ユウキのめざめるパワー(氷)

ポケモンバトル考察

〔WCS2019 MOON〕グライベル+ヌケニン

アローラ!ユウキです。
今回はムーンシリーズの初期に使用した構築の紹介です。
レートや仲間大会で使用し、そこそこ上位の成績を残しました。



【パーティ】
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種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
グラードン 意地っ張り だんがいのつるぎ じだんだ ほのおのパンチ かみなりパンチ こだわりハチマキ ひでり
イベルタル 控え目 あくのはどう バークアウト デスウィング まもる マゴのみ ダークオーラ
ヌケニン 意地っ張り むしくい かげうち サイドチェンジ まもる きあいのタスキ ふしぎなまもり
カプ・コケコ 臆病 10まんボルト ほうでん ボルトチェンジ まもる デンキZ エレキメイカ
ガオガエン 慎重 ねこだまし フレアドライブ バークアウト どくどく フィラのみ いかく
ファイアロー 意地っ張り フレアドライブ ブレイブバード つるぎのまい まもる ヒコウZ はやてのつばさ


【概要】
単体性能の高い『こだわりハチマキ』グラードン+「サイドチェンジ」ヌケニンで残数有利を取り、ヌケニンで詰め切るパーティ。瞬間火力が高いコマで前のめりに攻める戦法だけでなく、ある程度サイクルも回せるので「バークアウト」等を絡めて粘り強く戦い、最終的に逃げ切る方法も取れる。
ヌケニンを初めて使ってみたがGSルールにおいて凶悪な性能をしており、その強さに気付かせてくれたきっかけとなる構築。



【構築経緯】
INC Novemberにて日本人1位の成績を出したアカバさんのパーティが強そうだったのでマネするところからスタート。


参考:
akapoke-maple.hatenablog.com


本家の並びでは
グラードン@こだわりハチマキ+カプ・コケコ@おうじゃのしるし+ヌケニンきあいのタスキが軸となっていた。
ムーンシリーズとなりZが解禁となったので、今回はまずコケコの持ち物を『デンキZ』とした。


コケコ自体は非常に高いすばやさからサポートなしで高威力のZワザを撃つことが可能な点で優秀。
更にフィールド補正が乗れば伝説と遜色ない瞬間火力を出せるので、伝説2体+Zという基本選出をした場合の総合的な突破力が上がる。
グラードンの『こだわりハチマキ』は〔いかく〕ガオガエンを考慮すると噛み合いが良く、ヌケニンとの相性の良さもあり続投。
ヌケニンは『きあいのタスキ』持ちの技構成「かげうち」「サイドチェンジ」「まもる」まではほぼ固定だと思うが、残り1枠の考察には時間を要した。
無難な打点として「シャドークロー」や「シザークロス」、テクニカルな「ゴーストダイブ」「どくどく」もあるが、今回は最低限の虫打点として威力がそこそこあり、相手の木の実を奪うことでガオガエン等の処理速度を上げる「むしくい」を採用。


さて、ここまでは順調に決まるがもう1匹の伝説枠の選定は難しい。
候補はいくつかあった。


パルキア
・雨耐性を更に上げられる
・「トリックルーム」によるすばやさ操作が可能
・本家アカバさんのように『こだわりメガネ』で強襲するのもヌケニンとの相性が良く強い
・Zクリスタルを持たせても強い


■ホウオウ
・浮いている(グラードンに強い)
・ゼルネアスに強い
・「おいかぜ」が可能


イベルタル
・浮いている(グラードンに強い)
ルナアーラに強い
・「おいかぜ」が可能


色々試した結果、コケコグラの苦手な相手グラードンに強く、グラードンの苦手な草に強く、かつ雨状態になっても「しおふき」を耐えられるイベルタルになった。特にムーンシリーズとなり『ルナアーラZ』が解禁されたことで数を増やすと予想されたルナアーラに明確に有利を取れるのが大きな採用理由である。
イベルタルは、前期のサンシリーズで自身がルナアーラを使っている時に非常に相手にしにくいと感じていたキャラであり、ゼルネアス不在のパーティに対しては「バークアウト」連打から詰め筋になれる。今回ヌケニンとのシナジーとして、特定の相手を詰ませる戦い方が出来るキャラが複数いると面白いと考えており、「ヌケニンで詰ませる」ルートのほかに、「ヌケニンを囮にしてイベルタルで詰ませる」ルートも加わり、戦術に幅を持たせられた。
グライベル+カプ・コケコと来てアルカナさんのDEXオフ優勝のパーティが浮かび、5枠目にはすんなりとガオガエンが入ってきた。


参考:
alcana10906.hatenablog.com


ここからはアルカナさんのパーティも参考にしつつ、ヌケニンとのハイブリッドを目指し最後の枠の考察をした。
ここまででゼルネアスが非常に重く、ツンデツンデを入れたかったがグラゼルネに対して勝てる気があまりせず却下。
フシギバナなら・・・と試してみたが、グラードンにはそこそこ強いがゼルネには先にジオコンを通されると押し負けるので断念。
途中色々と迷走し、ドヒドイデを試したところ結構感触は良かった。


ドヒドイデ@バンジのみ 〔さいせいりょく〕
穏やかHD
ねっとう どくどく トーチカ くろいきり


・ゼルネアスを「くろいきり」と「どくどく」で完封
・隣に良くいるガオガエンに焼かれず、そのまま返り討ちも可能
グラードンの地面技も1発なら耐えられる
・水耐性があり、ゼルネアス+カイオーガに対しても選出可能


ここまで書くと強そうだし、実際回してみると噛み合いが良く、きちんと機能する場面も多かった。
ヌケニン及びイベルタルで詰ませるルートを増強したり、自身も詰め筋になれる。
しかしながら処理速度が遅く、メインウェポンが「どくどく」依存となるため相手のゼルネアスが毒で倒れる前にこちらのドヒドイデの隣が「ムーンフォース」でやられていく・・・というような局面が多々あり、伝説戦でチマチマやっていても厳しいと感じたので解雇。「ワイドガード」も可能だし、かなり器用でやれそうなキャラだと思ったんだけどなぁ。
(全国ダブルであるVGC2018ルールでも一時ドヒドイデを採用し、同じように処理速度が理由で解雇となった経緯を思い出す)


さて、ゼルネアスを迅速に処理する手段を持ち、相方のグラードンガオガエンカイオーガ等にも不利を取らないキャラはいるのだろうか?
なかなか回答を見つけられずにいたが、最終的に辿り着いたのはファイアローだった。


