動きがとにかく強い。純粋に草タイプへの打点としても優秀で、技範囲の拡大に貢献している。
ダイマ時に雨下必中となるのも偉く、詰めの場面で良く選択した。ついでに追加効果も強い。

・こごえるかぜ
主に「ダイジェット」の代替技として非ダイマ時に撃つ。この技が非常に強く、キングドラが初手で狙われなさそうな場合にダイマターンを節約しつつ素早さ操作をしたり、ダイマ終了後も腐らずに上からの素早さ操作が出来る点が優秀。
特に試合序盤に「ダイジェット」を積んでおけば雨が切れた終盤にも上から「こごえるかぜ」→味方ザシアンで相手の上を取るという展開が狙えるため、終始素早さ優位を取ることが出来た。

カイオーガとの並びでは一般的にグドラダイマがメジャーなため、猫騙しは大抵オーガ方向に飛んで来る。それを読んで「こごえるかぜ」をしながらオーガダイマで相手を破壊する立ち回りも稀に狙ったが、それだけで勝ちが決まるくらい強かった。

●持ち物
火力が心許ないので満遍なく強化できるいのちのたま。
これでも伝説に対しては水技以外は火力不足を感じるが、一般枠を圧倒するには充分。



ヌケニンきあいのタスキ ふしぎなまもり
ポルターガイスト かげうち サイドチェンジ こらえる
寂しがり1-156-45-**-35-92
0-252-0-0-0-252

努力値配分
・B個体値0+下降補正
・A156「かげうち」でH155-B45ヌケニン確定

このルールではメタモンの使用率が比較的高く、ヌケニンをコピーされる展開もたまにあるため対策として防御最低値。
相手がスカーフでこちらのタスキが残っていれば一方的に勝てる。

●技構成
ポルターガイスト
威力110のメインウェポン。ゴースト技は一貫しやすく、打点として純粋に非常に強力。この技の習得のお陰でヌケニン自身がかなりの攻撃性能を手に入れたため、ビートダウン展開に組み込みやすくなった。
命中後に相手のアイテムが判明する追加効果により、手に入れた情報アドバンテージを活かして最適な立ち回りを選択出来るのが強かった(とつげきチョッキが判明した方に次ターン集中のリスクがなくなったり、「しおふき」で固定したスカーフカイオーガのHPを削った後に放置する選択肢を取れたり)。
ただしアイテム消費後の相手には攻撃が失敗する仕様には注意。時折この仕様に困る場面もあったが、忘れて撃ってしまう等のプレミがなければ問題ない範囲。

・かげうち
便利な先制技。素早さに関係なく上を取れるため対追風パ、トリパで役に立った。
ビートダウン展開でも非常に強力で、この技で相手を縛ることで味方の行動保証が得られる場面があるので「サイドチェンジ」よりも安定した試合運びが出来る。

・サイドチェンジ
味方と自分の位置を瞬時に入れ替える超凶悪技。大半の技をスカせるヌケニンがこの技を使うことで上手く行けば絶大なアドバンテージを得られる。
相手の攻撃から味方を守るために撃つ場合、自身に飛んで来る飛行技や炎技を味方に受けてもらって自身の延命を狙う場合、そしてその両方を兼ねる場合が存在するため、用途は多岐に渡る。
ヌケニンの「サイドチェンジ」の真に強い所は一度見せるだけで相手に「安定択」が存在しなくなること。
読み合いの域を超えたじゃんけんになりがちで嫌われることも多いが、「サイドチェンジ」を使うか使わないかの単純な二択だけではなくこちらの選択肢は非常に多いため、50%より有利な勝負が仕掛けられるのが強み。

ヌケニンが場に出ている状況だけで考えても
(1)ヌケニンを退いて裏で有効打を受ける
(2)「こらえる」でダイマターンを枯らして最小限の被害で食い止める
(3)タスキを盾にして「ポルターガイスト」+「かげうち」で対面処理を狙う
等、「サイドチェンジ」を選ばずに展開するパターンも多々存在するため相手側からしてみれば相当厄介だろう。