ファイアローはWCS2016ではゼルネアス対策の筆頭として活躍していたが、第七世代から〔はやてのつばさ〕が弱体化してほとんど見なくなっていた。
今回のZ解禁により1回だけ「ブレイブバード」を反動なしで使えるため〔はやてのつばさ〕を活かしやすくなったため、採用を検討した。
実際回してみると、ゼルネアスには文句なく強い。そして取り巻きにいるモロバレルにも強い上、ガオガエンに対しては〔いかく〕が厄介だが交代+「まもる」が読みやすいのでそこに「つるぎのまい」を刺すと一気に有利になれる。また、グラードンカイオーガにも一方的に不利を取らず、特性のお陰もあり役割遂行能力が高いことから採用を確定した。


こうして現在の6体になり、回していくうちに微調整を重ねて以下のようになった。



【個別解説】
グラードン@こだわりハチマキ
意地っ張り 207-188-161-**-130-122
だんがいのつるぎ じだんだ ほのおのパンチ かみなりパンチ


●採用理由
ヌケニンを通す上で、砂嵐・霰を解除出来る特性持ち+ヌケニンの天敵となるガオガエンを高速処理可能なキャラとして採用。
カイオーガも同様の条件を満たすが、グラードンヌケニンをセットで採用することでパーティ全体の雨耐性がかなり上がり、対応範囲が広がる。
メインウェポンを天候で弱体化されない点もアタッカーとして優秀で、ヌケニンで稼いだ行動回数でアドバンテージを得られやすい。


●技構成
だんがいのつるぎ
強力な全体攻撃。命中が不安なので味方を巻き込む「じしん」もありだが、コケコ、ガオガエンの隣で撃てないのが弱いのでやめた。

・じだんだ
命中安定の単体技。確実に仕留めたい場合、こちらを撃つ。「ワイドガード」ケアにもなる。飛行タイプにスカされたら次ターン威力2倍のチャンス。

・ほのおのパンチ
グラコケコの並びで隙を見せたくない草タイプへの即時打点。不一致ながら晴れ補正で威力がそこそこ出る。

・かみなりパンチ
浮いているキャラ+αの並びに一貫するサブウェポン。ホウオウやイベルタル等へ狙う。不一致ながらエレキフィールド補正で実質タイプ一致で撃てる。


努力値配分
・A188『こだわりハチマキ』+「じだんだ」で202-119ガオガエンまで確定1発
・C222カイオーガの晴れ『こだわりメガネ』+W「しおふき」耐え+α
・C167フシギバナの「くさむすび」確定耐え


初手に出す場合も多いので耐久を高めて、あらゆる対面で動きやすくした。カイオーガに対して天候を奪う目的で投げるこを想定して、一発でやられないよう特殊耐久を意識。
攻撃は性格補正だけでも「じだんだ」でガオガエンを一発で倒せるだけは確保可能。同族やカイオーガ意識ですばやさを多めに配分した。


●持ち物
瞬間火力を増強して1回の行動で取れるアドバンテージを最大にする『こだわりハチマキ』。ヌケニンが苦手なガオガエンを迅速処理出来る。



イベルタル@マゴのみ
控え目 233-**-115-176-142-119
バークアウト デスウィング あくのはどう まもる


●採用理由
晴れを取ればカイオーガに負けず、取り巻きのルナアーラにも滅法強い伝説枠として採用。相手グラードンガオガエンにもタイマン有利であり、ガオガエンの「どくどく」を絡めて相手イベルタルにも一方的に勝てるため、晴れ系統相手にも強い。ヌケニンの苦手を駆除する役割を担う他、自身が高耐久と回復技により粘り強く戦えるのを活かして詰め筋になれたりと器用な枠。


●技構成
・バークアウト
威力は低いが、全体攻撃技+相手を弱体化するため撃ち得な場面が多く実質メインウェポン。特殊相手はこれで味方全体の耐久を上げて行動回数を増やせる。

・デスウィング
壊れ専用技。威力は低めだが回復量が高く、「バークアウト」と併せれば特殊相手のタイマンはほぼ負けない。まるで不死鳥のごとし。

あくのはどう
イカサマ」との選択。味方ガオガエンで〔いかく〕した際に威力が下がることや、重めのツンデツンデへのダメージ量を考えてこちらを採用。あまり撃たない。

・まもる
アルカナさんの構築とは違い自身を詰め筋にする運用法をするため、必須となる。天候変化やヌケニンとの並びで活用して行動回数を稼いでいく。


努力値配分
・C222カイオーガの『いのちのたま』雨W「しおふき」確定耐え
・C147カプ・コケコのエレキフィールド「かみなり」確定耐え
・C222カイオーガエレキフィールド「かみなり」確定耐え
・C207ルナアーラの「ムーンフォースZ」確定耐え
・C201ゼルネアスの〔フェアリーオーラ〕「ムーンフォース」77.9%耐え

火力よりも特殊耐久があった方が幅広い相手に動けて強いと思ったので、穏やかHDベースから考察。
そこからやや過剰気味だった耐久を最低限に抑えてなるべくとくこうを伸ばすことで、「デスウィング」の回復量を増して疑似的な耐久を上げる方向に。
物理方面はHP振りだけで充分で、〔いかく〕も絡めれば一撃でやられることはまずない。


●持ち物
体力を半分回復出来る『マゴのみ』。耐久振りも相まって相手の想定以上の行動回数を稼げるようになる。〔いかく〕や「バークアウト」「デスウィング」によるダメージ調整で発動条件を満たしやすい。



ヌケニンきあいのタスキ
意地っ張り 1-156-**-**-**-92
むしくい かげうち サイドチェンジ まもる


●採用理由
自身が単体で強力な勝ち筋の1つとなれる上に、多数の無効タイプを利用して無理やりサイクルを回す動きで立ち回りに柔軟性を持たせてくれるため採用。また極悪技「サイドチェンジ」を駆使して味方アタッカーの行動回数を稼げば、自身が倒れたとしても勝利に貢献出来る。
選出段階でヌケニンに対する打点が少ないようならヌケニンで詰ませることを目指し、そうでない場合も囮として選出して相手の行動を吸い寄せてこちらのアタッカーを通す運用法もある。


●技構成
・むしくい
主にガオガエンの持つピンチベリーを潰すのが目的のメインウェポン。前もって「どくどく」を当てた状態からこの技をヒットさせれば、ガオガエンから逃げ切れる可能性がグッと上がる。ルンパッパやアマージョ等の草タイプへの打点としても最低限の威力はある。また、ほかの候補となる「シャドークロー」は主にルナアーラネクロズマ等に撃ちたい技だが、これらに強いイベルタルを採用しているため、不採用でも困る場面はなかった。


・かげうち
便利な先制技。主にルナアーラの処理を狙う。


・サイドチェンジ
特性との組合せで凶悪な性能に。味方に飛んで来る技を無効化して受けつつ味方を行動させたり、逆に自身の弱点を突く技から逃げたり。自身の弱点は味方で受けやすいように構築してあるので、飛行はコケコ、岩はグラ、炎はガエン・アロー、ゴースト・悪はガエン・イベルタルで半減で受けられるので縦の相性も横の相性も良い。


・まもる
狙われやすいので必須。「サイドチェンジ」と併せることで相手に2択以上を迫ることが出来る。


努力値配分
素直にAS振り。性格は火力を上げたいのでこうげき上昇補正。その中でも「むしくい」のメイン仮想敵であるガオガエンの持ち得るピンチベリー『フィラのみ』『バンジのみ』『マゴのみ』『イアのみ』で混乱しないように意地っ張りを選択。



■カプ・コケコ@デンキZ
臆病 146-**-105-147-95-200
10まんボルト ほうでん ボルトチェンジ まもる


●採用理由
高火力高速アタッカーとして、Z枠としての適性が高い。
グラードンの隣に並べて、浮いている相手に電気技を撃ちながら「じだんだ」「だんがいのつるぎ」を一貫させる動きが強い。
基本的にグラードンや〔ひらいしん〕のいないパーティに対しては電気の通りが良く、ヌケニンと併せて行動回数を稼いでやるだけで相手にかなりのダメージを稼げる。
またフィールドによる催眠対策もこなせる点も見逃せない。


●技構成
・10まんボルト
メインウェポン。Zのベースとしても。雨構築ではないためこれが最高威力。


・ほうでん
グラードンとの並びやヌケニンとの並びで撃ちやすく、便利な範囲技。「このゆびとまれ」や「いかりのこな」に強く、また択ゲーが嫌な時や麻痺バグ狙いで撃てる。


ボルトチェンジ
ヌケニンとの相性が抜群。先手でダメージを与えてから飛んで来る技をヌケニンで技を無効化する動きが狙える盤面では強力無比。天候やフィールド合戦でも立ち回りやすくなる。
当初カミツルギを迅速処理出来る「めざめるパワー(炎)」だったが、あまり使う場面がなくカミツルギも特別重い訳ではなかったので変更。
サブウェポンが一切なくなったため、電気が通らない相手への選出は慎重に行なう必要があるが、電気の通る場面での性能を最大限に上げた。このルールではコケコ程度のとくこうで不一致サブウェポンで抜群を取っても倒せる敵はほとんどいないため、威力が最も出る電気技でゴリ押す方が良い。


・まもる
貴重なZ枠なので「ねこだまし」持ちに屈しないように。ヌケニンとの並びを作ったり天候を書き換えるタイミングでも使うため必須。


努力値配分
高速アタッカーとしての性能を最大限高める臆病CS。


●持ち物
瞬間火力の出る『デンキZ』。雑に頭数を減らす動きがヌケニンイベルタルで詰める際の手助けとなる。



ガオガエン@フィラのみ
生意気 202-136-112-101-154-71
ねこだまし フレアドライブ バークアウト どくどく


●採用理由
パーティの潤滑油として。特に〔いかく〕による確定数ずらしが強力でイベルタルの耐久を物理、特殊両面から補強してゾンビに仕立て上げる手助けをする。恵まれた耐久からサポートをこなして他のキャラの行動回数を増やすのが役割。
グラコケコの苦手な草に明確に強く、グライベルに一貫する氷や、ヌケニンの苦手な炎にも耐性がある。


●技構成
ねこだまし
必須となる場面は少ないが、相手のすばやさ操作を乗り切る時や「どくどく」のダメージを稼ぐ時に便利。ファイアローの「つるぎのまい」のチャンスを作れる。


フレアドライブ
火力はあまりないので基本的には草、鋼、氷に対する遂行技として。グラの晴れで威力を補強出来る。


・バークアウト
実質的なメインウェポン。相手の火力を削ぐことで突破を遅らせ、ダメージレースを制する。〔ダークオーラ〕で多少火力が上がるおまけつき。


・どくどく
ヌケニンイベルタルでの詰ませルート増強のため採用。相手イベルタルに撃ってこちらのイベルタルで仁王立ち、相手ゼルネアスに撃ってヌケニンを駆使して無理やり倒す、ガオガエンに撃ってヌケニンで詰ませる等、用途は多岐に渡る。元の火力が低く更に〔いかく〕で腐りやすいこのポケモンの隙を「とんぼがえり」以外で埋める面白い技だった。実戦であまり考慮されないのが強い。


努力値配分
ゼルネアスに対して頑張って欲しいのでHD特化。C+2「ムーンフォース」を耐えて「バークアウト」「どくどく」を当てたい。「バークアウト」の威力を少しでも上げるため性格生意気とし、対トリパでなるべく先手を取れるように最遅にしておいた。


●持ち物
〔いかく〕と耐久の高さを活かしてクッションとして運用する際に繰り出し回数、行動回数を増やせる『フィラのみ』。



ファイアロー@ヒコウZ
意地っ張り 154-146-91-**-89-178
ブレイブバード フレアドライブ つるぎのまい まもる


●採用理由
ゼルネアスが重いので、ある程度蓄積がある状態から先制で縛れるキャラとして採用。
同居していることが多いグラードンガオガエンフシギバナモロバレルカイオーガ等に不利を取らないことを条件に探していた結果このキャラになったが、対ゼルネアスを一任するには若干不安が残るので要検討枠でもある。


●技構成
ブレイブバード
威力が高いメインウェポン。HP満タン時は先制技として使える。


フレアドライブ
飛行半減の鋼に対する打点。グラの晴れで威力増強も可能。


つるぎのまい
「おいかぜ」を通しても先制出来るメリットが大きい高速アタッカーがあまりいないのでゼルネアス+ガオガエン絡みに対して「まもる」+交代読みで使えばアドバンテージを得られる積み技を採用。


・まもる
ねこだまし」等でHP満タンを崩されないように。


努力値配分
・A146「ブレイブバードZ」でB116ゼルネアスに135-160ダメージ
・A146(+1)「ブレイブバードZ」でB116ゼルネアスに202-238ダメージ(「まもる」+ガオガエン交代に「つるぎのまい」を合わせた場面)
・S最速カミツルギ+1


●持ち物
1回だけ「ブレイブバード」を反動なし高威力で撃てる『ヒコウZ』。これにより制圧時の瞬発力、持続力が増す。



【雑感】
グラードンの破壊性能が非常に高い
・コケコも晴れと併せて広い範囲と有利に撃ち合える
イベルタルはゼルネ入り以外には鬼のような堅さで頼もしい存在
ヌケニンも非常に強力で、何度も詰めて勝った
ヌケニンの「サイドチェンジ」が非常に凶悪。分かっていても強い
ガオガエンの「どくどく」、ヌケニンイベルタルの詰め筋との相性良い
ファイアローの枠、悪くないが完璧とは言い難くゼルネ入りに安定して勝てず
・ゼルネアス入りに対する回答が綺麗にまとまらなかった
・最後の一般枠1匹でゼルネ入りのあらゆる取り巻きに対応するのは無理があったかもしれない
・変えるならイベルタルの枠からというアプローチもありだろうか