ヌケニンが場に出ていない場面ではヌケニン交代もケアしなければならないため、試合序盤~ヌケニンが倒れる瞬間までの全てのターンで相手の取れる選択肢の幅を狭めつつ試合の主導権を握り続けられる。
また相手が勝手に「サイドチェンジ」読みで自爆する可能性すらあり、トータルで見てもこちらに分の良い勝負に持ち込める。

・こらえる
ヌケニンを延命したい場合に使う技。「まもる」との大きな差は

(1)「ダイジェット」や「ダイバーン」等のダイマ技に対して「まもる」だと貫通ダメージで倒れるorタスキが潰れてしまうが、「こらえる」だと無償で済む(タスキも残る)
(2)悪ウーラオスの「あんこくきょうだ」に対して延命出来る

という点。特にダイマックス技を実質無力化出来る点が強力で、ダイマックス技が飛び交う中でも3ターン生存出来る確率がグンと上がる。

一方で「まもる」で防げる補助技を食らってしまう点には注意が必要。「ちょうはつ」や「あくび」はまだしも「おにび」や「やどりぎのタネ」は当たると即死するため、これらを持つ相手の前では慎重に行動することが求められる。

●持ち物
あらゆる弱点技持ちの前で1回は行動保証が得られるきあいのタスキ
天候ダメージで倒されるパターンも多いためそれらを無力化出来るぼうじんゴーグルとは選択だが、基本的にはタスキの方が発動機会が多い。
実際に発動するかどうかは別として、安心して動かせる=強気なプレイングが可能になる点も非常に大きい。ヌケニンへの打点を持っているのか微妙な相手(レジエレキやゴリランダー等)の前でもタスキが残っていれば堂々と動けるのは安心感がある。黒バドレックスにもタイマンで勝てるようになるのは嬉しい。



■ザシアン@くちたけん ふとうのけん
きょじゅうざん じゃれつく せいなるつるぎ まもる
意地っ張り189-244-136-**-136-178
172-252-4-0-4-76

努力値配分
・「せいなるつるぎ」で166-152カミツルギ15/16で1発
・「せいなるつるぎ」で202-123ガオガエンまで1発
・「じゃれつく」で332-120パルキア10/16で1発
・A156「Dかわらわり」+A244(+1)「きょじゅうざん」で394-131(92-4)レジギガスまで確定

・A244(+1)「きょじゅうざん」耐え
・A222(+1)「きょじゅうざん」+「でんこうせっか」耐え
・A222「きょじゅうざん」+A222(-1)「きょじゅうざん」耐え
・A161(-1)ガマゲロゲの珠「Dじだんだ」耐え

・C222パルキアの「Dだいちのちから」15/16耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」耐え
・C217黒バドレックスのW「アストラルビット」2発97.3%耐え
・C244Wキュレムの珠「だいちのちから」15/16耐え
・C152レジエレキの珠「D10まんボルト」15/16耐え

・S味方の最速ボルトロス-1
・S最速カミツルギ+1

ヌケニンやその他にとって邪魔なポケモンを早急に処理するための火力特化、ザシアン自身の行動回数確保のための耐久重視を両立させた配分。
パーティが特性に頼り切りなせいでレジギガスマタドガスが重いため、味方ボルトロスとの素早さ関係を調整し、1ターンでダイマレジギガスを倒せるようにした。
ヌケニンのお陰でミラーでの行動順を放棄することをある程度正当化出来るのがありがたい。

●技構成
・きょじゅうざん
ダイマックスに対して威力200となる壊れ技。インチキ過ぎる性能のお陰で最悪こちらがダイマックスを上手く使えなくても勝てる。

・じゃれつく
カイオーガと組む上で重くなるパルキアゼクロムを始めとするドラゴン勢に対する貴重な有効打。命中不安なのでなるべく撃たないよう心掛ける。

せいなるつるぎ
カイオーガの苦手なディアルガカミツルギナットレイへの打点。仮想敵の「ダイスチル」や「てっぺき」を考えると「インファイト」よりも防御無視の「せいなるつるぎ」の方が優先度が高い。
格闘技がないとポリゴン2に「ふしぎなまもり」をトレースされた瞬間負けになるため、この構築に格闘技は必須。

・まもる
ザシアンを大事にする立ち回りが重要なため採用。トリパや追風に対しても時間を稼げるよう「みがわり」より「まもる」。



ボルトロスとつげきチョッキ まけんき
ワイルドボルト そらをとぶ かわらわり イカサマ
陽気165-156-91-**-101-179
84-164-4-0-4-252