〔WCS2019 SUN〕~ルナオーガスイッチS~ INC Nov.使用構築

アローラ!ユウキです。
今回は2018/11/30~12/3に開催されたINC Novemberの使用構築の解説記事です。
今更ですが、このルールに一区切りついたところで記録に残しておきます。



【パーティ】
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種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
ルナアーラ 控え目 シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム カシブのみ ファントムガード
カイオーガ 控え目 しおふき こんげんのはどう かみなり まもる しんぴのしずく あめふらし
カミツルギ 陽気 リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ みきり いのちのたま ビーストブースト
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ イカサマ ウタンのみ さいせいりょく
カプ・コケコ 臆病 かみなり エレキネット しぜんのいかり フリーフォール とつげきチョッキ エレキメイカ
トゲキッス 穏やか エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ でんじは イアのみ てんのめぐみ

【戦績】
勝敗:27勝2敗
勝率:93.1%
最高/最終レート:1820
順位:世界69位(日本57位)/73060人


振り返り記事:
yuki-rotom.hatenablog.com



【概要】
サンシリーズ不動のエース、カイオーガを全力でサポートして攻撃を通すパーティ。
相方のルナアーラに「おいかぜ」「トリックルーム」を両方採用することでいかなる盤面からでもカイオーガを立てることが出来る。「おいかぜ」ラストターンに「トリックルーム」、「トリックルーム」ラストターンに「おいかぜ」の動きは単体ではルナアーラにしか出来ない独自の芸当であり、これにより継続して上を取った盤面を維持出来るのが本パーティ最大の強み。
カミツルギは終盤にカイオーガで削れた相手を一掃する動きで真価を発揮し、裏エースとして活躍する。
ここにトリル下で輝くモロバレルや「おいかぜ」ミラーですばやさを制する「エレキネット」コケコ、「おいかぜ」「でんじは」トゲキッスというパーツが合わさり、相手や盤面によって多種多様なすばやさ操作手段を使い分ける、トリッキーなスイッチパーティに仕上がっている。



【構築経緯】
全国大会への切符を賭けた最初の予選であるINC Nov.に持ち込むパーティを考えるにあたり、最も勝率が良くメインで使っていたカイオーガ軸を考えていた。
しかし、初期から使い続けていたネオオーガはネオラントが一発芸でしかないことや、初見殺しギミックが主なのでバレていると勝てなさそうなことから、ネオラントは持ち込まずにカイオーガ軸で煮詰め直すことに。
カイオーガルナアーラカミツルギモロバレルは非常に手応えを感じる組合せであったのでほぼそのままに、残りの2枠をチューニングして行った。


参考:ネオオーガ
yuki-rotom.hatenablog.com




まずはイベルタルや相手の催眠がきつかったことからカプ・コケコを採用。カプ・テテフとの違いは上から「バークアウト」をされない点。また「おいかぜ」展開の場合に「エレキネット」を重ねることで相手の上を取り続けることが出来る。これはネオラントが担っていた「おいかぜ」+「こごえるかぜ」の役割をスライドした形。


最後の枠は、ルナアーラが出しにくい対イベルタルガオガエンを楽にしてくれるキャラを探していた。
当初は悪・飛行耐性があり〔まけんき〕により〔いかく〕「バークアウト」にも強いキリキザンを採用していた。悪くなかったがルナアーラと並べてもルナアーラ側へ来る攻撃を吸える訳ではなく、自身もすばやさ操作が出来る訳ではないため、自陣のすばやさ操作を通す展開に持ち込めない点が微妙に感じていた。
しかしINC Nov.前日にふとトゲキッスが強いのでは?と思いつく。悪半減で「このゆびとまれ」が使える上、自身が「おいかぜ」も覚えるため、最悪ルナアーラを選出せずともすばやさを操作して行ける。「エアスラッシュ」による誤魔化しが強く、ガオガエンに対しても上から怯み狙いが出来る。
モロバレルでは草タイプの攻撃が吸えないため対カミツルギやルンパッパ絡みに不安が残っていたのだが、その点も「このゆびとまれ」の採用により解決することが出来た。
当日育成して本番に持ち込んだところ、思っていた以上に活躍してくれたのでトゲキッスの採用は結果的に大正解であった。



【個別解説】
ルナアーラ@カシブのみ 〔ファントムガード〕
控え目 243-**-111-193-134-124
シャドーレイ サイコショック おいかぜ トリックルーム


●技構成
シャドーレイ
高威力、高一貫性のメインウェポン。特性無視の追加効果も時々役立つ。

サイコショック
サブウェポン。「ジオコントロール」後のゼルネアスへのダメージ量を意識してショック。

・おいかぜ
すばやさ操作その1。相手にモロバレルガオガエン等、鈍足キャラが多い場合はこちらが有効。

トリックルーム
すばやさ操作その2。相手が全体的に速い場合や、相手に「おいかぜ」や「こごえるかぜ」「エレキネット」がありそうな場面ではこちらが有効。


努力値配分
・〔ファントムガード〕込C156ルンパッパの雨『いのちのたま』「ねっとう」+C222カイオーガの雨W「しおふき」急所込89.7%耐え
・〔ファントムガード〕込A201イベルタルの〔ダークオーラ〕「ふいうち」確定耐え
・〔ファントムガード〕込A183ガオガエンの「はたきおとす」確定耐え
・S準速70族+2


耐久を重視した配分。対オーガルンパで集中攻撃されてもすばやさ操作を通せるように特殊耐久を高めに設定。他にはC207『のろいのおふだ』持ちのルナアーラの「シャドーレイ」をHP満タンからならほぼ耐えられるようになるなどの利点があるが、持ち物を『カシブのみ』としたことでその旨味は若干薄れた。
すばやさは「おいかぜ」時に準速〔すいすい〕ルンパッパの上を取ることを意識した。「トリックルーム」で動く場合も考慮してすばやさは最低限として、残りはなるべく火力に割いた。


●持ち物
ミラーですばやさが負けている可能性が高いので『カシブのみ』。これにより『こだわりメガネ』ルナアーラ+「フリーフォール」カプ・コケコ等の本来であればルナ同士の同速に勝たないと不利な相手にも確実に「トリックルーム」を選べるようになり、安定してコケコルナミラーを取ることが出来た。



カイオーガ@しんぴのしずく 〔あめふらし
控え目 207-**-136-193-161-111
しおふき こんげんのはどう かみなり まもる


●技構成
・しおふき
説明不要の最強全体技。いかにこの技をHP満タンで上から押せるかを考えて立ち回る。

こんげんのはどう
HPが削れた場面での主力技。

・かみなり
水技半減の水タイプに対する打点。味方コケコのエレキフィールドとのシナジーも有り。

・まもる
味方のすばやさ操作を待つために採用。


努力値配分
・A167カプ・コケコのEF「ワイルドボルト」59.9%耐え
・A233カミツルギの「リーフブレード」確定耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなり」確定耐え
・C147カプ・コケコのEF『いのちのたま』「10まんボルト」71.9%耐え
・C167フシギバナの『たつじんのおび』「くさむすび」確定耐え
・C167フシギバナの『いのちのたま』「くさむすび」71.9%耐え
・C156ルンパッパの『いのちのたま』「くさむすび」確定耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」83.9%耐え


耐久にガッツリ割いた配分。
カイオーガをどの型で使うか考えた際、すばやさ操作を待つターンに「まもる」を使える非『こだわり~~』系アイテムが良いと考えたが、並びによっては「まもる」が読まれやすく、その隙に隣を集中で落とされるとアド損しやすい。
そのような局面でも無理やり動かせるように耐久に振ることで、相手が「まもる」読みで放置したらそのまま攻撃が通ってアド、攻撃されても集中でない限り耐えて動けるので次ターンも上が取れてアド、というどちらに転んでも美味しい立ち回りが狙いやすくなる。
特にカミツルギを前にして行動が許されるかそうでないかで立ち回りの幅が全然異なるので、物理耐久をここまで上げたことで非常にやりやすくなった。


●持ち物
耐久振りで努力値がなくなり、火力が無振りになったのでそれを補う強化アイテム。回復木の実も耐久振りと相性が良いが、上を取った際の水技の威力が非常に重要なので強化アイテムを外せなかった。



カミツルギ@いのちのたま 〔ビーストブースト〕
陽気 135-233-151-**-51-177
リーフブレード スマートホーン せいなるつるぎ みきり


●技構成
リーフブレード
グラードンカイオーガに刺すメインウェポン。グラードンに抜群を取れ、ほぼ1発で倒せるのでカイオーガが最悪晴れを取られてもグラゼルネに勝てる点がポイント。

・スマートホーン
対ゼルネアスで有効なメインウェポン。カイオーガの攻撃が通りにくいモロバレルにも打点を持てる。

せいなるつるぎ
メインウェポンが半減以下のガオガエンナットレイディアルガ等へ抜群を取れるサブウェポン。これらに手が出ると味方の攻撃範囲との相性が良い。

・みきり
パーティの豊富なすばやさ操作を待ってから上から縛る動きをするため必須。


努力値配分
火力が大事なのでAS振り切り。ネオオーガでは一撃で倒せる範囲が広い意地っ張りを使っていたが、「みずびたし」コンボでワンパンを狙う場面は減ったこと、ゼルネアスやイベルタルに上を取りたいこと(特にゼルネアスには「おいかぜ」「でんじは」で「ジオコントロール」後に上からの攻撃を狙う場面が増えた)、カミツルギミラーで一方的に不利になるのを避けたいことから陽気最速とした。個体数は少ないとは思うが、最速グラカイに抜かれる事故もなくなる。


●持ち物
半端な火力を増強する『いのちのたま』。



モロバレル@ウイのみ 〔さいせいりょく〕
生意気 221-**-103-105-132-31
キノコのほうし いかりのこな クリアスモッグ イカサマ


●技構成
・キノコのほうし
ルナアーラの「トリックルーム」から自発的に上からの催眠を押し付ける動きが強い

・いかりのこな
ルナアーラカイオーガカミツルギを相手の攻撃から守る

クリアスモッグ
ゼルネアス対策は過剰なくらいで丁度良い。「トリックルーム」と併せて盤石のゼルネアスメタ

イカサマ
ルナコケコに出す場合があるので、ルナアーラへの打点があると非常に強い。またネクロズマカミツルギにも打点が持てるのは偉い。


努力値配分
・A222グラードンの晴れ「ほのおのパンチ」確定耐え
・C183(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」高確率2発耐え
・S最遅
サポート役のため耐久特化。トリパに出すことや自身でトリルすることを想定して最遅。


●持ち物
特に持たせなければならないアイテムが浮かばなかったので、最も汎用性が高いピンチベリーで生存率を上げてサポート回数を増やした。



■カプ・コケコ@とつげきチョッキ 〔エレキメイカー〕
臆病 177-121-105-115-114-180
かみなり エレキネット しぜんのいかり フリーフォール


●技構成
・かみなり
メインウェポン。カイオーガ採用パーティなのでほぼデメリットなしで撃てる。たまに麻痺が有効になる場面があるのは大きなメリット。耐久振りで自らHPを減らすのが勿体ないため「ワイルドボルト」は不採用。

・エレキネット
すばやさ操作技として採用。ゼルネアスに対して『とつげきチョッキ』があれば2回通せるので、「ジオコントロール」によるすばやさ上昇を相殺し、カミツルギで上から縛れるようになる。

しぜんのいかり
汎用的な削り技。パーティの誰と並んでも先に撃てるので味方との連携で相手を一気に倒す立ち回りが狙いやすい。特にカミツルギの『ビーストブースト』との相性が抜群。

・フリーフォール
相手を先制で連れ去ることで味方の行動を補佐する。その隙にすばやさ操作技を通して有利な盤面を維持する。
相手ルナアーラを連れ去れるのは便利だが、相手にもコケコがいた場合ルナコケコミラーとなりすばやさ関係が不毛になるため、『カシブのみ』ルナアーラモロバレルで「トリックルーム」展開を狙う。
単体技しか持たないエースのカミツルギとの相性も良く、片方(ガオガエン等)を連れ去りながらもう片方を倒して〔ビーストブースト〕を発動し、残りをフリーフォールの着地ターンに倒すという立ち回りが可能に


努力値配分
・A81ルンパッパの『いのちのたま』「ねこだまし」+C222カイオーガの雨W「しおふき」確定耐え
・C222カイオーガの『しんぴのしずく』雨W「しおふき」確定耐え
・C183(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」83.9%耐え
・S最速110族抜き
・S(-1)最速〔すいすい〕ルンパッパ抜き
・最速トルネロス抜き


●持ち物
対オーガルンパ、ゼルネアス、ルナアーラ等を考えて『とつげきチョッキ』。欲しい技が多く、攻撃技4つで埋めても強い運用が可能な点も採用を後押しした。



トゲキッス@イアのみ 〔てんのめぐみ〕
穏やか 192-**-122-141-176-101
エアスラッシュ このゆびとまれ おいかぜ でんじは


●技構成
エアスラッシュ
カイオーガカミツルギで打点を持ちにくい草タイプへの打点。怯み狙いによる強引なサポートも可能なのがズルくて強い。

このゆびとまれ
ルナアーラのすばやさ操作をサポートしたり、カイオーガカミツルギ等のエースを守って行動回数を稼いだりするサポート技。モロバレルは草タイプの攻撃を吸えないがこちらは吸える上に草技は半減なので草タイプ入りに有利。