努力値配分
・「Dそらをとぶ」で207-111ゴリランダー15/16で1発
=「Dワイルドボルト」で207-111カイオーガ15/16で1発

・A222「きょじゅうざん」2発耐え
・C222カイオーガの雨W「しおふき」2発耐え
・C222カイオーガの「てだすけ」雨「Dしおふき」15/16耐え

・S最速

●技構成
ワイルドボルト
カイオーガ等へのメインウェポン。反動はあるが威力が高いので「かみなりパンチ」よりこちらを優先させた。

そらをとぶ
「ダイジェット」の媒体となるメインウェポン。カイオーガやザシアンを加速させる。
素で撃つと2ターン掛かるため使いにくい技のイメージがあるが、実はヌケニンと組む上では素でも強い技となる。1ターンの無敵時間を利用して「キョダイベンタツ」や「ダイアイス」を「サイドチェンジ」の択ゲーを挟まず確実に避けることで技を失敗させ、定数ダメージの発生を抑えられればヌケニンが延命出来るようになる。

かわらわり
「ダイナックル」用の格闘技。ザシアンやガオガエンの攻撃を強化出来ると強力。
素で威力が高い「ばかぢから」とは悩んだが、壁オーロンゲを自然に対策出来る点を買ってこちらを採用。実際に壁を破壊する場面もあり正解だった。

イカサマ
「ダイアーク」で隣のカイオーガの「しおふき」のリーチを伸ばすために採用。黒バドレックスやルナアーラへの打点としても。
悪技の候補としては「かみくだく」も挙げられるが、伝説戦で攻撃が高いポケモンが多いため素で撃つ場合にダメージを見込める点や、ソルガレオや日食ネクロズマじゃくてんほけんを敢えて起動してから「イカサマ」で強打する立ち回りを狙える点からこちらを採用。

●持ち物
カイオーガ等の特殊アタッカー相手に行動回数を稼ぐためとつげきチョッキ
火力は最低限となるが、このポケモンは特性も含めて場に居座ることが大事であり、居座りながら味方にバフを与えるサポート的な立ち位置のため耐久を重視した。



ガオガエン@オボンの実 いかく
ねこだまし フレアドライブ DDラリアット すてゼリフ
意地っ張り177-177-110-**-110-112
52-204-0-0-0-252

努力値配分
・「フレアドライブ」で176-136ザシアン確定
・「フレアドライブ」で207-115ゴリランダー確定
・「フレアドライブ」で332-152カミツルギ75%で1発
・「フレアドライブ」で219-112モロバレル(A244+1きょじゅうざん耐え)13/16で1発

・A244「せいなるつるぎ」耐え
・C167フシギバナの「Dだいちのちから」耐え

・S(+1)で最速100族抜き
・S(+2)で最速黒バドレックス抜き

一般的なクッションとしてのガオガエンとは異なり非常に攻撃的な配分。
ボルトロスと並べることが多かったため「ダイジェット」1,2回で色んな相手を抜けた方が強い盤面が作れると判断して準速としたところ、相手の想定を崩せて強かった。
これでも最低限の耐久力はあり使いやすかった。

●技構成
ねこだまし
相手のサポーターに仕事をさせずにこちらの展開を通すために採用。先発エルフーンの「おいかぜ」を止めつつ「ダイジェット」展開したり、オーロンゲに対してザシアン+ガオガエンで仕事をさせずに処理を狙ったりと用途は多い。
フシギバナの「ねむりごな」のケアも可能になる。

フレアドライブ
威力の高いメインウェポン。晴れに対してタダ乗りして一貫させやすいのも強い。カイオーガヌケニンの苦手とする草タイプへの役割遂行にも必須。

・DDラリアット
黒バドレックス等へ撃つ悪技。「てっぺき」や「ダイスチル」の防御上昇を無視出来る点、威力が85と「じごくづき」や「かみくだく」より5高い点を買って採用。