・おいかぜ
味方全体に効果が及ぶすばやさ操作。カイオーガとの並びで特に強さを発揮する。自身が上から「エアスラッシュ」を撃てる範囲が広がるのも良い。

・でんじは
対ゼルネアスで有効。「おいかぜ」だとターンを凌がれると終わりなのに対して効果が永続であるため、当ててしまえば「ジオコントロール」後のゼルネアスを「おいかぜ」なしでカミツルギで上から縛れる。また「トリックルーム」が裏目になる鈍足キャラ+高速キャラの組合せに対して「おいかぜ」以上に有効に働く場面があり、状況に応じて使い分けられるすばやさ操作技が増えるのはメリット。自身が「エアスラッシュ」とのコンボで勝ち筋を増やせるのも偉い。


努力値配分
・A233カミツルギの「スマートホーン」確定耐え
・A256カミツルギの「スマートホーン」75%耐え
・C201(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」15/16耐え
・C147カプ・コケコのEF「かみなり」確定耐え


●持ち物
モロバレル同様、耐久を高めて味方の行動回数を増やせるよう『イアのみ』。



【選出】
●基本選出
先発:ルナアーラモロバレルorトゲキッスorカプ・コケコ
後発:カイオーガカミツルギ


基本的に全てこのパターン。ルナアーラ+サポート役で展開し、カイオーガを上から「しおふき」が狙える盤面に着地させることを狙う。最後に削れた相手をカミツルギでフィニッシュ。単純な戦術だが場面によって「おいかぜ」「トリックルーム」を使い分けて柔軟に戦える上、取り巻きによってはそこに「でんじは」「エレキネット」も絡めて様々な方法で上を取れる。ルナアーラがうまく生存していれば1試合で「おいかぜ」と「トリックルーム」の両方を使うことも珍しくない。
イベルタルガオガエン等の悪タイプ入りにはトゲキッスやカプ・コケコを投げることが多い。モロバレルは自身が「トリックルーム」を狙う際に強いコマである他、相手が「トリックルーム」っぽい場合も牽制になる。「キノコのほうし」の存在によりヘイトを集めやすいのを利用してさっさと倒させつつ「おいかぜ」展開からカイオーガを立てる動きも有効。



●対ルナコケコ
先発:ルナアーラモロバレル
後発:カイオーガカミツルギ


対ルナコケコは「フリーフォール」によりトゲキッスの「このゆびとまれ」やモロバレルの「いかりのこな」無視から相手ルナアーラの上からの「シャドーレイ」が単純に辛い。『こだわりメガネ』等強化アイテムだと〔ファントムガード〕貫通でルナアーラがやられてしまうし、コケコの攻撃で〔ファントムガード〕を崩されると普通の「シャドーレイ」も耐えなくなる。そこでルナアーラに『カシブのみ』を持たせることで上記の動きに対してどちらでも生存して行動が出来るようにした。ルナコケコは基本「おいかぜ」「エレキネット」で上からの展開を意識するパーティなので「トリックルーム」が辛く、一度「トリックルーム」の始動に成功すればかなり優位に立てる。隣に置くのは主にモロバレルトゲキッスと比較して「イカサマ」でルナアーラに打点があり、コケコからも倒されにくい点で刺さっている。



●対オーガルンパ
先発:ルナアーラ+カプ・コケコ(トゲキッス)
後発:カイオーガカミツルギ


耐久振りルナアーラはオーガルンパの水技連打を耐えて動ける。コケコも『とつげきチョッキ』のためどちらか片方の攻撃までは耐える。結果的に「おいかぜ」「トリックルーム」「エレキネット」のいずれかもしくは両方は通せるので、そのままカミツルギを立てて制圧したい。
『おうじゃのしるし』+「なげつける」ルンパッパにルナアーラが怯まされると厄介なので、コケコの枠をトゲキッスにして「このゆびとまれ」+「トリックルーム」もあり。



●対グラゼルネ
先発:ルナアーラモロバレルorトゲキッスorカプ・コケコ
後発:カイオーガカミツルギ


基本このどれか。フシギバナワタッコ等の催眠がいた場合はコケコを優先させる。
「エレキネット」2回や「おいかぜ」でゼルネアスをカミツルギで縛る展開、初手モロバレルからの「トリックルーム」展開、トゲキッスの「でんじは」でゼルネアスを麻痺させてからカミツルギで上から縛る展開等、取り巻きによって様々な処理ルートを選択可能。最終的にカイオーガで天候を取るか、カミツルギで全抜きを狙う。



●対イベルタル
先発:ルナアーラトゲキッスorカプ・コケコ
後発:カイオーガカミツルギ


トゲキッスの「このゆびとまれ」でルナアーラを動かしてすばやさ操作が出来る。サンシリーズでは物理イベルタルが主流(全員「はたきおとす」対応の持ち物しか持てなかったので「はたきおとす」が常に一貫するため)だったので、悪半減のトゲキッスで吸ってしまえば全く怖くなかった。「ふいうち」も無効化しつつ「しおふき」や「スマートホーン」で倒しに行く。
イベルオーガ等、取り巻きによってはコケコの電気技も狙う。



【雑感】
Wi-Fi予選形式で勝率93.1%は過去最高記録。すごく勝てた
・参加賞目当ての格下に対して取りこぼさないのは勿論、海外のガチ勢等にもしっかり勝てていた
・適宜すばやさ操作を選んで行く立ち回りの難易度は多少高いが、対応範囲は広い構築になった
カイオーガはやはり「しおふき」が命中100で安定感があり、軸にして正解だった
ルナアーラの「おいかぜ」「トリックルーム」両立が強く、常に主導権を握れた
トゲキッスは単なる「このゆびとまれ」要員に留まらない仕事が出来て非常に優秀だった


〔WCS2019 SUN〕テテフライド+後発グラゼルネ

アローラ!ユウキです。
WCS2019もひと段落したため、昔使ったパーティを順に記しておくことにします。
まずはサンシリーズにてしばらく回していたグラゼルネの紹介です。



【パーティ】
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種族名 性格 技1 技2 技3 技4 持ち物 特性
カプ・テテフ 控え目 サイコショック マジカルシャイン めざめるパワー(炎) ちょうはつ きあいのタスキ サイコメイカ
フワライド 臆病 こごえるかぜ くろいきり おきみやげ おいかぜ サイコシード かるわざ
ゼルネアス 控え目 ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる パワフルハーブ フェアリーオーラ
グラードン うっかりや だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる いのちのたま ひでり
ガオガエン 意地っ張り ねこだまし フレアドライブ はたきおとす けたぐり とつげきチョッキ いかく
モロバレル 生意気 キノコのほうし いかりのこな イカサマ くさむすび ウタンのみ さいせいりょく

【概要】
先発テテフライドで上を取る盤面を整え、後発グラゼルネで制圧を狙うパーティ。
うまくグラで相手を縛った状態での無償「ジオコントロール」を選べれば勝ちである他、単純にフェアリー+地面+炎の打点で上から殴るだけでも強い。
選出・立ち回りが単純明快、かつパワーが高いのが売り。