すてゼリフ
放置されそうな盤面や自身が決定力を出せない盤面で有効な技。相手の交代に対して当てることで有利サイクルを回せる。

●持ち物
一番発動機会が多いと感じたオボンの実。シュカの実で回している時もあったが、「フレアドライブ」の反動も含めてオボンの実の方が発動しやすかった。


【選出】

①雨展開
先発:カイオーガキングドラ
後発:ヌケニン+ザシアン

最もパワーが高い基本選出。雨キングドラの高い素早さを活かして上から攻撃を通して行く。
後発ヌケニンが初手不利対面の退き先となれる他、「サイドチェンジ」でエースを守る盾の役目を担ったり、最終的な詰ませを狙えたりと非常に便利。
勿論普通に殴っても「ポルターガイスト」+「かげうち」のリーチの長さでスイープ性能も高い。


②対ギガスドガ
先発:ボルトロス+ザシアン
後発:カイオーガヌケニン

初手「Dかわらわり」+「きょじゅうざん」でDMレジギガスを確定で葬る。この動きを初手から可能にするために素早さ順をボルトロス>ザシアンと調整している。
相手の伝説枠は大体ザシアン黒バドかザシアンオーガなので、両方に有利に立ち回れる後発ヌケニン
マタドガスの「おにび」対策でカイオーガは連れて行きたい。
カイオーガに「ダイジェット」を1回乗せると裏まで一貫させやすいため、その展開も意識して動かす。
ちなみにマタドガスが場にいるとヌケニンの「ふしぎなまもり」は発動しないので注意。マタドガスの処理も優先したい。


トルネオーガ+カミツルギ(+ザシアン)
先発:ボルトロスガオガエン
後発:ヌケニン+ザシアン

相手のヌケニンへの打点がトルネロスカミツルギの飛行技だけであることが多いためヌケニンを有効に使える。
初手トルネオーガの行動を「ねこだまし」で制限しつつ、カイオーガと対面したガオガエンヌケニンへ下げてダイストリームを一応ケアしつつHP温存。
ボルトの「ダイジェット」+「かげうち」でトルネロスを倒しつつ裏のカミツルギガオガエンボルトロスでいなしてから「せいなるつるぎ」等で処理すれば勝ち。


トルネオーガ+モロバレル(+ザシアン)
先発:ボルトロスカイオーガ
後発:ヌケニン+ザシアン

相手にカミツルギがいない場合は無理してガオガエンを出さずにカイオーガで「しおふき」への耐性を上げておく方が良い場合がある。
また、モロバレルに対してもバコウと雨が重なると行動を許してしまう可能性があるため、高打点持ちを2匹並べて「キノコのほうし」を押させないよう立ち回る。
最悪「ダイサンダー」でも催眠対策は可能だが、ボルトロス自身は浮いているためフィールドの恩恵を受けられないことに注意。


【課題点】

①「いたずらごころ」オーロンゲ対策が甘かった
全くの無対策という訳ではなく、最低限の対策として以下3通りを考えていた。

(1)ザシアン+ガオガエンの「ねこだまし」+「きょじゅうざん」で行動させずに倒す
(2)カイオーガキングドラを並べて「でんじは」をされなかった方にダイマを切る
(3)「でんじは」無効、「こわいかお」を撃たれにくい「かわらわりボルトロス

しかしながら実際にはこれらの対策では上手く行かない場合もあった。

(1)の出し方をしても相手側はそれをケアして後発にガオガエンを仕込んでいたりするため、こちらもそれを読んだ行動が求められた。ガオガエンバック読みでザシアンをボルトロスに下げて「まけんき」を発動する動きを決められると非常に強いが、相手依存になってしまう(相手が何も考えずオーロンゲを切って来たら裏目)行動である上、結局オーロンゲの処理は遅れるので後発が「でんじは」を食らう可能性は残る。

(2)の出し方・立ち回りを実際には多く狙ったように思う。
カイオーガキングドラもどちらをダイマさせても強いこと、そしてオーロンゲが止められるのは1ターンに1匹までという制限を利用し、初手で「しおふき」「こんげんのはどう」+「ハイドロポンプ」等を雑に選んでオーロンゲの処理を狙いつつ、無事に残った方を2ターン目以降でダイマさせる作戦だ。
ただ、INCで1871から予選抜けを賭けた対戦で「ハイドロポンプ」と「こんげんのはどう」を外してオーロンゲの処理が遅れて負けた。
また「ひかりのかべ」オーロンゲは下手すると初手で処理し切れないため、更に仕事をされる結果になる可能性がある。

(3)のボルトロスで壁オーロンゲまで対策しているつもりだったものの、実際はダイマ中は「かわらわり」は使えない上にガオガエンとの並びでオーロンゲを早急処理出来る火力もないため、壁ロンゲにはローリスクでダイマターンを3ターンで凌がれてしまうこと自体が損だった。ダイマ終了後に「かわらわり」を当てられたとしても、こちらのダイマで相手の頭数を充分に減らせないまま相手の後発ダイマで打開される展開がきつかった。
また、「まけんき」のお陰で「こわいかお」は撃たれにくいとは言え相方の火力が高ければそのままボルトロスを処理出来るため、結局は対策になっていない。「でんじは」は無効なもののくろいてっきゅうやこうこうのしっぽ「トリック」も普通に通してしまうし、ボルトロス以外への「でんじは」も防げない。
INCでは上記オーロンゲに負けた次の1854からの試合でまたオーロンゲ入りとマッチング。ボルトザシアンの並びでザシアンに「でんじは」を貰いつつ「ダイジェット」を2回積んだものの、ザシアンが2回連続で痺れて動けず相手のダイマレシラムに「きょじゅうざん」を当てられず敗北した。レシラムさえ倒せればヌケニンで詰められる並びだったのでどちらか1回でも動いていれば、という無念が残った。
対戦数がまだ残っていたためここで勝てていればまだチャンスはあったが、この連敗でボーダー争いから脱落してしまった。

オーロンゲ以外にもヤミラミに負けた試合があったり、相手のボルトロスが「まけんき」だと思ったら「いたずらごころ」で「こわいかお」+「じゃれつく」でダイマキングドラをワンパンされて負ける試合もあった。
逆に上記負けの経験から「いたずらごころ」をケアして日和った立ち回りをしたら「まけんき」ボルトロスの「ダイジェット」が飛んできて裏目となりそのまま制圧されてしまうパターンもあり、頭を抱えていた。
全体的に「いたずらごころ」対策の甘さから負けを呼び込んでしまっていたため、改善が必須と感じた。


②晴れパが重い
グラードンリザードン(フシギバナ)を見るとヌケニンはまず選出不可能。
グラードン自体が高い物理耐久を持ち突破が厳しく、地面技が一貫気味なため相手の攻撃も辛い。
雨パーティは晴れパーティに強いと見せかけて実はそうでもないので、あまり当たりたくはなかった。
事前のランクマではあまりマッチングするタイプの構築ではなかったため多少重くても立ち回りで頑張ればいいや、と対策をそこまで強化していなかった。

しかし蓋を開けてみると、特に最終日夜あたりから強い人がこぞって晴れパで潜り出した印象。それまでランクマ等では回さずに温めておいたのか・・・
INC Feb.の上位30位にもリンヤさん、カ・エールさんの晴れパがランクインしており、どちらもレンタルパーティを公開していたことから更に晴れパ使いが増えることが予想され、対策の必要性が増した。


ディアルガ、Wキュレムが重い
相手の攻撃が基本的に受からない上に、エルフーンやオーロンゲ等の素早さ操作要員と組まれているとこちらが上を取れないため辛い。
ダイマターンを必死に枯らしてからザシアンで切り返すしかないが、その間に大きな被害を受ける。「ダイアイス」や「ターボブレイズ」を考慮するとヌケニンだけでもターンを凌ぎ切るのが難しいため、毎回魂を賭けながら読みを通していた。
Wキュレムは天敵ではあったものの使用者が少ないため何とかなっていたが、INC Feb.でワイルドさんが結果を残してレンタルを公開したことで増えることが予想され、こちらも対策の必要性が増した。


これらを踏まえて構築を改善し、次のINCへと備えて行った。
詳細は次回更新予定の記事に記す。



* * *



今回の記事は以上になります。
長文でしたが最後までお読み頂きありがとうございました!
ご意見、ご感想、ご質問等があればコメント欄やTwitter(@yuki_rotom)にお願いします!
次はINC Mar.で予選突破を果たした構築記事を更新予定ですので、お待ち下さい。
ではではノシ