【構築経緯】
ゼルネアス軸のパーティを回している際、トップメタであるためどこから飛んでくるか分からない妨害技に怯える場面が多々あり、展開しにくく感じていた。
特に「ほえる」「ふきとばし」『レッドカード』に対しては警戒しても初見での対処が難しいため、先発からではなく後発からゼルネアスを立てるアプローチを考え始めた。
自陣が残り2匹となった状態であればこれらの強制交代技は不発となるため、ゼルネアス対策をこれらの技に依存した相手のゲームプランを崩せる。
また、先発からだと他にも「ちょうはつ」「はたきおとす」「トリックルーム」等のゼルネアス対策を呼びやすく、掻い潜るのに苦労する。一方で先発である程度場を荒らしたり出すタイミングをズラすことで、これらの対策枠を機能させにくい盤面にゼルネアスを着地させられるようになるというメリットもある。


以上の理由から、ゼルネアスを後発から立てるプランをメインとしてパーティ構築をスタートすることにした。


■後発ゼルネアスの理想的な出し方
・相手の場のどちらかor両方をゼルネアスの隣が縛っている
・相手の場に特殊アタッカーのみが並んでいる
・「おいかぜ」状態で相手の上を取っている
これらの条件を満たせると勝ちがぐっと近づくので、ゲーム中盤以降にこのような盤面を作成し、ゼルネアスを着地させるプランを計画する。


■先発に求められる性能
・「おいかぜ」
・相手の「おいかぜ」対策
・相手の「トリックルーム」対策
・自主退場技
・相手を万遍なく削れる全体技
・対「ねこだまし」性能


まず、中盤で「おいかぜ」を残した状態でゼルネアスを立てるために先発にはある程度安定感のある「おいかぜ」要員が欲しい。
尚且つ「おいかぜ」持ちミラーとなった際にこちらのみが一方的に上を取れる状況を維持出来るよう、相手の「おいかぜ」を対策する技も欲しい。
そして初手からの「トリックルーム」も阻止しなければならない。
更に展開のテンポを考えると「ねこだまし」には耐性が欲しい。


今回は「ねこだまし」に強く初手の「トリックルーム」を阻止しつつ上から展開可能な「ちょうはつ」テテフ+「おいかぜ」フワライドを先発の組合せとして起用することにした。
フワライドは〔かるわざ〕発動によりクロバットの「ちょうはつ」より先に「おいかぜ」が撃てる他、「おいかぜ」ミラーとなっても相手の足を奪える「こごえるかぜ」があることから、優秀なすばやさ操作要員となれる。
またゴーストタイプで「ねこだまし」無効に加え、ゼルネアス等の能力上昇をリセットする「くろいきり」もあるため相手のゼルネアス展開に隙を見せにくく、更に自主退場技を覚えるためスムーズな展開もこなせる。


カプ・テテフの〔サイコメイカー〕は「おいかぜ」軸で戦う場合に面倒な先制技を封じることで攻めのテンポが崩されにくくなるため、基本選出に無理なく組み込めると試合が組み立てやすい。


相方の伝説枠には、ここまで鋼タイプへの打点が不足しているためグラードンを選択。
ゼルネと並べた攻撃範囲の広さが売り。フェアリーが通らない炎や鋼、毒に対して一致抜群が突ける上に、強力な全体技持ちであるため両縛りの盤面を作りやすい。カイオーガも同じく炎や鋼に対して強打点を持つが、ゼルネオーガの並びだとナットレイモロバレル等が重くなるので、炎技を高威力で撃てるグラードンとした。本当はゲンシグラードンが使いたかった(


残りはグラードンのみではまだ処理に不安が残る対鋼、草タイプ等に強くゼルネアスの展開補佐としても適正があるガオガエン、「ちょうはつ」で止めきれないガチトリパへの耐性を上げる目的でモロバレルを採用。



【個別解説】
カプ・テテフきあいのタスキ 〔サイコメイカー〕
控え目 146-**-95-200-135-147
サイコショック マジカルシャイン めざめるパワー(炎) ちょうはつ


●技構成
サイコショック
メインウェポン。相手の「ジオコントロール」後のゼルネアスにも大ダメージを見込めるためこちら。

マジカルシャイン
便利な全体技。雑に相手を削り後発の圏内に押し込める。ゼルネアスの〔フェアリーオーラ〕で強化可能。

・めざめるパワー(炎)
当初「まもる」だったが、攻撃範囲を拡張して対応範囲を広げた方が戦いやすいと判断。主な仮想敵なナットレイカミツルギナットレイは1発では倒せないが味方のゼルネアスとの並びで処理が狙えるようになる点が大きい。晴れなら181-155のナットレイも14/16で1発で倒せるため、味方グラードンを交代で出しつつ強襲するのも強い。

・ちょうはつ
相手の「トリックルーム」を阻止する。他にも「くろいきり」「ほえる」を阻止して安全に後発ゼルネアスが積める状況を作り出せる。相手ゼルネアスの「ジオコントロール」を止める用途も。


●持ち物
集中されない限り動ける『きあいのタスキ』。ライドとの並びでは初手「まもる」を読まれることは結構あるので、そこで強気に動かすとアドが取れる場面が多い。攻撃されたとしてもさすがに集中はしにくいはずなので出落ちすることはまずない。
ネクロズマツンデツンデディアルガ等「ちょうはつ」を撃つ場合にも、この持ち物があることで返しの攻撃技を恐れずに押して行ける。


努力値配分
アタッカー性能を高めるためCS。控え目にすると晴れ「めざめるパワー(炎)」でナットレイを倒せる可能性が上がるので控え目。



■フワライド@サイコシード 〔かるわざ〕
臆病 226-**-93-111-87-134
おいかぜ こごえるかぜ くろいきり おきみやげ


●技構成
・おいかぜ
説明不要のすばやさ操作。ゼルネで上から制圧する盤面を作る。

・こごえるかぜ
「おいかぜ」ミラーで一方的に上を取る盤面を狙える。相手に「ちょうはつ」されても置物にならずに済む。ダメージは微々たるものだが『きあいのタスキ』や〔ファントムガード〕を削るのにも一役買う。

くろいきり
主に相手のゼルネアス対策。味方にかかった「バークアウト」や〔いかく〕の能力ダウンをリセットする場面や、相手の『じゃくてんほけん』や『サイコシード』等の能力アップを打ち消す場面もあり、何かと便利。

・おきみやげ
「おいかぜ」やサイコフィールドターンを無駄にせずスムーズに後続に繋ぐための自主退場技。相手の火力を削ぐことで後発ゼルネが「ジオコントロール」を積みやすい盤面を作る。相手に倒されずとも任意の並び(特にグラゼルネ)を意図的に作りやすいのが強み。


努力値配分
・A183イベルタルの〔ダークオーラ〕「はたきおとす」15/16耐え
・A167コケコの「ワイルドボルト」確定耐え
・C200テテフの珠PF「サイコショック」確定耐え
・C222カイオーガの『しんぴのしずく』雨W「しおふき」15/16耐え
・C207ルナアーラの「シャドーレイ」確定耐え
・S〔かるわざ〕発動時、「おいかぜ」状態のS200(-1)抜き
攻撃役ではないので耐久重視。すばやさはクロバット意識の調整。「こごえるかぜ」を当てれば「おいかぜ」クロバットより先に動けるので、対クロバットの立ち回りに余裕が生まれる。



■ゼルネアス@パワフルハーブ 〔フェアリーオーラ〕
控え目 202-**-115-201-118-151
ムーンフォース マジカルシャイン ジオコントロール まもる


●技構成・持ち物:説明不要のため省略。


努力値配分
相手のゼルネアスは先発で止める前提でミラーはあまり意識せず、更に「おいかぜ」で上を取っている場合がほとんどなので臆病最速は過剰となるため控え目CS。
無振りカイオーガをC+2「ムーンフォース」で一撃で仕留められるのが控え目の最大の利点。



グラードン@いのちのたま 〔ひでり〕
うっかりや 175-195-160-167-99-118
だんがいのつるぎ だいちのちから ふんか まもる


●技構成
だんがいのつるぎ
高威力な全体技でありメインウェポン。ディアルガや日食ネクロズマ等の弱点を突きつつ隣にもダメージを見込める。

・だいちのちから
ワイドガード」対策となる単体地面技。命中安定のため、確実に仕留めたい相手がいる場合にも使う。
後述の「ふんか」のためにとくこうに努力値を割いた都合、A195「じだんだ」よりC167「だいちのちから」の方が指数が高いためこちらを採用。〔いかく〕に強い等のメリットもある。

・ふんか
ゲンシカイキではなく残念ながらタイプ不一致だが、晴れ状態であればそこそこ高威力で放てるため採用。主にゼルネアスで処理出来ないナットレイモロバレルの処理を狙う。高威力かつ命中安定であるため、両縛りを作りやすい。

・まもる
「おいかぜ」ターンの調整や任意の並びを作るために採用。


努力値配分
・A195Wダメ「だんがいのつるぎ」で202-127ガオガエンまで確定1発
・C167晴れWダメ「ふんか」で221-126モロバレルまで確定1発
・S「おいかぜ」時最速『こだわりスカーフカイオーガ抜き
・S(-1)最速カミツルギ抜き
「ふんか」でモロバレルをなるべく一撃で倒すためにC特化。「おいかぜ」下で立てることがほとんどなのですばやさは最低限とし、残り攻撃。


●持ち物
タイプが地面しかなく、不一致炎技の火力が足りないので『いのちのたま』。晴れとアイテム補正により、実質控え目ゲンシグラードンと同等威力の「ふんか」が撃てる(反動ダメージで徐々に威力が減るので、同等なのは初撃だけなのに注意)。勿論攻撃面も強化され、実質意地っ張りゲンシグラードンと同等の「だんがいのつるぎ」が撃てる。攻撃面だけ見れば実質ゲンシグラードン以上だが、相手の攻撃を耐えることは考えていない。本パーティのように非常に前のめりなパーティにしかマッチしない構成であろう。



ガオガエンとつげきチョッキ 〔いかく〕
意地っ張り 181-183-111-**-111-101
ねこだまし フレアドライブ はたきおとす けたぐり


●技構成
ねこだまし
対トリパでの時間稼ぎ、ゼルネアスのサポート用。

フレアドライブ
草や鋼への打点。晴れとの相性も良い。

・はたきおとす
エスパーへの打点。ピンチベリー等を落として耐久キャラの対策も。

・けたぐり
ツンデツンデディアルガ、同族を意識して採用。


努力値配分
・A最大
・S「おいかぜ」で最速130族抜き
・残りHP
ゼルネアスと並んで多くの相手を倒し切るアタッカーとしての役割を重視した配分。サポートに回っても最低限のサイクルは回せるのが偉い。


●持ち物
アタッカーとしての火力を保ちつつ耐久を上げて雑に出して扱える『とつげきチョッキ』。



モロバレル@ウタンのみ 〔さいせいりょく〕
生意気 221-**-103-105-132-31
キノコのほうし いかりのこな くさむすび イカサマ


●技構成
・キノコのほうし
採用しない理由がない最強技。トリパに出して嫌がらせする。テテフもセットなので通しやすい。

・いかりのこな
主にゼルネアスを守る役目で使う。

くさむすび
トリルからのグラカイ意識の削り技。

イカサマ
トリルしてくるネクロズマソルガレオルナアーラ意識の採用。


努力値配分
・A222グラードンの晴れ「ほのおのパンチ」確定耐え
・C183(+2)ゼルネアスの「ムーンフォース」高確率2発耐え
・S最遅
サポート役のため耐久特化。トリパに出すことを想定して最遅。


●持ち物
トリパに出す都合、トリル役のエスパータイプにすぐ処理されないように『ウタンのみ』。



【選出】
●基本選出
先発:カプ・テテフ+フワライド
後発:ゼルネアス+グラードン


本パーティの9割以上を占める選出。基本選出で通常のゼルネアス対策の多くをカバーしているので、ゼルネアスを通しやすい。
「おいかぜ」で上を取った状態でグラゼルネを並べて、「ふんか」や「だんがいのつるぎ」で両縛りしつつ「ジオコントロール」を通せばほぼ勝ち。
グラゼルネの並びを作る上で、フワライドの「おきみやげ」による自主退場がキーとなる。「おきみやげ」で能力を下げた相手は放置しても問題ないので、グラで両縛り出来なくとも片方を倒しつつ安全に「ジオコントロール」を積める盤面は多い。



●対トリパ
先発:ガオガエン+ゼルネアス
後発:モロバレルグラードン


「ちょうはつ」だけでは止められないようなガチトリパ(「いかりのこな」や「このゆびとまれ」入り)相手にはテテフライドの先発は諦める。
ガオガエンモロバレルのサイクルでターンを稼いでゼルネアスを守りきるか、グラードンで上から圧力をかけて立ち回る。



【雑感】
・基本選出が強いパーティは選出段階で考えることが少なくて楽
・立ち回りも単純明快で、連戦にも向いている作業パーティになっている
・テテフライドが相手の上を取る戦法でかなりの汎用性を誇ることが分かった。
・ゼルネアス対策が機能しない状態でのゼルネアスはやはり強い
・実質ゲンシグラードンがめちゃくちゃ強く、初めて捕獲したグラードンがうっかりやでも後悔はなし(後に意地っ張りが欲しくなる)
・残り2枠がありきたりで、悪くはないのだが完璧とは言い難い完成度
・トリパへの耐性が甘い点、特にスイッチによるトリル展開はグラゼルネの集中攻撃で何とかするしかないのが穴